プレイレポート
「The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -」プレイレポート。すべての人々に贈られる苦痛と“再生”の物語
発売前に4Gamerでは,体験版のプレイレポートや,ディレクターを務めたSWERY氏のインタビューを掲載したが,今回発売後に製品版を最後までプレイしたので,そのプレイレポートをお届けしたい。
なお,本記事では,四肢の断裂などの表現を含むゲーム内容を紹介する。また,物語の核心に迫るネタバレ要素は極力記載していないが,その2点が少しでも気になるという人は注意してほしい。
SWERY氏の新作「The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -」を先行プレイ。倒錯した不条理を描く苦痛と再生の物語
アークシステムワークスが2018年10月11日に発売を予定している新作アドベンチャー「The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -」。SWERY氏の象徴と言える「倒錯した不条理な描写」を色濃く表現している本作のTGS 2018出展バージョンを先行プレイできたので,そのプレイフィールをお届けしていく。
[TGS 2018]「The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -」インタビュー。作品のテーマや込められた思いについてSWERY氏に話を聞いた
東京ゲームショウ2018の3日目(2018年9月23日),White OwlsのCEOであるSWERY氏に話を聞く機会を得た。強烈なゴア表現を含むゲームとして何かと話題の「The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -」について,開発の経緯や本作のテーマ,コンセプトなどを聞いた。
「The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -」公式サイト
親友のエミリーを探すため追憶島を探索する
本作の主人公はJ.J.マクフィールド。大学の級友であり親友のエミリーと2人で追憶島と呼ばれる孤島にキャンプに行くところから物語はスタートする。始めは2人仲良くキャンプを楽しんでいる様子だったが,気が付くとエミリーが姿を消してしまい,失踪した彼女を探すために,島の探索を始める。
物語の導入では,本作を象徴するシステムである「Regenerate(欠損状態回復)」が衝撃的なシーンと共に描かれる。エミリーを探す道中で落雷に打たれ,瀕死の重傷を負ってしまうJ.J.だが,エミリーのために「……まだ,死ねない」と超常的な力を発現し,元の怪我のない状態に復活するのだ。
もちろん,J.J.はふつうの女の子で,千切れた腕が生えてきたり,怪我が即座に治るといった超常的な能力の持ち主ではない。追憶島が特殊な空間なのか,はたまた違う原因があるのか,自分の意志で怪我を治療する能力がこのシーンで発現したこととなる。
少女が傷つき,苦しみながらステージを進むアクションパート
本作のメインとなるゲームパートは横スクロールのアクションゲームで,ステージに配置されたさまざまなパズルギミックを解き,ステージクリアを目指す。特徴的な点は先ほど紹介した欠損状態回復を使って解くギミックだ。切断した腕を投げ,火だるまになって樹木を燃やし,鉄球に体を吹き飛ばされながら,1つずつギミックを解いていく。
もちろん,自分の意志で怪我を治療できるといっても,怪我の痛みを消せるわけではない。プレイヤーの意志でJ.J.を傷つけることとなるので,ゴア表現が苦手な人は,相当な抵抗感があるだろう。
すべては親友のエミリーを探すためなのだが,その肝心のエミリーはたびたび姿を見せては逃げていき,J.J.に電話をかけては意味深なメッセージを残していく。反応のおかしいエミリーにイライラする様子を見せるJ.J.だが,このあたりはプレイヤーとしても謎が残るシーンが多く,物語の顛末が気になる展開となっている。
謎多き物語。コレクタブルアイテムのドーナツを集めて背景を知る
物語の謎は道中で明かされることはなく,エンディングに近づくにつれて一気に解けていくのだが,物語の背景はスマートフォン内にあるSNSアプリの過去ログを見れば,それとなく推し量ることができる。
過去ログはステージ道中に配置されたドーナツを集めることで,徐々に開放されていき,J.J.の母親やエミリー,大学の級友,教授といった面々との,日々のコミュニケーションを確認できる。なお,この過去ログは古いものから順に開放されていき,おそらくは追憶島に来る直前のタイミングまでのものが開放されるようだ。
なお,ドーナツ集めは1周目ですべてを回収するのは非常に難度が高く,2周目以降に開放されるチート機能を活用するといいだろう。J.J.の移動スピードを上げたり,任意のタイミングで部位欠損できる機能などが使用できるようになるため,ドーナツ集めに役立つはずだ。
すべての人々に贈られる苦痛と“再生”の物語
筆者はエンディングまでプレイし,過去ログまですべて確認したのだが,正直なことを言うと,初めてプレイした時は嫌悪感のようなものを感じたのは否めない。かわいらしい女の子を自身の手で苦しめて物語を進めることが愉快なわけはないし,爽快感もない。ただそれでもJ.J.は自身にとって大切なものを守るために,傷つき,苦しみ,もがいて,追憶島を進むこととなる。
もっと表現を柔らかくすることはできただろうと思う。そうすることでもっと多くの人に本作を遊んでもらえたかもしれない。しかしSWERY氏がそうしなかった理由もエンディングを迎えたプレイヤーにはハッキリと分かるだろう。
本作はゴア表現も多く,向き不向きが分かれる作品だと思うが,SWERY氏がインタビューで答えたように,「プレイヤー全員が『考えなければならない』『考えさせられる』『共感できる』」といった感情を抱くゲームになっている。現行のすべての最新プラットフォームで配信されているので,興味が湧いたという人はぜひプレイしてみてほしい。
「The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -」公式サイト
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(C) White Owls Inc. / ARC SYSTEM WORKS
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