「テイルズ オブ オーケストラコンサート 2018」レポート。東京フィルハーモニー交響楽団の演奏で，名曲の数々に酔いしれた

　バンダイナムコエンターテインメントとワーナーミュージック・ジャパンは本日（2018年10月6日），神奈川県のパシフィコ横浜国立大ホールで「テイルズ オブ オーケストラコンサート 2018」を開催した。東京フィルハーモニー交響楽団と，アーティストのBONNIE PINKさん，カノンさん，声優のゆかなさんが出演し，「テイルズ オブ」シリーズから，ボーカル曲やバトル曲など，さまざまな楽曲を披露した。

会場となったパシフィコ横浜国立大ホール

物販コーナーではさまざまなグッズ類が販売されていた

コンサート衣装を着た8人のラバーストラップ（左）と，「テイルズ オブ オーケストラコンサート」で初解禁されたコンサートライト（ペンライト）（右）

「スタッキングマグカップ」とアクリルスタンドチャーム

イベント会場ではおなじみのスタンディも，この日はクラシックコンサートバージョンに

記念撮影のための行列（左）。BONNIE PINKさんの限定Tシャツも販売された（右）

「テイルズ オブ オーケストラコンサート 2018」
公式サイト

「テイルズ オブ オーケストラコンサート 2018」セットリスト

・「夢は終わらない 〜こぼれ落ちる時の雫〜」（テイルズ オブ ファンタジア」
・「progress」（テイルズ オブ エクシリア」
・「永遠の明日」（テイルズ オブ ハーツ R」

・ボスバトルメドレー
「Beat the angel」（テイルズ オブ シンフォニア）
「Final destination」（テイルズ オブ シンフォニア）
「Person who conceives frenzy」（テイルズ オブ シンフォニア −ラタトスクの騎士−）
「The wilderness of sadness」（テイルズ オブ シンフォニア −ラタトスクの騎士−）

・戦闘曲メドレー
「DONA NOBIS PACEM」（テイルズ オブ デスティニー2）
「Encounter」（テイルズ オブ ザ テンペスト）
「突き進め，その刃尽きるまで」（テイルズ オブ エクシリア2）
「Beginning of a battle」（テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2）
「翼を広げて未来を開け」（テイルズ オブ ゼスティリア）

・「ソフィ」（テイルズ オブ グレイセス エフ）

・「譜歌〜song by Tear〜」（テイルズ オブ ジ アビス）ゆかなさん歌唱

・「テイルズ オブ ヴェスペリア」 マップメドレー
「青年の気ままな日常」（テイルズ オブ ヴェスペリア）
「華の調べ」（テイルズ オブ ヴェスペリア）
「鏡に映る夢魔」（テイルズ オブ ヴェスペリア）
「はなやぐ命，育む光」（テイルズ オブ ヴェスペリア）
「天を貫く滅びの徴」（テイルズ オブ ヴェスペリア）

・「火花散らして」（テイルズ オブ ヴェスペリア）

・「満月と明星と〜鐘を鳴らして〜」（テイルズ オブ ヴェスペリア） BONNIE PINKさん歌唱

・「テイルズ オブ ヴェスペリア」 バトルメドレー
「戦いの火蓋」（テイルズ オブ ヴェスペリア）
「闘志もっと燃やして」（テイルズ オブ ヴェスペリア）
「不撓不屈」（テイルズ オブ ヴェスペリア）
「頂を目指せ」（テイルズ オブ ヴェスペリア）
「完全無欠の勝利！」（テイルズ オブ ヴェスペリア）

・アンコール
「flying」（テイルズ オブ エターニア）
「鳥は鳴き，僕は歌う」（テイルズ オブ レジェンディア） カノンさん歌唱
「夢であるように」（テイルズ オブ デスティニー）

「テイルズ オブ オーケストラコンサート 2018」出演者

演奏：東京フィルハーモニー交響楽団
指揮：栗田博文氏
歌唱：ゆかなさん，BONNIE PINKさん，カノンさん
コーラス：Barzz〜鳥の吟遊詩人たち〜
ゲスト：桜庭 統氏

　「テイルズ オブ」シリーズの楽曲をオーケストラで楽しむ「テイルズ オブ オーケストラコンサート」も，2015年の初演から今回で4回目となる。会場を東京国際フォーラムからパシフィコ横浜へと移し，さらに休日の公演，コンサートライト（ペンライト）解禁と，初めて尽くしのコンサートだった。

　「テイルズ オブ オーケストラコンサート」では，すっかりおなじみの栗田博文氏の指揮のもと，こちらもおなじみの東京フィルハーモニー交響楽団が「夢は終わらない 〜こぼれ落ちる時の雫〜」「progress」「永遠の明日」を演奏すると，ファン達は作品の思い出に浸っていた。


　前半のクライマックスを飾ったのがボスバトルメドレーと戦闘曲メドレーだ。
　「Beat the Angel」「Final destination」（テイルズ オブ シンフォニア），「Person who conceives frenzy」「The wilderness of sadness」（テイルズ オブ シンフォニア −ラタトスクの騎士−）といった荘厳なボスバトル曲に続いて，戦闘曲「DONA NOBIS PACEM」（テイルズ オブ デスティニー2），「Encounter」（テイルズ オブ ザ テンペスト），「突き進め，その刃尽きるまで」（テイルズ オブ エクシリア2），「Beginning of a battle」（テイルズ オブ ザ ワールド レディアントマイソロジー2），「翼を広げて未来を開け」（テイルズ オブ ゼスティリア）がゲーム映像と共に演奏されると，客席も緊迫感に包まれる。4＋5曲という怒濤のメドレーが終わると，ここで休憩時間に。ファン達もバトルの緊張から解放されたようだった。


　後半はハープの音色が美しい「ソフィ」（テイルズ オブ グレイセス エフ）で幕を開けた。「譜歌〜song by Tear〜」（テイルズ オブ ジ アビス）では，ティア・グランツを演じたゆかなさんが登場し，「フォニック語」による静かな歌を披露した。

ゆかなさんが「譜歌〜song by Tear〜」を歌う

　ゆかなさんがこの曲を歌うのは，2005年に発売された「テイルズ オブ ジ アビス」のために収録して以来のこと。BUMP OF CHICKENの藤原基央さんがMOTOO FUJIWARAの名前で作曲したことでも話題になった楽曲だが，レコーディングでは，曲の完成度を高めたい藤原さんと，ティアとして歌いたいゆかなさんが話し合いつつ，収録作業を進めていったという。
　ゆかなさんは，自分が全力を出して歌ったとして，それはティアという人物が歌ったものと同一になるのか，というところを気にかけていたと話した。

「譜歌〜song by Tear〜」への思い入れを語るゆかなさん

　ゆかなさんに続いては，「テイルズ オブ ファンタジア」からずっとシリーズの音楽を手がける桜庭 統氏が登壇し，制作秘話を語った。
　テイルズ オブシリーズでは印象深い楽曲を多数作り出している桜庭氏だが，作曲では，シナリオや画像を資料としつつ進めていくとのこと。とはいえ，シナリオは“あえて読み込みすぎない”という。深く読み過ぎてしまうと，そこから想像が広がらなくなってしまからだ。
　また，桜庭氏は数々の戦闘曲でも知られているが，ゲームでは戦闘曲を何度も聞くことになるため，あまり複雑なコードを使わず，ループのたびに気持ちが上がるようなものにしていると，曲作りの工夫を語った。

桜庭 統氏は作曲にまつわる秘話を明かした

　続くプログラムは，今年で10周年を迎えた「テイルズ オブ ヴェスペリア」をフィーチャーしたものに。ゲームの流れを追ったマップメドレー，そして「火花散らして」のあとには，BONNIE PINKさんが登場して，「満月と明星と〜鐘を鳴らして〜」を歌った。
　歌い終えたBONNIE PINKさんは，東京フィルハーモニー交響楽団の演奏は大きな船に揺られているように気持ち良いと絶賛した。歌詞の“光”と“影”はユーリとフレンを表したもので，今日は2人を背負って舞台に立っているようだったと，曲と歌に込めた思いを述べた。

「満月と明星と〜鐘を鳴らして〜」を歌うBONNIE PINKさん

　バトル曲4曲と，高グレード勝利を飾る「完全無欠の勝利！」という構成のバトルメドレーのあとは，ファンの拍手に応えてアンコールに。
　「flying」（テイルズ オブ エターニア），シークレットゲストのカノンさんが歌う「鳥は鳴き，僕は歌う」（テイルズ オブ レジェンディア），そして「夢であるように」（テイルズ オブ デスティニー）というラインナップで，満場のファンはイントロが流れるたびに喜びの声をあげていた。
　コンサートライトの解禁，休日公演など，新しい試みが多かったコンサートはあっという間に終了し，ホールの出口では，退場したファン達がコンサートの感想を口々に語り合っていた。

「鳥は鳴き，僕は歌う」を歌う，シークレットゲストのカノンさん

「テイルズ オブ オーケストラコンサート 2018」
公式サイト