インタビュー
茫漠と広がる砂の海で“精製水”片手に寺院をめぐる旅が待つ。「黒い砂漠MOBILE」開発陣メールインタビュー
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すでに「黒い砂漠MOBILE」プレイヤーなら,上のアーカイブやGMノートを通じて,大型コンテンツ「大砂漠」を目玉とした実装内容やアップデート方針を確認していると思うが,開発陣へのメールインタビューをとおしてより具体的な内容を教えてもらえたので,その全文を以下に掲載しよう。
4Gamer:
まずはサービス開始から約1年を振り返った現在の心境をお聞かせください。
ジョ・ヨンミン氏(以下,ジョ氏):
この1年間,急ピッチでサービスを続けてきました。我々はプレイヤーに,最高の満足感をお届けしたい気持ちでいっぱいでした。 しかし,この1年間を振り返ってみると至らなかった部分もあったようで,感謝の気持ちと共に残念な気持ちもございます。
冒険者の皆さまにたくさんのアドバイスと応援をいただきました。とても大事な1年でしたが,これからの時間がさらに重要だと思っております。より良いサービスを提供できるよう,内部調整を重ねております。もう一度,変化した姿をお見せしたいです。
4Gamer:
アプリの配信前と配信後でプレイヤーの期待や反響に変化はありましたか。
ジョ氏:
ゲームサービス前には,日本マーケットでのモバイルMMORPGの成功に疑問を持つ方が多かったと覚えています。大成功したゲームも少なく,疑念も多かったと思います。しかし,ゲームのローンチイベント会場で「このクオリティのゲームを待っていた」という声を聞き,モチベーションにつながりました。しかしリリース以降,サービス面において足りない部分も多く,初期のような良い反応が出ていないのは事実です。なので,この度の1周年を機にもう一度良い反応を導き出せるよう努力しております。
4Gamer:
PCで黒い砂漠をプレイ済みという人と,黒い砂漠はスマホが初めてという人の割合はどのくらいなんでしょうか。
ジョ氏:
やはり,手に取りやすいモバイルバージョンからプレイした方が多いですね。
しかし,PC版が日本で愛され続けているゲームであるだけに,固定ユーザー層がしっかりしているため,次第に差は縮まってきています。ただ,我々としてはPCとモバイルの比率とは関係なく,黒い砂漠というIPが愛されることを願うだけです。
4Gamer:
スマホ版プレイヤーの年齢層はどのようになっているのかをざっくりと教えてください。
ジョ氏:
10代から60代まで,さまざまな年齢のユーザーから愛されています。
中でも50%以上のユーザーが20代〜30代であり,その方々がすべてのユーザー層と一緒にゲームをプレイしています。
幅広い年齢の方々に楽しんでいただいていることに,本当に感謝しております。
4Gamer:
「黒い砂漠」と「黒い砂漠MOBILE」で,プレイヤーが求めるものに違いはありますか。
ナム・チャンギ氏(以下,ナム氏):
PC版では,冒険心をくすぐる広大なフィールドやコンテンツをメインに実装してきました。
一方,モバイル版でもそれを実現するのは難しいので,アクションそのものを見せることに集中しました。視点を変え,キャラクターのシルエットを大きく見せて,見ているだけでも楽しいゲームを作ろうとしました。
4Gamer:
1周年記念生放送でも発表された大型コンテンツ「大砂漠」のコンセプトをあらためてお聞かせください。
ナム氏:
「大砂漠」は,黒い砂漠の世界の始まりとも言える「黒い石」が数多く存在する場所であり,「カルフェオン」では黒い石が眠っているこの地域のことを「黒い砂漠」と呼び,「バレンシア」では「カルフェオン」との戦争で流した兵士らの血にちなんで「赤い砂漠」と呼んでいます。
「黒い砂漠MOBILE」では,「大砂漠」を若干異なる形で表現しました。
従来のフィールドとは少し異なり,「大砂漠」はオープンフィールドで構成されています。日差しの強いこの地域では,冒険の際に“精製水”が必要になり,特徴的な寺院を中心に冒険を繰り広げます。
寺院には,新しい挑戦と莫大な報酬が用意されているので,多くの方々に攻略していただければと思います。
4Gamer:
続いて新クラスについてお聞かせください。まず「シャイ」はブーメランを武器とするキャラとのことですが,「黒い砂漠MOBILE」ではどのようなキャラになるんでしょうか。
(編注:「シャイ」は2月25日に実装されました。)
ナム氏:
「黒い砂漠MOBILE」でも「シャイ」はブーメラン型の武器である“フローラン”を使用します。ただ,PC版とは異なり,モバイル版ではより攻撃的なキャラクターになっています。
可愛らしい姿ですが,堂々と戦場を駆け回る彼女にぜひ注目してください。
4Gamer:
次の「ミスティック」は格闘家の女性版でPCでも人気のクラスですが,「黒い砂漠MOBILE」ではどんな調整を施す予定ですか?
ナム氏:
我々Pearl Abyssは,アクションベースのMMORPGを主力として開発してきた会社であり,モバイルでもアクション要素を重要視しています。「ミスティック」は「黒い砂漠MOBILE」のキャラクターの中でも,打撃感に一番こだわったキャラクターです。PC版の再現を超えて,アクション性を実現しますので,ご期待ください。
4Gamer:
最後に発表された「ハクレン」は「ツバキ」の覚醒クラスとのことですが,「ツバキ」とはどのような違いがあるんでしょうか。
ナム氏:
既存クラスの「ツバキ」「セッカ」は刀剣を駆使して舞うように戦いますが,「ツバキ」の覚醒クラスである「ハクレン」は長い花月槍を持ち,あるスキルは重い一撃を,あるスキルはすばやい連続攻撃を行うことができます。槍を利用した爽やかで鋭いアクション性を感じられると思います。
4Gamer:
「ハクレン」は韓国でもアップデートされたばかりの新クラスとのことですが,韓国プレイヤーからの反響はいかがでしょうか。
ジョ氏:
韓国の「ハクレン」は,実装後の利用率がTOP5に入るほど人気が高く,今でも多くの冒険者に愛されています。日本でも「ハクレン」が人気であることを願っております。
4Gamer:
カルフェオンとバレンシアの戦争時代に戻るという「太陽の戦場」についても詳しく教えてください。100人が参加できるとのことですが,ルールや勝利時条件はどのようになりますか。
ナム氏:
「太陽の戦場」では,カルフェオン陣営とバレンシア陣営に分かれて戦うことになります。サーバー全体を通してマッチングでき,両陣営の戦力が50対50になると開始されます。
各プレイヤーキャラは,約50年前となるかつてのカルフェオンとバレンシアの戦場に移動します。複数の区域にある復活地点を占領し,各陣営の副隊長を倒したあと,敵の防御陣形を突破して総司令官を倒すと戦争が終了という構造です。ただし,より面白くするために中身は調整し続けているため,日本サービスに適用される際は,さまざまな部分が変わっていると予想されます。
「太陽の戦場」では一般フィールドや拠点戦,攻城戦と異なり,戦闘力の補正が適用されるためキャラクターが簡単には倒れません。これにつきまして,韓国でも最適のバランスで提供するため,日々アップデートをし続けています。
4Gamer:
「太陽の戦場」の報酬についても教えてください。
ナム氏:
敵の副隊長に与えたダメージ,キル回数,復活地点の占領などを通して寄与度を獲得し,これに基づいて「名誉勲章」を獲得します。さらに,戦争で勝利すると追加で「名誉勲章」を獲得できます。
「太陽の戦場」で一定以上の勝利回数を達成すると,一般およびハドゥムフィールドでの経験値増加,アイテム獲得確率増加などの恩恵を受けられます。
「名誉勲章」では,「大砂漠」のリリースと同時に追加される新しいアイテムと,砂漠で搭乗可能な「象の登録証」などを購入できます。冒険者の皆さんのあいだで象が大変人気があると予想されるため,我々も楽しみにしております。今後もさまざまな報酬が追加される予定ですので,ご期待ください。
4Gamer:
「ラモー戦場」がトーナメント化されるとのことですが,その狙いはなんでしょうか。
ジョ氏:
「ラモー戦場」は「3対3」の戦闘を繰り広げるため,3人の協力が重要視される戦場であり,「1対1」の闘技場とは企画意図が異なるコンテンツです。
しかし,戦いの結果が早く出る,より刺激的な闘技場に比べ利用率が下がっており,ランダムマッチングによって本来の「協力する面白さ」が感じられない構造であると認知しました。協力の楽しさを追求し,闘技場とのコンテンツ同士の競争を防ぐために,ギルドトーナメント方式へと変更することを決定しました。
また,既存の「ラモー戦場」が好きだった冒険者と,ギルドメンバー同士の練習を目的とする方々のために,練習場を別途用意するつもりです。
4Gamer:
無限PVPフィールド「黒い太陽」はPK好きのプレイヤーにとって垂涎モノのコンテンツとなりそうです。このフィールドにおけるプレイヤーの目的や,報酬はどのようなものになりますか。
ナム氏:
エリアンとハドゥムが出会う地点に昇る「黒い太陽」は,冒険者の皆さんを狂気に染めます。特定地域で黒い太陽が昇ると、該当地域は無差別PKフィールドに変わります。
冒険者を殺した分だけ点数を得て,それに基づいて「黒い太陽の聖杯」を獲得できます。互いにたくさんPKすることでランキングを競えるようになっており,逃亡と追跡を繰り返しながら,冒険者同士で緊張感あふれる戦闘を続けていくことになります。
安全な戦闘を退屈に感じていた方や,自分の強さを試したかった冒険者は,思い切って黒い太陽に参加し,新鮮な刺激を感じていただければと思います。
4Gamer:
コミュニティシステムの強化についてもお聞かせください。どういった狙いやコンセプトでこのシステムの強化を行うのか,どのような活性化を狙うのかを知りたいです。
ナム氏:
村の使い道を増やす予定です。MMORPGはユーザー同士の相互作用が大事ですが,当ゲームでは最適化を理由に会話を限定しておりました。
コミュニティシステムの強化にあわせて,村に入場可能な人数を増やし,村に行く理由を大幅に増やそうと考えております。
また,ギルドやフレンド同士で互いに意見を交換するなど,「協力」が必要となるシステムの実装を計画しております。
4Gamer:
ありがとうございました。最後に,2周年に向けて抱負をお聞かせください。
ジョ氏:
この1年のあいだ,ゲームの基礎を構築するためにさまざまなコンテンツを休まずアップデートしてきました。そんな中,サービス面において不十分な部分があったと思います。しかし,2周年に向けて約束させていただきたいのは,MMORPG本来の楽しさに集中し,冒険者の方々のストーリーを作れる方向でサービスを提供するということです。
コンテンツのアップデートはもちろん,運営面においても直接お会いして皆さんの声を聞きたいと思います。初めて我々のゲームをプレイしてくださった方々の話を忘れることなく,元より我々のゲームを愛してくださった方々が望むゲームを提供できるよう,努力し続けます。ありがとうございます。
※メールインタビューの回答は2月25日時点のものです。
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