プレイレポート
強烈なノリと爽快なストーリーが魅力。「私は大統領だからだ!」と言われたら納得するしかない「METAL WOLF CHAOS XD」インプレッション
本作は,2004年にXboxで発売された「メタルウルフカオス」のアップグレード移植版だ。と言いつつ,メタルウルフカオスは日本でのみ発売されたタイトルであり,その発売地域と対応プラットフォームが限られていることから,当時,原作を遊んだ人はかなり少なかったと思う。
一方で,国内外にコアなファンが付いているタイトルでもあり,そこに目をつけたDevolver Digitalが冗談半分でネタにしたところ,反響が大きく本当に移植が決まってしまったほどである(関連記事)。
では,なぜ日本のXboxユーザーという限られたゲーマーのみを対象としたタイトルに,Devolver Digitalが反応するほどの熱量を持つファンがいたのか。それは,ゲームを起動すればすぐに分かる。最初からノリがぶっ飛んでいるのだ。
まずはイントロを抜粋してみよう。
合衆国は完全にクーデター軍の手中に落ちたかに見えた。
だが,クーデター軍に対抗する合衆国最後の希望が残されていた。
合衆国大統領だ。
これだけでも「何言ってんの!?」と思うしかない。大統領が対抗するのかよ。
第47代アメリカ合衆国大統領マイケル・ウィルソンは,
秘密裏に開発していた“特殊機動重装甲”を身にまとい,
ただ一人敢然と戦いつづけた。アメリカの自由を取り戻すために・・・。
しかも大統領が直接1人で戦うのかよ! ツッコミどころがありすぎだ。
というわけで,本作の主人公はアメリカ大統領のマイケルである。彼は最新鋭のパワードスーツ「メタルウルフ」を着込み,アメリカ全土を掌握したクーデター軍に立ち向かっていく。
クーデター軍はマイケルを止めるため,歩兵に戦車に戦闘ヘリにと,たった1人の相手にこれでもかと戦力を投入してくるが,そんなものは敵ではない。プロパガンダを流されて,悪と誹りを受けても挫けはしない。「巨大電磁砲で西海岸の街を吹き飛ばすぞ!」などと脅迫されようとも,決して屈することはない。「なぜなら私は,アメリカ合衆国大統領だからだ!」と,真正面から叩き潰すからだ。それを言われたら黙るしかないだろう。すげえよ大統領。
ゲームプレイ自体は,オーソドックスなステージクリア型のアクションだ。敵の撃破数や,連続して敵を倒したコンボ数などに応じてポイントが獲得できるので,ハイスコアを目指して敵を蹴散らしていく。
シナリオ上,ホワイトハウスのあるアメリカ東海岸から脱出したマイケルは,西海岸のサンフランシスコから攻略を開始する。その後は,選択できるステージが複数登場し,東へ向けて好きな順番で攻略を進めていくことになる。
ゲームシステム的には,メタルウルフの背面に2基搭載された,ウェポンラックを使った武器切り替えが最大の特徴だ。ウェポンラックには,ゲームスタート時点で左右それぞれ4つずつ,合計最大8つの武器を搭載できる。ハンドガンやショットガン,アサルトライフルやバズーカなど,さまざまな武器を状況に応じて切り替えて扱えるのだ。
左のウェポンラックには重火力武器を,右には連射系を搭載するといった感じで,使い勝手によってまとめてみたり,あるいは換装するときは両手にバズーカを持つなどの極端な装備にしたりと,プレイヤーによってカスタマイズのクセが出ることだろう。
わざとらしいアメリカンジョークを飛ばしながら,大統領自ら,立ちふさがるものを片っ端から粉砕し,アメリカを取り戻す。その強烈なキャラクターと演出,分かりやすいストーリー,そして爽快な破壊表現が,本作の大きな魅力だ。日本でしか発売されていないにもかかわらず,海外ファンまでも獲得するほどの“勢い”を,15年ぶりに復活を果たした本作で感じてみてほしい。
「METAL WOLF CHAOS XD」公式サイト
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(C)2004,2018 FromSoftware, Inc. All rights reserved.
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