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[インタビュー]「Apex Legends」開発陣が語る,5年目を迎えた人気シューターの現状と今後の展望
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印刷2024/02/27 08:00

インタビュー

[インタビュー]「Apex Legends」開発陣が語る,5年目を迎えた人気シューターの現状と今後の展望

 2024年2月24日・25日の2日間,千葉・幕張メッセにて,Electronic ArtsのバトルロイヤルFPS「Apex Legends」PC / PS5 / Xbox Series X|S / PS4 / Nintendo Switch / Xbox One)の大型オフラインイベント「APEX LEGENDS ASIA FESTIVAL 2024 WINTER」が開催された。

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 会場には多数の来場者が詰めかけ,大きな賑わいを見せていたが,本作の開発を担当するRespawn Entertainmentのクリエイターへのメディア向け合同インタビューも行われた。
 今回のインタビューに応じてくれたのは,本作のシナリオやキャラクターのストーリーなどを担当しているAshrey Reed氏(Narrative Lead),最新シーズンのレジェンドアップグレード,アーマー変更などのゲームデザインを担当したJohn Larson氏(Game Designer)だ。

(左から)Ashrey Reed氏,John Larson氏
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 5年目を迎えた人気シューターのことはもちろん,日本のプレイヤーに対する印象なども聞いているので,プレイヤーもファンもぜひ目を通してほしい。

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──本日はよろしくお願いします。お二人ともユニフォーム(会場内で販売されていた「東京」と文字が入ったベースボールシャツ)が素敵ですね(笑)。

Reed氏Larson氏
 あはは(笑)。ありがとう。

──とてもお似合いです(笑)。最初の質問ですが,日本のプレイヤーの印象や特徴のようなものがあれば教えてください。

Reed氏:
 私はローンチ前からプロジェクトに携わっていますが,正直に言うと,ここまで日本の皆さんに愛していただけるゲームになるとは想像していませんでした。非常に高い人気を獲得していることに驚いています。

 その上で,やはり日本のプレイヤーの皆さんの印象を語るなら,「情熱」というキーワードが当てはまると思います。今日は朝から会場に来ていますが,ものすごい数のファンの皆さんが来てくださいました。素晴らしいコスプレイヤーの皆さんも見られましたし,ファンの「情熱」を一層強く感じましたね。

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Larson氏:
 私もAshreyと同じ意見です。補足をすると,YukaF選手(FNATIC)のALGSでのプレイスタイル,ムーブメントにはとても感動しました。Apex Legendsは戦闘だけでなく,さまざまな要素によって勝者を目指すゲームですが,彼のプレイは非常に特徴的。今でもたいへん印象に残っています。

──これまでの開発や運営において,印象的なエピソードを教えてください。

Reed氏:
 皆さん,ご存じだろうと思いますが,Apex Legendsはマーケティング(宣伝)というものをほとんどすることなく,世に送り出したゲームでした。「出したよ! みんな遊んで!」という感じでね(笑)。

 ただ,そこからすぐに人気になって,ローンチから1週間で「こんなにも,たくさんのプレイヤーが遊んでくれている!」と楽しくなりました。2週目もプレイヤーは増え続けましたが,そこからは「このゲームをもっと素晴らしいものにしなくてはいけない」という焦りや恐怖じみたものも感じました。
 しかし,この期間は本当に一瞬で,作品を大きく成長させることができたと思います。

Larson氏:
 Ashreyほどの素晴らしい体験ではないですが……(笑)。シーズン7か8の時期に,クリプトのドローンにシーラ(ランパートのアルティメット)が乗るというバグがあり,aceu(現Sentinels所属のストリーマー)の配信を観たら,戦闘機同士でドッグファイトをしているようでした。Apexではない,まるで別のゲームのような光景になっていたのが,今でも記憶に残っています(笑)。

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──お二人の好きなレジェンドと武器を教えてください。

Larson氏:
 いろいろなレジェンドを使っていますが,最初に好きになったのはレイスです。2万5000キルくらいになっていると思います。好きな武器は,ピースキーパー,R-301,ウィングマンかな。Apexのアイコニックな武器でもありますからね。

Reed氏:
 (シナリオライターの私にとって)すべてのレジェンドは子供とも言える存在ですが,やはり一番思い入れがあるのは,最も多く携わったローバになると思います。実際のプレイではローバのほか,ライフライン,クリプト,カタリストなども使用しています。
 武器はやっぱりR-301。いつでも裏切らないですし,信頼できる武器なので。ただ,初めて敵部隊(3人)を壊滅させたときに使っていたのはモザンビークでした(笑)。

Larson氏:
 私がApexで初めてキルを取った武器もモザンビークだった(笑)。

──レジェンドのストーリーを考えるとき,大事にしていることはなんでしょうか。

Reed氏:
 やはり人間性の部分です。彼らはヒロイズムを持ち合わせた英雄ですが,プレイヤーに共感してもらえる,共有してもらえる部分があることを示したいと考えています。分かりやすい例だと,ホライゾンの「離れ離れになった息子に会いたい」というキーワードは,誰しもが共感を覚える面ではないでしょうか。

 ゲーム内の掛け合いも注力している部分ですが,これは世界観にとって重要な要素の1つであり,私の大好きな部分でもあります。プレイヤーの皆さんに注目してもらえて,いいリアクションを受け取れていることがうれしいです。

──練り上げられたストーリーに大きな魅力を感じているプレイヤーも多いと思いますが,そのストーリーに「一区切り」を付けるような考えはありますか。

Reed氏:
 Apexが終わるってこと?(笑)。これは冗談ですが,もちろんライターとしてストーリーには「始まり・山場・終わり」を意識して執筆しています。もちろん,この流れを終わらせたくはありませんし,長く続ける努力をしていきたいですね。

──先日の「APEX LEGENDS & FINAL FANTASY VII REBIRTH」に続く,新たなコラボイベントを検討していますか。

Reed氏:
 本当に素晴らしい,スクウェア・エニックスさんとのコラボレーションだったと思います。私自身,子供のときから「FINAL FANTASY」シリーズが大好きなので,「長年の夢が叶った」体験でした。プレイヤーからのフィードバックも好評だったので,今後も他作品とのコラボレーションを検討したいと思います。

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──最新シーズン「ブレイクアウト」では大幅なアップデートを実施しています。今回の大規模な変更は,どのような意図を持っていたのでしょうか。

Larson氏:
 新レジェンドの登場はありませんので,ゲームの多様性や面白さに注力する形になっています。既存のプレイヤーに刺激を与えつつ,さまざまな層のプレイヤーの視点を取り込んでアップデートを行いました。

──アーマーの仕様変更は大きな注目を集めました。

Larson氏:
 本作はバトルロイヤルであり,ランダム性という要素は欠かすことができません。ですが,同時に競技的であり,プレイヤーのスキルを発揮できるゲーム性も特徴です。ランダム性は残しつつ,その影響を抑える目的でアーマーの仕様変更を検討しました。

Reed氏:
 初めて見たときはとても驚いたけれど,とてもいいアイデアだと感じました。

──コンシューマ機版の120fps動作時,画質が低下する問題が報告されています。こちらの対応はいかがでしょうか。

Larson氏:
 開発チームでも問題は認識しているので,早急な対応を目指しています。

──5年目を迎えて成熟してきた感もありますが,常にプレイヤーへ新鮮な体験を届けるために心がけていることを教えてください。

Larson氏:
 もちろん,コアな体験はバトルロイヤルですが,そのほかのモードでもプレイヤーに新鮮な体験を提供できていると考えていますし,我々も意義を感じています。「より多くのプレイヤーに楽しんでもらう。刺激を感じてもらう」という点は,我々も重要視している部分です。

Reed氏:
 過去にはPvEモードを実装し,また「Apex LegendsというIP,世界観を拡張する」という取り組みを行っています。今後もさまざまな取り組みを行っていきたいと思います。

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──「ブレイクアウト」が始まって1週間以上経過しました。プレイヤーからのフィードバックや開発チームのエピソードなどがあれば,ぜひ聞かせてください。

Larson氏:
 開発チームでは数か月前から新しいシステムのテストを行っていましたが,その期間にも現行のシステムでプレイすると「やっぱり新しいほうがいいな! 早く実装したいな!」と思っていたんです。そして,いよいよ新たなシステムが実装されると,プレイヤーの皆さんの反応が我々と同じものだったので,「でしょでしょ!」という感じでした(笑)。

Reed氏:
 プレイヤーの皆さんが驚いてくれたり,喜んでくれたりすると,我々もすごくパワーをもらえます。「ブレイクアウト」のトレイラー発表時,多くの皆さんにそうした反応をいただけたのは本当にうれしくなりました。

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