プレイレポート
SRPGのスパロボがスマホで登場! 漫画版デビルマン,ゼーガペイン,ヴァルヴレイヴ,鉄血のオルフェンズが新規参戦する「スパロボDD」を先行プレイ
本作は,言わずと知れたシミュレーションRPG「スーパーロボット大戦」シリーズのスマホ向け最新作で,ローンチ時は日本,台湾,香港,マカオでの同時配信が予定されている。今回はスマホ向けに最適化されたというゲームシステムが,一体どのように構築されていたのかを,インプレッションとともに紹介していこう。
「スーパーロボット大戦DD」公式サイト
※以下,先行プレイテスト時のバージョンをもとに執筆しています。正式版とは仕様が異なる可能性があります。
スパロボDDの新規参戦は4作品
シリーズファンには釈迦に説法であるが,まず最初にスパロボの魅力を簡単にまとめておくと,以下のようになる。
・本格的なシミュレーションバトル
・ロボットやキャラクターの成長要素
・機体がグネグネ動く戦闘アニメーション
・多数の参戦作品が織り成すクロスオーバー
・男子の心にグッとくる!
どれかひとつでも魅力に感じたのなら,あなたは適正値が高いだろう。
スパロボDDには全23作品が収録されており(※現時点での発表情報),そのうち「デビルマン(原作漫画版)」「ゼーガペイン ADP」「革命機ヴァルヴレイヴ」「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」がシリーズ新規参戦となる。
しかし,後者の3作品は想像しやすいが,デビルマンとはまた思いきったものである。デビル巨大化などの映画的な必殺技でもなければ,順当にユニットサイズSSでの参戦だろうか?
デビルマン(原作漫画版)【★】
鋼鉄ジーグ
真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日
マジンカイザー
超電磁ロボコン・バトラーV
超電磁マシーンボルテスV
聖戦士ダンバイン
装甲騎兵ボトムズ
蒼き流星SPTレイズナー
勇者王ガオガイガー
コードギアス 反逆のルルーシュ
ゼーガペイン
ゼーガペイン ADP【★】
革命機ヴァルヴレイヴ【★】
機動戦士Ζガンダム
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
機動戦士ガンダムSEED
機動戦士ガンダム00
機動戦士ガンダムUC
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ【★】
フルメタル・パニック!
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
※【★】は新規参戦作品
(C)カラー
(C)サンライズ
(C)SUNRISE/VVV Committee, MBS
(C)SUNRISE/PROJECT GEASS Character Design
(C)2006 CLAMP・ST
(C)サンライズ・プロジェクトゼーガ
(C)サンライズ・プロジェクトゼーガADP
(C)創通・サンライズ
(C)創通・サンライズ・MBS
(C)ダイナミック企画・東映アニメーション
(C)東映
(C)永井豪/ダイナミック企画
(C)1998 永井豪・石川賢/ダイナミック企画・「真ゲッターロボ」製作委員会
(C)2001永井豪/ダイナミック企画・光子力研究所
本作のオリジナル主人公およびヒロインは,イラストレーターのヤスダスズヒト氏が手がけており,主人公機体「ディーダリオン」に関してはこの界隈ではお馴染み,大張正己氏が担当している。
ディーダリオンは,地球外の未知のテクノロジーで作られた20m級の人型兵器で,意思をもって人と対話できる。歴代の主人公機体と比べると,「第3次スーパーロボット大戦α」の「雷鳳」などはとくにヒロイックなデザインの傾向にあったが,今回の「ディーダリオン」はそれともまた違う路線でファンタジック感がある。足元の斜影とかカッコよすぎるだろう。
主人公「ディド」 デザイン:ヤスダスズヒト CV:阿座上洋平 |
ヒロイン「大門恵留」(だいもんめぐる) デザイン:ヤスダスズヒト CV:長久友紀 |
サブヒロイン「ユンナ・ドーソン」 デザイン:鈴木勘太 CV:上田麗奈 |
主人公機体「ディーダリオン」 デザイン:大張正己(STUDIO G-1 NEO) |
ヒロイン機体「メラフディン」 デザイン:明貴美加 |
サブヒロイン機体「グラフディン」 デザイン:寺岡賢司 |
物語は,西暦2021年の南極大陸日本領からはじまる。南極氷床調査隊「MART」(マート)に所属する大門恵留(愛称,メグ)は,記憶を失った“天空の巨人”ことディーダリオンと対話しながら戦闘実験を行っていたところ,ディーダリオンの過去を知る謎の存在,アンギルオンらに襲撃された。そこでの戦闘でディーダリオンは深手を負い,暴走した力によって時空を飛び越え,どこかへと消え去ってしまう。
その後は各作品の世界に移行するが,メグと再び出会ったときにまたもや記憶をなくしているディーダリオン,主人公ディドに関してもある程度ストーリーが進行してからの登場となる導入部が珍しい(※ディーダリオンは自身の意志で動いている)。しかし,このディドは予想は容易ながらも,ゾクゾクしてしまう背景を持っているので,ディドとメグとディーダリオンの関係からは,説明も無粋なくらいのスーパーロボット感を堪能できることだろう。
ゲームの進行は,それぞれの参戦作品が振り分けられている4つのワールドからひとつを選び,ステージを進んでいくというものだ。序盤のストーリーは選択したワールド内で進行し,やがてほかの世界の参戦作品が合流する仕組みだという。要はゲームスタート時の恒例でもある「スーパー系か,リアル系か」の選択みたいなことである。
なお,機体やパイロットはゲーム進行に合わせて自動で入手できるが,どのワールドを選んでも結果的に「特定のなにかが入手できない!」といったことにはならないらしい。ワールド選択はあくまで“好きなロボットを早めに入手できる”という指標であるようだ。スパロボにおいて取捨選択はわりと常であったので,ちょっと嬉しい。
バトルでは4機体をひとつの編成として,ミッションに出撃する。機体には「1つの通常攻撃」「ステータス」などがそれぞれ設定されている。従来作品のように多数の武装の中から攻撃方法を選択するというのは,さすがに快適なプレイになりづらいという判断であろうか。まぁ,分かりやすくて悪くない。
とはいえ,それ以外の攻撃も存在し,ガチャなどで入手できる「ユニットパーツ」を装備すると追加される。ユニットパーツは,ステータスやアビリティを付与できる最大5つまで装備可能なアイテムで,機体に合ったユニットパーツを付けると「必殺技」が,機体に合ったキャラクターアイコンのユニットパーツを付けると「特殊演出」が発生する。
つまり「ゴルディオンハンマーは,マジンカイザーに付けてもステータス上昇のみだが,ガオガイガーに付けるとステータス上昇+ゴルディオンハンマーが使用可能になる」,「ガオガイガーに大河長官を付けると『発動、承認!』の特殊演出がつく」といったことである。ただし,演出には通常と専用があり,まったく縁がなかろうと「アルバトロ・ナル・エイジ・アスカをミネバ・ラオ・ザビが応援」などもできる。理想のクロスオーバーを実現してしまおう。
・必殺技の有無(装備可能な必殺技は1つのみ)
・特殊演出の有無
・ステータスの上下
・アビリティの有無
※装備した機体に合っているか否かで,効果が変化する
先行プレイテストで体験できたワールド2では,オリジナル勢の活躍をはじめ,チェンゲからガオガイガー,ユニコーンにエヴァンゲリオンなどが登場する。各作品の参入シナリオについては心機一転の現れだろうか,出会いをスタートとして描かれていく。
スパロボをやったことがない人には,自然と楽しめるオーソドックスなスタイルだが,シリーズファンにとっては予定調和な展開に映るかもしれない。しかし,その予定調和を望むのもまたスパロボであるし,いつもどおりの面白さが保証されているとも言える。それに,たとえ何作やったところでボルテスVの正念場は最高なのだ。
さて,スパロボDDのバトルシステムを見ていこう。本作はコンシューマ版と同様にマップがあり,マス目があり,機体を動かして敵と戦っていくスタイルだ。バトルとシナリオが織り交ぜられたステージ内では,一連のミッションをこなすまで機体HPの減り具合が維持されるところや,セーブ&ロードができない本気の命中率勝負に挑むところから,スパロボDDのガチ具合がうかがえる。
ゲーム内には当然のように「精神」コマンドが存在しているほか,10上がるごとにステータスが上昇する「気力」,命中率などが変動する「地形効果」,与ダメージや回避率に影響する「機体サイズ」,攻撃をつなげるとダメージが上昇する「チェイン」なども完備されており,操作性のシンプルさを追求しつつも,機能面は本家に寄せているのが見て取れる。
また戦闘デモのON/OFF,ユニットの移動・行動のAUTO,シナリオパートのAUTOなどを組み合わせれば,片手間でも十分遊べるようになっている。AUTO時は必殺技や精神コマンドを使ってくれない仕様なので,遊んでいれば自然と使い分けもできることだろう。なにより,画面タップで戦闘デモをカットできるのが非常にありがたかった。
従来のシリーズ作品では,敵味方の行動は陣営ごとのターン制となっていたが,今作では“スピードが速い順に行動”する,アクティブターン制とでも呼べるシステムが採用されている。自由な順番で動かせないからこそ,考えなければいけないことも生まれているし,スピードには機体サイズも影響するため,攻撃特化の巨体がウリなロボットだけが幅を利かせることはない。決して無視できない要素として,うまくかみ合っている印象だ。
そのほか,スパロボDDの特徴として「ブレイクゲージ」が存在する。このゲージが存在する敵(ボスなど)は,こちらの攻撃のダメージを軽減してくる。ゲージは攻撃時に若干減少するが,相性のいい機体だと減りが大きくなる。つまり“属性の概念”である。これにより編成の醍醐味が楽しめるのだろう。現状,ミッションの難度が低くてもボスがとても強いので,甘えすぎは禁物であった。
育成関連はパイロットのレベルアップのほか,ユニットパーツの強化,機体の改造,精神コマンドの取得が挙げられる。パイロットのレベルはミッションクリア時に得られる経験値で上げていくが,それ以外の強化,改造,精神に関しては「素材」を要求される。この素材はイベントミッションなどで獲得できる仕組みだ。
プレイ感覚としては,通常攻撃が1つしかないので攻防を簡素なものに感じてしまうのは否めない。ただし,「制限されているからこその面白さ」を増幅させるための多彩なシステムや,こちらも1つしか付けられないからこそ選択に悩む必殺技など,スパロボの骨格を保ちながらもやりやすさを目指しているゲームとしては,完成度が非常に高く感じられた。
それにあくまでこじつけだが,「サイフラッシュだけでよくね」「超電磁ヨーヨーのデモしか見たことない」「ターボスマッシャーパンチ以外,使うの?」など,誰にでもなにかしら“1つ2つしか使わない現象”に覚えはあることだろう。私もスパロボ開発チームが渾身の想いで作った戦闘デモに対する嘆きをよそに,気づいたら大体そうなっている。
つまるところ,ファンのプレイ状況を汲み取り,攻略の行きつく先とスマホならではを融合した形が,このスパロボDDなのではないだろうか?――という論旨は置いとくとしても,もうひとつ体験できたイベントクエスト「忌まわしき記憶と共に」では,名称で想像つくとおり,逆襲のシャアの高難度ミッションを体験できたが,これがまた普通に難しかった。ちゃんと育成する,ちゃんと考える部分はしっかりと確保されているので,ご安心を。
なお,本作に先行して発表された,コンシューマ版の最新作「スーパーロボット大戦T」(地球を意味する“TERRA”のT)は,2019年3月20日にPS4 / Switch用ソフトとしての発売が予定されている。こちらには「楽園追放 -Expelled from Paradise-」「カウボーイビバップ」「わが青春のアルカディア 無限軌道SSX」「魔法騎士レイアース」の新規参戦が発表されており,スパロボDDとはまた違う期待感を湧かせてくれている。
先日公開されたPVのように,シリーズ最新作が出るたびに参戦機体の戦闘アニメーションを思わず見通してしまうのは,ファンにとってはもはや風物詩だろう。間もなく迎える2019年に思いを馳せつつ,DDとTを冠する新たなスパロボのことを記憶してほしい。
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