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韓国の天才イラストレーター,キム・ヒョンテ氏のルーツを探る。「デスティニーチャイルド」のリリースを控えて来日した氏に直撃インタビュー
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印刷2017/10/07 00:00

インタビュー

韓国の天才イラストレーター,キム・ヒョンテ氏のルーツを探る。「デスティニーチャイルド」のリリースを控えて来日した氏に直撃インタビュー

画像集 No.001のサムネイル画像 / 韓国の天才イラストレーター,キム・ヒョンテ氏のルーツを探る。「デスティニーチャイルド」のリリースを控えて来日した氏に直撃インタビュー
 2017年9月21〜24日にかけて開催された東京ゲームショウ2017の初日(9月21日),4Gamerではキム・ヒョンテ氏にインタビューする機会を得た。

 キム・ヒョンテ氏といえば,「マグナカルタ」シリーズや「ブレイドアンドソウル」のキャラクターデザインを手がけた人物として,日本でも広く名が知られているイラストレーターだ。その作品は,身体の一部を強調する独特な表現と,立体的な“塗り”(通称:ヒョンテ塗り)が特徴となっている。

 新タイトル「デスティニーチャイルド」PC / iOS / Android)の日本向けサービスを間近に控え,東京ゲームショウ2017に合わせて来日したキム・ヒョンテ氏から,本作の開発経緯や,氏の作品に対する想いなどを聞いたので,今回はその内容をお届けしよう

「デスティニーチャイルド」公式サイト

「デスティニーチャイルド For DMM」公式サイト



日本のコンテンツに魅入られた2人が

20年越しに果たした約束とは


4Gamer:
 本日はよろしくお願いいたします。すでに東京ゲームショウを見て回ったそうですが,ご感想はいかがですか?

キム・ヒョンテ氏(以下,キム氏):
 毎年,写真で雰囲気はつかんでいましたが,実際見て回ってみるとリアルに熱気が伝わってきますね。
 とくに2016〜2017年は素晴らしい日本産タイトルが出ており,今年の東京ゲームショウでも生き生きとしたものを感じました。日本のゲーム業界は再び最盛期を迎えているのではないでしょうか。

キム・ヒョンテ氏
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4Gamer:
 どのあたりのタイトルに感銘を受けたんでしょう。

キム氏:
 ぱっと思いつくだけでも多すぎますが,とくに感銘を受けたのは「ペルソナ5」「NieR:Automata」です。

4Gamer:
 「ペルソナ5」って,かなりプレイ時間を費やすタイプのゲームですが,それを全部ご自分で?

キム氏:
 ええ,「ペルソナ5」は2周プレイしていて,●●()戦を制覇したり,合体で●●●●()を作ったりと,かなり遊び込んだので,とても忙しかったです(笑)。
 アトラスさんのゲームは昔から大好きで,「ペルソナ4」などで有名な平田志穂子さんを「デスティニーチャイルド」の代表ボーカルとして起用しているのも,そういった理由があります。

※ゲームのネタバレ防止のため,編集部側で伏せ字にしています。

4Gamer:
 「ペルソナ」シリーズは「デスティニーチャイルド」というゲームの中身にも影響を与えていますか?

キム氏:
 はい。大きく影響を受けているのは事実です。


4Gamer:
 キム・ヒョンテさんは,「デスティニーチャイルド」開発のためにShiftUpを立ち上げられたそうですが,その経緯について詳しくお聞かせください。

キム氏:
 MMORPGが主流となっている韓国のスマホゲーム市場にも,イラストを中心としたゲームが好きだと思う人は多くいらっしゃると思います。そういった方々に好きだと言ってもらえるようなゲームを作りたい,と考えるようになったのがきっかけですね。

4Gamer:
 「デスティニーチャイルド」というタイトルの由来も教えてください。

キム氏:
 “チャイルド”と呼ばれるキャラクターを育成し,自分の“運命“を変えることが,ゲーム全体のテーマとなっているので,「デスティニーチャイルド」です。もともとはESTiさん()の提案がきっかけですね。

※主にゲーム楽曲を手がけている韓国の音楽家。日本のタイトルにも数多く関わっているが,現在はプロを引退していることが本人より発表されている。

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4Gamer:
 ESTiさんの起用も,キム・ヒョンテさんからの熱烈なアピールがあったんですか?

キム氏:
 ESTiさんとは高校生時代からの友達で,もう20年以上の縁があります。お互いの家で一緒にエヴァンゲリオンを見たり,音楽を作ったりして仲良くなりました。
 当時は「一緒に何か作ろう」とも話し合っていましたが,これも20年前のことですね。

 「デスティニーチャイルド」の名付け親なんだから,音楽もなんとかしなさいってことになり,ESTiさんと交わした約束は20年越しに叶いました(笑)。

4Gamer:
 キム・ヒョンテさんから見たESTiさんとは,どんな人物なんですか。

キム氏:
 うーん……ヘンナヒト(笑)。私と悩むところが似ていたりします。

4Gamer:
 と,いいますと?

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キム氏:
 自身のクリエイティビティとなる根源(ルーツ)に,もっとも影響を与えたのが日本文化という部分です。80〜90年代,とくにその中でも90年代は黄金期と表現してもよいくらいに華やかな時代でした。
 その時期に日本のコンテンツに一度でも触れると,魅力にとらわれてしまうほど強力です。そういう背景があって自分の仕事を決めた人は,自分のアイデンティティについて悩んでしまうことがあります。

4Gamer:
 それは,なぜでしょうか。

キム氏:
 韓国と日本における国と国との関係って,ほかの国とは違い,少し難しい部分があるので,そういった悩みを抱えてしまうんです。ESTiさんと私はその部分で同じ悩みを共有していると言えます。
 韓国のクリエイターである数多くの方々も,同じように悩みを抱えていると思います。

4Gamer:
 もっとも多感な時期に,日本のコンテンツに触れてきたお二人ですが,そういった人っておそらく周囲にもたくさんいらっしゃいますよね。その人達はみんな同じようなことを思っているんでしょうか。

キム氏:
 そういった人同士で連帯感みたいなものが芽生えますね。弊社にも共感する人が集まっていて,クリエイターの中にはそう思う人がたくさんいます。
 こういう人の特徴は,日本のコンテンツに影響を受けて成長した自分が素晴らしいものを作って,日本でリリースし,日本から認めてもらいたいという気持ちがあることです。
 もちろん韓国人ですから,韓国でも認めてもらいたいですし,成功したいという考えも持っています。

4Gamer:
 韓国に限らず,中国の人も台湾の人もそうなんですけど,やっぱり一定世代のジェネレーションが日本のコンテンツに影響を受けて,日本を好きになり,自分の中での“日本らしいもの”を昇華して新しいものを作って,日本で一旗揚げたいと考えている人はたくさんいるんですよね。
 日本にも多くのファンがいるキム・ヒョンテさんにとっても,日本はリスペクトの対象なんですか。

キム氏:
 もちろんです。

4Gamer:
 「マグナカルタ」や「ブレイドアンドソウル」といった作品を通じてキム・ヒョンテさんはすでに多くの日本人に認知されていると思いますが,ご本人はまだ日本では認められていないとお考えなんですね。

キム氏:
 「マグナカルタ」を開発していたとき,私は絵を描くことしか知らない若者でしたし,のちの「ブレイドアンドソウル」が日本でリリースされたときには,私はもうNCSOFTを退社しています。
 それからようやく自身の手で作品を日本に持ってきて,紹介できたのは今回が初めてです。今度こそ,私の「真の姿」をちゃんとお見せできると思います。ここまで20年かかりました。

「創世記戦III」のサラディン
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Live2D採用の経緯や,気になる使用機材とは


4Gamer:
 「デスティニーチャイルド」にLive2Dが採用された経緯には,キム・ヒョンテさんの猛烈なプッシュがあったと聞いています。なにがキム・ヒョンテさんをそこまで動かしたんでしょうか。

キム氏:
 会社の立ち上げ時まで話をさかのぼりますが,当時はなるべく少ない資金で早くゲームを開発することが目標でした。なぜかというと,「ブレイドアンドソウル」の開発には7年もかかりましたから……。

 Live2Dのトライアルバージョンをダウンロードしたのが最初のきっかけでした。のちに“モナ”となるキャラクターを試しに作りながら,途中で「普通の人は使わないだろう」などと考えていたんですが,Live2Dで動くモナがいざ完成してみたら,静止画のモナは見ていても面白くないと感じるようになってしまったんです。
 なにより私自身が,静止画のモナでゲームを作ることは納得がいかないと考えるようになりました。当初の予定の6倍の制作期間がかかりましたが,後悔はしていません。

公式サイトのキャラクター紹介より
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4Gamer:
 Live2Dで動かすことが前提になると,イラストの描き方も当然変わってきますよね。

キム氏:
 少し変わりますね。

4Gamer:
 え,少しなんですか?

キム氏:
 ……実は,少しどころではないです(笑)。

4Gamer:
 やっぱり(笑)。

キム氏:
 アニメーションのために,絵を200〜300のパーツに分けることになります。もちろん最初からそれを全部想定し,まず分けてから描くということはできませんが,たとえば手を動かすと手の位置によって見え隠れする部分がありますよね。そういった部分を途中でフォローしながら描いていくと,パーツ数としてはそのくらいになります。
 私は遠近感や空間感が出せるデザインをかなり求めているほうなので,完成後の動きを予測しながら描いています。基本,いい絵が描ければ動かしてもいい絵になるというのもありますけどね。

 Live2Dを使うメリットはもう1つあって,キャラクターをパーツ分けしてテクスチャを作るので,効率よく絵(テクスチャマッピング)を使えます。高解像度のキャラを比較的軽い容量で皆さんに見せられるというわけですね。基本的に4Kディスプレイでも大きな問題なく見られます。

 ほら,拡大してもブレたりボケたりしないでしょう?

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4Gamer:
 あらためて見直しても,本当にいろんなところが動くなぁと思います。

キム氏:
 これは基本的なアクションですが,攻撃を受けたりしたときのポーズも用意していますし,表情のパターンも複数あります。

4Gamer:
 小さいパーツまで動いているのが細かいですね。

キム氏:
 制作者は死にそうになりながら作っていますよ(笑)。

4Gamer:
 キャラのポーズもそれぞれ違っていて,構図を考えるのも大変そうです。

キム氏:
 私は元から絵を描くときは動的な感じを大事にしていますが,そんな絵をLive2Dで動かしたら,プレイヤーから「動きすぎ」と意見をもらうこともあって。バランスをとるのが難しいです。モバイルで見せることがベースなので,少し大げさに動かしていますが,どこまでなら喜んでもらえるのか……。

4Gamer:
 ちなみに現在は,どんなソフトを使って絵を描かれるんですか?

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キム氏:
 20年間ほとんど変わらずに「Photoshop」と「Painter」です。「CLIP STUDIO PAINT」もたまに使いますね。

 絵を描くツールや機材は変わらないんですが,Live2Dや3Dだったり,「Unreal Engine」だったり,絵を表現する領域は広げていて,現在はいろんな表現を実現できるサポーターツールも存在しますし,なるべく使うようにしています。

4Gamer:
 絵を描くとき,どうソフトを使い分けているんでしょうか。

キム氏:
 そこまで詳しく喋っていいんでしょうか(笑)。

4Gamer:
 ぜひ!

キム氏:
 「CLIP STUDIO PAINT」は線が綺麗に出るので使います。「Painter」はやっぱり色の感覚(色と色がブランディングできるまでの混合ロジック)のためにですね。質感がすごくいいので,色を塗るときに明暗を入れたり,色彩を表現したりするときに使います。

 「Photoshop」はスタートと仕上げで使います。スケッチをブラッシュアップするところから最終的な色の調整や,ポリシングなどはこれでやっています。

4Gamer:
 イラストもプログラミングも20年前から比べたら飛躍的にツールが進化して,いろんな道具も出ています。絵を描く人も,プログラミングできる人もそれに伴って増加しましたが,キム・ヒョンテさんから日本の絵描きさんに向けて「1番大事なのはこれだよ」って,何か教えてあげられることはありませんか。

キム氏:
 私は教えられるようなレベルの人間ではありません(笑)。それに絵の描き方は,絵を描く人の人数分あると思っています。それでもあえて何か言えることがあるとすれば,これは自分自身に言い聞かせたいことですが,技術の発達とかテクニックとかが豊富に増えることで,あまり手を動かさなくても絵を描けるようになります。
 でも結局は,手をたくさん動かしたほうがいい絵は出ます。自分がもう40代だからということもありますが,年齢を重ねるにつれて手を動かさずにラクして描こうとする傾向があります。先輩の方々も大勢いらっしゃるので,私なんかが年齢の話をするのは申し訳ない部分もありますが,個人的にはそうなってくる傾向を感じていますね。

 そのため私はなるべく手をたくさん動かすことを意識して,絵を描くようにしています。それが私の絵を見る人々に対する礼儀だとも思っています。

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4Gamer:
 キム・ヒョンテさんの絵は昔から,個性の強い作品が多い印象を受けるのですが,ご自身は自分の絵がどう変わっているとお考えですか。

キム氏:
 最初の頃は,がんばり屋で欲望に忠実な描き方でした。その時期の私は絶対にメジャーな存在になれないと思っていましたが,おそらくそんな絵に反応していただいた方が,今でも私の絵を覚えていてくださっていると思います。
 今の私は,もっと多くの人に好きになってもらえるような絵を描きたいと考えています。これは悪い言い方をすれば,商業的な絵を描きたいとも言えるかもしれませんが,商品として素晴らしい絵こそ本当に素晴らしい絵なのではないかと思います。なぜなら私自身も商業的に優秀な作品(絵)達を,大切に楽しんでいるからです。

 多くの人々にそう思ってもらえるような絵を描きたくなったというのが,私の変わった部分ですね。

4Gamer:
 当初あった欲望はもうないんですか?

キム氏:
 いえ,欲望は十分にあります。

4Gamer:
 その欲はどうやったら満たされるんでしょうか。

キム氏:
 満たされないからこそ,ずっと絵を描けるんだと思います。もちろん作品をとおして,その痕跡はずっと露出されると思います(笑)。

4Gamer:
 少しゲームの話に戻りますが,では「デスティニーチャイルド」の制作過程において,絵の描き方で変わったところや,新しい発見はありましたか。

キム氏:
 「デスティニーチャイルド」で私が描いた絵は約150点ありますが,1つのタイトルでそれだけの数を描いたのは初めてです。なのでキャラクター達に多様性を与えるのが,私にとって重要なポイントでした。
 多様なキャラを描くために,どんどん感情を豊かにしていく。そういう工夫をしてきたのが,絵の描き方で少し変わった部分かと思いますが,私自身はまだ足りないと感じて努力しているところでもあります。

 もちろんキャラクターは,ストーリーや,声優さんの演技,アニメーションで魅力を加えられますが,やはり最初の絵の段階からキャラクター性が生きている必要があると思います。以前は「絵さえうまく描ければいい」と,絵だけを見ていましたが,今はキャラを見つめて「このキャラは誰なのか」「どんな人なんだろう」という考えを持つようになりました。言葉で表現したら「当たり前」という考えですが。

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4Gamer:
 それを150体分やったんですか……?

キム氏:
 正直に申し上げると150体すべてにはできませんでしたが,多くのキャラに自分自身のさまざまな“悩み”が入っているのは確かです。

4Gamer:
 全部ひっくるめるとキャラは何体でしょうか。

キム氏:
 モンスターも含めると400体以上います。

4Gamer:
 半分近くがキム・ヒョンテさん直筆ということですね。

キム氏:
 ただ中には自分から見てイマイチなのも……。

4Gamer:
 いやいや(笑)。

キム氏:
 私以外にも,一緒に仕事をしている妻のKKUEM(クエム)など,特別な絵を描けるスタッフがたくさんいるので,そういった人々を信じて私は少し気楽に描いています。

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4Gamer:
 キム・ヒョンテさんが特別な絵だと感じる作品って,どういった絵なんですか。

キム氏:
 自分には表現できない部分を表現してくれる。そういう人が描く絵です。

4Gamer:
 それは色や影の使い方でしょうか。

キム氏:
 多岐にわたりますが,自分とは違う欲望を感じるかどうかです。(KKUEMさんの描いたキャラを見せつつ)こういう絵には私に表現できない感情が込められているんですよね。

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 私だけでは絶対に表現できない魅力的な要素がたくさん含まれているからこそ,「デスティニーチャイルド」という作品は私だけでは作れない,私の能力を超えたものとして仕上がっていると思います。

4Gamer:
 すでにリリースされている韓国の状況はいかがでしょうか。韓国での配信前と配信後でどんな変化が心境にあったかお聞かせください。

キム氏:
 とても重要な質問をしてくれました。実はこのゲームを韓国でリリースするとき,人に喜んでもらえる作品ではなく,自分が好きなゲームを作ったという認識でした。
 商業的な絵の話をしましたが,実際ゲームのジャンルはMOやMMOタイプのRPGが中心の環境なので,大多数の人に好まれるものではないと考えていたんです。
 しかしリリースしてみると,私の想定より10倍くらいの人数にプレイしてもらえました。

4Gamer:
 それはキム・ヒョンテさんの予想が謙虚すぎたんでしょう(笑)。

キム氏:
 そんなことありません(笑)。「ブレイドアンドソウル」の頃を思い出すと,やっぱりメーカーの認知度が高いこともあってブレイクしましたが,こういったキャラを集めるタイプのゲームは,韓国で通用しないというのが当時の雰囲気でした。
 たくさんの方々から私の予想を超えた声援をいただき,おかげさまで両OSのマーケットで売上1位を長く維持できましたが,予想外のところで,うまく対応できなかった点がありました。韓国でのリリース時,多くの人にご迷惑をおかけしたことは大変申し訳ないです。同時にそうなったにも関わらず「デスティニーチャイルド」を好きでいてくれたり,愛してくれたりするプレイヤーさんが今だにもすごく感謝しております。
 日本でのサービス時に同じ轍を踏まないように,万全を期したいです。

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4Gamer:
 日本では「デスティニーチャイルド」がどのような存在になってほしいでしょうか。

キム氏:
 国の話から離れて,長く愛情や愛着を持ってもらえるゲームになってほしいですね。

4Gamer:
 そのためには何が必要だとお考えでしょう。

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キム氏:
 ゲームそのものが魅力的であること。また,そういうゲームを作ること。お互いがニュアンス的にすれ違う部分もありますので,そこをキャッチしてうまくやることだと思います。とくに私が気をつけて注力したいのはそこです。
 日本の皆さんに自然と受け入れてもらえる,すっと溶け込めるようなゲームを作るために,力を惜しまずに注いでいきます。

4Gamer:
 ちなみにPC版よりスマホ版のほうが先にリリースされ,プラットフォーム間でデータも共有できるとのことですが,それぞれで見られるイラストは違いが出ますよね。肌色的な意味で。
 PC版で挑戦したいこと,挑戦できることがあればお聞かせください。

キム氏:
 審議の限界ギリギリまで表現したいです。

4Gamer:
 キム・ヒョンテさんの言う限界ギリギリって,どこですか。

キム氏:
 たぶん,とことんやりたいだけやって,関連機関から警告をもらうまで(笑)。……パブリッシャさんの顔が固くなってきましたので,ここまでにしておきます。

4Gamer:
 DMM GAMESさんなら大丈夫でしょう(笑)。最後に,4Gamer読者へのメッセージをもらえると嬉しいです。

キム氏:
 まさにこれからスタートを切るところですが,この作品を通していいゲーム,いい絵,いいストーリーを,皆さんと共有したいと思っています。これからもずっと皆様と作品を通して,“話”ができれば嬉しいです。どうかよろしくお願いいたします。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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