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SWERY氏の新作「The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -」を先行プレイ。倒錯した不条理を描く苦痛と再生の物語
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印刷2018/09/19 18:22

プレイレポート

SWERY氏の新作「The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -」を先行プレイ。倒錯した不条理を描く苦痛と再生の物語

 アークシステムワークスが2018年10月11日に発売を予定している「The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -」PC/PS4/Nintendo Switch/Xbox One)。本作は,「Red Seeds Profile」「D4: Dark Dreams Don’t Die」などで知られるゲームクリエイターSWERY氏が開発を手がける新作アクションアドベンチャーゲームで,氏の象徴と言える「倒錯した不条理な描写」が色濃く表現されているタイトルだ。

画像集 No.002のサムネイル画像 / SWERY氏の新作「The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -」を先行プレイ。倒錯した不条理を描く苦痛と再生の物語

 今回,4Gamerでは,TGS 2018出展バージョンを先行してプレイできたので,そのプレイフィールをお届けしていく。
 なお,本記事では四肢がバラバラになったり,火だるまになるなど,残虐なシーンを含むゲーム内容を紹介する。また,ステージギミックにも多く触れているので,ゴア表現が苦手な人やネタバレを見たくないという人は注意してほしい。

本作にはSWERY氏の作品表現に対する信念が込められているという。ゴア表現を含め,メッセージ性の強い作品だ
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自己を犠牲にし,ステージクリアを目指すパズルアクション


 本作の舞台は「追憶島」と呼ばれる不思議な島だ。この島では重傷を負っても死ぬことができず,また欠損した体の部位を瞬時に治療する能力が備わるという。ストーリーは大まかにしか判明していないが,プレイヤーの分身となる主人公J.J.が,行方不明の親友エミリーを探すために追憶島を探索するという内容となっている。

追憶島の呪いなのか,ほとんど不死身のような体になってしまったJ.J.。島の謎やエミリーの失踪の理由などは,ストーリーの進行とともに解き明かされていくようだ
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 本作は移動,ジャンプ,しゃがむ,物を掴む,投げるといった基本操作に加えて,ステージに点在するアイテムや障害物を利用し,ステージクリアを目指すパズルアクション的なゲーム内容となっているのだが,これまでの類似ジャンル作品にはなかった「Regenerate(欠損状態回復)」という特徴的なシステムが採用されている。
 これは欠損状態回復とあるように,主人公の怪我を瞬時に回復できるシステムで,欠損と回復を使い分け,ステージギミックを攻略していくこととなる。

ステージにはJ.J.を苦しめるさまざまな罠や障害物があるが,ほとんどのダメージはこのシステムで回復できる。あくまでも回復できるだけなので,毎回痛みを伴うわけだが……
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なお,腕が吹き飛んだり,頭だけになったりと残虐なシーンが多い本作だが,モノクロに変化したり,J.J.自身が黒ずくめとなるため,視覚的なグロさは抑えられている
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 これだけ聞いてもちょっとピンと来ないと思う。一例を挙げると,高いところにある箱を落とすために,ふつうのゲームであればステージに設置してあるアイテムをぶつけたりするが,本作ではわざとダメージを受けて,吹き飛んだ自分自身の脚を利用する。慣れないうちは気分のいいものではないが,親友を救うためと割り切って攻略したい。

自分自身の体の一部を利用してステージを攻略していく。主人公が女の子ということもあり,プレイを始めたばかりの頃は相当な抵抗感を感じた
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 TGS 2018出展バージョンには,4つのステージが収録されており,筆者は一通りすべてのステージをクリアしたが,正直なところアクションパズルゲームのギミックをクリアしたときの爽快感というものはあまり感じられなかった。もちろん,ステージを先に進める気持ちよさは感じられるのだが,「クリアするための解法」がことごとく「J.J.が痛みを伴う」ものとなっているため,爽快感を打ち消すほどの鬱屈感を感じてしまうのだ。
 また,クリアするための解法が間違っていた場合は最悪だ。なんの進展もなくJ.J.を痛めつけるだけで終わってしまうことも多く,先に進めたときは爽快感よりも「もう無意味に怪我をさせなくて済む」といった安心感が強い(といってもすぐにまたギミックが用意されているわけだが……)。

工事現場のようなステージではすぐに行き止まりにぶつかってしまうが,ステージにある鉄球にぶつかると首の骨が折れ,天地が逆転する。追憶島では何が起きても不思議ではない
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行く手をさえぎる樹木は,火だるまになって体当たりをすることで進めるようになる。火だるまになるたびにJ.J.がすさまじい叫び声を上げるため,火に飛び込む瞬間は毎回陰鬱な気持ちだ
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今回,筆者が最も驚いたギミックは鉄球にぶつかって,ステージの壁を自分自身の体で壊すというもの。進めたときは「なるほど!」と思わず唸ってしまったが,だんだんとこのゲームに毒されているなとも感じられた
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シーソーのようなギミックでは水平をキープするために体の部位を重しに使い,文字通り体を張って先に進んでいく
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 今回プレイしたステージの1つには,正体不明の怪物「髪鳴り女」から逃げ切るステージが用意されていた。ほかの3つのステージはじっくりと考えて攻略できたが,このステージではモタモタしているとすぐに髪鳴り女に捕まって殺されてしまう。アクション要素の強いステージのため,ギミック自体の難度は低めになっている印象だ。

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正体不明の怪物「髪鳴り女」。「……また あいつ!?」と言っているあたり何度も登場し,J.J.を苦しめることとなりそうだ
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 また,TGS 2018出展バージョンではステージ選択画面から始まるため,ストーリーや設定などはあまり読み取れないものの,たびたびJ.J.が所持するスマートフォンに登場キャラクターからチャットがあり,わずかではあるがキャラクター同士の関係性や物語の一端を垣間見ることができた。
 なお,スマートフォンのメニューにはメッセンジャー以外にもギャラリーやミュージック,さらにチートという項目が用意されている。このあたりはゲームを進めていくことでだんだんと機能が解除されていくのだろう。

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道中で常にヒドい目に会うJ.J.もチャットでは若い女学生といったノリだ。置かれている状況と比較して少し悲しい気持ちにもなる
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J.J.が子どものころから大切にしているぬいぐるみのF.K.からも,たびたびチャットが飛んでくる。経緯の詳細は不明だが,物語のキーパーソンとなりそうだ
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TGS 2018のアークシステムワークスブースではトークショーや実況プレイも


 以上が先行プレイのインプレッションとなる。2018年2月に公開されたSWERY氏のビデオメッセージでは,「これまでにない新境地」や「相当ヤバい内容に仕上がっている」といったコメントを残していた氏だが,実際にプレイした印象としては,その言葉に偽りはなかったように思える。
 親友を救うために,どこまで自己を犠牲にできるのかといったテーマが垣間見える本作だが,現状では謎も多く,製品版でストーリーを追いながら楽しみたいという思いは強い。製品版でもまた,J.J.を苦しめてしまうことになるが,10月11日の発売日を楽しみに待ちたいと思う。

 なお,TGS 2018のアークシステムワークスブースでは,SWERY氏森 利道氏によるステージイベントも予定している。全日通して,プレイアブル出展もされているので,本作に興味が湧いたという人はぜひ会場に足を運んでほしい。

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「The MISSING - J.J.マクフィールドと追憶島 -」公式サイト

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