インタビュー
「大航海時代 Online 〜Lost Memories〜 Seven Wonders」では世界の七不思議に挑む。その内容についてプロデューサーとディレクターに聞いた
このアップデートは同タイトルのサービス15周年を記念したもので,サブタイトルのとおり“世界の七不思議”をテーマにしたものだ。今回4Gamerでは,本作のプロデューサーを務めるコーエーテクモゲームスの竹田智一氏とディレクターの内田尚男氏に,本作の概要について聞いた。
「大航海時代 Online 〜Lost Memories〜 Seven Wonders」特設サイト
世界の七不思議を調査する「レガシー」。第一弾はピラミッドを含む2つの遺産
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。これまでの拡張パックには新しいサブタイトルが付いていましたが,今回は「Lost Memories」がそのまま含まれています。何か理由があるのでしょうか。
実はまだ「Lost Memories」の期間内で,今回のアップデートは「大航海時代 Online」の“サービス15周年記念アップデート”として「Seven Wonders」を実装するという位置づけになるんです。これは「Gran Atlas」の期間中にやはり10周年を迎えて「Episode Atrantis」という形で記念アップデートを出したのと同じ流れです。
4Gamer:
ああ,あのときと同様に大型のアップデートになるんですね。
内田尚男氏(以下,内田氏):
はい。内容的には「Lost Memories」を踏襲しつつ,名前のとおり世界の七不思議にフォーカスしたものになります。
4Gamer:
なるほど。そういえば,内田さんはずいぶんとお久しぶりな気がします。
内田氏:
そうですね。インタビューに顔を出すのは「Gran Atlas」以来になります。先日,前任のディレクターがチームを離れることになりまして,私自身は後継者に実力のあるチームメンバーを推薦したのですが,本人はまだ今の業務を続けたいということで「それなら,もう一度」という竹田の一言で現場に復帰しました。
4Gamer:
そんな経緯だったんですね。話を戻して「Seven Wonders」の新コンテンツについて教えてください。まず冒険コンテンツの「レガシー」とは,どういったものになるのでしょうか。
竹田氏:
レガシーはその名のとおり人類の遺産で,発見物の中でも特別なものです。普通の発見物とは異なり,「叡智の書」という書物から得られるヒントをもとに,世界各地を調査して回ります。今回の「Seven Wonders」では,世界の七不思議を採り上げています。
内田氏:
叡智の書は「Lost Memories」のミナが所有していたものなんですが,彼女が酒場に置き忘れてしまうんですよ。それをプレイヤーが酒場のマスターに話しかけて入手します。特別な書物ということで,ゲーム内のUIも書物をモチーフにしています。
4Gamer:
具体的には,どのようにコンテンツを進めていくのでしょうか。
叡智の書を持った状態で特定の発見をすると「レガシーテーマ」を獲得できます。例えばChapter 1では,ギザの大ピラミッドをレガシーテーマとして取り上げているんです。
そして,1つのレガシーテーマには最大で7つのレガシーが存在します。世界各地でレガシーに関連する行動を取ると,各レガシーに関する知識の断片「レガシーピース」を入手でき,レガシーピースを集めると,1つのレガシーへの道が開かれるという流れですね。
さらに,レガシーテーマには開発内で「大レガシー」と呼んでいる特別なレガシーがあり,これが“世界の七不思議に直接繋がるレガシー”となります。
4Gamer:
レガシーに関連する行動というのは,例えばどういった?
内田氏:
特定のエリアに行ったり,特定のNPCに話しかけたり,生産をしたり……と,ゲーム内で実行可能な行動ですね。その中から,それぞれのテーマに関連しそうな行動を試していただくわけです。
また「Lost Memories」のエピソード「幻想探求編」をクリアしたプレイヤー限定の特典として,酒場や休憩所にミナが現れて,まだ発見していないレガシーピースのヒントを1日1回教えてくれます。1つのピースに対して複数のヒントがありますから,プレイヤーはそれらを踏まえて必要な行動を推測していくことになります。
4Gamer:
レガシーの調査を終えることによって,プレイヤーはどんな恩恵を得られるのでしょうか。
竹田氏:
例えばピラミッドの場合だと,通常のゲーム内ではただの遺跡ですが,レガシーの調査を進めて行くと建造中だった当時のピラミッド(のエリア)に行けるようになります。
内田氏:
このエリア内で探索や採集をすると,ほかでは手に入らない貴重なアイテムや交易品を獲得できます。また,実は全部の調査を終えなくとも,運が良ければいきなりこのエリアにつながるレガシーの調査を開始できる可能性もあります。
4Gamer:
なるほど,それが大レガシーにあたるものなんですね。ところで,このエリアは一度入れば自由に出入りできるのでしょうか。
内田氏:
いえ。一度出てしまったら,またレガシーを調査し直さないと入れません。ですので,一度でこのエリアのアイテムを入手したいという方は,なるべく全部のポイントで探索・採集を試してみていただければと思います。
ちなみにエリアに入ったままログアウトすると,次にログインしたときはそのエリアに入る前の場所からスタートします。
4Gamer:
そうすると,荷物は整理しておいたほうが良さそうですね(笑)。ピラミッド以外のレガシーテーマは順次実装されるイメージでしょうか。
内田氏:
今回のChapter 1では,ピラミッドのほかにもう1つレガシーテーマが登場しますが,こちらはプレイヤーの皆さんに探していただくことになります。あとはChapterごとに順次追加していきます。
4Gamer:
分かりました。
内田氏:
なお,叡智の書を使ってレガシーピースを獲得したりレガシーを発見したりすると,「ソフィア」と呼ばれるポイントが蓄積されるのですが,このソフィアを使うことで,既存の発見物の異なる姿や亜種,派生型などを「追究発見」できるようになります。
例えば「ホッキョクギツネ」であれば,追究発見により茶色い姿の「夏毛のホッキョクギツネ」を新たに発見できるわけです。ほかにも,すでに発見している場所の,さらに細かい部分を追究するようなクエストを用意しました。
4Gamer:
どの発見物に追究発見が追加されるのか楽しみですね。
内田氏:
またソフィアには「変性錬金」の「ソフィア覚醒」により,アイテムを別のアイテムに変えるという使い方もあります。その中に今回新たに登場する「船員装備」があります。
「船員装備」と新コンテンツ「緊急討伐作戦」「副官との共闘ミッション」
4Gamer:
その「船員装備」というのも新しい要素ですね。
竹田氏:
はい。簡単に言うと,船の装備品の延長みたいなイメージですね。
内田氏:
船員に装備させると,船の特定の性能が変わるんです。最大3つまで装備可能で,必ずしもすべての性能が向上するわけではなく,下がってしまう性能もあります。そこで,必要な性能を上げるためにどんな組み合わせがいいのかを考えていただくわけです。
これまで船の強化というと船自体を強化するしかなかったのですが,それだと船の素材や造船スキルが必要で少々ハードルが高いです。そこでアイテムを入手すれば,気軽に船の性能を変えられる要素として企画しました。
また将来的には性能の変化だけでなく,特別なスキル効果を持つ船員装備の実装も予定しています。
4Gamer:
船員装備にはどのようなものがあるんですか。
内田氏:
羅針盤やバンダナ,モップなど,いかにも船員が持っていそうなものですね。
4Gamer:
なるほど。これらはソフィア覚醒でしか手に入らないのでしょうか。
内田氏:
レガシーエリアの探索や,これからお話する新コンテンツでも入手できます。そのうちの1つが「緊急討伐作戦」ですね。
竹田氏:
緊急討伐作戦は,条件付きのガナドール戦というイメージです。
4Gamer:
条件というのは?
内田氏:
緊急討伐作戦では,ガナドール側から「砲撃与ダメージ低下」や「修理スキル使用禁止」といったプレイヤーが不利になる妨害工作が提示されます。逆に司令部からは,「白兵戦攻撃力上昇」のようなプレイヤーが有利になる支援を受けられます。だいたい妨害工作が2つ,支援が1つですね。
またシーズン制を採用しており,期間中に特定のガナドールを討伐することで新たに「ガナドールコイン」が手に入ります。
4Gamer:
1シーズンはどれくらいの期間で行われますか。
竹田氏:
いまは1か月程度を想定しています。実際に運用して,長い,もしくは短いといったことがあれば,もちろん調整します。
4Gamer:
そうして得られたガナドールコインを船員装備と交換できるわけですね。
内田氏:
そうです。ほかにも交換回数上限のあるアイテムや,ここでしか手に入らない宝箱などがあります。宝箱からは,低確率でレアアイテムを獲得できます。なおコインは次のシーズンに持ち込めませんので,シーズン中に使い切る必要があります。
4Gamer:
シーズン終了後の猶予期間はないのでしょうか。
内田氏:
そういった期間は設けていません。ですので,欲しいアイテムの必要コイン数を確認して,緊急討伐戦でコインを稼ぐというように計画を立てつつ楽しんでいただければと思います。
そして,船員装備が手に入るもう1つの新コンテンツが「副官との共闘」になります。
4Gamer:
これまでの陸上戦での同行とは違うんですか?
内田氏:
これはコロッセウムで副官と共闘できるミッションが楽しめるというものなんです。「Lost Memories」のChapter 1で副官船長を拡張し,副官が陸地で同行したり,バトルに参加したりできるようになりました。そこで育成した副官の腕試しをする場を用意しようと考えました。
4Gamer:
では,どれくらいの戦力でミッションに挑戦できるのでしょうか。
内田氏:
難度としてはヴァレンシュタインの特別ミッションに近いです。なので,歯応えはありますね。自分だけでなく,副官の育成もきちんとしないとクリアは難しいでしょう。
クリア報酬は従来のミッションと同じく,スコアに応じたローマコインが獲得できます。また,副官共闘ミッション限定で,勝利したときに一定確率で宝箱をドロップします。宝箱からは今回追加するローマ系の装備や副官育成用のアイテム,船員装備などを獲得できます。
15周年を記念するキャンペーンやイベントも続々実施
4Gamer:
そのほか,調整や追加されたものはありますか。
まず「希少交易品」を調整しました。実装時には一番最初に希少交易品を売った人が一攫千金できるという狙いがあったのですが,気軽に参加しづらい調整となっていたため手を加えています。
また魚が希少交易品に選ばれやすかった点についても調整し,普通に街で売っている交易品が候補に挙がったり,対象となる交易品を大幅に増やしたりしています。初心者の方も,店売りの希少交易品を狙って,うまく稼いでいただきたいですね。
4Gamer:
新しい船や発見物,クエストなどはいかがでしょう。
竹田氏:
海事船の「レナウン」,冒険船の「ラ・ベル」,交易船の「ディアムステルダム」の3隻を追加します。性能はいずれもそれぞれのカテゴリーのトップクラスで,乗船するには職業系統のレベル90が必要です。今,ゲーム内でトップクラスの船に乗っている皆さんが,さらに上を目指すための船になります。
内田氏:
発見物は14件,クエストは8件追加されますね。発見物の中の2件は伝承発見物で,そのうちの1つが「金色姫」にまつわる発見物になります。
4Gamer:
金色姫というと,たしか茨城県での伝説でしたか。
内田氏:
そうです。天竺から日本に流れ着いた姫が,世話になった夫婦に養蚕の技術を教えた,という伝説がベースになりますね。
竹田氏:
これだけ長く運営していると,新しいネタを探すのも大変です(苦笑)。
4Gamer:
遺物や伝説はそうそう増えないですから……そりゃそうですよね。では,最後に「大航海時代 Online」のプレイヤーに向けて,メッセージをお願いします。
竹田氏:
15年間,よくやって来られたと思っています。当時の企画書を見返すと,運営計画が3年くらいしかないんですよ。3年で世界が全部開いておしまい(笑)。15年もアップデートを続けられたのは,本当に皆さんのおかげです。ネタを探すのにかなり苦労していますが,続けられる限りは皆さんに楽しんでいただけるよう頑張っていきます。
内田氏:
15年間開発を続けられたのは,皆さんのおかげです。新しいコンテンツの追加だけでなく,既存コンテンツに改良や拡張を施し,さらに便利に遊びやすいゲームをチーム一同で追い求めていきますので,これからも応援していただけると嬉しいです。
また,15周年を迎える3月16日から,「チームDelfinより感謝の記念プレゼント」が始まっています。「Seven Wonders」のリリースに合わせ,新規プレイヤーの方向けに成長系のアイテムを入手できるキャンペーンや休眠プレイヤーの皆さんに向けたウェルカムバックキャンペーンも実施します。さらに3月31日からLiveイベント「15周年記念祭」がスタートしますので,ご期待ください!
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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