インタビュー
[E3 2018]懐かしくも新しい体験を目指す。「バイオハザード RE:2」開発者への合同インタビュー。豆腐は絹か木綿か分かる?
――カンファレンスで公開されたトレイラーはネズミの視点で始まりましたね。「バイオハザード アウトブレイク」を彷彿とさせる映像でした。
平林良章氏(以下,平林氏):
アウトブレイクをご存知であれば,出だしの時点でバイオハザードだと気づかれるかもしれませんね。トレイラーでは,初代PlayStationがテーブルに置かれていますが,あれも「初代PlayStationのタイトルだよ」っていうメッセージでした。
――本作はどのような経緯で開発に至ったのでしょうか。
平林氏:
もともと,バイオハザード2をリメイクしたいという気持ちはありました。バイオハザードファンからのラブコールも多く,ファンメイドのリメイクプロジェクトなども出てきていました。そのプロジェクトを進めている方々の話を聞くと,「カプコンが作らないから俺たちが作ってるんだよ」という,熱い思いが分かったんです。その熱量に感謝をしつつも,リメイクの開発には至っていなかったのですが,やっとそのバトンを受け止められる状況になり,今回ようやくこのような形で発表できました。
――そもそもなぜ「1」ではなく「2」なのでしょう。
平林氏:
「1」自体は,2001年に一度リメイクを制作(GC版の発売は2002年3月)しています。「1」のリメイクはあれで完成されているものだと考えているので,それ以外のタイトルでやろうという感じですね。ファンのみなさんからも「2」をリメイクしてほしいという声が多く,それだけ思い入れの深い作品なんだというのも感じており,今回は「2」をリメイクすることになりました。
――リメイクをするうえで,オリジナル版のどこを大切にしようと考えましたか。
神田 剛氏(以下,神田氏):
オリジナル版が持つ探索重視のプレイフィールというのは,絶対に落としてはいけない部分だと考えて作っています。
我々もバイオハザード2のファンであり,思い入れもあります。ですので,基本的にオリジナル版をリスペクトする形で作りました。ただ,人それぞれでバイオハザード2に対する思いというのは異なります。なので,何回もディスカッションを重ねて,どこを残すか,どこを新しくするのかというのを決めていきました。
平林氏:
もともとコピーを作ろうしていたわけではありません。オリジナルのバイオハザード2が完成されたエンターテイメントとしてあるなかで,今それをコピーしても新しい体験は生まれませんから。時代が進み,我々のテクノロジーも上がってきた今だからこそ,コアなゲーム体験は引き継ぎつつも,実際に体験してもらう部分は新しさを全面に感じていただけるように作っています。
神田氏:
警察署もレイアウトを含めて新しくなっていますし,マービンに出会うまでの流れもいろいろと変わっています。また,彼とのやり取りもオリジナルとは違います。レオンとの関係もそうですし,新しい人物もいます。そういった感じで,「懐かしいけど新しい」という部分を感じていただければと思います。もちろん,マービン以外も同じような考え方を反映させています。
――リッカーが窓を横切る名シーンも,発生場所が変わっていましたね。その先の通路にもいませんでした。
平林氏:
僕らはリッカー通路って呼んでいるんですけど,リッカーのモチーフは活かしています。あそこに倒れている死体を見ると,リッカーの鋭い爪で頬をえぐられているのがわかりますし,死体が釣り上げられているのも,リッカーの存在を暗示するものになっています。そういったナラティブなドラマ性はしっかりと残しています。
――空間を生かした演出というのも,プレイヤーが自由に視点を動かせるようになった本作ならではですね。
平林氏:
今回のリメイク版には,警察署にウェルカム・レオンという部屋があるんですよ。そこも,プレイヤーが自由に視点を動かして見ることで,この部屋のバックグラウンドが分かるようになっています。そういった細かい演出はいろいろなところに用意してあります。
最初は見逃してしまうかもしれませんが,本作は同じ場所を何度も行き来するような探索型のゲームなので,2〜3回同じところに来ていれば気付くように調整していたりもします。
――ハンクや豆腐は出てくるのでしょうか。
神田氏:
「The 4th Survivor」と「The 豆腐 Survivor」は入ります。とくに豆腐のビジュアルについては楽しみにしていてください。
――RE ENGINEで描かれる豆腐って,なんだかすごそうですね。
平林氏:
いちおう現時点での開発版を軽くは見ましたが,絹か木綿かくらいまでは分かるんじゃないですか(笑)。
――レオンは新米警察官という設定ですが,リメイク時のキャラ作りで意識した点とかはありますか。
平林氏:
「4」以降のようなスーパーヒーローではなく,ひよっこのレオンを描くというのは意識しています。
神田氏:
リアリティに関しては,バイオハザード7と同じく,フォトスキャンの技術でモデルを作っているので,リアルにいる新人警官という雰囲気はうまく作れていると思います。
――RE ENGINEならば,一人称やVRも採用できたと思いますが,今回三人称にした理由はなんでしょうか。
神田氏:
やはりバイオハザード2はキャラクターを見せたいんです。とくに今回は噛みつかれる恐怖というところに力を入れています。ゾンビが掴みかかってくるとカメラがグッと寄る演出が入るんですけど,そういった部分も含めて今回は肩越しの三人称視点がベストだと思い,採用しました。
――クリーチャーの動きで,進化している部分はありますか。
平林氏:
クリーチャーについては,それぞれが持つ個性だったり,プレイヤーの思い出だったりにブーストをかけるような形で進化させています。例えばリッカーって,天井や壁を這っているイメージがあると思うのですが,オリジナル版でそうしているのは登場シーンだけで,あとは地面を歩いているだけでなんです。
ただ,ファンとしては,天井を這って上から攻撃してきたり,壁に貼り付いたまま追いかけてきたりするリッカーを見たいはずで,そういうところは頑張って作っています。
――登場するパズルについて,オリジナル版のものと新しいもののバランスってどうなっていますか。
神田氏:
半々ですね。鍵の場所や使いどころといった部分はそのままだったり,その半面,パズルはほとんどが新しくなっていたりといった感じでしょうか。
平林氏:
思い出が深い人ほど罠にハマるかもしれないですね。「ここにあったはずなのに」というところは,たいてい変わってますから(笑)
――ありがとうございました。
「バイオハザード RE:2」公式サイト
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