プレイレポート
それは,絶望から始まる物語――過去3作にわたって描かれた大長編が完結する「英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA-」を紹介
同社が展開する「軌跡」シリーズの最新作にして,過去3作品にわたって展開されてきた「閃の軌跡」の完結編となるタイトルだ。そんな本作の序盤を紹介しながらゲームの魅力をお届けしよう。
なお作品の性質上,前作ラストのネタバレに近い部分があるので,まだ前作を最後までプレイしてないという人は注意してほしい。
「英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA-」公式サイト
前作「英雄伝説 閃の軌跡III」では,帝国の内戦を終戦させた“灰色の騎士”として英雄となった主人公リィン・シュバルツァー」が,過去に自身も所属していたトールズ士官学院の新設校である第II分校の特務科・VII組(新VII組)を受け持つ教官となり,生徒たちと共に成長していく姿が描かれた。
その最終局面においてリィン達はある強大な敵へと挑むのだが,その戦い中での出来事によって世界中に呪いが振り撒かれ,リィンは囚われの身となり,仲間達も離れ離れになってしまう。
この出来事ののち,帝国は共和国への宣戦を布告し,国家総動員法を正式に発布。各地で徴兵が始まり,軍事的な活動が活性化していく。帝国は,大地の竜(ヨルムンガンド)作戦の名のもと,その強大な軍事力で世界を飲み込まんと進軍を開始。帝国に撒き散らされた黒い“呪い”は,人々を戦いへと誘い,そして世界から希望が失われていく――
まさに絶望的と言える状況の中で始まる「IV」の物語は,多くの物ごとが複雑に絡み合い,そして人々の想いが交錯しながら展開していくのだ。
多くの登場人物や過去の出来事などが関係する本作の物語を,本作からプレイした人が完全に理解するのは難しいかもしれない。そんなときは,シリーズの世界観と物語がまとまっている「プレストーリー」をチェックするといいだろう。
もちろん過去シリーズをプレイしてから本作を遊ぶのが最良の選択であるのは間違いなく,PS4ではこれまでの「閃の軌跡」3作品すべてが遊べるので,実際にプレイしながら話を追ってほしいという思いもある。
しかし,プレストーリーでは重要なキャラクターや基本情報はしっかりと解説されているので,プレストーリーを読んでから本作を遊ぶという形でも,十分にゲームを楽しめるはずだ。
特務支援課と遊撃士協会の特別ミッションが展開
最強のメンバーと共に戦いの基本を覚えよう
状況は絶望的だが,同時に動き始める希望の姿もある。それがリベール王国の遊撃士協会に所属するエステル・ブライトとヨシュア・ブライト,クロスベル自治州を守る特務支援課のロイド・バニングスとエリィ・マクダエル,そしてジェニス王立学園に通う“天才少女”レン・ブライトの5人。「空」「零」「碧」などの「軌跡」シリーズのプレイヤーならおなじみ,まさに希望を感じる面々だ。
特務支援課と遊撃士協会の面々は,帝国の不穏な動きの裏にある“何か”を探り出すために共同ミッションを決行。情報を探り出すために,オルキスタワーへの潜入を行ったのだ。
プレイヤーはこの(あまりに頼もしい)面々と共に,バトルの基本を学ぶことができる。というわけで,ここからは戦闘システムと,本作の新要素について紹介しよう。
バトルは,「軌跡」シリーズでお馴染み「ATバトル」をベースとして構築された「III」の戦闘システムが引き継がれており,前作をプレイした人であればスムーズにゲームを進められるだろう。
攻撃の応酬の中で上昇していくCP(クラフトポイント)を消費して使用できる戦技「クラフト」や「Sクラフト」も,もちろん健在だ。本作では,前作にはなかった新たなSクラフトも登場し,キャラクターたちの成長を実感できる要素のひとつとなっている。
物語を素早くチェックしたい場合は,本作から新たに導入された「オートモード」を使ってみよう。オートモードをONにしている場合は各種演出も高速化され,自動で近くの敵に通常攻撃が実行される。リンクアタック発生時には自動で追撃も発動するので,低難度で早く戦闘を終わらせたい時などにはとくに役立つだろう。
ただし,ゲームシステムを活用した戦いはできないので,強敵と戦う際の使用は控えよう。また,最初はゲームシステムを理解するために手動でプレイすることをオススメする。
■前作から引き継がれたバトルシステム
◯「ブレイブオーダー」
BP(ブレイブポイント)を消費して即座に発動できる特殊な行動で,ターンを消費せずに味方全体に効果を発揮するバフを展開できる。
味方が1回行動するごとにカウントが減少し,0に達すると消滅してしまう。カウント終了前にブレイブオーダーを切り替えることも可能なので,その場に合ったオーダー選びが重要になる。
遊撃士協会と特務支援課の面々が持つブレイブオーダーは,いずれも強力そのもの。いろいろな効果を体験して,使い方を覚えていこう
◯「戦術リンク」
戦闘中には,キャラクター同士を“リンク”で結ぶことができる。結ばれたキャラクターが特定の行動を行うと,その内容に応じた特殊アクションが発生することがある。これが「戦術リンク」だ。
発生する戦術リンクの内容はさまざまで,その内容はキャラクター同士の「リンクレベル」によって増加していく。リンクレベルはストーリー進行やイベントによって増加していくので,キャラクターの関係性の進展具合を見逃さないようにしておこう。
リンク相手の攻撃に応じて追撃を発生させる「リンクアタック」。敵を攻撃すると一定確率で“崩し”が発生し,それに呼応してリンク相手のキャラクターが追撃してくれる “崩し”が発生した場合,4人での全体攻撃「バースト」,2人での中範囲攻撃「ラッシュ」,通常攻撃「追撃」の3種類から1つを選ぶことができる。いずれも高いブレイクダメージを誇るが,バーストはBP5,ラッシュはBP2を消費するので注意が必要だ
◯「ブレイク」
敵にはHPに加えて「ブレイクゲージ」も存在し,これを削り切るとブレイク状態となる。ブレイク発生時には必ずアイテムがドロップするほか,対象の行動順が遅れ,バフがすべて消滅。さらに,ブレイク中は“崩し”の発生率が100%になり,防御力も低下する。
ブレイクダメージが高いクラフトを使えば素早いブレイクが狙えるので,HPの多い敵や,厄介な能力を持つ敵に対しては積極的にブレイクを狙っていきたい。
隠れ里エリンで目覚める新VII組の面々
失った力を取り戻すため,新たな試練に挑む
特務支援課と遊撃士協会の共同ミッションの後,場面は暗黒の森の狭間にある魔女の眷属(エクセンブリード)の本拠地「隠れ里エリン」へ変わる。そこで,新VII組の面々――ユウナ・クロフォード,クルト・ヴァンダール,アルティナ・オライオンの3人は2週間もの昏睡から目覚め,自分たちと同じく脱出に成功した旧VII組の面々から,この世界の現状を伝えられる。
戦いの中で力を使い果たした仲間たちは,その疲れを癒やすために,外界から隔絶された隠れ里に身を潜めていたのだ。また,新VII組は自分達の無力さを感じ,戦いに出ることを恐れていた。
そんな陰鬱な雰囲気を打開し,仲間たちの闘志を呼び起こしたのがユウナだ。彼女の激励を受けた新VII組のメンバーをはじめとする仲間たちは,帝国に振り撒かれた呪いを拭い去り,捕らえられてしまったリィンを奪還するために動き出すのだった。
旧VII組のメンバーは情報を集めるために調査に出向き,昏睡から目覚めたばかりの新VII組は,力を取り戻すための“試練”に挑戦することになる。
本作は4作目ということもあり,キャラクターがある程度成長した状態でゲームがスタートする。ブレイブオーダーやクラフトを複数習得しているので,最初から戦略的に幅のある戦いが楽しめる。ただし,オーブメントに装着するクオーツなどは失われているので注意しておこう。
■オーブメント(導力器)について
◯クオーツ(結晶回路)
オーブメントにセットすることで効果を発揮する装備アイテム。新たなアーツが使用可能になったり,ステータスが上昇したりと,様々な効果がある。クオーツをうまく組み合わせれば,キャラクターの弱点を補うことや,得意な分野をより伸すことも可能だ。
◯マスタークオーツ
ステータスが大幅に上昇し,複数のアーツが使用可能になるだけでなく,特殊なアビリティも付与される強力なクオーツ。装備可能な数が限られており,セットした状態で戦闘を繰り返すことで成長していく。マスタークオーツによってキャラクターの性能が大幅に変わるので,付替えの際には通常のクオーツも合わせて調整してあげよう。
以上が本作における“序章”のプレイレポートだ。この後には,これまで紡がれてきた物語の決着に向けて,さまざまなキャラクターの想いが交錯することになる。
ゲーム部分もストーリー部分も,シリーズを重ねる中で十分に洗練された本作は,RPGファンであれば十分に楽しめる作品となっている。「閃の軌跡」の物語がどのような決着を見せるか,ぜひその目で確認してほしい。
「英雄伝説 閃の軌跡IV -THE END OF SAGA-」公式サイト
- 関連タイトル:
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