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「Rez Infinite」のドームスクリーン投影実験第2弾が開催。水口哲也氏とケン・イシイ氏によるジョイントライブの模様と合わせてレポート
また,投影実験の後には,2001年にリリースされたオリジナルの「Rez」に楽曲を提供したテクノミュージシャン・DJのケン・イシイ氏と,本作プロデューサーの水口哲也氏によるジョイントライブ「Rez Infinite Session(Tetsuya Mizuguchi x Ken Ishii)」も開催された。本稿で両イベントの模様をレポートしよう。
ドーム投影実験は計3回実施され,1回の実施時間は約30分。倍率100倍以上という事前の抽選で選ばれたプレイヤーによる,Rez InfiniteのVR対応ステージ「Area X」のプレイ映像が上映された。前回の実験で投影された映像は2Kだったが,今回の映像は4Kだ。
上映に先駆けてあいさつに立った水口氏は「前回は解像度や明るさが,あまり出ませんでした。音ももう少し欲しかった。今回は映像が4Kですし,前回に比べてずいぶん明るくなりました。音もチューニングしているので,けっこうビシビシくるはずです」と説明した。
水口氏の言うとおり,前回は目が慣れるまで少し暗さを感じたが,今回は上映開始直後から鮮やかな映像が目に飛び込んできた。キャラクターや光の粒子などのグラフィックスもぼやけることがなく,前回に比べて格段に進化した印象だ。
上映終了後,プレイヤーとなった来場者は「最高の体験でした。前回の実験は観覧で参加しましたが,今回プレイを始めると,ほかに人がいることなど忘れてしまって,画面の光の奥に入り込んでいく感じがしました」と感想を述べていた。
なお,実験では製品版をそのまま投影したのではなく,ドームスクリーン向けにレンダリングするなどの最適化が行われたという。また,機材や音響でもさまざまな調整が行われたとのこと。イベントの最後では水口氏が関係者に感謝の言葉を伝えた。
イシイ氏と水口氏によるジョイントライブの前半では,イシイ氏と水口氏に,Rezでミュージックコーディネーターを務めた弘石雅和氏が加わって,イシイ氏が1995年にリリースした楽曲「EXTRA」のPVとRezをテーマに,トークショーを行った。
EXTRAのPVは,映像作家の森本晃司氏が手がけたアニメになっており,作中に当時まだ一般的ではなかったVRヘッドマウントディスプレイが登場している。それを見た水口氏がRezのBGMをイシイ氏に依頼したという経緯などが語られ,PVの上映も行われた。
後半のジョイントライブでは,水口氏がプレイするRezの「Area3」のサウンドに合わせて,イシイ氏がリアルタイムでライブ・ミックスを披露。Rezでは,イシイ氏から提供された楽曲の音を細かく分解したものがゲーム中のさまざまな効果音として使われているが,ライブではそのサウンドを6chに振り分け,そこにイシイ氏が新しい音を加えるという趣向で行われた。
ドームシアターには,標準で7.1chサラウンドシステムが備わっており,当日はさらにスピーカーを増設したとのことで,サウンドの迫力はかなりのもの。ドームスクリーンに投影されるプレイ映像と見事にシンクロし,Rezの世界観を存分に堪能できた。
ドーム投影実験とジョイントライブは共に,シナスタジア(共感覚)と音楽をコンセプトにしたRezならではといえるイベントだった。Rez Infiniteの実験イベントは,今後も継続していくとのこと。時期は未定だが,次回はどのような試みが行われるのか,楽しみだ。
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