プレイレポート
「甲鉄城のカバネリ -乱-」を先行プレイ。再集結した原作制作陣による,こだわり抜かれたグラフィックスと重厚な物語が魅力の“正統続編”
2016年にフジテレビ「ノイタミナ」枠で放映された「甲鉄城のカバネリ」は,装甲蒸気機関車「甲鉄城」に関わる人物たちと,不死の怪物「カバネ」との戦いを描いたアニメ作品だ。放映当時,少年少女たちの成長を描いたその物語と,圧倒的なクオリティの作画が話題となっていたことを覚えている人も多いだろう。アニメ版の放映終了からほどなくして行われた東京ゲームショウ2016で発表されたのが,本作「甲鉄城のカバネリ -乱-」だ(関連記事)。
それから2年──東京ゲームショウ2018のDMM GAMESブースでは,開発が進められてきた本作の詳細(関連記事)が発表され,2018年秋の配信スタートまで秒読みの状況となっている。今回4Gamerは,短い時間ではあるが本作を先行プレイする機会を得たので,気になるゲームシステムを中心にレポートしていこう。
「甲鉄城のカバネリ -乱-」公式サイト
アニメ制作陣が再集結した“正統続編”
こだわり抜かれたグラフィックスや重厚な物語が魅力
「甲鉄城のカバネリ -乱-」の基本コンセプトは,アニメ版「甲鉄城のカバネリ」と同じスタッフによる新たな物語とキャラクターを追加して,原作ファンに新たなカバネリを提供すること。荒木哲郎監督やキャラクターデザインの美樹本晴彦氏,オープニング曲を手掛ける澤野弘之氏,アニメスタジオ「WIT STUDIO」など,アニメ版のクリエイターや制作チーム陣が再集結して本作の制作にあたっている。また本作で展開する「新章」のシナリオは,「甲鉄城のカバネリ」設定統括で「甲鉄城のカバネリ 暁」などのノベライズ作品を手がける,笠岡淳平氏による書き下ろしだ。
そんな本作は「物語」「バトル」「育成・装備集め」「マルチプレイ」が“熱い”ゲームになっている。ゲームサイクルは,「物語」を進めつつ「ガチャ」を回してキャラを収集し,「探索」や「ダンジョン」などのコンテンツでキャラの育成や装備の強化をして,「アリーナ」や「融合群体」といった自分の力を試すエンドコンテンツに挑むという流れだ。
スマホでのプレイにも合わせて,基本的にオートでサクサクプレイできる環境となっている。ゲームシステムに慣れてきたら,「キャラ育成にトコトンこだわる」「ギルドに入ってわいわい楽しむ」「PvP要素のアリーナで勝つために試行錯誤を繰り返す」など,自分なりのプレイスタイルに合わせた遊び方で楽しめるだろう。
ゲームの主軸となる「物語」は,シナリオ本編となる「史伝」と,キャラクターごとの個別の物語が読める「列伝」に分かれている。史伝は基本フルボイスでストーリーが進み,要所でバトルが発生する。史伝をクリアして物語が進むと,いわゆる課金石に相当する「カガチ」が入手できるので,ゲームを始めたらまずは史伝を進めていくことが当面の目標になりそうだ。
なお,ストーリーでは名前のない,一見“モブ”のように登場する人物も,実は1人1人にちゃんと名前があり,ガチャで入手すればともに戦う仲間となる。以降は史伝に名前付きで登場するのはもちろん,個別で列伝も用意されている。
ガチャで手に入れることでちゃんと名のあるキャラクターとなり,また列伝を読めば,その人物がなぜ,どのような考えで行動し史伝に登場したのか,その背景が見えてくる。物語の全貌を把握し,より深く楽しむうえでも,キャラの収集は欠かせない要素となりそうだ。
本作は,テレビアニメで描かれた物語の3か月後が舞台となっており,2019年春に公開予定の劇場版アニメ「甲鉄城のカバネリ 海門決戦」までの道程をつなぐシナリオが展開される。アニメ版と同じスタッフが関わっているので,その重厚なストーリーには劇場版の伏線になるような人物や出来事が仕込まれているかもしれない。原作ファンならそのあたりも注目しながらプレイすると良いだろう。
バトルは基本的にオートで進行し,プレイヤーはキャラクターごとに設定されたスキルを適時使用していくという,オーソドックスなシステムが採用されている。
細かいバランスでいうと,スキルによるバフ/デバフの管理が重要なゲーム性であるが,スキルの使用をオートにしたり,バトルスピードを倍速にするといった機能も搭載されており,継続してプレイするうえでストレスなく遊ぶことができそうだ。
バトルで注目すべきは,WITSTUDIOが担当したキャラごとに特徴のある“動き”だ。3DCGではなく,あえて2Dのアニメーションにこだわり,イラストのクオリティはそのままに違和感のない自然な動きとなっている。
協力プレイや育成など,やり込み要素も盛りだくさん
主要コンテンツの1つが,装甲蒸気機関車「駿城」で広大なマップを移動して行う「探索」だ。さまざまなイベントやカバネとのバトルが発生し,素材も入手できる。キャラクター育成のために,この探索を繰り返し行うことになるだろう。
探索でポイントになるのは,駅ごとに異なった「御用(クエスト)」と,御用の達成報酬としてもらえるチケットでアイテムを購入できる「商店」だ。
御用の内容や報酬となる素材はその土地にゆかりのあるキャラクターのものとなっており,例えば,興都駅の商店では,本作の主役格の一人「千尋」の覚醒素材が購入できるので,千尋を育成したいなら,興都駅の御用を繰り返すことになる。
ゲームの世界観を元に作られたマップを気の向くままに往来しながら,同時にキャラクターを育成していくのが探索の楽しみ方だ。
探索マップでは,ほかのプレイヤーとともに楽しむ「組合」機能も使用できる。組合のコンテンツの中では,仲間と協力して強敵を倒す「討伐戦」が熱い。ここで登場する強敵は,アニメ版の後半で出現した「融合群体」だ。その倒し方は,アニメ版に準拠しており,駿城から大砲が撃たれるまで融合群体と戦って時間を稼ぐというもの。組合の機能にある「掲示板」を使いつつほかのプレイヤーと連携して戦うと盛り上がりそうだ。
キャラクターについては,「ガチャ」を通じて入手することになる。ガチャから入手できるのはレアリティが★3から★5までのキャラクターで,すでに持っているものはスキル強化に使用するアイテム「ソウル」に置き換えられるが,ガチャから消費アイテム類が出ることはない。
同じキャラクターでも,所持スキルが異なる衣装違いのものも存在する。バトル時のアニメーションも異なるので,こちらにも注目したい。
キャラクターについては,ローンチ段階で80前後を予定しているとのこと。実際に10連+1回のガチャを何度か回してみたが,とにかく男性キャラクターが多いのが印象的だ。アニメ版を知っている人にとっては当然(?)かもしれないが,DMM GAMESのゲームといえば美少女を思い浮かべるという人だと,最初は戸惑うかもしれない。しかし,列伝を通じてキャラの背景までを知ると自然と愛着が沸くはずなので,ぜひお気に入りのキャラを見つけてもらいたい。
各キャラクターは,バトルもしくは「強化」によって経験値を増やしてレベルを上げ,「昇格」やスキル強化の「覚醒」でさらなる育成が行える。本作では,すべてのキャラクターを最高レアリティの★6まで育成できるので,初期レアリティに関係なく好きなキャラクターをトコトン育成していける。
また,装備品の制作や強化もかなり凝った内容となっており,同じ武器でも強化するポイントによって全く違った特徴を持つものとなる。育成関連のやり込み要素は盛りだくさんといったところだ。
本作は,手堅いゲームシステムを採用しながらも,アニメ版の設定を生かしたさまざまな工夫があり,それがゲームに落とし込まれた作品だ。生駒や無名も引き続き登場し,原作ファンが楽しめるのはもちろん,要,葉矢,千尋という新たな主人公3人の物語が展開するので,アニメ版を知らなくても十分に楽しめるだろう。
システム的には,やや複雑なところもあるが,ナビゲーションにより導線がしっかりしているので,普段ゲームをしないような人でも手軽に楽しめる作りとなっている。まずは気軽にプレイし,お気に入りのキャラクターを育成することから始めてみてほしい。
「甲鉄城のカバネリ -乱-」公式サイト
- 関連タイトル:
甲鉄城のカバネリ -乱-
- 関連タイトル:
甲鉄城のカバネリ -乱-
- 関連タイトル:
甲鉄城のカバネリ -乱-
- この記事のURL:
キーワード
(C)カバネリ製作委員会 / DMM GAMES / TriFort,Inc. All Rights Reserved.
(C)カバネリ製作委員会 / DMM GAMES / TriFort,Inc. All Rights Reserved.
(C)カバネリ製作委員会 / DMM GAMES / TriFort,Inc. All Rights Reserved.