インタビュー
[E3 2018]「FIFA 19」制作者インタビュー。新モード「UEFA チャンピオンズリーグ」や新システムの実装で何が変わったのか聞いてきた
追加要素や進化したゲームプレイについて,クリエイティブディレクターのMatt Prior氏と,Nintendo Switch版のプロデューサーを務めるAndrei Lazarescu氏に話を聞く機会を得たので,実際にプレイした感想とあわせてお伝えしよう。
やはりサッカーファンやサッカーゲーム好きにとって気になるのは,新たにライセンスを獲得したUCLの話だろう。両氏が「ライセンス獲得の期待の声が大きかった」と話すUCLは,欧州各国のリーグから強豪が集う,世界トップクラスのリーグ戦だ。
Prior氏はUCLについて,新モードのほかに既存のモードでも,さまざまな体験を与えるものとなっていると話す。例えばストーリーモード「The Journey: Champions」では,3作品にわたり描かれたAlex Hunter選手の物語のファイナルがUCLに関するものであり,重要なシーンになっているという。
続いて,Prior氏にPC版,PS4版,Xbox One版のアクションの進化について聞くと,まずフィジカル面について話をしてもらえた。
ボールを受けるときと蹴るときのアクションの変化や,それらを表現するアニメーションも生き生きとしたものになっている「アクティブタッチシステム」と,こぼれ球を対処する際,タイミングや姿勢のほかにスピードのある選手やパワーのある選手などといった各選手の特徴が影響する「50/50バトル」が実装されており,これまで以上に新たな体験を与えるものとなるという。
また,フィジカルだけではなく,「より戦術的に」というプレイヤーからの声が多いというFIFAでは,これまでも大事にしてきたストラテジーとしての要素をさらに強化したそうだ。新要素の「ダイナミック・タクティクス」は,プレイヤー自身が戦術を考えながらカスタマイズし,チームを作り上げていくという,シリーズのプレイヤーが“これまでに体験したことがない”システムとなっているとのことだ。
最後に,Switch版のお勧めしたいポイントをLazarescu氏に聞くと,グラフィックスや一部モードの違いなどはあるが,UCLのほかにもオンラインやローカルで気軽に世界各国の強豪クラブチームを使った対戦が楽しめるところを挙げてくれた。
このインタビュー後に,実際にEA PLAYの会場にあったプレイアブルデモでPS4版とSwitch版を体験してみた。
まず試合開始前から,トロフィーや会場の装飾,選手入場時に流れるUCLのアンセムなどが実際のUCLの中継を観ているかのような演出に仕上がっており,気分が高揚するのを感じられた。残念ながら筆者の応援しているクラブチームはデモ版にいなかったが,自身の応援するクラブチームでこの大舞台を再現したスタジアムで試合をすれば,きっとその気持ちがより高まることだろう。
デモ版で選べたのは強豪クラブチームが多く,所属選手も世界のトッププレイヤーばかりだった。そういった理由もあって,ボールタッチの変化は分かったものの,そのほかのアクションや戦術の細かい部分までは確認できなかった。しかしこのあたりの変化は,プレイを重ねて選手の特性やチームの特徴がつかめたときに気づくものだと思うので,体験版などでじっくりプレイして確かめたいところ。
Switch版はやはり気軽に遊べる部分が魅力で,いろいろなところに持ち運び,ゲームをあまり遊ばないサッカーファンに勧めるのに最適だ。グラフィックス面やゲームモードなどはPC版,PS4版,Xbox One版に比べてやや劣ってしまうが,他にはないSwitchというハードならではのゲームの遊び方や楽しさを打ち出しているのは,シリーズファンにとって喜ばしいことだろう。