インタビュー
[G-Star 2018]「ロードオブダイス」の開発会社CEOは「Guild Wars」の元世界チャンピオン。eスポーツスマホタイトルも企画中
同社のブースには,韓国のデジタルコミックのキャラが多数登場する新作アプリ,「Hero Cantare」が出展されており,詳しい話を聞くべく関係者にアポイントメントを取り,同社のCEOに話を聞く機会を得た。オンラインRPG「Guild Wars」の元世界チャンピオンが中心となって設立した会社は,何を目指しているのだろうか。
「Guild Wars」の世界チャンピオンが設立した開発会社
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
NGEL GAMESは日本でも「ロードオブダイス」の開発会社として知られていますが,4Gamerに登場していただくのは今回が初めてです。まずは会社の紹介をお願いします。
NGEL GAMESのCEOを務める,Ji Hoon Parkです。
自分は昔,オンラインRPG「Guild Wars」の世界大会でチャンピオンになったことがあるのですが,当時同じギルドに所属していた仲間と一緒にゲームを作りたいと考え,NGEL GAMESを設立しました。
4Gamer:
Guild Warsですか。ちなみに,どの世界大会で優勝されたのでしょう。
Park氏:
2006年に台湾で開催された,「Guild Wars World Championship」(GWWC 2006)という世界大会ですね。
4Gamer:
ひょっとして,「The Last Pride」(※)の方ですか?
Park氏:
うわ,よくご存じですね(笑)。Guild Warsのプレイヤーですか?
4Gamer:
ええ。それに,私もGWWC 2006の会場にいました(笑)。
4Gamerとして取材記事も掲載していたはずですよ。コレですね(といってノートPCで記事を見せる)
Park氏:
この写真の右下にいるのが僕です(笑)。懐かしいなあ,23歳のときの写真ですよ。ちなみに自分を含めて,この写真にいる3名が現在もNGEL GAMESに在籍しています。
4Gamer:
当時Guild Warsを真剣にプレイしていた人なら,ゲーム内のランキングで世界一を激しく競い合っていた「The Last Pride」と「War Machine」のことは注目していたはずです。
Park氏:
ありがとうございます。「War Machine」のメンバーとは今も連絡を取りあっていますよ(笑)。
4Gamer:
元々は同じギルドですもんね。
当時を振り返られて,Guild Warsのどの部分が最もお好きでしたか。
Park氏:
ギルドバトルに参加メンバーは8人で,バトルに持ち込めるスキルの制約も厳しいですが,それは敵も一緒なわけです。そういった制約下で,仲間と一緒に戦術を突き詰めるのが何より楽しかったですね。今でいうeスポーツ的な展開を行っているオンラインRPG自体,ほかになかったですし。
4Gamer:
まさに「eスポーツ」と呼べるオンラインRPGでしたね。世に出るのが5年くらい早かったのではと思っています。
Park氏:
同感ですね。
自分は今も,ArenaNetがスマホ向けアプリとして,eスポーツ系のタイトルをリリースしてくれないかなと期待しているんです。でもその一方で,ゲーム開発者となった今は,それを自らの手で作りあげることが夢でもあります。
4Gamer:
なるほど。ちなみに「Guild Wars 2」はプレイされていたのでしょうか。
Park氏:
ええ。しかし,Guild Wars 2ではGWWCのような大型大会が少なかったこともあり,自分を含めた仲間のモチベーションが長く続かなくて……。そしてGuild Wars2から離れたとき,この先も仲間と一緒にいたいと考えたことがきっかけで,NGEL GAMESを設立し「ロードオブダイス」を開発したんです。
4Gamer:
そういう経緯だったんですね。
ロードオブダイスのサービス状況はいかがですか。
Park氏:
韓国ではオフラインのイベントを積極的に開催していることから,好調なサービスを維持しています。というのも,ロードオブダイスは面白さの本質に辿り着くまで,比較的時間がかかるゲームなんです。イベントに参加することでモチベーションが上昇し,またプレイヤー同士のコミュニティが促進され,それが大いに有効だと思っています。
4Gamer:
オフラインイベントを重要視しているため,今回のG-Star出展に至ったのでしょうか。
Park氏:
自分もゲーマーなので実感しているのですが,オフラインイベントに参加するとモチベーションがすごく上がるじゃないですか。ゲームの作り手になったいま,イベントを積極的に開催したいと思っていました。
そういったなか,新作アプリ「Hero Cantare」が正式サービス開始の目処が立ったので,思い切って出展した次第です。
4Gamer:
Hero Cantareには「ゴッドオブハイスクール」などの,韓国で人気のあるデジタルコミックのキャラがたくさん登場するそうですね。
Park氏:
ええ。ひとつの作品から10体前後のキャラが登場しています。また,正式サービス開始後は定期的に新シナリオを実装しますが,そのタイミングでも新たな作品とのコラボを実施します。
ちなみにゲーム内ではこれらのコミックを直接読めるシステムも導入しているので,知らない人でもすぐに楽しめますよ。
4Gamer:
Hero Cantareの海外展開に関してはいかがでしょうか。
Park氏:
現在は韓国内のサービスに専念していますが,今回のG-Star出展を通じて,日本のパブリッシャさんからのお声がけもいただいています。日本で配信するときは,ぜひ日本のコミックも起用したいですね。
「Hero Cantare」韓国語版公式サイト
新作アプリ「デビルブック」の日本向けサービスも決定
4Gamer:
お時間が限られているとのことなので,NGEL GAMES全体のお話も聞かせてください。Hero Cantare以外の今後のタイトル展開に関して,お話できることはありますか。
Park氏:
「デビルブック」というスマホ向けアプリも準備しています。こちらはセルアニメの要素を取り入れた,可愛らしいキャラが登場するMMORPGとなっています。
4Gamer:
デビルブックは日本語版のサービス実施もすでに決定していますよね(関連記事)
Park氏:
日本では「ラグナロクオンライン」に代表される,可愛らしいキャラによるMMORPGが人気ですが,ことスマホ向けアプリにおいて,今のところ決定打がないと思います。そういったなか,STARTERという開発会社が作成中のゲームを見て「これだ!」と思い,弊社が共同開発という形で参加しています。
ちなみにSTARTERのCEOは,PC版「グランドチェイス」のチーム長を務めています。グランドチェイスのような,可愛らしいキャラが好きなゲームが好きな人は,デビルブックにもぜひ注目してほしいと思います。
4Gamer:
そのほかには何かありますか。
Park氏:
「ロードオブダイス」はグローバル版を開発中です。あともうひとつ,先ほども少し話しましたが,eスポーツ系のアプリの開発作業にも着手しています。
4Gamer:
それは気になる話ですね。
元プロゲーマーとして,eスポーツの面白さをスマホ向けアプリで実現したいという思いがあります。実は去年,「StarCraft」で有名な韓国の元プロゲーマーが,その新規タイトルの開発のために入社しているんです。現在はHero Cantareのローンチに力を注いでおり,まだタイトルの詳細はお話できませんが,来年のG-Star 2019には出展したいですね。
4Gamer:
そのときは,ぜひ取材をさせてください。
本日はありがとうございました。
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