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「龍が如く0」に出てくる,おでんの大根がうまそうな件。俺のコラボカフェ:Menu 070
4Gamerをご覧の皆様こんにちは。クッキングエンターテイナーの大西哲也です。様々なゲームに出てくる料理をプロの料理人が本気で作ったり,プロ目線で勝手に検証して発表したりする「俺のコラボカフェ」。今回もよろしくお願いします。
これから冬を迎え,温かい食べ物が恋しくなってきますね。
鍋やしゃぶしゃぶなんかもいいですが,おでんは欠かせないのではないでしょうか。ゲームに登場する「おでん」といえば,皆さんにも忘れられないエピソードがあるはずです。私にとっては,「龍が如く0 誓いの場所」で真島吾朗と佐川 司が食べていた「おでん」ですね。
龍が如く0は2015年に発売されました。シリーズを通じて,裏社会に生きる男たちの熱いドラマや迫力のあるアクションも人気ですが,料理がリアルで美味しそうに描写される「飯テロ」ゲーとしても注目しています。
以前の俺のコラボカフェでも「豚汁」と「黒焦げのホルモン」の再現/検証をしていますので,こちらもぜひご覧ください。
さて,今回のおでんも心に響くエピソードとともに登場します。
「こんなご時世だ。10万するフグの懐石だの 100g 1万する松阪牛だの何だの高えモンはあらかた食ったけど…こんなボロい屋台の80円の大根が1番うめえ」
「金ってのは一体何なんだろうな」
お互いに因縁を抱えながらも,おでんとともに語り合う二人がとても印象的であり,かなり考えさせられるシーンです。皆さんも同じような気持ちになったことがあるのではないでしょうか。家の近くの居酒屋の料理,地元の小さなラーメン屋のなんてことのないラーメンが一番おいしいと感じたことが私にもあります。
飲食店経営の経験則から分析すると,これは思い出補正だけとは言えないのではないかと思います。高級店の高級たるゆえんは,食材の原価だけではなく,家賃や什器類などにもお金がかかっていることにあります。その点,屋台や小さな店はそれらを最小限に抑え,安い食材でお客様に喜んでもらうために技術とセンスを磨き,至高の域に達した料理を出しているのでしょう。
少し話が壮大になりましたが,おでんの大根はその代表格で,小さな手間の積み重ねでクオリティを高められる料理です。皆さんの人生にも小さなドラマを作ってくれる,そんなおでんの大根を作ってみましょう。
実食
完成しました。身に沁みる味です。煮込み時間は少ないですが,丁寧な下処理のおかげで大根は柔らかく,味もしっかりと染み込んでいます。
しかし,作品中に出ていたおでんはもっとしっかりと染み込んでいそうだったので,さらに長時間弱火で煮込んでいるのでしょう。
龍が如く0は1988年頃の日本が舞台で今よりも物価が安いとはいえ,80円で丁寧な仕事をしていたと考えると,親父さんの心意気には頭が下がります。
今回のテーマはいかがでしたでしょうか? 面白いと思ったり,実際に試したりした人は「#俺のコラボカフェ」「#COCOCORO」といったハッシュタグをつけてSNSに投稿してくれると嬉しいです。
それでは,また会いましょう。したっけ!
■■大西哲也(クッキングエンターテイナー)■■
あるときは,料理研究家,またあるときは,「COCOCOROチャンネル」のYouTuber,しかしてその実体は……,料理を通じて多くの人を喜ばせたいと日々奮闘する,クッキングエンターテイナーだ!シェフの出身の田舎町では,おでんを作っている店はあまりなく,子ども時代にテレビやアニメに出てくるおでんは憧れだったのだとか。都会に出てからはコンビニで手軽におでんが食べられる時代になって一時期は毎日食べていたそう。いい時代になりましたね。
※次回の掲載は2024年12月28日を予定しています
- 関連タイトル:
龍が如く0 誓いの場所
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