インタビュー
[E3 2019]「METAL WOLF CHAOS XD」は冗談半分のTweetから始まった? フロム・ソフトウェアとDevolver Digitalにインタビュー
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
本作が発表されたときからずっと気になっていたのですが,Devolver Digitalさんはどういった経緯で「METAL WOLF CHAOS」に目を付けて復活させることを決めたのでしょうか。
ナイジェル・ローリー氏(以下,ナイジェル氏):
実はオリジナル版をプレイしたことはなかったのですが,YouTubeなどで熱心に遊んで楽しんでいる人の姿を見ていたので,面白いなと思って半分冗談でTweetして,ユーザーの反応を見ていたんです。そうしたらすごく反響があって,だったら本当に我々でやればどうだろうと,フロム・ソフトウェアにアプローチしました。でも正直,断られると思っていたんですよね(笑)。
4Gamer:
ということは,Devolver DigitalさんがTwitterでMETAL WOLF CHAOSをネタにしていたのって,XDの企画が進んでいたわけではなく,勝手にやっていたんですか?(笑)
ナイジェル氏:
はい,まったく連絡していないのにやっていました。とりあえずつぶやいてみようかなって。
4Gamer:
フロム・ソフトウェアさんのタイトルでHD化されていないものはたくさんありますけども,なぜその中であえてMETAL WOLF CHAOSをチョイスしたのでしょう。
ナイジェル氏:
フロム・ソフトウェアさんは素晴らしいタイトルをいっぱい持っていますし,我々にとってレジェンドなので,何かやりたいと思っていました。その中でもMETAL WOLF CHAOSは,我々アメリカ人にとってレアなタイトルですし,内容も「日本人から見たアメリカのイメージ」という感じで,面白そうだと思ったんです。
4Gamer:
Devolver Digitalさんから話が来たときの,竹内さんの感想を教えてください。
竹内将典氏(以下,竹内氏):
話をもらった当時の時点で12年ぐらい前のゲームだったので,今さら出しても喜んでもらえないだろうと,あまり気が進みませんでした。ただ,Tweetなどの反響が良く,Devolver Digitalさんからも強くやってみたいというお話があり,考え直したんです。
また,METAL WOLF CHAOSをXboxで発売した当時は,もともとアメリカやヨーロッパで出すつもりだったんです。しかし,諸事情で出せなくなってしまい,日本のみの発売になったことが心残りだったので,やろうということになりました。
4Gammer:
海外でのMETAL WOLF CHAOSの入手ハードルはどのぐらいなのでしょう?
ナイジェル氏:
箱のコンディションなどにもよりますが,数百ドルはしますね。
竹内氏:
日本でもレアで,約10年前の時点でプレミアがついていました。1万8000円ぐらいだったかな? しかも海外の場合,リージョンロックがあったので日本のXboxも必要でしたから,プレイのハードルは相当なものです。
ナイジェル氏:
フロム・ソフトウェアさんからMETAL WOLF CHAOSの現物を送ってもらえたとき,すごく嬉しかったです。
4Gamer:
XDの話が決まってから,Devolver Digitalさんもプレイされたと思いますが,実際に触ってみて,アメリカ人のローリーさんはどういった印象を受けましたか?
ナイジェル氏:
これはもう,アメリカの代表作ですね!(笑) METAL WOLF CHAOSにはシュールな演出やぶっ飛んだジョークが盛り込まれているんですが,すごく笑えて好きですね。主人公のマイケル・ウィルソン大統領のセリフに,「なぜなら私は,アメリカ合衆国大統領だからだ!」というのがありますが,今ならこれを現実で言われても違和感がありません(笑)。
4Gamer:
ああ,確かに。
ナイジェル氏:
時代がMETAL WOLF CHAOSに追いついたと言うべきでしょうか(笑)。
4Gamer:
ぶっ飛んだ設定から,どうしてもそちらに目が行きがちですが,METAL WOLF CHAOSのゲーム部分は,フロム・ソフトウェアさんらしい骨太な作りですよね。
竹内氏:
そうですね。フロム・ソフトウェアのゲームですから,ある程度ルールを理解して挑まないと,死んでしまいます。適当にボタンを押してゴリ押しするスタイルは通用しません。そこはいつものフロム・ソフトウェアだと思って,楽しんでいただきたいです。近年の「DARK SOULS」シリーズなどのような死にゲーではないので,そこまでシビアではありませんが。
ナイジェル氏:
METAL WOLF CHAOSのゲームシステムではウェポンラックの仕組みが好きですね。リアルタイムで武器を切り替えて戦っていくのが気持ちいいです。
4Gamer:
ウェポンラックはデザイン的にも特徴がありますよね。マイケル機のメカデザインは,当時どういったやり取りで決まっていったものなのでしょう。
竹内氏:
覚えている限りでは,ウェポンラックを開くと武器が収められていて,そこをローテーションして武器を選ぶというギミックが,最初のコンセプト時点で決まっていました。
また,ある程度俊敏な動きができるイメージを持たせつつ,アメリカ大統領が着るパワードスーツですから,マッチョなイメージも持たせたいという,やや矛盾する注文をデザイナーにした覚えがあります。
4Gamer:
確かに,アメリカ系のメカというと,あまり高機動型な形状というイメージはないですね。
竹内氏:
そうですよね。あとは,アメリカの大統領機ですから,国旗の色を入れたカラーリングになりました。
ナイジェル氏:
「日本人から見たアメリカをイメージしたロボット」というのが,アメリカ人として嬉しいですね。アメリカのロボットというと,戦車っぽいものなどのイメージが若い頃からあったので,日本のケレン味のあるロボットを知ったときは憧れたものです。
4Gamer:
タイトル発表から1年が経ったということで,発売日がいつ頃になるのかも気になっているのですが,いかがでしょうか。
ナイジェル氏:
長い間待っていただいているファンの方もいらっしゃると思いますが,数週間後には発売日を発表する予定です。やっと皆さんの手元に本作をお届けできますので,もう少しお待ちください。
竹内氏:
Xbox版からだいぶ時間も経ってしまいましたが,ようやく海外の方にも遊んでもらえるようになりますので,楽しんでもらえると嬉しいです。日本の皆さんにとっても,当時はXboxでしか遊べなかったものが,さまざまなプラットフォームでプレイできるようになります。ぜひ楽しんでください。
4Gamer:
ありがとうございました。
「METAL WOLF CHAOS XD」公式サイト
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