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RuneQuest: Roleplaying in Glorantha公式サイトへ
  • FrogGames
  • Chaosium
  • 発売日:2018/06/01
  • 価格:6185円(税込)
    ※日本語版が2023年秋に発売予定
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D&D5eの立役者の参戦で「RuneQuest」に何が起こるのか。Chaosium会長のJeff Richard氏に聞く,これからの20年【読者プレゼントあり】
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印刷2024/08/31 12:00

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D&D5eの立役者の参戦で「RuneQuest」に何が起こるのか。Chaosium会長のJeff Richard氏に聞く,これからの20年【読者プレゼントあり】

 日本では「Call of Cthulhu」(邦題:クトゥルフ神話TRPG / 以下,CoC)や「RuneQuest」(以下,RQ)といったテーブルトークRPGの開発元として知られるChaosiumは,Gen Con 2024においても最も注目を集めていた企業の一つだ。そんな同社のChair(会長)を務めるJeff Richard氏に,同社ブースで話を聞くことできたので,その模様を紹介する。

ChaosiumのChairを務めるJeff Richard氏。同氏をつかまえることができたのは,Gen Conも最終日である4日目の午後のこと。「Gen Con最終日は慌ただしいよね。スケジュールもなにもかも,もうメチャクチャだよ」と言いつつ,激烈多忙な中,取材のために時間を割いてくれた
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 なおRichard氏へは,2018年の「SPIEL'18」でも再始動した「RuneQuest」について話を聞いているが,それから6年が経過し,いよいよ日本語版の展開が見えてきた。日本語版「ルーンクエスト スターターセット」がFrogGamesから2023年12月に発売され,次はいよいよコア・ルールブックの発売……といったタイミングである。
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 日本において最もプレイされているTRPGといえば,やはり「クトゥルフ神話TRPG」だろう。SPIEL'18では,同作のデベロッパであるChaosiumもブース出展しており,Vice PresidentのJeff Richard氏に話を聞くことができたので紹介しよう。なお話題の大半は,2018年に再始動した「RuneQuest」についてなので,前もってご了承いただきたい。

[2018/10/30 15:25]
 そんな日本語版の大きな動きを控えた節目である今,本国アメリカではどんな構想を考えているのか。Richard氏は「今はまだ話せない」と言いながらも,持ち前のサービス精神でヒントを連発してくれたのでお楽しみに。また記事末には読者プレゼントもあるので,Chaosiumファンは期待しつつ,読み進めてもらえたら幸いだ。

「RuneQuest: Roleplaying in Glorantha」公式サイト

「新クトゥルフ神話TRPG」公式サイト



CoC関連製品で賑わうChaosiumブース。2024年後半にはRuneQuestの新展開も?  


4Gamer:
 お時間をいただきありがとうございます。まず今年のGen Conについて聞かせてください。手応えはいかがですか?

Jeff Richard氏(以下,Richard氏):
 それが,いきなり初日に「財布」が売り切れてしまってね。もう絶好調だよ!

4Gamer:
 えっ,財布ですか?

Richard氏:
 CoCのWallet(財布)を販売したんだけど,これがとても人気でね。本物の革財布に,いろいろなハンドアウトが詰まった“小道具(プロップ)”なんだけど,すぐに在庫がなくなってしまいました。

4Gamer:
 (現物を見て)ああ,これはスゴいですね。まさにCoCならではのアイテムだと思います。

初日に完売してしまったという「Arkham Investigator’s Wallet」。革製の財布の中に「運転免許証」「銀行の送金控」「図書館の利用者カード」「小切手」「謎の鍵」「バスの時刻表」など,40種類以上のハンドアウトが詰まったゲーム用の小道具で,さらにこの財布を活用したシナリオ「The Dog Walker」(写真左)も付属する。2024年度のエニー賞「Best Production Values」部門で金賞を獲得したの頷ける,ファン垂涎の逸品となっている
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「Arkham Investigator’s Wallet」製品ページ(英語)


Richard氏:
 ほかにも「Pendragon」の新作「The Grey Knight」をリリースしたし,RQでは新たにMike Mearlsを雇ったりも……。

4Gamer:
 それです! そのことが聞きたかったんです。あのMike Mearls氏がChaosiumに合流したんですよね。最初にそれを知ったときは,とても驚いたものです。
Richard氏:
 そう。「ダンジョンズ&ドラゴンズ 第5版」(以下,D&D5e)のリード・デザイナーだったMike Mearlsだよ。彼は今,私と一緒にRQに取り組んでいるんです。

4Gamer:
 Mearls氏は,RQのプロダクト・ラインに配置されるんですね。D&D5e躍進の立役者である彼がRQに関わるだなんて,胸が熱くなる思いです。Richardさんから見て,彼の仕事ぶりはいかがですか。

Richard氏:
 Mikeは驚異的なデザイナーであると同時に,驚異的なプロデューサーでもあるんです。今は彼と私,それにJason Durallの3人で,RQの新しいプロジェクトを進めています。2024年の後半には,この取り組みについてなんらかの発表ができると思いますよ。

Gen Con 2024でD&D関連のパネルセッションに登壇したMike Mearls氏。「Chaosium Con」のTシャツを着て,すっかりChaosiumの人である
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4Gamer:
 ものすごく楽しみです。一体どんなものになるのでしょうか。

Richard氏:
 それはまだ言えません(口にチャックのジェスチャー)。アメリカのファンにさえ,まだ情報を出してないからね(笑)。

4Gamer:
 それは残念です……。彼がいったいどんな化学反応をRQにもたらすのか,とても気になります。

Richard氏:
 そこを詳しく話せればいいんだけど,実はこの話に触れたのは,この取材が初めてなくらいでね。

4Gamer:
 新しいエディションに版上げされるわけではないのですよね。日本では,これからコア・ルールブックが出るところなので,そうなると困ってしまいます。

Richard氏:
 そこは心配しなくても大丈夫です。新しいプロジェクトは,既存のすべての製品と完全な後方互換性を保っていますから。しかし“より手軽に”そして“より早く”,つまり新規プレイヤーが複雑に感じないような変化がもたらされることになるでしょう。さらには古き良きワールド設定である「The Big Rubble」を……おっと,話しすぎてしまいました(再び口にチャックのジェスチャー)。

4Gamer:
 今おっしゃられた“より手軽に”“より早く”という部分は,まさにMearls氏がD&D5eで実現したことの一つですね。D&Dの伝統を損なうことなく,ルールの革新を実現してみせました。

Richard氏:
 そのとおりです。人々が楽しいと感じている中核部分のメカニクスを残し,削れる部分を削ぎ落していく。そうやって軽量化して,“分かりやすく”“遊びやすく”していく。Mikeはそれが本当に得意なんですよ。

4Gamer:
 ますます楽しみになりました。

Richard氏:
 RQは私のお気に入りのシステムですが,とくに戦闘がエキサイティングだと考えています。すぐに決着がついて……そしてデッドリーです(笑)。だからこそ最高のシステムなんですが,その分ルールが多く,理解が難しい側面があります。

4Gamer:
 RQの複雑さは,それこそ1980年代からの伝統ですね。それがRQの魅力であり,そしてハードルの高さでもある。

Richard氏:
 そうです。なので我々は考えました。RQの“おもしろさの核心”とはいったい何なのか? そして新しいGMやプレイヤーに,その核心的な魅力を伝えるにはどうすればいいのか。楽しさをより多くの人に知ってもらうにはどうれすばいいのか。

まだ秘密で話せないとしつつも,新製品の片鱗を示してくれたJeff Richard氏。氏のRQにかける情熱は強く,そこにMike Mearls氏という才能が加わったことで,大いに加速することは間違いない
画像集 No.004のサムネイル画像 / D&D5eの立役者の参戦で「RuneQuest」に何が起こるのか。Chaosium会長のJeff Richard氏に聞く,これからの20年【読者プレゼントあり】

4Gamer:
 しかし日本でプレイできるようになるには,まだまだ時間がかかりそうですね。

Richard氏:
 いや,むしろ非英語圏のパートナーにとって,この新しい製品はむしろ有利に働くはずですよ。なにせコア・ルールブックに比べて分量が少ないから,翻訳も簡単に行えますからね。今回のプロジェクトには,そういった狙いもあるんですよ。

4Gamer:
 しかし,まずはコア・ルールブックが必要なのでは?

Richard氏:
 現状では,次の日本語版製品は「RuneQuest - Roleplaying in Glorantha」(基本ルール)になると聞いています。順当にいけば,その次は「RuneQuest - Glorantha Bestiary」のはずですが……日本のパートナー(FrogGames)の戦略次第では,この新しいプロジェクトの製品になるかもしれない。

4Gamer:
 Bestiary(モンスター辞典)に優先するほどですか!

Richard氏:
 ええ。その意義は十分あると思います。

4Gamer:
 分かりました。最後に,日本のファンに向けて何かメッセージをいただけますか。

Richard氏:
 日本のファンの皆さんは,サポートのない中でも,根強く活動をされてきました。その意味では,世界でもっとも情熱的で,そしてもっとも重要なファンと言えるでしょう。そうした皆さんのおかげで,こうして今もCoCとRQが続けられているのですから,本当に感謝しています。
 ここから先の数年間にリリースされる製品は,今後20年間は楽しめるものになると自負しています。そのぐらいの製品をお届けしますので,ぜひ楽しみにしていてください!

4Gamer:
 期待しています。本日はありがとうございました。

CoCやRQと並ぶ,Chaosiumの主軸製品「Pendragon」。RQと同じくGreg Stafford氏によって生み出された作品で,その名のとおりアーサー王伝説をテーマとしている。日本語化も絶賛進行中とのことなので,こちらも期待したい。「The Grey Knight」は今回のGen Conの新作で,オリジナル版の著者はCoCの名作シナリオ「Masks of Nyarlathotep」と同じLarry DiTillio氏が務めている
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CoC関連ではリアルな小道具(プロップ)が人気のようで,Chaosiumブースはそれらを求める人達で賑わっていた。こちらは「Masks of Nyarlathotep」などと組み合わせて使えるアーティファクト「The Eye of Light and Darkness」。紙類のみならず,こんな本格的なものまで製品化されている
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今回のGen Conで先行販売された「Cthulhu by Gaslight Investigators Guide」。ヴィクトリア朝ロンドンでの冒険をテーマにしたサプリメントで,同時代のキャラクター作成に欠かせないさまざまな追加データや追加ルールが記載されている。Jeff Richard氏曰く「ロンドンを舞台にジャック・ザ・リッパーやドラキュラが楽しめる」とのことだ
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読者プレゼントのお知らせ


 冒頭でお伝えしたとおり,今回のインタビューに際してChaosiumから読者プレゼントを提供していただいた。記事中にも登場した「Call of Cthulhu」用の小道具(プロップ)から「Arkham Investigator’s Wallet」と,その前作にあたる「Call of Cthulhu Classic Gamer Prop Set」のセットがそれで,この2つをセットにして1名にプレゼントする予定だ。なお応募方法などの詳細は,2024年9月9日掲載の「Weekly 4Gamer」を確認してほしい。

こちらが「Call of Cthulhu Classic Gamer Prop Set」。CoCの40周年を記念して製作されたもので,この製品も2022年にエニー賞の金賞を受賞している。新聞記事や地図,パンフレットや公的機関の書類など,大型のハンドアウトを収録。インタビュー中に触れられた財布は,このコンセプトを発展させたものと言える
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「RuneQuest: Roleplaying in Glorantha」公式サイト

「新クトゥルフ神話TRPG」公式サイト

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