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「ソード・ワールド2.5」の新情報が明された「ソード・ワールド戦略発表会」レポート。「ルールブックI」は7月20日発売
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印刷2018/04/18 16:01

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「ソード・ワールド2.5」の新情報が明された「ソード・ワールド戦略発表会」レポート。「ルールブックI」は7月20日発売

 国産テーブルトークRPGの雄,「ソード・ワールド」シリーズ。その最新版「ソード・ワールド2.0」の発売10周年を記念したコンベンションが,2018年4月14日,東京・飯田橋の角川第一本社ビルにて開催された。その中で行われた「戦略発表会」では,最新バージョン「ソード・ワールド2.5」の情報も公開となったので,本稿ではそこで明かされた情報を中心に,レポートをお届けしていこう。

会場には「ソード・ワールド」シリーズの書籍が勢揃い。実際に手に取って見ることができた
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「ソード・ワールド2.5 ルールブックI」は7月20日発売。アルフレイム大陸での新たな冒険が待ち受ける


 「戦略発表会」は,ゲームデザイナーの北沢 慶氏と,「ソード・ワールド2.0 LARP」を手がけたベーテ・有理・黒崎氏の2人によるトークショー形式で進行した。
 北沢氏は,「ソード・ワールド2.0を10年続けられたのは,皆さんのおかげでもあり,感無量です。僕が2.0を引き受けたとき,最低5年は続けることが責任だと思っていましたが,その倍まで続けることができて,本当によかった」と冒頭で語り,黒崎氏に「(ルールブックの)アニメ化はまだですか?(笑)」と突っ込まれる一幕も。

「ソード・ワールド2.x」のゲームデザイナー北沢 慶氏(左)と,「ソード・ワールド2.0 LARP」などを手がけるベーテ・有理・黒崎氏(右)
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 そんな「ソード・ワールド2.0」では,まだまだリプレイなど関連書籍の刊行も予定されているとのこと。その中から紹介されたのが,発売日が5月18日になることが明らかにされた,ボードゲーム「ソード・ワールド2.0 ファンタスティック・フライト」だ。

 北沢氏によれば,「ファンタスティック・フライト」は,プレイヤーが魔動機文明の産物である飛行船のオーナーとなり,貿易でお金を稼いだり,蛮族王を退治したりするゲームになるという。北沢氏や黒崎氏も何度かテストプレイに参加したそうだが,「飛行船が落ちるよりも,国が滅びる方が多い(笑)」(黒崎氏)とその感想を語っていた。なおデザイナーはグループSNEの川人忠明氏で,北沢氏は「製品版ではいい案配になっていると思いますので,わいわい遊んでください」と同作をアピールしていた。

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 そしていよいよ,「ソード・ワールド2.5」についての情報だが,まず同作の「ルールブックI」が,7月20日に発売されることが発表となった。北沢氏によれば,「まさに今,締め切りと戦っている」そうで,版形は「2.0」と同じ文庫サイズで,3分冊(I〜III)になるとのことだ。
 なお,大判サイズで1冊にまとめることも検討したそうだが,「B5サイズで800ページぐらいになっちゃう」(黒崎氏)といい,実用に耐えないということで断念したそうだ。

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北沢氏「(1冊にまとめると)タウンページか最盛期のアフタヌーンかという規模になりそうで,そうなると結果的に背表紙が破れて分冊になっちゃう(笑)」,黒崎氏「百科事典のような背表紙にしないと無理なやつですね」
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 なお「2.5」では,新たな舞台となるアルフレイム大陸での冒険が可能になり,プレイヤー用の新しい種族や新しい神が登場する。また新しいモンスターも多数登場するそうなので,シリーズファンは楽しみにしておこう。また,「2.0」の各要素も整理が行われ,戦闘特技の調整も行われるとか。
 北沢氏は,「ルールや世界観がバッサリ変わってしまうのではないか,というご心配をされている方が多いかと思いますが,このあたりは2.0とそんなに変わりません。ルールは整理整頓がなされ,後から追加された戦闘ルールや戦闘特技などは,最新Ver.からさらにブラッシュアップしたものが収録されます。一部の強すぎる戦闘特技がマイルドになったり,微妙だったものがちょっとだけ強化されたりしています」と「2.5」のコンセプトを語っていた。また黒崎氏によれば,「2丁拳銃でのショットガン・バレット2発撃ちが猛威を振るったりしていましたが,ショットガン・バレットは拳銃では発射できなくなりました。昔からそうしとけばよかったなと思います(笑)。ほかにも,魔法誘導と精密射撃が融合されたので,魔法使いのシューターがやりやすくなりました」とのことである。

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 また「2.5」では,プレイヤーキャラクターを「フェロー」というNPC的な存在にすることができ,ほかのプレイヤーをNPCとしてセッションに参加させられるという。黒崎氏は「めちゃくちゃ簡単な言い方をすると,ソーシャルゲームの“フレンド”です」と説明していたが,これは「2.5」の目玉ルールでもあるようだ。例えばこのフェローシステムを使えば,プレイヤーの人数が足りなくてもゲームを開始できるし,極論を言えばソロで遊ぶことも可能だとか。フェローのデータはネットで公開することもできるので,強いキャラクターを助っ人にして,冒険を遊ぶということもできるそうだ。

北沢氏「フェローは,サイコロ1個振って,対応するスロットの行動をするようになっています。行動ごとにセリフを書く欄があって,決定した行動をするときにそのセリフを言う,という仕組みです。例えば先制判定をスロットに入れているキャラなら,『俺の早さについてこれるかな?』とか言ったりする(笑)。」

 なおルールブックの発売に合わせ,2つのリプレイシリーズが展開予定だ。さらに「プレイングマスターガイドブック(仮)」という,テーブルトークRPGを遊ぶための参考書(?)と,小説の短編集も2018年度内の刊行を目指し,企画が進められている。「プレイングマスターガイドブック(仮)」は,1つの街を詳細に紹介すると共に,サンプルシナリオを例に“シナリオの作り方”が掲載される予定で,さらにプレイヤー向けの手引きもなども充実。本作はもちろん,ほかのテーブルトークRPGを遊ぶときにも役に立つ内容とのことだった。

北沢氏「データの互換性はほぼ維持されますし,ゲームマスター側でも簡単にコンバートもできるので,今までのサプリメントも9割5分ぐらい役立つと思います」
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 最後に,登壇したお二方のコメントを掲載し,本稿の結びとしたい。

黒崎氏「今日はLARPも遊んでもらえて,すごくうれしかった(笑)。ゲームのデザインは初だったので,こうやって実際に遊ばれてるのを見るとうれしくなります。今後はソード・ワールドだけではなく,LARPももっと楽しんでもらえるよう頑張っていきますので,よろしくお願いします」
北沢氏「ということで2.0の10年が終わり,新たな10年が始まります。2.5を10年やるのかは分からないですが,やれる限り楽しいゲームを提供していきたいと思いますので,応援よろしくお願いします」

 さらなる盛り上がりを見せる「ソード・ワールド」シリーズの展開に注目していこう。

当日のコンベンションでは「リンクセッション」という,すべてのテーブルでの出来事が連動しているという,特別なシナリオが展開された。各テーブルでダンジョンを攻略していくのだが,それぞれのテーブルのダンジョンはちょっとずつ変わっており,別のテーブルのダンジョンにヒントが隠されていたりする
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ほかのテーブルの情報は,ゲーム中に数回だけ行くことができる,グランドマスターのところで共有される仕組み。ほかのテーブルに向けたヒントをメモとして残すことができ,ここでの情報交換が攻略の鍵となる
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ヒントを求めてグランドマスターの元にやってくるプレイヤー達。最後に登場したラスボスには,すべてのテーブルのプレイヤーが協力して立ち向かうという熱い展開が待っていた
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会場では「ソード・ワールド2.0 LARP」の体験会も。LARPとは,プレイヤーが実際に武器や鎧などを着用して,演劇のような形で行うRPGのこと。アイテムなどもさまざまな小道具として用意され,戦闘も実際に剣(の模造品)などを振り回して戦う(フルコンタクトバトル)。最終バトルは映画さながらの激しい乱戦に
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今回のコンベンションでは黒崎氏をゲームマスターに据え,ダンジョンで迷子になった羊を探すシナリオが体験できた。謎解きあり,バトルありの盛りだくさんの内容だ。ラスボスは黒崎氏自身が務めた。氏の体格のおかげでの武器が短く見えるという現象に,プレイヤーは苦戦していた模様
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