プレイレポート
成長した森の精霊・オリに立ちはだかる試練。「Ori and the Will of the Wisps」プレイレポート
2015年にリリースされた「Ori and the Blind Forest」(邦題:オリとくらやみの森)は,日本の手描き風アニメにインスパイアされた美しいグラフィックスや感動的なストーリー,メトロイドヴァニア的な探索やアクションが見事に融合したアクションゲームとして高評価を得た作品だ。
生まれて間もない森の精霊・オリが,執拗に命を狙い続ける巨鳥・クロの攻撃を回避しながら,荒廃したニベルの森の回復を目指して冒険を繰り広げるというストーリーが描かれていた。
その続編となる「Ori and the Will of the Wisps」は,あれから少し成長を遂げたオリが育ての母であるナルや,クモ種族の最後の生き残り・グモと共に平和になった森で仲良く暮らしているシーンから始まる。
物語は何語とも判別できない語りとアニメーションによって描かれる。前作のエンディングで託されることになった卵を育み,オリは育ての親として幼鳥のフクロウ・クゥに接しながらチュートリアルを進めていく。
クゥは生まれつきで右翼に羽根が生えそろっていないため,うまく飛ぶことができないが,オリが秘蔵していた羽根を結びつけることで,2人はちょっとした冒険に出かけることになる。
ところが,その道中で嵐に遭い,クゥの背中に乗っていたオリは振り落とされてしまった。こうして森を出たオリが“失われた者たち”(the lost ones)の真実を追いながら,さまざまな場所を巡り,自分の本当の運命を導き出していく。
「Ori and the Will of the Wisps」は前作と同じく,メトロイドヴァニアと呼ばれる探索型アクションゲームがベースになっている。ただ,戦闘に突入すると,アクション面にいくつもの改良が施されていることに気がつく。
オリは複数の武器や特殊能力を装備できるようになり,序盤ではスピーディに振ることが可能な「Spirit Sword」と,距離を置いて攻撃を加えられる「Spirit Bow」がアンロックされる。もちろん,武器はフィールドに散りばめられた“パズル”を解く際にも必要なものだ。
武器は[X/Y/B]ボタンのいずれかにアサインすることができ,特殊能力は体力を回復するものをはじめ,さまざまなバリエーションが存在する。
Xbox Game Studiosのシニアプロデューサー,ダニエル・スミス(Daniel Smith)氏によると,オリのカスタマイズ要素は「ディアブロ」のようなアクションRPGを手本にしており,スピードやパワー,攻撃範囲の異なる武器を用意することで,プレイヤーが自分に合ったスタイルを見出だせるという。
また,2Dプラットフォームアクションゲームとしては珍しく,高いリプレイ性にもつながっているとのこと。繰り返しプレイすることで自身のスキルを磨いたり,新しい武器にも親しんでもらえるとスミス氏は話していた。
アクションスタイルの多様性については,「Shard System」というスキルツリーを簡略化したようなシステムも搭載されている。体力の減少と引き換えに攻撃力を上昇させたり,弓から発せられる矢が複数になったりするものから,マップに次の目標の方向を表示するといったオプションまでも存在し,プレイヤーは自分の好みに合わせてカスタマイズしていくことが可能だ。
こうしたアクション要素の強化において,ボスキャラクターの存在が大きな役割を果たすようだ。現在,公開されている映像やスクリーンショットでは,画面の大半を占める巨大モンスターの姿が確認できる。
今回のイベントでは,序盤に巨大なオオカミのようなモンスターが現れたが,スミス氏によると“中ボス”に相当するとのこと。キャンペーンには本物のボスキャラクターが十数体も登場するそうだ。
今回は約2時間のゲームプレイだったため,「The Will of the Wisps」の全貌を確かめられたわけではない。だが,森を飛び出してさらに広い世界を旅するなかでは,水泳をしたり,砂の中に潜ったりする新しい移動方法が登場するようだ。さらに,物売りの昆虫・ルポや,ハシビロコウのようなトックといった個性的なキャラクターに出会えた。サイドクエストも豊富に用意されているという。
前作では,幻想的かつ壮大なBGMの評価も高かった。Moon Studiosで8年にわたり,作曲を手がけているガレス・コーカー(Gareth Coker)氏は「前作を超えるために,質を高めることを優先的に考えました。収録にはより大きな楽団を起用し,映画『スター・ウォーズ』シリーズでも知られる有名なスタジオ(Abbey Road Studios)で行っています。前作は予算がなかったので断念したクワイア(聖歌隊)によるコーラスを加え,思い描いていたとおりの音楽性を実現できました」を胸を張る。
また,初めてSpirit Swordを入手した後には自然とテンポの速いサウンドに移り変わっていて,細かいBGMの変化による演出も印象的だった。
ハードなアクション要素を追求しているため,前作とは少々雰囲気が異なり,ファンの間では賛否両論が生まれるかもしれない。とはいえ,開発陣はこの変化をポジティブに捉えているようだ。今回のイベントでは紹介されなかったが,ほかのプレイヤー達とのタイムアタックを楽しむ「Spirit Trials」モードがフィーチャーされているという。
「Ori and the Will of the Wisps」はXbox OneやWindows 10(Xbox Play Anywhere対応),Steam向けに配信が予定されており,インタフェースとテキストが日本語化されるとのこと。3月11日に幕を開けるオリの新しい冒険を楽しみにしてほしい。
「Ori and the Will of the Wisps」公式サイト
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