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印刷2018/11/15 10:00

プレイレポート

「ヒットマン2」プレイレポート。新しい国を舞台に暗躍するエージェント47による,クリエイティブに進化した暗殺の美学を体験せよ

 ワーナー・ブラザース テレビジョン&ホームエンターテイメントが本日(2018年11月15日)発売したステルスアクションシリーズ最新作「ヒットマン2」PC / PS4 / Xbox One)。IO Interactiveが開発を手がけ,2016年3月よりエピゾディック方式という,各エピソードを個別に配信していく方法で販売された前作「ヒットマン」PC / PS4 / Xbox One)の続編で,エージェント47がオープンワールドを舞台にあの手この手で暗殺を繰り広げていく。

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 今回は「ヒットマン2」の発売前に,製品版に収録される6つのエピソードのうち4つと,オンラインマルチプレイに対応した「スナイパーアサシンモード」のベータ版を,PlayStation 4にてプレイすることができたので,そのプレイレポートをお届けしたい。
 なお本作は,暗殺に至るまでの手順や変装などがゲームクリアのカギとなるわけだが,本稿では若干のネタバレ的な要素に触れている。ノーヒントでプレイしたいという人は,記事前半のシステムやステージ紹介の項目までを読むという形がいいだろう。

主人公のエージェント47は,暗殺のプロフェッショナル。武器やアイテムの扱いや変装術にも長けている
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 2000年より展開されている「ヒットマン」シリーズの最新作となる本作。暗殺者である主人公「エージェント47(フォーティセブン)」(以下,47)が,世界各地のあらゆる状況下において,ターゲットを殺害する任務を遂行していくという内容は一貫して変わらない。
 前作はシリーズをリセットするような形で,47がエージェントとして組織に所属するときのプロローグが描かれていて,本作にも同じ内容のものがチュートリアルとして収録されている。

チュートリアルは訓練ミッション。基本はここで身に付けられる
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 ストーリーも前作から続く内容となっているが,メインとなるミッションの間に挟まれて展開される形なので,ゲーム進行への影響は少なく,本作から始めても問題はない。
 とはいえ,物語を知っていればより楽しめるのは世の常だ。そこでIOは本作のクオリティにチューニングされた前作の6つのエピソードをプレイできる「ワールド・オブ・アサシネーション」のプロジェクト(関連記事)を発表している。前作の所有者は無料でダウンロードでき,将来的には販売も予定されているとのことなので,機会があればプレイしてみてほしい。
 前作「ヒットマン ザ・コンプリート ファーストシーズン」は,追加コンテンツと新規コスチュームを追加した「ヒットマン ディフィニティブ・エディション」としてワーナー・ブラザース テレビジョン&ホームエンターテイメントから販売中だ。

メニューには前作とそのDLCの項目があり,配信後はここから開始できる
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 本作における47の目的はただ一つ,「標的の暗殺」である。広大な箱庭状に作られたステージの中からターゲットを探し出し,情報を集めながら殺害に至るまでのシチュエーションをパズルのように組み立てていくというゲームシステムが,本作最大の特徴である。
 誰をどの順番で,どういう手順と手段で暗殺するかはプレイヤーの自由。その選択肢はステージの中に無数に隠されていて,同じミッションに何度も挑んで新しい暗殺のシチュエーションを発見していくことも,面白さの一つとなっている。また上手く手順を踏めば,敵との撃ち合いなどが発生しないため,この手のアクションゲームがあまり得意でない人も楽しめるはずだ。
 ちなみにセリフの吹き替えはなく日本語字幕のみの対応となっていた。

人々の会話から,ターゲットの情報を入手することもある
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47の特技「インスティンクト」。使用中はターゲットの場所や周囲の人物,アイテムなどの場所などがハイライトされる
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 収録されているロケーションは「ホークスベイ(ニュージーランド)」「マイアミ(アメリカ)」「サンタ・フォルチューナ(コロンビア)」「ムンバイ(インド)」「ホイットルトン・クリーク(アメリカ)」「スゴール島(北大西洋)」の6か所。今回プレイしたのは,そのうちのホイットルトン・クリークとスゴール島を除く4か所だったのだが,ホークスベイ以外はターゲットが複数いるうえに大勢の人間が往来していて,暗殺が容易ではないことを予感させるものであった。

多くのミッションは,無数の人々が存在する場所が舞台で,この中で暗殺を成功させなければならない
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 ゲームの難度はミッションごとに「カジュアル」「プロフェッショナル」「マスター」の3段階の中から選べ,プロフェッショナル以下では暗殺のヒントとなる「ミッションストーリー」(前作における「アプローチ」)が用意されていて,それを追跡することで,ターゲットを暗殺するチャンスが生まれるという仕組みだ。初見でこれに頼らずに暗殺を成功させることはかなり難しいが,ステージ内をくまなく歩き回ったり,繰り返しプレイしたりすれば,暗殺につながるきっかけを発見できるゲームデザインになっているので,あえて頼らずにプレイしてみるのも一興かもしれない。
 なおこのPS4版は前作同様,ゲームのロードが全体的にやや長めなのが気になったが,ステージの広さなどを考えれば許容範囲と言えるだろう。

ミッションストーリーの追跡中は電球のアイコンとその場所までの距離が表示される(黄色い屋根の下にあるもの)
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 ここからは多少のネタバレを含めつつ,本作の暗殺におけるシチュエーション作りの面白さをお伝えしていきたい。

最初のミッションのホークスベイはチュートリアルの延長のような内容だが,それでも暗殺の手段は複数ある
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 例えばマイアミのミッション「フィニッシュライン」の舞台は,レース開催中のサーキットとその周辺で,ターゲットの1人はミッション開始の時点でレースに出場しているレーサーの女性である。
 大勢の観客が見守る中でコース上を走っている彼女を殺害するには,武器を使うよりも,レース中に事故が発生するように細工をする,あるいはレース終了後に車から降りてきたところを殺害するといった選択肢が有効となる。
 筆者の最初のプレイでは,ピットクルーに変装してピットストップに入ってきた彼女のマシンに細工をすることで暗殺を成功させたわけだが,このミッションに限っては,47がミッションストーリーに応じてどう動くかでレースの展開が変わっていくところも面白かったところだ。

様々な人が働くこの場所では,変装のパターンも多数存在し,それにより入れる場所も異なる
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派手な暗殺方法は,一般の人々を巻き込む可能性も。これはクリア後の評価に影響する
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変装をすることで,暗殺対象の目の前まで近寄れることも
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暗殺といえば狙撃。スナイパーライフルで遠距離から標的をヒットすることも可能だ
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 またムンバイの「雲を掴むような話」では,ターゲットの1人が無数の人混みの中に紛れていて見た目では区別が付かず,インスティンクトも効果がない。その手がかりを探す手間に加えて,暗殺を警戒した一部のギャングが47のような見慣れない人物に対して疑いの目をかけてくるという厳しい状況下にある。
 そんな中に登場するのが,47とは別のクライアントに雇われたもう1人の暗殺者だ。彼はスナイパーで47と共通するターゲットを狙っているようだが,敵地に乗り込むようなことはせず,根気よくターゲットが狙撃範囲内に入るのを待っている。そこで47は得意の変装術でターゲットに近づき,彼の狙撃範囲内に誘導するというわけである。

47がいる場所とは別のところで起きているイベントは,左上の画面に表示される
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 暗殺の方法は前作と同等かそれ以上に選択肢が多く,公式の動画でも紹介されているように凶器も多彩で,遊んでいて感心させられる。暗殺というハードなテーマで,さらにポーカーフェイスがトレードマークの47が主人公でありながら,ときにコミカルな描写が発生するギャップもまた見どころの一つだ。ミッション遂行時の実績に挑戦する「チャレンジ」にも「魚を使って誰かを海に叩き落とせ」「主演俳優に変装して写真撮影に参加する」「カルテルの兵士をピラニアの餌食にせよ」などといったかなり面白いものが揃っているので,ぜひコンプリートしてしてみてほしい。

暗殺のプロである47は,目的のためならどんな姿になることにもためらいはない
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 最後に「スナイパーアサシンモード」のベータ版についても触れておきたい。こちらはオーストリアのヒンメルスタインという架空の地域で行われる結婚式が舞台で,そこに集まる強盗団の生き残り3人をターゲットとしている。

ベータ版は本編のDL版の特典として,別のアプリで提供された
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 目的は結婚式会場を見渡せるポイントからの狙撃によるターゲットおよびボディガードの暗殺。47のスナイパーとしての腕の見せどころとなる,シューティングミッションである。制限時間の15分以内に確実にターゲット3人を始末しつつ,さらにボディガードを倒した人数やスキルショットなどで最終的なスコアが決定。また一般人を誤射するとマイナス点となり,ターゲットの誰か1人でも逃げてしまうとその場でゲームオーバーとなってしまう。

47が位置している場所はステージのほとんどを見渡せ,相手から攻撃を受けることはない
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スナイパーライフルのスコープは3段階にズームが可能。当然のことだが,狙撃対象が遠いほど,ぶれや着弾までのラグは大きくなる
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 本編のようにお膳立てをする必要はないが,誰かが狙撃されたことが知れ渡ると大騒ぎになり,ターゲットが逃走を始め狙撃が難しくなるので,倒したことを察知されにくい場所にいるボディガードから倒していくのが高得点を稼ぐ定石となる。また移動中のターゲットは狙撃が難しいので,オブジェクトを撃って巻き込んだり,特定の場所を撃って誘導したりといった戦略も成立する。
 今回はオンラインプレイは体験できなかったのだが,同じステージの同じ条件下をフレンドと2人でプレイする形となるようで,狙撃によるコンビネーションも面白くなりそうだ。

インスティンクトも使用可能。このときは時間の流れが少し遅くなるが,着弾ラグもより大きくなる
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狙撃に気づかれると,ターゲットや一部のボディガードが逃走を始める
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 今回は4つのステージを体験してみたが,繰り返しプレイする前提であれば,ここまででもかなり遊べる内容であった。純粋な続編なので,前作を遊んだことがある人にはすんなり入っていける内容であり,一方初めて遊ぶという人でも,ストーリーをあまり気にしないのなら,本作からプレイしても問題はない。さらに「ワールド・オブ・アサシネーション」により,前作を並行してプレイするチャンスも用意されているので,ぜひ試してみてほしい。

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