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「そうだ アニメ,見よう」第67回は「からくりサーカス」。藤田和日郎氏の名作コミックをアニメ化した伝奇アクション
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印刷2018/11/08 11:00

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「そうだ アニメ,見よう」第67回は「からくりサーカス」。藤田和日郎氏の名作コミックをアニメ化した伝奇アクション

画像集 No.023のサムネイル画像 / 「そうだ アニメ,見よう」第67回は「からくりサーカス」。藤田和日郎氏の名作コミックをアニメ化した伝奇アクション

 名作コミック「うしおととら」で知られる漫画家・藤田和日郎氏が,1997年から2006年まで週刊少年サンデー誌上で連載していた,伝奇アクション「からくりサーカス」(小学館刊少年サンデーコミックス/全43巻)。藤田氏の代表作のひとつに挙げられる本作は,複雑に絡まり合う人間関係とシナリオ,熱いアクション描写などが特徴で,連載終了から12年経った今でも根強い人気を誇る作品だ。
 そんなわけで「そうだ アニメ,見よう」第67回のタイトルは,藤田氏の原作コミックをTVアニメ化した「からくりサーカス」。アニメーション制作は,2016年にTVアニメ「うしおととら」を手がけたスタジオヴォルン,監督も同作でメガホンを握った西村 聡氏が引き続き担当。シリーズ構成に藤田氏が参加しているのも話題となっている。 


「からくりサーカス」


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 大手家電メーカー「サイガ」の社長・才賀貞義を父親に持つ,才賀 勝(CV:植田千尋)は小学5年生。貞義の事故死により180億円もの遺産を相続することになるが,そのせいで異母兄弟から命を狙われてしまう。
 暗殺者達から逃げる最中,勝は偶然出会った中国拳法の使い手・加藤鳴海(CV:小山力也)に命を救われる。彼は謎の奇病「ゾナハ病」に罹患しており,他人の笑顔を見ないと発作が抑えられないのだという。勝は彼と行動を共にするが,高い戦闘能力を持つ人形に追われ,鳴海の応戦も虚しく窮地に陥る。
 そんな彼らの前に銀髪の美女・しろがね(CV:林原めぐみ)が現れ,懸糸傀儡(マリオネット)の「あるるかん」で敵を撃退。しろがねは勝の祖父・正二の命で彼を守りに来たのだった。

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 束の間の休息の後,またもや人形に襲われる勝達。ピエロ型の懸糸傀儡「プルチネルラ」を操る阿紫花英良(CV:櫻井孝宏)に攻撃され,これを退けるが,度重なる襲撃の後,ついに勝は軽井沢に拉致されてしまった。

プロローグとなる「勝編」では勝を中心に物語が進行するが,本作の主役は鳴海としろがねを含めた3人となる
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 「からくりサーカス」は,非常に複雑な物語だ。勝と鳴海,そして,しろがねの3人がそれぞれ主人公であり,その数奇な運命が絡まりあって物語が進行する。全43巻もの長いスパンで連載されたこの物語は,プロローグの「勝編」のほか,「サーカス編」「からくり編」「からくりサーカス編」といった具合に,章ごとに主人公を変えて展開し,やがて収束していく。
 その途中で200年以上前に起こったある事件の真相が紐解かれていくのだが,その構成の巧みさに,当時一読者であった筆者も感心させられたものだ。

はじめは反目しあう鳴海としろがねだが,やがてお互いを認めるようになる
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 アニメ版となる本作では,その全43巻を全36話で描くとアナウンスされている。なかなかの難事に思えるが,その舵取りをするシリーズ構成には,原作者の藤田氏とベテランの井上敏樹氏がタッグを組んであたるという。先行上映会で藤田氏は「俺は,できるだけベストに物語を作っていきたいと思います」とアニメ化への熱い決意を語っていた。

 その言葉通り,現在第4幕まで放送されたアニメは,コミック版を適度にシェイプし,軽快なスピードで進行している。かといって,第1幕のしろがねの登場シーンといった,原作の名場面はしっかり尺を使って表現。原作者主導のもと再構成された「からくりサーカス」は,原作コミックに勝るとも劣らない仕上がりとなっているようだ。

鳴海と勝の名シーン。この後の鳴海のセリフにぐっときます
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懸糸傀儡のバトルシーンはCGと手描きの融合


 物語のほかに注目してほしいのが,あるるかんをはじめとした懸糸傀儡のアクションシーンだ。人間とはまるで違う動きをする,懸糸傀儡(人形)同士の戦いは,本作の華ともいえるシーンのひとつ。
 その複雑な動きを表現するのであれば,今流行の3DCGで描かれるのだろうと思っていたが,本作では,あるるかんのみを一部CGで描き,そのほかの懸糸傀儡を手描きで表現。ダイナミックな人形の動きと,繊細な操り糸の動きを描き分け,緩急の付いたバトルシーンを演出していた。

あるるかんの「コラン」(虎乱)をはじめとした各ギミックもしっかりと再現されている
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 また,あるるかんを操るしろがねの女性ならではのしなやかな動き,中国拳法を繰り出す鳴海の無骨な動きも見逃せないところ。第3話での自分を変える決意をした勝の表情など,原作ファンならば忘れられない名シーンも,藤田氏の力強い画風をアニメで表現しているので,今回のアニメ化を待ち望んでた人は満足できたのではないだろうか。

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勝の成長のきっかけとなったシーン。力のある目の表現に注目



勝役にはアニメ初挑戦の植田千尋さんを起用


 筆者は,普段あまりキャスティングを気にしないタイプなのだが,本作の声優陣にはちょっと驚かされた。鳴海役の小山力也さんをはじめ,林原めぐみさん,大塚明夫さん,佐々木 望さんなど,これほどの実力派声優が一堂に会するのは非常に珍しい。
 さらに,勝役には,プロアマを問わない公開オーディションで約2500人の中から選ばれた植田千尋さんを起用。植田さんはこれが初のアニメ作品となるそうだが,アニメでは繊細さと力強さを併せ持った勝を堂々と演じきっていた。
 今後,人間としてどんどん成長していく勝を,植田さんがどう演じていくのか楽しみである。

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 先日放送された第4幕で,物語は大きく動き出した。捕らわれた勝を鳴海としろがねは救出する。しかし, その最中鳴海は勝を庇い屋敷の崩壊に巻き込まれてしまう。人形達と関わることになった3人は今後どうなっていくのか。序幕(プロローグ)が終わり,ここから本当の「からくりサーカス」が始まる。人形のように運命に操られる3人の“舞台劇”の結末に期待しよう。
 なお,本作を原作としたソーシャルゲーム「からくりサーカス Larmes d'un Clown(仮)」の制作が決定している。サービス開始時期は未定だが,壮大かつ熱いストーリーと,迫力あるアクションシーンが楽しめるスマホ向けRPGになるという。こちらの続報も待ち遠しい。

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TVアニメ「からくりサーカス」公式サイト

TVアニメ「からくりサーカス」公式Twitter


放映データ
2018年10月〜
全36話
キャスト
才賀 勝:植田千尋 加藤鳴海:小山力也
才賀しろがね:林原めぐみ 阿紫花英良:櫻井孝宏
ギイ・クリストフ・レッシュ:佐々木 望 タランダ・リーゼロッテ・橘:黒沢ともよ
ヴィルマ・ソーン:井上麻里奈 仲町信夫:江川央生
仲町紀之:岩崎諒太 仲町浩男:石川界人
才賀正二:田中正彦 才賀善治:大塚明夫
ルシール・ベルヌイユ:朴璐美 アルレッキーノ:福山 潤
パンタローネ:中田譲治 コロンビーヌ:悠木 碧
ドットーレ:大友龍三郎
スタッフ
原作: 藤田和日郎 (小学館 少年サンデーコミックス刊)
監督:西村 聡
シリーズ構成:井上敏樹 / 藤田和日郎
キャラクターデザイン/総作画監督:吉松孝博
メインアニメーター:菅野利之/菅野芳弘/平山貴章
美術監督:清水友幸
色彩設計:堀川佳典
撮影監督:魚山真志
CGIディレクター:高橋将人
編集:神宮司由美
音響監督:三間雅文
音楽:林 ゆうき
オープニング・テーマ:BUMP OF CHICKEN 「月虹」
エンディング・テーマ:ロザリーナ「マリオネット」
アニメーション制作:スタジオヴォルン
製作:ツインエンジン

■からくりサーカス関連情報

【からくりサーカス in なぞともカフェ概要】

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■イベント名称 アニメ『からくりサーカス』in なぞともカフェ
■開催期間 2018年10月12日(金)〜1月14日(月・祝)
■参加費 2,160円/人
■開催場所 全国のなぞともカフェ6店舗
※新宿店・渋谷店・名古屋栄店・なんばパークス店・京都新京極店・福岡天神店

URL:https://bandainamco-am.co.jp/cafe_and_bar/nazotomocafe/special_collabo/karakuri_anime/

【原作コミック完全版情報】
伝説の熱血アクション超大作が今甦る! 雑誌連載時のカラー原稿を完全収録
連載時の構想ノートから未公開の秘蔵イラストや設定画を特別収録
からくりサーカス 完全版
第1巻から第4巻まで小学館より発売中!
毎月 18日頃、2巻ずつ発売予定。

<配信サービス>
Amazon Prime Videoにて日本・海外独占配信中。
(C)藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
  • 関連タイトル:

    からくりサーカス 〜Larmes d’un Clown〜

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