プレイレポート
本日配信のSwitch版「クリプト・オブ・ネクロダンサー」プレイレポート。新キャラのリーパー,Joy-Conでの“おすそわけ”でより楽しい作品に
「クリプト・オブ・ネクロダンサー」(以下,「ネクロダンサー」)は,海外のインディーズソフトハウスであるBrace Yourself Gamesが,2015年4月に発売したPC向けアクションRPGだ。PS4,PS Vita,iOSといったさまざまなプラットフォームで展開されているので,「タイトル名を知らなかったが“音楽にあわせて遊ぶRPG”というのは耳にしたことがある」という人も多いのではないだろうか。
インディーズゲームファンに広く認知されている「ネクロダンサー」だが,これに2017年に配信されたPC版のダウンロードコンテンツ「AMPLIFIED」や,Nintendo Switch専用の新キャラクター,Joy-Conを“おすそわけ”しての協力プレイといった新要素を加えたのがこのNintendo Switch Editionだ。そんなSwitch版ならではのユニークな要素が詰まった本作を,プレイレポートで紹介しよう。
ニンテンドーeショップの「クリプト・オブ・ネクロダンサー:Nintendo Switch Edition」ページ
ビートに乗って迷宮探検!
不思議なプレイ感がある個性派アクションRPG
「ネクロダンサー」は,さまざまな特性を持つキャラクターを操作し,ランダムで生成される迷宮に挑むゲームだ。いわゆるターン制のローグライクRPGがベースにあるのだが,ここに“BGMのビートに乗って行動する必要がある”というリズムゲーム要素が加わっているところがポイントとなる。
モンスターもビートにあわせて動くため,“ノリ”が悪いと敵ばかりがどんどん行動して自身がピンチに陥ってしまう。つまり,戦うにしろ逃げるにしろ,テンポ良くキーを入力し続けなければならないのだ。
「強敵が迫ってきた」「周囲をモンスターに囲まれた」などといったピンチに陥ったときほど慎重に考えて行動したいが,BGMは待ってくれない。また,モンスターも「2ビートに一度上下のみに動く」「側面に回り込まなければダメージを与えられない」「3ビートごとに周囲を一度に攻撃する」「こちらを押し込んでくる」などその特徴はさまざまだ。ゲームを始めたばかりのときは,いろいろな種類のモンスターが複数現れた際,どのように対処すべきか頭がこんがらがってしまうだろう。
しかし,ある程度慣れてくると,ビートに乗って迷宮をステップするように移動し,次々と現れるモンスターをリズムに乗って退治していくのが楽しくなってくる。この辺りが本作の醍醐味だ。
迷宮の最後にはボスが待ち構えており,独特の攻略が必要になる。この「キングコンガ」はゾンビを操る強敵だ | |
チェスの駒を相手に戦う「ディープブルース」戦 |
本作をさらに味わい深いものとしているのが,運とビートがゲーム展開にもたらす“揺らぎ”だ。まずは運の揺らぎについて説明しよう。
地形やモンスター,アイテムの配置はランダムで毎回変化する。運がいいと,強力なアイテムが次々と出てくるうえにモンスターからの妨害も少ないといったことがあるが,逆に運が悪いと,なかなか良いアイテムが手に入らない状況で,厄介なモンスターがみっちり詰まった部屋が出現する……なんていうことがあるのだ。
続いてビートにあわせた行動によって生まれる揺らぎについて。リズムゲーム要素のある本作では,一定のリズムを刻みながら行動し,ランダム生成によって生まれるさまざまな状況下で適切な判断も下さなければならない。上手くいくときは,瞬時に下した判断が次々とハマっていき,テンポ良くゲームが進むのだが,慌ててしまうとリズムが乱れ,一気に崩れていくということもしばしば起こるのだ。
慣れないうちは,運が悪かったり,頭が混乱して適切な対応ができなかったりしてやられてしまったことを,重大なものと捉えてしまうかもしれない。しかし,運とビートという2つの揺らぎによって“負ける時は負ける”のだ。重たく考えすぎず,トライ&エラーを繰り返しながらゲームを楽しもう。
どうしてもうまく進められないというときは,低難度モードとなる「ダンスパッドモード」で練習するのもいいし,ビートに関係なく通常のターン制ローグライクのようにゲームが遊べるキャラクター「バード」を選んで,じっくりモンスターの動きを研究するのもアリだ。
敵を倒して“ソウル”を使役
「リーパー」が生み出す新たな戦略性
本作には,倒した敵を「ソウル」にし,これを使役して戦うというNintendo Switch版専用となる新キャラクター「リーパー」が追加された。ソウルは,リーパーがトドメを刺したモンスターが亡霊のような姿となってリーパーと一緒に行動するというもの。追加のキー操作を求められることなく,ソウルを使って敵に攻撃することも可能となる。
ソウルは,例えばリーパーの左隣でモンスターを倒して生まれたものは,リーパーを移動させても左隣にいるといったように,倒された時の位置関係を保ったままくっついてくる。
まるでシューティングゲームのビットやオプションのようについてくるソウルだが,体当たりして敵を倒すと,その位置に新たなソウルが出現する。つまりソウルがソウルを生むというわけで,上手くいけばリーパーの周囲にソウルの軍勢を作り出し,リーパー本体は中心にいながら安全に戦うということも可能なのだ。
また,ソウルは壁を無視できるため,運と配置が良ければ壁の向こうに控えているボスを一方的に倒すこともできてしまう。階段を下りてもそのまま引き継がれるため,上手く軍勢を作れればなかなか強力だ。
このように,攻撃要員やいざというときの盾役にも使えるソウルだが,敵から攻撃されると消えてしまう。いかにソウルを消さないように行動するかが重要だ。
リーパーの周囲に浮かんでいるのが「ソウル」。モンスターを倒した後に出現し,位置関係を保ったまま動く |
モンスターを倒していけば,ソウルもどんどん増えていく |
アクションRPGには,プレイヤー以外のキャラクターを使役する,いわゆるペットやネクロマンサー職といったものが定番にあるが,リーパーは“ネクロダンサー流にアレンジを効かせたペット職”といったところだろうか。例えばペットのような要素を実装したとしても,ただでさえ忙しい本作では命令を出す暇がない。しかし,キーも操作も増やすことなくソウルを使役する要素を生み出したというのは,ゲームデザインの妙と言えるだろう。
また,ソウルの位置はモンスターの配置に影響を受けるため,ほかのキャラクターとは違った運の揺らぎの影響もある。ネクロダンサーの面白さを,さらに引き出すキャラクターであるという印象も受けた。
個性的な追加キャラクターや新モードが登場
Joy-Conの“おすそわけ”で気軽に協力プレイも楽しめる
PC版のダウンロードコンテンツ「AMPLIFIED」が最初から収録されているのもポイントだ。コウモリに変身して行動できる「ノクターナ」,後ろについてくる子羊を守りながら戦わなければならない「メアリー」,一定時間内に敵を倒さないと死んでしまう(!?)「テンポ」といった,新キャラクターが追加されている。
倍のテンポでゲームが進む「コーダ」や,無限に爆弾を使える「イーライ」など,もともと個性的なキャラクターの多い本作だが,今回登場するキャラクター達も曲者ぞろいだ。ゲームに慣れてから試してみると良いだろう。
また,モンスターやアイテムの見た目が「?」になってしまう「ミステリーモード」や,壁を通り抜けて移動できる「フェージングモード」といった新モードも追加されている。とくにミステリーモードは,モンスターやアイテムが見た目では区別できなくなるため,上級者でも混乱すること間違いなし。歯ごたえあるゲームが楽しめるだろう。
「ミステリーモード」は,モンスターやアイテムが見ためで区別できなくなる |
壁を自由にすり抜けられるのが「フェージングモード」。壁の向こうに意外な隠し部屋を発見することも |
「ノーリターンモード」は,前いたマスに戻るとダメージを受けるため,かなり難しい |
Nintendo Switchの特性とマッチしているのがローカルでの協力プレイだ。このモード自体は新要素というわけではないのだが,Joy-Conを“おすそわけ”することで気軽に楽しめるというのがSwitch版ならでは。知人や友達の家に持って行き,テーブルモード&おすそわけで本作を“布教”するのもアリだろう。
キャラクターの組み合わせも自由だ。例えばソウルを操るリーパーと,ビートに関係なく動けるバードだと,じっくりと考えながらソウルを配置することができるという,結構強力なパーティとなる。このような組み合わせを考えて協力プレイに挑むのも面白い。
これは少し邪道な遊び方かもしれないが,1人で2つのJoy-Conを使って疑似協力プレイをするのも可能だ。もちろん操作は大変だが,殲滅力がアップするうえに,片方のキャラクターが倒れても次のフロアへ行けば復活するので,この辺りを生かした攻略法も生み出せそう。
また,先に発売されたPS4 / PS Vita版と同じく,キャラクターの見ためを「ダンガンロンパ」「風来のシレン」「喧嘩番長」といった,スパイク・チュンソフトの各ゲームシリーズのキャラクターに変更できるという,日本限定のオリジナル要素ももちろん実装。モノクマやシレン,ヤスオなど,シリーズを超えたタッグを組んで協力プレイを遊ぶという楽しみ方も可能だ。
テンポ良く遊べるネクロダンサーの面白さ。そして,スリープ状態からボタン一発ですぐに立ち上げられるうえ,Joy-Conのおすそわけで気軽に協力プレイができるというNintendo Switchの特性。この両者がマッチすることで楽しさが増した本作は,これから「ネクロダンサー」を遊んでみるという人の入門として最適だろう。
これまでもさまざまなプラットフォームでの展開や,ダウンロードコンテンツの「AMPLIFIED」で新たな遊び方を生み出した「ネクロダンサー」だが,新キャラクターであるリーパーを使ってみて,まだまだ発展性のあるタイトルだと感じた。今後の展開にも期待したい。
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Crypt of the NecroDancerTM is copyright (C) 2017 Brace Yourself Games. All rights reserved.
Crypt of the NecroDancer(TM)is copyright(C)2016 Brace Yourself Games. All rights reserved.
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