プレイレポート
「GOD EATER 3」はシリーズ未経験でも楽しめるのか? “ハイスピード・ハンティングアクション”の戦いに初めて挑んでみた
ハンティングアクション──いわゆる“狩りゲー”と称されるジャンルも,さまざまな作品が市場に登場し,だいぶ成熟してきた感がある。しかし,シリーズものの宿命として,作品を重ねるごとに暗黙の了解になっていく仕様があり,未経験者がスッと入っていきづらい側面を持っている。
果たして,「GOD EATER」シリーズをプレイしたことがないゲーマーでも,いきなり「3」から楽しめるのだろうか? シリーズ未経験者である筆者がプレイレポートをお送りする。
「GOD EATER 3」公式サイト
イケメンと美女が乱れ舞う!
仲間の存在感が圧倒的なドラマティックストーリー
まず新鮮だったのは,アニメ的なキャラクターとストーリー展開だ。「狩場」と「拠点」の往復が多くを占める狩りゲーにおいて,「GOD EATER 3」は強烈な個性を放っている。「狩りが主体で,ストーリーがそれに付随している」のではなく,「まずストーリーありき。その過程で必要に迫られて狩りをしている」という感じだろうか。もちろん,これは本編のクリア後には逆転するかもしれないが,ゲームへの導入としてはベストの形だと思う。
悲惨な境遇に置かれた主人公達だが,とあるキッカケで自由と希望を手に入れるチャンスに巡り合い,仲間を増やしつつ目的に向かって突き進んでいく。この展開にはRPG的なワクワク感があり,ストーリーの先が気になって,ついつい「あと1ミッションだけ……」と止められなくなる魅力がある。
正直なところ,プレイ前の印象では「ストーリーはオマケ程度の位置づけだろう」と思っていたので,いい意味で裏切られた。メーカー公式のジャンル名が「ドラマティック討伐アクション」となっているのも頷ける。
その一方で独特の世界観と固有名詞の多さは,未経験者にとってハードルに感じる部分だった。「神機」や「アラガミ」程度であれば,それぞれ「スゴい武器」「倒すべき敵」といった感じでイメージを掴めるのだが,「灰域」「オラクル細胞」「偏食因子」といった単語が次々と出てくるので,「えーっと,灰域は生身で入るとヤバい場所。オラクル細胞は餌場で吹き出してる緑色のアレだったよな……」とちょっとワタワタする。1つ1つの単語は決して難しくはないのだが,数で攻められると慌ててしまう感じだ。
ただ,完全に理解しなくてもストーリーは楽しめるし,従来のシリーズ作品との直接的なつながりが薄いことから,シリーズ未経験者でも入りやすいと言っていい。もし分からない単語があったら,拠点の「ターミナル」から「データベース」を呼び出して,確認すればいいだろう。
ターミナルと言えば,比較的序盤に拠点が変わった際,ターミナルの存在を完全に忘れてしまい,しばらく初期装備のまま戦っていた。
「GOD EATER 3」ではメニュー画面ではなく,ターミナルで装備の強化や仲間のスキルを設定するため,ターミナルは必要不可欠な存在だ。筆者みたいなことになると本当に苦労するので,これから始める読者の皆さんはミッション出撃前に必ずターミナルに立ち寄って,次の戦闘に備えることをお忘れなく。
「あれっ? ロックオンの操作ってどうするんだっけ?」と操作の確認をしたこともあった。シリーズ経験者ならば操作方法をマスターしているだろうが,未経験者はチュートリアルの些細な見落としが原因で,それ以降の戦いに苦戦を強いられるかもしれない。操作方法のチュートリアルが集中する序盤は,とくに注意が必要だ。ちなみに,ロックオンの操作はアラガミを画面に捉えて[L1]ボタンを長押しすること。
「パーソナルアビリティ」で仲間の魅力をブースト!
狩りゲーには「オフラインなら1人,オンラインなら仲間を募って狩りに出かける」というイメージが強いが,「GOD EATER 3」はメインストーリー(オフライン)の戦いでも仲間と共闘する。NPCの仲間は頼もしく,自分が戦闘不能になった場合には救助にも来てくれる。そんな仲間の存在感をさらに高めるのが「パーソナルアビリティ」だ。
パーソナルアビリティは戦いで得た「AP」を消費して覚えていくのだが,それぞれのアビリティには段階がある。例えば,第1段階の取得に必要なAPが40というアビリティの場合,第2段階は80,第3段階は120といった感じで,だんだんとAP消費量が増えていく。
もちろん,段階が上がれば効果が高くなり,戦闘は有利になる。しかし,大量のAPを稼ぐにはミッションを何回もクリアする必要があり,お気に入りのアビリティを最高段階まで上げるには,それなりに時間がかかる。そこで有効になるのが,仲間の個性と役割分担を明確にする方法だ。
例えば,「敵請負人」というアビリティはアラガミから狙われやすくなる効果を持つ。いわば盾役向けのアビリティであり,「不屈」(耐久値が上がる)や「スティールボディ」(アラガミの攻撃に打たれ強くなる)などを同時にセットすると,その仲間を盾役としてデザインできるというわけだ。
さらに,別の仲間に「駆除優先」(討伐対象ではないアラガミを積極的に狙う)をセットすると,「ボス格のアラガミを盾役の仲間に任せて,周囲のアラガミを先に掃討する」といった作戦がとりやすくなる。自分の攻撃に自信があるなら,仲間に「叱咤激励」(仲間全員がAPを多く入手できる)をセットしてAP稼ぎを任せたり,「迅速救命」(より早く救命に向かえる)で回復役を務めてもらうのもいいだろう。
仲間のパーソナルアビリティは任意に4つまで設定可能だが,さらに各キャラクターは固有のパーソナルアビリティを4つ持っている。また,一定の条件を満たすと発動する「アクセルトリガー」や,仲間との連携要素である「エンゲージ」の性能もそれぞれ異なる。このあたりを見比べながら,仲間を自分好みにデザインしていく拡張性が魅力だ。
忙しいが爽快感にあふれるハイスピードバトル
アクションゲームとしては,やはり「圧倒的なスピード感」が印象に強い。ゴッドイーター達の攻撃や敵の動きはもちろん,ミッションの開始からアラガミと遭遇するまでのフィールドの移動も速く,「ダイブ」と呼ばれる空中を飛んでいく移動手段もある。
正直なところ,動きが速すぎるアラガミには「見てから回避とか無理!」と感じることもある。そんなときはガードを多用してダメージを最小限に抑えつつ,相手の行動パターンを把握する必要に迫られる。
「つまり,すごく難しいの?」と思ったかもしれないが,決してそんなことはない。アラガミの動きには予兆があり,また,それぞれに弱点部位が存在する。試行錯誤を繰り返していけば,必ず正解を導き出せる。
どこを重点的に攻撃すればいいかが分かれば,あとはアラガミの行動パターンを把握して,とにかくダメージを受けないことが大事だ。攻撃してくれる仲間がいるのだから,まずは自分の身を守ることを優先すべき。しかも,フィールドには瀕死の状態に陥ったアラガミが向かう餌場があり,そこではプレイヤーも傷を癒やせる。
重度のダメージを受けてしまった場合や,携行してきた回復薬の類が尽きてしまったときは,アラガミをうまく誘導して餌場付近で戦うのもいいだろう。
自分なりのバトルスタイルを軸に強化する楽しさ
メインストーリーを少し進めると,所持している装備を強化したり,素材を合成して装備を入手できるようになる。強化と合成を駆使して,より攻撃力が高くなる装備を求めていれば,絶望的に苦戦することはないはずだ。
「リストには出ているけど合成できない」という武器があれば,「設計データ」から必要な素材をチェックしよう。
戦いに慣れてきたら,自分に合ったバトルスタイルを求めて,武器種を変えてみるのもいい。筆者は初めての強化の際,初期装備のバイティングエッジ(双刃)からロングブレード(長刀)に変えてみたところ,一撃のダメージが跳ね上がり,それ以降はロングブレードを愛用している。さらなる“火力”を求めて,「もっとヘビィな武器を……」という野望も湧いているが,取り回しの良さとの両立も重要なので悩みどころだ。
また,攻撃力と同様に重視すべき要素もあり,それぞれの武器には「バーストプラグイン」と呼ばれる性能が設定されている。攻撃力だけでなく,バーストプラグインの性能が自分の好みかどうかという点も考慮するといいだろう。
武器に新しい性能を付与する「スキルインストール」もある。ミッションクリア時に入手できる「遺された神機」を消費することで,武器の空きスロットに性能を加えられるのだ。ただし,一度インストールしたものは取り出せず,性能を変更したい場合は上書きになり,既存の性能は消えてしまうので注意が必要だ。
「遺された神機」のなかには,特別なマークが付いているものが存在する。
特別なマークが付いている「遺された神機」は,武器の基本性能を向上させられる。しかも,プラス補正のみを反映させることも可能で,既存のアビリティはそのままに武器の攻撃力だけを上げるといった利用方法も有効だ。
強化できるのは武器だけではなく,武器を銃形態にしたときの「銃身」や「装甲」なども対象だ。「装甲」はいずれも盾の形状をしているので,「ガードはあまり使わないから,これは後回しでいいかな」と思っていたら,実はガードしないときの防御力にも影響があるらしい。防具にあたるものは装甲だけなので,強化をお忘れなく。
さらに,武器には「バーストアーツ」をセットできる。これは「連続攻撃をした場合,どのようなコンボになるか」を設定するもので,バトルスタイルを大きく左右する。
また,バーストアーツには「BAエフェクト」というオプションが付けられるので,コンボの最終段階をどんな攻撃にするかを決められる。そう,プレイヤーの意欲次第で際限がないほどのカスタマイズが可能なのだ。
シリーズ未経験者だからこそ,初めて触れるにはベストかもしれない
ここまでの戦いを振り返ってみると,シリーズ未経験者というハンデはあまり感じられなかった。
それでも強いて不満を挙げるなら,拠点での歩き移動(ダッシュボタンを押さない移動)がメチャクチャ遅く,歩きたい場面が思い当たらなかった。すでにいくつかのゲームで採用されている仕様だが,ダッシュ移動をデフォルトにして,ボタンを押しながらの場合を歩き移動にしたほうが良かったと思う。
筆者がシリーズ未経験であるためか,そのほかにはこれといった不満はなく,「シリーズ未経験でも楽しめるのか?」という問いには,堂々と「イケる」と答えたい。
一方,狩りゲーにおけるもう1つの柱である「オンライン共闘」は,シリーズ作品のセオリーが身についていない未経験者であれば,決して低くない壁を感じる要素だ。そんな人には「強襲討伐ミッション」をオススメしたい。
強襲討伐ミッションは最大8人でアラガミの討伐を目指すというものだが,プレイヤー数が多いため,立ち回りがさほどうまくなくてもあまり目立たない。……いや,そういう目的でプレイヤー数が多いわけではないと思うが,ともあれ腕に自信がなくても心配はいらない。
「足を引っ張ってしまうのでは……」なんてことを考える前に,オンラインプレイはとにかく場数を踏んで慣れることが大事。ほかのプレイヤーの戦い方を間近で見られるチャンスであり,新たなエンゲージを得られるチャンスでもある。ぜひ気軽に参戦してみよう。
今回の記事を執筆するにあたり,「目標はメインストーリーのクリア。おそらく本編はあまり長くなくて,クリア後にコツコツと素材を集めたり,武器を強化したりするゲームだろう」と思っていたが,いい意味で見事に裏切られた。執筆時点で後半戦に差し掛かったところだが,メインストーリーのクリアには1本のRPGをしっかり遊ぶくらいのプレイ時間はかかりそうだ。
装備の強化をはじめとするやりこみ要素を考えると,ある意味ではクリア後からが本番と言えるだろう。この冬,どっしりと腰を据えて遊べるだけのボリュームが待っている。コタツでミカン,年越しそば,おせち,鏡餅。何かと食に忙しい年末年始だが,ついでにアラガミもイートしない?
「GOD EATER 3」公式サイト
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(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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