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プレイレポート
「パンツァードラグーン:リメイク」プレイレポート。細かい違いはあれど,全方位戦闘の緊張感とロックオンレーザーの爽快感はそのまま!
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舞台となる惑星の人類は,かつては高度な文明を築き上げていたが,なんらかの理由で衰退。人々は自らが作り出した生物兵器「攻性生物」の影に怯えながら,黄昏の時代を迎えていた。
だが旧文明の遺物を発掘した「帝国」やその周辺国家が勢力を伸張し,人類の置かれた状況は変わり始めた。遺物の力は攻性生物の末裔たちを駆逐していったが,同時に人同士の争いをも激化させる。さらなる力を求めた帝国は,帝都の近海に沈む「塔」を発見し,その起動実験を開始した。
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一方,帝都から遠く離れた辺境では,青年カイルが黒い竜と青い竜の熾烈な空中戦を目の当たりにしていた。武運拙く胸を射抜かれた青い竜の乗り手は,その記憶と青い竜をカイルに託す。こうして,カイルは青い竜の乗り手となり,黒い竜と「塔」の邂逅を阻止するために大空を翔けることとなる。
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本作のオリジナル版が登場したのは1995年3月。セガサターンの発売から約4か月後,いまだ次世代機戦争の趨勢の見えない頃であり,ゲームの表現が一気に拡大した時代でもあった。
本作を語るうえで外せないのは,その特異な世界観とビジュアルの魅力だろう。「風の谷のナウシカ」や「デューン/砂の惑星」,そしてフランスのメビウスが手がけたバンド・デシネ(フランス語圏のコミックの総称。映画的な表現を意識した作品が多い)「アルザック」を連想させるビジュアルワークは,ゲーマーたちに強烈なインパクトを与えたものである。
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1995年当時,ポリゴンを使用した3Dシューティングは,SFものやミリタリーものが大半だった。アーケードゲームの「バーチャファイター2」「鉄拳」などで,ポリゴンとテクスチャーを使った人体の表現がようやく始まった程度だ。キャラクター2体とステージを描画すればいい格闘ゲームとは異なり,多くのキャラクターや地形を描く必要のある3Dシューティングでは,まだまだメカや兵器などの無機的なものを描くことが多かったわけである。
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そんな中に突如現れた「パンツァードラグーン」に登場する生物的とも無生物的とも受け取れる攻性生物たちや,水没した都市,朽ちた遺跡,夜の都市などを描いたステージ群は際立った表現であり,次世代機による新たな時代の到来を実感させてくれた。
また,作中では背景世界について饒舌には語られなかったことで,ビジュアルが生みだす神秘性が一層増していたのかもしれない。
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ゲームとしての面白さも申し分なく,「遠距離で敵編隊をロックオンして撃墜,撃ち漏らしを機銃で処理する」という「アフターバーナーII」をより遊びやすく発展させたような爽快なプレイ感があった。さらに3DCGであることを活かした全周囲からの敵の攻撃があることで,立体空間で戦っている臨場感を存分に味わうことができる。
なお,これらの革新的な魅力をブラッシュアップした続編が「パンツァードラグーン ツヴァイ」であり,ゲーム部分の完成度の高さ,抑制の効いたストーリテリングでシリーズの人気を確固なものとしたのだが,それはまた別のお話である。
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……と,つらつらと書き連ねてきたが,当時筆者は「こんな3Dシューティングを家で遊べるなんてスゲエ! しかも超爽快で面白い!!」みたいなノリでこのシリーズにハマっていったわけだ。
ビジュアルはリメイク,プレイフィールはリマスター
さて今回の「パンツァードラグーン:リメイク」だが,そのプレイフィールはかなりオリジナルに近い。敵の登場パターンなどもほぼ同じで,「この場面ではまず右側にカメラを向けて敵編隊を出現と同時にロックオンして落とし,次はカメラを前方に戻し……」といった具合に,オリジナルで培ったパターンを活かして遊べる。
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筆者のおぼろげな記憶でもそれは可能で,初プレイから快調に先へ進んでいくことができたのだが,それもステージ3のボスまでの話。
筆者はオリジナル版でもステージ3のボスの第一形態(巨大な羽を回転させてくる)が苦手だったのだが,やはり「リメイク」でもここで手間取り,大きなダメージを受けてしまう。人はいつまでたっても同じ過ちを繰り返す……などと,妙な感傷にふけることとなった。
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そして3面で受けたダメージが遠因となり,ステージ4のボス戦でついにゲームオーバー。初めてコンティニューのお世話になってしまう。あまり言い訳はしたくはないものだが,4面のボスの当たり判定が大きくなっているようだが気のせいだろうか? それとも自機の判定が大きくなっているのか……。
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と,細かい部分では色々指摘したくなる部分もあるのだが,今回のリメイクは全体としてはオリジナル版を尊重したもので,プレイフィールはかなり近いと感じた。せっかくの機会なので,久々にセガサターンを引っ張り出してオリジナル版とも遊び比べてみたが,敵の登場タイミングなどはほぼ一緒。「リメイク」でも敵の出現ポイントに照準を置いておき,出現と同時にロックオン,大半の敵を叩き落とすあの気持ちよさを味わえる。
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ただ,これはオリジナル版も含めての話だが,ショットの照準が弾道に合わせて近距離,中距離,遠距離にそれぞれに表示されるフライトシム系のもので,狙いをつけるのに少し慣れがいる。近距離の照準が敵に合っていても,遠距離では照準が外れているということがよく起こるのだ。
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この照準の仕様は,続編の「ツヴァイ」「オルタ」などでは変更されており,より感覚的に,照準の合った場所に弾が当たる方式に変わっている。また続編ではショットに連射アシストがついたり,難所でボムのように使える「バーサク」なども追加されたりしているため,それらの作品を経た今は,セガサターン版の「パンツァードラグーン」と今回の「リメイク」は若干敵を倒しにくく感じる。
今回の「リメイク」はオリジナルの手触りを残そうとしているがゆえに,初代の記憶が薄れた状態でプレイすると,その手触りそのものが気になってしまう可能性がある。またリメイク版はオリジナルとの画面の解像度の違いが影響しているのか,照準の判定も比較的シビアな傾向があった。
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そもそも,初代「パンツァードラグーン」はゲームとしての難度も高めで,序盤の面からプレイヤーを殺しにくる。だからこそ,アーケードゲームのようなシビアな緊張感を味わえるのが魅力ではあるのだが。
なお,オリジナル版と比較して明らかに遊びやすくなったポイントがフレームレートの高さである。背景や敵がチラつかないため,戦いにより集中しやすくなっている。
もちろんグラフィックスも鮮明になり,「ここに出てくる敵は攻性生物ではなく帝国の戦車だったのか」「飛行戦艦の甲板の機銃は人間が撃っていたのか」などと,個人的な発見があったのも楽しいポイントだった。
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反面,オリジナルのくすんだような色使いや風合いが変化しているので,昔の印象を残したまま美しくなっている,というわけではない。
またオリジナル版は,地形が比較的近い距離からポップアップしたり,ドットで描かれた敵弾が急接近してきたりと,現在の基準から見れば「粗い」部分も多々あるのだが,粗いからこそ生まれる迫力やスピード感というものもあった。リメイク版では背景が遠景まで描かれるようになっているため,当然このあたりの感覚も変わってくる。
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ただ,こうした違いは作品への理解不足によって生まれたのではなく,解釈や感性の違いと思える範囲のものである。前述したプレイフィールから考えるに,本作がオリジナルのセガサターン版を尊重していることは明白だ。
グラフィックス面では新たな解釈を加えた「リメイク」だが,その遊びごたえは「リマスター」寄りと言えるのが,この「パンツァードラグーン:リメイク」だろう。とくにオリジナルのパターンが指に残っているゲーマーにとっては,細部の違いを発見することも含め,楽しめる作品であることは間違いない。
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「パンツァードラグーン:リメイク」ストアページ(ニンテンドーeショップ)
「パンツァードラグーン:リメイク」公式サイト
- 関連タイトル:
パンツァードラグーン:リメイク
- 関連タイトル:
Panzer Dragoon: Remake
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- プレイレポート
- ライター:高橋祐介
- PC:Panzer Dragoon: Remake
- PC
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