イベント
「ソニック」との初コラボに注目! ソニックシリーズの飯塚Pも登壇した「Be happy! ロメロ ブリット来日展」PRESS PREVIEWレポート
アート展の開催初日となる4月2日には,ロメロ ブリット氏本人に加え,セガの代表取締役 社長執行役員COOに就任した内海州史氏,ソニックシリーズのプロデューサー飯塚 隆氏らが立ち会ったPRESS PREVIEW(プレスプレビュー)が行われたので,本稿ではその模様をお伝えしよう。
ロメロ・ブリット(ROMERO BRITTO)氏
1963年,ブラジルのレシフェに生まれ,幼いころから新聞紙などをキャンバスに独学で画を学ぶ。その後,パリでマティスやピカソの作品に出会ったことで,キュービズムとポップを融合させた鮮やかでアイコニックな独自のスタイルを生み出した。
1989年には,アンディ・ウォーホールやキース・ヘリングと並んでアブソリュート・ウォッカの「Absolut Art」に選出され,その名を世に知らしめる。アウディ,ベントレー,ディズニー,コカ・コーラなどのブランドとのコラボレーションを手掛けたほか,2014FIFAワールド・カップブラジル大会,2016年のリオデジャネイロオリンピックのオフィシャルアートなど,数多くのプロジェクトで活躍している。
ロメロ・ブリット氏と「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の初コラボ
生き生きと色鮮やかに描かれたソニックがお披露目
PRESS PREVIEWは,まず伊勢丹 新宿店の店長である近藤詔太氏が登壇し,挨拶を行った。近藤氏は本アート展の開催実現と,ロメロ氏の来日について喜びと感謝を伝え,ロメロ氏の描くアートについては,鮮やかな色使いとポジティブなイメージは必ず来場者を笑顔にしてくれると力強く述べた。そして,イベントタイトルでもある“happy”をこのアート展をとおして感じてもられればと締めくくった。
続けてロメロ・ブリット氏,セガの代表取締役 社長執行役員COOの内海州史氏,日本ゼオンの執行役員 研究開発本部長を務める赤坂昌男氏が順に挨拶を行った。ロメロ氏は大好きな日本でアート展が開催できること,日本のファンと会える機会ができたことに大きな感謝を述べていた。
セガの内海氏は,今回のソニックとのコラボはとても光栄なことだと笑顔で話し,ロメロ氏のクリエイティブフィルターをとおして描くソニックから,また新しい発見があるのではないかと,その可能性に期待していた。
赤坂氏は,日本ゼオンが開発した新技術をロメロ氏が活用したことに感謝を述べ,新素材とアートの融合によってまったく新しい表現ができたことに喜びを示していた。
日本ゼオンは化学素材メーカーで,今回新たに「広帯域化コレステリック液晶素材」という新素材を開発。これをフィルムやフレーク化して印刷することで,革新的な視覚効果を持たせることに成功した。これは偽造防止の面でも大きな技術として,今後の活躍が期待できるものだという。なお,この新素材は現時点では研究開発品とのこと。今回はその技術を使用したロメロ氏の版画作品が5作品展示(参考出品)されており,これらの作品は世界初披露となっている。
それぞれの挨拶が終わると,ソニックの展示ブース,日本ゼオンの展示ブースを順に周り,ロメロ氏が内海氏,赤坂氏と共にそれぞれのブースでトークを行った。
ロメロ氏の描くアートは,目を惹くヴィヴィッドな色彩とはっきりとした線が特徴だ。その「多幸感の塊」のような絵画を目にすると,誰もが思わず笑顔になってしまう魔法にかかったような不思議な感覚が味わえる。それを本アート展のタイトル「Be Happy!」が表しているといってもいいだろう。
今回は風景画・静物画だけでなく,さまざまな有名人や映画のワンシーンなどが,ハッピーな感じにデフォルメされた作品となって数多く展示されていた。見ればそれぞれの人物やシーンなどを思い出しながら楽しめる。
●日本ゼオン展示ブース
「広帯域化コレステリック液晶素材」が使われている作品は,作品の一部に埋め込まれたデザイン部分を偏光板越しに見ることで,文字やデザインが浮かび上がるというもの。会場では作品の前に偏光板が設置され,実際に確認できた。ロメロ氏は,自身の表現したいメッセージを新しい形で作品にできることに喜びを感じていると共に,アーティストとして本物と偽物の識別ができる偽造防止という点についてもとても革新的な技術だと話した。また,1人のアーティストとして,この技術を使って美しい作品を仕上げられたことに感謝を述べていた。
●ソニック展示ブース
セガが誇る世界的人気のキャラクター,音速のハリネズミこと「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」が,ロメロ氏とのコラボを実現。ロメロ氏が自身の世界観で描くソニックのオリジナル描き下ろし原画は,本展覧会で世界初公開で,とても貴重な機会になっている。ブースではロメロ氏とソニックシリーズのプロデューサー飯塚氏との対談が行われ,ロメロ氏は自身が描いたソニックについて,目の色に注目してほしいと述べた。かなり入念な準備のもと,長い時間をかけてじっくりと描いていったという。
そのコメントを受けて飯塚氏は,ソニックが持つ元々のキャラクター性を生かしながら,ソニックが持つ正義感だけでなく,ユーモアも感じられ,ロメロ氏が愛情を持って描いてくれたことが伝わってくると熱く語り,コラボをやって本当に良かったと大きな感謝をロメロ氏に伝えていた。
ブース説明後,飯塚氏に個別で少しお話をうかがったので,そちらも掲載しよう。
4Gamer:
今回ソニックのイラストを描いていただきましたが,実際に見ての率直なご感想をお聞かせください。
飯塚 隆氏(以下,飯塚氏):
ロメロさんのアートは,すごくカラフルでポップでハッピーなアートスタイルですが,ソニックも初代からずっとポップなデザインスタイルを保ってきていたので,これはすごくマッチするなと思っていました。実際に見ると,違和感がないと言ったら変ですが,すごくソニックらしいアートに仕上がっていて感動しました。
4Gamer:
今回のコラボはどちらからお声がけして実現したのでしょうか。
飯塚氏:
我々セガのほうからですね。ロメロさんのアートとソニックはすごくマッチするんじゃないかと提案しましたら,ロメロさんに快く同意いただいて実現することができました。
4Gamer:
ロメロさんはソニックをご存じだったのでしょうか。
飯塚氏:
ロメロさんご本人にはお聞きしていませんが,先ほどロメロさんの息子さんと話したら,息子さんがソニックの大ファンだと聞きましたので,提案を差し上げる前からロメロさんもご存じだったのかなと思います。
4Gamer:
今回このようにゲーム以外のまったく別ジャンルでのコラボが実現したわけですが,今後も別ジャンルのコラボはお考えなのでしょうか。
飯塚氏:
そうですね。ソニックは今やアニメや映画,音楽,コミックと幅広く展開していますので,ゲームファン以外の人にも1つのキャラクターとしてリーチしたいという思いはあります。本日もゲーム関係じゃない記者の方も多くいらっしゃっているので,そういった形からも広げていければいいなと思っています。
4Gamer:
今日(4月2日)から4月7日まで展覧会が開催されるわけですが,これから来場される方,この記事で興味を持たれた方に向けてひと言お願いします。
飯塚氏:
ゲームファンの方には,ソニックがロメロさんの才能によってどのように仕上げられたのかという点が見どころだと思います。ですが,そこからロメロさんのほかの作品も見ていただきたいですね。本当にどの作品も素晴らしい色彩で,見ごたえのある展覧会だと思います。
4Gamer:
ありがとうございました。
本展覧会は,4月7日まで都内の伊勢丹 新宿店 本館6階 催物場で開催されている。興味が湧いた人は,ぜひ自分の目でロメロ氏の作品を見て,その世界観に浸ってみてほしい。
「Be happy! ロメロ ブリット来日展」紹介ページ
- 関連タイトル:
SEGA AGES ソニック・ザ・ヘッジホッグ
- 関連タイトル:
SEGA AGES ソニック・ザ・ヘッジホッグ2
- この記事のURL:
キーワード
(C)SEGA
(C)SEGA