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書き込み性能を高めたミドルクラス市場向けSSDの新モデルはかなり「強い」選択肢だ
Samsung SSD 970 EVO Plus
日本時間2019年1月23日0:00,Samsung Electronics(以下,Samsung)がSSDの新製品「SSD 970 EVO Plus」を発表した。国内では2月上旬発売予定となっている。
論理インタフェースとしてNVM Express,物理インタフェースとしてPCI Express(以下,PCIe)Gen.3 x4を採用する,M.2フォームファクタのSSDとなるSSD 970 EVO Plusは,従来製品「SSD 970 EVO」のマイナーチェンジモデルだ。
今回4Gamerでは,発表に合わせて容量1TBモデルの実機をSamsungの販売代理店であるITGマーケティングから入手できたので,気になるその性能をレポートしてみたいと思う。
「従来比で最大40%以上の性能向上を実現した第5世代V-NAND」が最大のアピールポイント
2018年7月に量産開始のアナウンスがあった第5世代V-NANDは,「Toggle DDR 4.0」と呼ばれる新しいNAND型メモリインタフェースに対応した製品で,Samsungの英文プレスリリースによると,SSD 970 PROおよびSSD 970 EVOが採用する第4世代V-NANDに比べて,読み出し速度が40%以上,書き込み速度も30%以上向上しているという。
Samsungは第4世代V-NANDで64層だと明確な数字を挙げていたのだが,今回「90層以上」とボカした表現を使っていることは興味深い。コンピュータ業界の慣例に従うならおそらく96層になるのだろうが,そう明言しない以上は,チップレベルの歩留まりを上げるべく,いくつかの層を予備にしている可能性もあるだろう。
いずれにせよ,第4世代V-NANDに対して1.5倍近い集積度を実現できるポテンシャルを秘めているわけである。
さて,そんな第5世代V-NANDを採用するSSD 970 EVO Plusだが,発表時点のラインナップは容量1TBモデルと500GBモデル,250GBモデルの3製品だ。
国内型番と発表時点における販売代理店想定売価は以下のとおり。SSD 970 EVOには容量2TBモデルがあるのだが,現時点だとSSD 970 EVO Plusの容量2TBモデルはない。
- 容量1TBモデル:MZ-V7S1T0B/IT,税込3万3500円前後
- 容量500GBモデル:MZ-V7S500B/IT,税込2万1500円前後
- 容量250GBモデル:MZ-V7S250B/IT,税込1万2500円前後
なお,組み合わされるSSDコントローラはSSD 970 EVOと同じ「Phoenix Controller」だが,Samsungによると,ファームウェアを第5世代V-NANDに最適化することで,その性能を引き出すことに成功しているそうだ。
少し疑問なのは,第5世代V-NANDのToggle DDR 4.0インタフェースをPhoenix Controllerがサポートできるのかという点だが,NAND型フラッシュメモリとコントローラのいずれも自社製なので,事前に対応していたということはあり得るだろう。
そのほか細かなスペックは表1にまとめたとおりとなる。
SSD 970 EVO Plusのスペックをもう少し突っ込んで比較すべく,容量1TBモデルでSSD 970 EVOおよびSSD 970 PROと比較したものが表2だ。公称の逐次読み出し性能はPCIe Gen.3 x4の仕様上限もあってほぼ横並びだが,それ以外の速度性能値にはけっこうな違いがあるのも見てとれるだろう。
大きく変わったのは逐次書き込み性能で,容量1TBの場合,SSD 970 EVOが2500MB/sだったところが,SSD 970 EVO Plusは3300MB/sと1.32倍に向上した。SSD 970 PROの2700MB/sに対しても1.22倍の逐次書き込み性能を見せている。公称の逐次書き込み性能が3000MB/sを超えたインパクトは大きい。
また,ランダム読み出しはSSD 970 EVOに対して1.2倍、同書き込みは約1.15倍に達しているのも分かる。ランダムアクセス性能は上位のSSD 970 PROより高いカタログスペックを持つので、SSD 970 EVO Plusをカタログ性能だけで比較していくとSSD 970 PROの上位モデルのようにも見えるほどだ。
ただし,SSD 970 EVO PlusはTLC採用モデルなので,2bit MLCを採用するSSD 970 PROに比べると寿命までに書き込むことができる容量を示すTBWは600TBとSSD 970 PROの半分に留まる。性能は上位モデル並だが,耐久性はあくまでもSSD 970 EVOシリーズのそれというのがSSD 970 EVO Plusの特徴と言えそうだ。
そのほか,基本的な仕様はSSD 970 EVOを踏襲するが,細かなアップデートが入っている。
まず,NAND型フラッシュメモリの一部をSLC(Single Level Cell)化して書き込み性能の向上を図る「Intelligent TurboWrite」機能はそのまま。SLC化する領域(=TurboWrite領域)のサイズもSSD 970 EVOと同じだが,TurboWrite領域を使い切った後の書き込み性能がやや向上しているという。ここは第5世代V-NANDのメリットという理解でよさそうだ。
また,温度が上昇すると自動的に性能をを落として冷却を優先する「Dynamic Thermal Guard」(以下,DTG)にも改良が入ったという。Samsungによると,DTGが機能するまでの間に,SSD 970 EVO比で最大86%も多くのデータを書き込むことができるようになったとのことである。
NAND型フラッシュメモリの温度と性能を重ねたグラフだ。温度上昇時の性能でSSD 970 EVO PlusがSSD 970 EVOを上回るとアピールするものになっている |
DTGが機能するまでに書き込めるデータ量を比較したもの。斜線になっている部分がSSD 970 EVOよりも多く書き込めるデータ量ということになる。これが「86%」の根拠だ |
なお,SSD 970 EVO PlusとSSD 970 EVOとの間に,外観上の違いはほぼない。今回,シールを剥がすことは許可されなかったので,シールの下にあるNAND型フラッシュメモリの型番などをチェックすることはできなかったが,搭載するNAND型フラッシュメモリの枚数が容量1TBモデルで2枚という点は両者で変わっていない。
また,SSD 970 EVO Plusの裏に貼り付けてあるシールは横から見ると銅色に光っていたので,SSD 970 EVOと同じく,熱を拡散させる銅製シール「Copper Seal」(日本語表記:銅箔層ヒートスプレディングラベル)が貼ってあるという理解でいいようだ。Samsungは今回,取り立ててCopper Sealの存在をアピールしていないのだが,マイナーチェンジモデルであって,このあたりは大きく変わっていないため,アピールするまでもないという判断なのかもしれない。
従来製品および競合製品と比較
テストのセットアップに入ろう。
ここまで紹介してきたとおり,今回4GamerではSSD 970 EVO Plusの容量1TBモデルを入手済みなので,SSD 970 EVOとSSD 970 PRO,そして競合製品である「WD Black NVMe SSD」のそれぞれ容量1TBモデルと横並びで比較することにした。
テスト環境の主なスペックは表3のとおり。SSDはテストに用いたマザーボード「ROG STRIX X370-F」のM.2ソケットに装着したが,本マザーボードに付属のM.2用ヒートシンクは取り付けていない。発熱で性能が下がるようなことがあれば,それをスコアに反映させるためだ。
実行するテストは,定番の「CrystalDiskMark」(Version 6.0.1)と,I/O性能を測る「Iometer」(Version 1.1.0),そして「PCMark 8」(Version 2.10.901)のテストで,24時間以上にわたってストレージへ負荷をかけ続ける「Expanded Storage」の合計3種類だ。
CrystalDiskMarkでは書き込み時に高い性能を叩き出すSSD 970 EVO Plus
まずはCrystalDiskMarkからだ。4GamerではCrystalDiskMarkを「テスト回数9回,テストサイズ8GiB」という設定で5回連続実行し,その平均をスコアとして採用している。
グラフ1はQueue Depth(以下,QD)=32,Thread数(以下,T)=1という条件における逐次アクセスのテスト結果をまとめたものだ。最大32のコマンドを先送りして逐次アクセスを行うため,対象ストレージの逐次アクセス性能の最大値に近い値が得られるという期待ができるのだが,SSD 970 EVO Plusの逐次読み出し性能は3500MB/s強,逐次書き込み性能は約3300MB/s台なので,いずれもカタログスペックどおりの結果が出ている。逐次書き込み性能の高いWD Blackに対して約1.15倍のスコアというのは見事だ。
前述のとおり,逐次読み出し性能はすでにインタフェースの仕様上限に達してしまっているが,逐次書き込み性能もSSD 970 EVO Plusの登場で上限が見えてきたと言っていいだろう。
次にグラフ2は,QD=8,T=8という条件で実行したランダムアクセスの結果をまとめたものだ。高性能なSSDではシングルスレッド環境の性能に差が付きづらくなったため「マルチスレッド環境におけるランダムアクセス性能を見るテスト」としてCrystalDiskMarkバージョン6.0で組み込まれたテストである。
スコアを見ると,ランダム読み出しでは上位モデルであるSSD 970 PROが僅差でトップとなり,SSD 970 EVO PlusとSSD 970 EVOはほぼ横並び。対してランダム書き込みだとSSD 970 EVO PlusがSSD 970 PROよりも約80MB/sほど高いスコアを示してトップに立った。
本稿の序盤でも触れているとおり,第5世代V-NANDは書き込み性能が従来世代と比べて30%高いとされているので,最新世代のNAND型フラッシュメモリが持つ「素の性能」の違いが出たと言えるかもしれない。
最大32コマンドの先送りを行う従来型のランダムアクセステストとなる,QD=32,T=1という条件で実行したランダムアクセスの結果がグラフ3となる。
ここでは読み出し,書き込みともSSD 970 EVO Plusがトップで,SSD 970 EVO,SSD 970 PRO,WD Blackがそれに続く格好になった。SSD 970 PROのスコアが低めなところが気になる読者もいると思うが,SSD 970 PROはTurboWriteを使っていないので,それが影響しているのだろう。
グラフ4は,コマンドキューを使わず,かつスレッド数も最小に設定することで,ストレージのアクセス遅延を見ることのできるQD=1,T=1という条件で実行したランダムアクセスの結果だ。
読み出しだとSSD 970 PROがトップで,SSD 970 EVO Plusは2番手だが,SSD 970 EVOとほぼ横並び。一方,書き込みだとSSD 970 PROとSSD 970 EVO Plusがトップで,SSD 970 EVOをほんのわずかに上回る結果となった。
「SSD 970 EVO Plusは書き込み性能の上昇が大きい」というここまでの結果をおおむね踏襲するスコアと言っていい。
以上,全体としては,やはりグラフ1における逐次書き込みの3300MB/sというスコアの高さがSSD 970 EVO Plusにおける一番の見どころといった印象である。
また,ランダム書き込みでもSSD 970 EVO PlusはSSD 970 EVOに対して高いスコアを示せており,結果として上位モデルのSSD 970 PROに肉薄し,テストによっては超えたりもしている。CrystalDiskMarkにおけるテスト結果はカタログどおりとまとめてよさそうだ。
Iometerではスコアが1割低下も,安定感は逆に向上
続いてはIometerの結果を見ていこう。Iometerは設定したアクセスパターンを使ってストレージに高い負荷をかけることによって性能を測るベンチマークで,ストレージのI/O性能を確認することができる。
また,同時にIometerスタート直後1分間のIOPS値と終了時1分間のIOPS値も比較する。激しいディスクアクセスを1時間続けることによりIOPSがどのくらい変化するのかが分かるからだ。
結果はグラフ5のとおり。SSD 970 EVO Plusの総合スコアはSSD 970 EVOの約90%,SSD 970 PROの約89%に留まった。おおむね1割程度はスコアが低いわけである。
ただ,開始直後1分間と終了直前1分間のIOPS値を見ると,SSD 970 EVOとSSD 970 PROでいずれも後者のIOPS値が前者と比べて下がっているのに対し,SSD 970 EVO Plusはむしろ上昇するというスコアを残している。連続稼働時におけるスコアの安定性という点ではSSD 970 EVO Plusのほうが良好であり,このあたりはファームウェアの方向性がかなり異なっているのではないかと考えている。
ちなみに,先ほど「下がった」としたSSD 970 EVO Plusの総合スコアも,WD Blackに対しては2倍以上高いスコアを示している。というか,4Gamerのレギュレーションで実施するIometerのテストで100000 IOPSを超えられるのはいまのところSamsung製SSDの一部製品だけだ。なので,SSD 970 EVO Plusのランダムアクセス性能は高く,また長時間の連続稼働でもスコアが落ちにくいと見るべきだろう。
高負荷環境で「SSD 970 EVO以上,SSD 970 PRO以下」のスコアを示すSSD 970 EVO Plus
簡単におさらいしておくと,Expanded Storageは「Consistency test v2」と「Adaptivity test」という2つのテストから成る。そしてConsistency test v2は以下に挙げる3フェーズで構成されるテストになっている。
- Degradation phase(劣化フェーズ):テスト対象のストレージに大量のランダムデータを書き込み,SSD内部においてデータの再配置が起こりやすい状況を作ったうえで,さらにランダムデータの量を毎回増やしながら合計8回のストレージテストを行い「再配置が多発している状況での性能低下」を調べる
- Steady state phase(安定化フェーズ):一定量のランダムデータを書き込んだうえでストレージテストを5回実行し,劣化の度合いが最大になった状態での性能を調べる
- Recovery phase(修復フェーズ):適切なインターバルを置きつつストレージテストを5回実行し「性能が低下した状態からどの程度回復するか」を調べる
テスト全体を通じた話をすると,一般的にはDegradation passで徐々に性能が劣化していき,Steady state passで性能の劣化度合いは最も大きくなる。そしてその後,Recovery phaseで性能が回復するというパターンを示す。なので,性能の劣化度合いと回復度合いの両方から,SSDに高い負荷をかけ続けたときの性能や快適さを測ることができるわけだ。
一方のAdaptivity testでは,ストレージ全体をランダムデータで埋めたあと,上のRecovery phaseに相当するテストを10回繰り返し,ストレージにとって性能を発揮しやすい環境にしてから,PCMark 8のストレージテスト結果を求めるものになっている。ベストケースにおけるスコアを見るものという理解でいい。
というわけで,SSDにかなりの負荷をかけるConsistency test v2から見ていきたい。グラフ6はConsistency test v2におけるStorage testの合計18回の平均帯域幅変化をプロットしたものになる。
グラフ6をクリックすると,詳細なスコアがまとまった表4を表示するようにしてあるので,ぜひ合わせて参照してもらえればと思うが,今回の主役であるSSD 970 EVO Plusは約635MB/sでConsistency test v2をスタートし,上下動を伴いつつDegradation pass 7で約608MB/sまで落ち込む。そのうえで,Recovery phaseに移ると素早い回復を見せ,760MB/s前後まで平均帯域幅を戻した。
同じように比較値対象を見てみると,SSD 970 EVOは約497MB/sでスタートして500MB/s前後で推移し,Recovery Phaseで620MB/s前後に回復というパターンなので,Consistency test v2を通してSSD 970 EVO PlusはSSD 970 EVOよりも100MB/s前後は大きな帯域幅を記録した格好になる。
上位モデルのSSD 970 PROは約686MB/sでスタートして高負荷時でも700MB/s弱をコンスタントに記録し,回復時は865MB/s前後まで上がっていく。SSD 970 EVO Plusはそんな両者のちょうど中間くらいのところに収まっているとは言えるだろう。
続いて,高負荷状況におけるストレージの振る舞いをより詳しく見るため,平均ストレージアクセス時間の変化を見ておきたい。
PCMark 8はオフィスやゲームなど複数のアプリケーションのストレージアクセスを再現することで,グラフ6で示した平均帯域幅を算出している。そのためConsistency test v2の実行結果としては「各アプリケーションのワークロードを実行したときのステータス」も得ることができるのだが,今回はそのなかからAdobe製の写真編集アプリケーション「Photoshop」を使った負荷の高いワークロード「Photoshop heavy」における平均ストレージアクセス時間の変化を抜き出してみよう。
グラフ7は,そのPhotoshop heavyにおける読み出し時の平均ストレージアクセス所要時間をプロットしたものだ。
SSD 970 EVO PlusはDegradation passからSteady state passにかけて0.16〜0.17msとかなり安定したストレージアクセス所要時間を記録し,Recovery phaseでは0.13msまで回復した。Degradation passからSteady state passまで0.2ms台,Recovery phaseで0.15msのSSD 970 EVOも安定はしているが,SSD 970 EVO Plusのほうがストレージアクセス時間が小さいので,高性能化していると見ていいだろう。
SSD 970 PROは上位モデルらしい格の違いを見せており,テストを通じて0.11msから0.12msでほぼびくともしないストレージアクセス時間を残している。ここはさすが上位モデルといったところだ。
WD Blackも0.17msから0.18msとテストを通じて安定しており,読み出し時におけるストレージアクセス時間はとても優秀な製品と述べることができる。
グラフ8は同じくPhotoshop heavyから,書き込み時の平均ストレージアクセス時間をプロットしたものになる。
SSD 970 EVO Plusは負荷が高いDegradation phaseからSteady state phaseにかけて0.39mmsから0.74msの間で上下し,Recovery phaseでは0.11msから0.15msといったストレージアクセス時間まで回復を見せている。
SSD 970 EVOだとDegradation phaseからSteady state phaseにかけて0.59msから0.86ms,Recovery phaseで0.11msから0.14msなので,高負荷時はSSD 970 EVOより若干優秀,回復後はほぼ同じと見てよさそうだ。
意外に成績が悪かったのがSSD 970 PROで,Degradation phaseだとワーストで1msを超えている。前述のとおり,SSD 970 PROはTurboWriteを採用していない製品なので,これが書き込み時の平均ストレージアクセス時間に影響を与えているのかもしれない。
Consistency test v2で実行したで実行した合計18回のStorage testから,最も高いスコア(「Best score」)と最も低いスコア(「Worst score」)を抜き出したものがグラフ9だ。両者のスコア差が小さいほど高負荷時の性能の落ち込みが小さいことになる。
結果を見ると,スコアはほぼ横並びだ。あえて言えばWD Blackは最も低いスコアが若干低めに出ているが,ほぼ互角と言っていいだろう。
最近のSSDであればPCMark 8のStorage testスコアはほとんど差がつかなくなってきているのだが,それを反映した結果といった印象だ。
最後に Adaptivity testの結果もまとめておきたい。
グラフ10はAdaptivity testで実行したStorage test合計10回のスコア平均を,グラフ11は平均帯域幅をそれぞれまとめたものだ。
先述のとおり,PCMark 8の総合スコアは最近のSSDだと差がつきにくくなっているため,いずれのSSD製品も優秀なスコアを出しているが,平均帯域は4製品でかなりのスコア差がついている。トップはSSD 970 PROで約930MB/sと驚異的な平均帯域幅を記録した。さすがハイエンドモデルである。
2番手はSSD 970 EVO Plusで約802MB/sだ。SSD 970 EVOの約666MB/sに対して1.2倍の平均帯域幅で,かなりの性能向上を果たしたと見ていい結果だ。WD Blackの約649MB/sもなかなか良好なスコアなのだが,SSD 970 EVO Plusはそれを完全に上回っている。
かなり「強い」ミドルクラス市場向けモデルと言えるSSD 970 EVO Plus
序盤でも紹介したとおり,容量1TB版SSD 970 EVO Plusの販売代理店想定売価は税込3万3500円前後と,流通在庫のみになりつつある(ように見える)SSD 970 EVOの3万5000円前後という税込実勢価格(※2019年1月23日現在)より若干ながら安価だ。性能を引き上げつつも価格は据え置きかそれ以下というのは,いかにも激戦区に向けた新製品といったところである。
ミドルクラス市場向けSSDの市場がホットなことは,ゲームをインストールする先にSSDを使いたいゲーマーにとって,朗報以外のナニモノでもない。性能と価格の競争がますます激しくなるであろうことを,大いに歓迎したいところだ。
ITGマーケティングのSSD 970 EVO Plus製品情報ページ
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