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印刷2020/02/06 00:00

プレイレポート

「仁王2」最新ビルドをプレイ。プレイヤーの声を反映した調整で,より遊びやすく,楽しくなった

 2020年3月12日に発売を控えたコーエーテクモゲームスの“戦国死にゲー”「仁王2」。その最新ビルドをプレイする機会を得られたので,インプレッションをお伝えしていこう。

画像集#001のサムネイル/「仁王2」最新ビルドをプレイ。プレイヤーの声を反映した調整で,より遊びやすく,楽しくなった

 「仁王2」は,前作より少し前の時代を舞台に,半人半妖の主人公が,野心溢れる行商人・藤吉郎とともに戦国の乱世を生き抜いて行くアクションRPGだ。2019年11月にはゲームの一部が楽しめる「β体験版」が配信されたが,今回プレイできたのはさらに開発が進んだバージョンとなっていた。最初からある程度のレベルがあり,装備も整った状態で,「北ノ庄城」のミッションに挑む内容だ。

画像集#002のサムネイル/「仁王2」最新ビルドをプレイ。プレイヤーの声を反映した調整で,より遊びやすく,楽しくなった

 舞台となる北ノ庄城は,“瓶割り柴田”の異名で知られる猛将・柴田勝家が建てた城。今は賤ヶ岳の戦いで敗れた勝家が立てこもるのを藤吉郎らが攻め立てており,場内のあちこちは炎に包まれ,まさに落城寸前といったところだ。

北ノ庄城はあちこち炎に包まれており,落城寸前だ
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 敵の配置はやはり「仁王」らしい趣向の凝らされたものとなっている。橋を渡ろうとすると,鉄砲を持つ兵士に遠くから撃たれ,こいつを「やっつけてやる!」と走り寄ると,近くの物陰に潜んでいた兵士に横から襲われる。そして「2対1か! これくらいなら楽々だぜ!」などと余裕をこいていると,実は足元の橋に穴が空いていて溺死の憂き目に遭うという有様だ。これが北ノ庄城攻略を始めて1分ほどの出来事なのだから恐ろしい。
 もちろん理不尽とは思わされるが,敵の配置を覚えれば対処できる。無闇に橋に突っ込まず,まずは遠くから鉄砲兵を弓で倒せば,潜んでいた兵士と1対1で対決でき,うまく位置取れば,兵士の動きを制限できる。仕掛けられた罠は,プレイヤーを追い込むだけでなくプレイヤーが相手を追い込むことにも使えるわけで,単に難しいだけで終わらない辺りが実に「仁王」らしい。

開始してすぐに溺死
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隠れている場所が分かれば対処できるのも仁王らしい
画像集#006のサムネイル/「仁王2」最新ビルドをプレイ。プレイヤーの声を反映した調整で,より遊びやすく,楽しくなった

 場内には既に妖怪たちも乗り込んでおり,あちこちを荒らし回っている。印象的なのが,β体験版にはいなかった「輪入道」「妖鬼」「大入道」といった旧作の妖怪たちだ。懐かしい顔ぶれがお馴染みの攻撃をしてくるというだけでなく,「仁王2」らしいアレンジが加えられている。
 「仁王2」では敵が赤いオーラをまとって「大技」を出してきた際,主人公が一時的に妖怪と化す「特技」でカウンターできる。そして,前作の妖怪たちが持つ,出されるだけで危険だったり,技の後につけいるのが難しかったりして厄介だった技が大技扱いとなっており,特技で反撃できるようになった。輪入道の炎の跡を地面に残しながら爆走する技や,妖鬼の叩きつけといった,書いているだけで前作の苦難が蘇ってくるような技に特技で対処でき,ダウンも奪えるようになったのだから嬉しい。敵の大技にもリスクがあり,こちらはピンチをチャンスに変えられるという辺りはPvEゲームらしく,個人的には歓迎したい調整方針であると感じられた。

懐かしの輪入道も登場し,火を吐いてくる。しかし,炎の跡を引きつつ爆走する技に特技でカウンターできる様になった
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お馴染みの大入道。舌攻撃やフック連打で攻撃してくる
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妖鬼の叩きつけに特技でカウンター。派手で爽快だ

 新妖怪の中で印象的だったのは「鉄鼠」だ。踊るようにトリッキーな動きをしつつ,爪や口からの悪臭,そして放屁で攻撃してくる。爪のコンビネーションから放屁,側転しつつ放屁,ダッシュして放屁,こちらにのし掛かって放屁……といった感じで,体術と放屁が融合しており,「放屁って,こんなにカッコイイ行為だっけ?」と思わず見入ってしまった。放屁にはダメージはなく,回復アイテムの効果を下げたり,主人公を咳き込ませる「悪臭」の状態異常を与えてくるだけなので,無理矢理突っ込んで倒せるのも面白いところ。難しいばかりではない辺りが好感触だ。

「鉄鼠」の攻撃は口臭や放屁など,「ゲゲゲの鬼太郎」のねずみ男を思わせる
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 妖怪の敵がダウンしやすくなっているのもポイントだ。これは調整方針にあった「妖怪敵は,気力上限を削りきるとダウンするように変更」の効果で,特技やスキルを当てると気力上限が減っていき,一定以上減らすとダウンするということのようだ。特技を意識してからは頻繁にダウンさせることができたので,こちらも面白い調整だと感じられた(ただ,今回のビルドでは予め用意された装備で戦っていたので,そちらがかなり強かった可能性もある)。

 また,マップのあちこちにある危険なフィールド「常闇」にも,調整方針に則った変更が加えられていた。β体験版では,こちらが中に入ると「気力」の回復が非常に遅くなる上,中には強い妖怪が潜んでいるため,立ち入るのがためらわれるというか,「クリアに関係ないなら避けて通りたい」くらいに恐ろしい場所だった。
 しかし,今回のビルドでは気力回復へのペナルティがかなり軽くされており,強い妖怪の「魂代」(妖怪から確率でドロップし,装備するとその妖怪の技が使えるようになる)を求めて自発的に入りたいと思えるようになった。プリセットされたキャラクターや装備の強さも影響しているとは思うのだが,少なくとも避けたい場所でなくなったのは確かだ。

「常闇」は気力回復へのペナルティが少なくなったようだ
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 手斧と薙刀鎌に,それぞれ10種弱の新スキルが追加されているのも見逃せない。手斧の下段構えから敵の頭上を飛び越える「御山越え」,納刀状態で力を溜めてから斬撃する「石火迅雷」は,それぞれ刀の「飛天剣」「居合い」を思わせる技で,立ち回りの幅を広げてくれそう。速い攻撃から手斧を投げる「熊鷹」も研究のしがいがありそうな感触だ。
 薙刀鎌は,鎌を大きくブン回し続ける「塵劫裁」,ジャンプしての降下攻撃「落雷刃」など,パワフルな大技が増えている。受ける気力ダメージが大きくなる代わりに,攻撃を当てた際にもらえる「妖力」が増えるバフが掛かる「羅刹天」は,特技を重視するプレイヤーにとって助けとなりそうだ。

下段攻撃から敵の頭上を飛び越える「御山越え」と,納刀状態から左右の斧で斬撃する「石火迅雷」はβ体験版には見られなかったスキル
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鎌を大きくブン回し続ける「塵劫裁」
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攻撃を当てた際に得られる「妖力」が増えるバフが掛かる「羅刹天」
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城には風呂場があり,温泉に入ったのと同じ効果が得られる
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「木霊」と出会ったり,魂代を拾うと謎の文字によるメッセージが浮かぶ。ホツマ文字に似ているようだが……?

 北ノ庄城を進んでいくと,前田利家が待ち構えている。“槍の又左”の異名通り武器は槍で,プレイヤーと同じスキルを多く使う。槍をクルクルと回す「槍体変」や,槍を支点に蹴る「空木蹴り」などは,前作を遊んだ人なら懐かしく感じられるだろう。また,守護霊「送り犬」を憑依させてからの突進は派手かつパワフルで,一瞬も気を抜けないバトルだった。なお,利家の前には「義刃塚」があり,味方NPC「すけびと」とともに挑むことができる。難敵をいかに攻略するか頭を使うのが仁王の面白さだが,こうした救済策が用意されているのも好ましく感じられた。

強敵,前田利家との戦いではすけびとと共闘が可能
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 前作の妖怪の厄介な技が特技でカウンターできる対象となり,常闇のペナルティが減らされるなど,調整で遊びやすくなった「仁王2」。発売までもう1か月,新たな“戦国死にゲー”との出会いが楽しみだ。

「仁王2」公式サイト

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