プレイレポート
「イドラ ファンタシースターサーガ」を先行プレイ。シリーズ30周年記念作は,チャレンジを散りばめつつ,王道を踏まえたRPGに
本作は,人気RPG「ファンタシースター」の30周年を記念したシリーズ最新作であるが,今回はリリースに先駆けてゲームの冒頭をプレイする機会を得たので,その内容をインプレッションを交えて紹介していこう。
「イドラ ファンタシースターサーガ」インタビュー。イドラであること,サーガであること
セガゲームスの新作スマホRPG「イドラ ファンタシースターサーガ」について,プロデューサーの田中俊太郎氏とディレクターの陳 智政に,東京ゲームショウ2018の会場で話を聞いてきた。シリーズ30周年をきっかけとした社内コンペを勝ち上がってきたという,ファンタシースターの新たな姿とは。
「イドラ ファンタシースターサーガ」公式サイト
「ロウ」と「カオス」の2部隊を率いて
人類の敵である巨獣「イドラ」を討伐
ゲームの舞台は,戦乱の大地「ヴァンドール」。剣と魔法が支配するこの世界では,太古の昔に封印されたとされる災神「ダークファルス」の姿こそないが,その眷属である巨大な怪物「イドラ」が人々の生活を脅かしている。
その一方で,人々は秩序と正義を重んじる「ロウ」と,束縛を嫌い自由を愛する「カオス」の2つの勢力に分かれ,覇権を争っている。
そんな中,主人公・ユリィは武装旅団「白羊騎士団」の遊撃隊隊長として,イドラと戦うことになるのだった――というのがメインストーリーのあらすじだ。
ゲームの進行は,ホーム画面からクエストを選択し,専用マップでバトルステージに挑む,オーソドックスなスマホRPGの仕組みとなる。
しかしバトルは,昨今ではアクションRPGの趣きが強かった「ファンタシースター」から一転し,シリーズ原点に立ち戻る,ターン制かつコマンド選択型が採用されている。
本作では,味方キャラクターと敵エネミーのそれぞれに「属性」が設定されているが,バトル時は「戦闘開始」ボタンを押すだけで,味方が自動的に有利属性の敵を狙って攻撃してくれる。もちろん,攻撃する敵をプレイヤーが指定し,集中攻撃をかけることも可能だ。
ワンボタンでサクサク戦う,コマンドをじっくり選んで戦う。2つのプレイを両立しやすいシステムと言えるだろう。
味方キャラクターが敵を攻撃すると,そのキャラと同属性の属性値が上がる。さらに敵エネミーを倒したときは,その敵と同属性と属性値も上がる。この属性値が上昇することで,各キャラは強力なスキルを使用可能になるほか,通常攻撃の性能も高まる。
そして属性値が一定値に達すると,それを消費して,各キャラクター固有の必殺技「エレメンタルブラスト」を発動できるようになるのだ。
プレイヤーが仲間にするキャラクターは,「ロウ」「カオス」「ニュートラル」のいずれかに分類される。基本的に,ロウは防御・回復能力に優れたクラス(職業)が多く,カオスは攻撃力の高いクラスが多い傾向にある。
バトル時,プレイヤーはロウとカオスの2部隊を率いて戦うことになるが,「ロウ部隊にはカオスキャラクターを入れることができない」,逆もまた然りだ。これにより,2つの所属のキャラクター特性を踏まえたパーティ編成が求められるのだろう。
戦闘で敵と対面するパーティは,ロウかカオスのいずれか1部隊だけで,残った部隊は控えとなる。しかし,毎ターンにつき1回だけ使える「リバースラッシュ」を使うと,部隊が入れ替わり,控えのメンバーが敵に一斉攻撃を仕掛けるほか,控えに回ったメンバーのHPが回復する。
さらに,カオスからロウへのリバースラッシュでは,味方の被ダメージを軽減できる効果が,ロウからカオスへのリバースラッシュでは,敵の防御力を下げる効果が追加で得られる。これらの恩恵を駆使して,バトルを有利に進めるのが大切そうだ。
ただし,リバースラッシュを毎ターン使えばいいのかというと,そうではない。リバースラッシュは使用せずに次ターンに持ち越すと,その威力も効果も激増するのだ(最大3ターンまで)。ここに属性相性,属性値,バフ/デバフ効果なども加わるのだから,本作のバトルは,考えれば考えただけ応えてくれる戦術性を確保していそうであった。
プレイヤーがレイドボスとなる「イドラバトル」や
キャラの所属が変わる「運命分岐」などのチャレンジも
本作の大きなセールスポイントのひとつが「イドラバトル」だ。これは複数のプレイヤーが協力してレイドボスの討伐に挑むという,いわゆるレイドバトルである。そしてイドラ討伐に成功すると,協力したプレイヤーにはさまざまな報酬が提供される。
そのうえで,プレイヤーは味方キャラクター8体を融合させることにより,イドラ化することもできる。つまり,自身がレイドボスとなれるわけだ。
生成されるイドラの種類は,イドラの主(リーダー)となるキャラクターによって決定され,同じように能力や外見も変化する。基本的に,融合したパーティメンバーが強いほどイドラも強くなるし,攻撃重視や防御重視といった特性も反映される。
先行プレイでは,ストーリー中に味方キャラクターがイドラ化したことで,敵のイドラを討伐する体験ができたが,サービス開始後はプレイヤー自身がイドラとなり,討伐しにきたほかのプレイヤーを返り討ちにする楽しみもある。
その際,撃退したプレイヤーが多ければ多いほど,優れた報酬が手に入るようなので,この点においてもキャラクターの育成に力を入れたくなる。
今回はメインストーリーの序章と第1章(全7話)という,序盤の序盤しかプレイできなかったものの,短い時間でも“極めて王道かつ昔ながらのファンタジーRPG”であることはしっかりと伝わってきて,多くの人が楽しめる内容であることも十分実感できた。
しかも,イドラバトルのようにスマホRPGならではのコンテンツを用意していたり,今回は体験できなかったが,各キャラクターのロウとカオスを切り替える「運命分岐」もあったりするなど,ところどころにチャレンジが見える本作。
往年の「ファンタシースター」ファンはもちろんだが,今回初めてシリーズを知ったという人も,ぜひ体験してみてほしい。
「イドラ ファンタシースターサーガ」公式サイト
- 関連タイトル:
イドラ ファンタシースターサーガ
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