プレイレポート
本日発売「うたわれるもの 散りゆく者への子守唄」を紹介。“シリーズの原点”となる物語が,進化したゲームシステムやグラフィックスで楽しめる
本作は,2002年に発売されたPCソフト「うたわれるもの」のコンシューマ移植版として2006年に登場し,2009年にはPSP向け移植作「うたわれるもの PORTABLE」が発売された,同名PS2用ソフトをパワーアップさせたタイトルだ。2015年9月と2016年9月にそれぞれ発売された「うたわれるもの 偽りの仮面」(PS4 / PS3 / PS Vita)と「うたわれるもの 二人の白皇」(PS4 / PS3 / PS Vita)へ続く,「うたわれるもの」シリーズの原点となる物語が,オリジナル版から一新されたゲームシステムと,より美しくなったグラフィックスで楽しめる。
そんな本作のPS4版を一足先にプレイできたので,物語や世界観,基本的なゲームの進め方,そして魅力をお伝えしていこう。
「うたわれるもの 散りゆく者への子守唄」公式サイト
主人公は「ハクオロ」の名を与えられた仮面の男
彼を中心に展開する物語が美麗なグラフィックスで蘇る
物語は,小さな集落「ヤマユラ」に,瀕死の青年が運び込まれたところから始まる。森で倒れていた青年を見つけた少女エルルゥの献身的な看護によって一命は取り留めたものの,青年はその名前や自分に関する記憶を失っており,そして顔には外すことができない仮面があった。
エルルゥとその妹であるアルルゥの祖母で,ヤマユラの集落の長トゥスクルにハクオロという名を与えらえた青年は,やがて世界をも揺るがす大きな動乱に巻き込まれていく。プレイヤーはこのハクオロの視点で,「うたわれるもの」の物語を追うこととなるのだ。
「偽りの仮面」「二人の白皇」のシステムを踏襲した本作は,「アドベンチャーパート」と「シミュレーションパート」という2つのパートでゲームが進行していく。
ときに村の広場や,住まいとする家の「部屋」や「居間」などに移動することで物語が進行するアドベンチャーパートは,高解像度のものにリファインされたイベントCGやバストアップビジュアルによって登場人物達の豊かな表情や仕草が繊細に表現され,より彼らの心境が伝わってくる印象だ。また,すべて新規の描き下ろしとなった2D背景によって,物語への没入感も高まっている。
物語の序盤では,最初はその仮面によって訝しがられることもありながらも,村の発展に尽力する姿や,その穏やかで勤勉な性格で村の人々からの信頼を得ていくハクオロの姿が描かれる。
獣のような耳や尻尾をもつ村人達や,その生活,服装,言語から,古代の日本やアイヌを想起させられる彼らの文化など,本作の世界は謎が多い。しかし,人々と交流することで彼らの生活や文化が見えてくるという,丁寧に作り込まれたシナリオによって,自然とその世界観を掴むことができるだろう。
戦闘はよりテンポよく迫力のあるシステムに進化
敵味方の特徴を掴み,仲間達と協力して強敵に挑もう
アドベンチャーパートを進めていく途中で戦闘が発生すると,シミュレーションパートに切り替わる。その名のとおりシミュレーションバトルとなる戦闘の難度は「普通」と「難しい」の2種類があり,ゲーム開始後でも変更が可能だ。
シナリオをメインに楽しみたい人や,SLGに不慣れという人は前者に,シナリオはもちろん歯ごたえのある戦闘も楽しみたい人は後者を選ぶといい。敵に勝てなくて物語が進められないといった場合は,過去に戦闘を行ったステージに再挑戦できる「戦闘回想」や,物語を進めることで開放される「演習」などに挑み,経験値と戦利品を獲得し,キャラクターを強化するといいだろう。
準備画面で,勝利条件と敗北条件の確認や,出撃可能なユニットの確認と選択,アイテムの装備などを済ましたら戦闘開始だ。ユニットは敵味方共に,剣兵や弓兵といったユニットのタイプや,自身や周りのユニットに対して自動で効果を発揮する「特性」,火や水といった「属性」などが設定されている。
簡易ステータス表示で,行動中のユニットと敵との属性の相性が確認できる |
シミュレート機能を使って敵の行動を予測し,自軍の戦術を立てよう |
攻撃中に表示されるリングを見ながらタイミングよく○ボタンを押すと発動する「連撃」や,気力MAXの状態で最後まで連撃をつなぐことで使用できる「必殺技」,2マス以内に特定のユニットがいると使用できる「協撃」などの演出が,「偽りの仮面」「二人の白皇」からさらに強化され,威力はもちろん視覚的にもより楽しめるものになっている。
行動順やキャラクターの体力,「必殺技」や「協撃」といった強力な技を使用する際に消費する気力,属性の有利/不利などに気をかけながら,勝利条件の達成のため仲間達と協力して強敵に挑もう。
よりドラマチックな演出も楽しめるBGM
さらに盛り上がる「うたわれるもの」の原点に触れよう
最後に本作の魅力として取り上げたいのが音楽について。BGM演出は,その名のとおりオリジナル版そのままの演出となる「オリジナル」と,本作に加えて「偽りの仮面」「二人の白皇」の曲も使用し,新たな解釈でよりドラマチックな演出がなされた「スペシャルエクステンデッド」という2種類が用意されている。こちらもゲーム開始後に変更が可能だ。
オリジナル版の雰囲気が味わえる「オリジナル」はもちろん,「このシーンであの作品のBGMを持ってくるとは!」といった驚きがある「スペシャルエクステンデッド」も魅力的で,シリーズファンであればどちらで楽しむか悩まされることになるだろう。かくいう筆者は,細かくセーブしては設定を変更し,同じシーンを2度連続で見る……なんてことをついつい繰り返していた。
本作は未プレイの人の入門編としてはもちろん,「偽りの仮面」「二人の白皇」でファンになった人には,なじみのあるゲームシステムでその2作品へとつながる物語が体験できるゲームとしておススメだ。PS2やPSPでプレイしていたファンは,よりドラマチックになった演出によって,当時を懐かしみながらも新たな気持ちで「うたわれるもの」の世界観が楽しめるだろう。
2018年3月には,PS4向け最新作となる「うたわれるもの斬」も発表され(関連記事),さらに盛り上がりを見せる「うたわれるもの」シリーズ。ぜひ本作発売のタイミングで,シリーズの原点となるこの物語に触れてほしい。
「うたわれるもの 散りゆく者への子守唄」公式サイト
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(C)2018 AQUAPLUS
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