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対戦風の会話要素がユニークなアドベンチャー「The Council」プレイレポート
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印刷2018/02/19 17:00

プレイレポート

対戦風の会話要素がユニークなアドベンチャー「The Council」プレイレポート

 Focus Home Interactiveは,2018年2月7日と8日にパリで開催した自社イベントLe What’s Next du Focus 2018に,2月中に発売を予定しているエピソディックアドベンチャー「The Council」PC/PS4/Xbox One)のプレイアブルデモを出展していた。

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 本作の開発元であるBig Bad Wolfは,Focus Home Interactiveと関係の深いCyanide Studioの開発メンバーの一部が独立して,2014年にフランスのボルドーにで設立されたばかりのスタジオだ。Ubisoft Entertainmentで「Watch Dogs」シリーズや「Far Cry 3」などを手掛けた開発者達も参加している。
 そんな彼らの処女作となる本作は5つのエピソードで構成されており,その第1弾となる「The Mad Ones」(狂った者たち)が,今回公開されたのだ。


 舞台となるのは18世紀末のフランスの孤島。プレイヤーは,ここに集まった貴族や歴史人物とさまざまな交渉を重ねながら,失踪した母親の消息を探していくことになる。18世紀後半と言えば,産業革命による富の集積で資本主義や国民国家が誕生した時期で,1776年にはアメリカ独立宣言が公布され,1789年にはフランスで市民革命が勃発した。また,文化や科学面でも大いに発展した時代にあたり,バロック時代の貴族の特徴としては,あの奇妙なカツラを思い出す人も多いだろう。

 そんな時代背景を持つ第1エピソードは,主人公のルイ・デ・リシェ(Louis De Richet)が母親と共に椅子に後ろ手で縛られているシーンから始まる。母親は,美術商を営みながら探偵まがいの仕事をしているらしく,ルイはその見習いといったところ。何かを調べている間に危ない橋を渡り過ぎて掴まってしまったという設定らしいが,この場はルイの気転によって何とかしのぎ切る。
 そして,「ところ変わって……」という雰囲気で,1793年1月21日の日付けとともに「The Mad Ones」のタイトルが表示され,モーティマー卿が孤島に建設した屋敷に招待したゲストの1人として,ルイが島にやってくる。どうやら,ルイの母親は,冒頭の事件の後でモーティマー卿の招待を受け,何らかの理由から失踪してしまったようだ。

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 本作はアドベンチャーゲームであるが,この時点でプレイヤーは,自分のキャラクタークラスを設定することになる。クラスは社交性の高い「外交官」(Diplomat),科学や精神世界に精通した「オカルティスト」(Occultist),そして状況証拠の判別や尋問に長けた「探偵」(Detective)の3種類で,これが後々にキャラクター達との会話に大きく影響することになる。もっとも,どれか1つのクラスに固執する必要はなく,ほかの職種が得意とするスキルであっても,コストを払えば取得できるようだ(ただしコストは高くなる)。

 ルイは共に連絡船に搭乗していたエミリー・ヒルズボロー公爵夫人と波止場に降り立ち,モーティマー卿の執事であるピアッジという人物に出会う。
 公爵夫人は,母親が失踪してしまったルイに対し,できることなら何でもすると気遣ってくれているが,一方でルイが幼少の頃に出会ったような気がすると話しても,公爵夫人はとぼけているような雰囲気で,どうも一筋縄ではいかない人物のようだ。
 ピアッジもルイには協力的で,時おり山中に明りが見えるから,あれがルイの母親ではないかとか,ひょっとしたら彼女が昨晩,波止場に来ていたかも知れないといったことを話してくれるが,ルイが単独行動することは嫌がる。ただし,先に「外交官」のキャラクタークラスを選んでいた筆者は,高圧的に自分の要求をピアッジに飲ませることができた。

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 波止場でチェックすべきアイテムは,歩いているとホットスポットがキラキラと光るので,どこを探せば良いのか困ることはない。証拠やヒントとなるアイテムを集めていくことで,ほかのキャラクター達との会話に役立つようだ。
 もっとも,筆者が見つけたアイテムの中には,18世紀なのに“東京”から届いていた手紙があって,それもどうかと思ったが。

 断崖の上にそびえ立つモーティマー卿の屋敷は巨大で豪勢な作り。今回プレイした限りではモーティマー卿に出会うことはなかったものの,まだ任期中であるジョージ・ワシントン米国初代大統領に加えて,何人かのゲストが暖炉の周りで談笑している。皆,母親の代行ながらも新しいゲストとして迎え入れられた若造のルイを歓迎している様子だ。この中にバチカン司教もおり,この人物と本作の核となるゲームシステム「Confrontation」(コンフロンテ―ション/対決)に挑戦することになった。
 対決といっても,言葉による会話の駆け引きといった内容で,それぞれ3つのステップで2勝以上したほうが勝者となる。もし勝てた場合は,後々プレイヤーの意見に賛同してくれたり,秘密にしておくべきほかの人物の言動を教えてくれたりする。当然ながら,コンフロンテ―ションにはプレイヤークラスの特性や先の探索で見つけていたヒントが大きく影響してくる。エピソディック形式のアドベンチャーと言うと,短い時間制限の間にタイミング良く特定のボタンを押すとか,会話文のいずれかを選択するなどシンプルなプレイになりがちだが,コンフロンテ―ションは会話選択そのものがゲーム化されているという点でユニークだ。

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 この後も,忙しいモーティマー卿に変わって今回のミーティングを仕切ろうとしているため,ほかの参加者からはすでに嫌われているサミュエル・リッターというイギリス人貴族や,病気の療養をしに来ているという,サイドを刈り上げたファンキーなヘアスタイルの女性エリザベス・アダムスといったキャラクターにも出会う。まだまだ序盤なので,さらに多くの人物が登場することになると思うが,そこから本格的に母親探しが始まっていくのだろう。

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 なお,本作は2月中の発売がアナウンスされているものの,現時点では正式な発売日やSteam公式プロダクトページが公開されていない。ゲーム中の英語文や会話を十分に把握できないとプレイするのに難しいゲームではあるものの,かなり作り込まれたエピソディックアドベンチャーになっている様子なので,続報に期待したい。

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