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  • 発売日:2018/01/26
  • 価格:パッケージ版 2990円+税
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印刷2017/11/02 01:00

プレイレポート

「MONSTER HUNTER: WORLD」最新インプレッション。その世界は“深化”を遂げ,隅々まで徹底的に“遊びやすさ”が行き届いている

 カプコンが誇るハンティングアクションゲームのシリーズ最新作「MONSTER HUNTER: WORLD」(以下,MHW)は,PlayStation 4版国内発売(2018年1月26日)まで3か月を切り,新しい狩りに向けて期待が高まりつつあることだろう。

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 タイトルにナンバリングこそ無いが,MHWはモンスターハンターシリーズの正統な血統を受け継ぐ作品だ。2004年に日本で産声を上げた“モンハン”が,世界(WORLD)に向けてこれまで以上に羽ばたこうとしている。

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 このたび,4GamerではMHWの最新ビルド(かなり完成版に近い,とのこと)をじっくりとプレイする機会を得た。これまでE3やgamescom,東京ゲームショウを通じて,MHWを追ってきたが,今回の取材ではオープニングから新モンスター「ゾラ・マグダラオス」に挑むまでの流れを確かめることができた。

 その数時間を一言で表すなら,「次々に驚きが訪れる体験」。装いを新たにしたモンハンには,これでもかと言わんばかりに未知の体験が待っていた。それでいてシリーズの系譜をまったく外れていないので,従来の感覚のままでも操作や理解に戸惑うことがない。さまざまな新しい試みがあるにもかかわらず,だ。この事実にも驚かされる。

 以下,最新ビルドのインプレッションをお伝えしていく。当然,初めて狩猟するプレイヤーが楽しさを損なうようなネタバレには留意しているつもりなので,その点は安心してほしい。

「MONSTER HUNTER: WORLD」,新モンスター4頭の生態とは……。狩りの様子を収めた先行プレイ動画を紹介。“飛雷竜 トビカガチ”などに操虫棍で挑む

「Monster Hunter: World」開発陣にインタビュー。新しいモンスターハンターの“世界”は厳しい生態系のピラミッドと大地の息吹を描く


「MONSTER HUNTER: WORLD」公式サイト



初めて足を踏み入れるフィールド

その膨大な密度に圧倒される


 プレイヤーは新大陸を調査する一団に属するハンターだ。したがって,狩猟の舞台となるフィールドはすべて初めて訪れる地。大小さまざまなモンスターや生物,虫,植物,そして自然環境が息づいており,遠くを見渡せば鳥が空を横切り,雲が浮かんでいる。足元に目を向ければ,花や木々が瑞々しさを感じさせる。もちろん,乾燥地帯に歩みを進めれば,その環境に応じたアリの群れやフンコロガシを目にすることになる。
 フィールドに張り巡らされた情報量はシリーズ作品の比ではなく,そこには1つの生態系が構築されている。

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 ご存じのとおり,MHWではすべてのエリアがシームレスにつながっている。その恩恵はエリア間のロードが無くなることだけではない。
 すべてのエリアがつながるということは,あるエリアで起きたことが隣接するエリアに影響を与える可能性があり,フィールド全体が徐々に変化していくことを意味している。もちろん,その変化はリアルタイムだ。

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 たとえば,生態系のピラミッドの上位に位置するモンスターを誘導すれば,それを目撃した草食モンスターや臆病な動物はほうぼうに逃げ出す。すると逃げ出した先でも別の影響が発生し,さらに変化が伝播していく(モンスターの動向は生態マップで確認できる)。しかも,その変化は毎回同じとは限らないので,意外な展開に驚かされることもある。

 なかにはクエストや狩りに直接の影響を及ぼさない些細な変化もあるが,1つの事象がフィールドに変化を与えることで,「その世界が存在すること」「その世界に存在すること」の説得力が格段に増している。グラフィックス表現が豊かになったことも,その一助として挙げられるだろう。

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 さらに,プレイヤーがインタラクションできるオブジェクトや環境が格段に増えており,数回のクエストでは把握しきれない。MHWでは目的を持たず,制限時間もなく,ただひたすらにフィールドを探索することも可能だが,歩けば歩くほど,掘れば掘るほど新しい発見に出会える。
 フィールドの生態マップには発見したモンスターや素材の情報が追加されていくので,マップを埋めていく楽しさにも気づくことだろう。

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フィールドに点在する痕跡を集めて,生態研究所に報告すると,モンスター図鑑に情報が増えていく。この過程もたーのしー
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 このエリアで何が起きるのか。何が待っているのか。そこにある環境をいかに活用するのか。想定どおりになるときもあれば,そうではないときもある。直前に訪れたときとは,違う光景が広がっていることもある。同じ場所で同じ行動を選んだとしても,同じ結果になるとは限らない。
 そのため,フィールドに対して広さや種類とは異なるボリュームの深さが感じられる。

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 「生態系のピラミッド」があるということは,そこは弱肉強食の世界だ。モンスター同士が鉢合わせになると,それぞれの生存本能が働き,激しい肉弾戦になだれ込むことがある。
 MHWではモンスターに与えるダメージの数値を表示できるようになっているが,大型モンスター同士の争いで生じるダメージは,ハンターが与えるそれと比べて,文字どおりの桁違い。モンスターが驚異的な存在であることを,あらためて痛感することになるはずだ。


徹底的に“遊びやすくなった”

あらゆる面が快適に


 これまでにも,MHWのさまざまな新要素が明らかになっている。それらは4Gamerの掲載記事でお伝えしているが,今回の取材で数時間にわたり遊び続けて実感したのは,とにかく「遊びやすくなった」ことだ。
 それはシステムや操作性,個々のアクション,プレイヤーに対する導線,マップデザインに至るまで,あらゆる面で当てはまる。分かりやすさや快適さと言い換えても差し支えなく,それが爽快感にもつながっている。これはアクションゲームにおいて,大きな武器だろう。

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探索の拠点となる「アステラ」は4層構造。リフトを活用すれば,スムーズに移動可能だ
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マイハウスで狩りの準備を整える。写真は「二等マイハウス」だが,物語が進めば「一等」に引越しできるかも?
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 例えば,クエストの流れを見てみると,従来の村クエスト/集会所クエストといったカテゴリの分類が無くなった。あらゆるクエストがシングルプレイにもマルチプレイ(最大4人)にも対応し,クエストの途中からでも参加できる。つまり,パーティ全員の準備が完了するのを待ったり,全員が集合してから出発したりしなくてもいい。
 キャンプ地では食事や装備の変更が可能なので,各自のペースで準備を行い,フィールドへ赴き,目的地で合流すればいいということだ。無用な待ち時間がほとんど発生しないだろう。

 また,フィールドでは「救難信号」を発信できるようになり,同じサーバー内にいるハンターに対して積極的に途中参加を促せる。より気軽に見知らぬ誰かに手を貸したり,クエストを手伝ってもらったりすることができる要素だ。

集会エリアには最大16人のプレイヤーが集まれる。クエストやハンターランク,使用言語といった条件で検索して,自分に合った集会エリアを探すことが可能だ
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キャンプ地ではクエストの受注も可能
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 アクションゲームの要(かなめ)となる操作性も,「シームレス」がキーワードとなる。武器のアクションやアイテムの使用,素材の採集といったそれぞれの個々の行動において,ハンターが不自然に動きを止めることが無くなり,快適なテンポを生み出している。回復薬を飲みながら歩いたり,武器を砥いでいる途中でキャンセルして飛び退いたりできるようになり,無防備な硬直状態をモンスターの前で晒さなくて済むことが嬉しい。
 快適さは感覚的な話なのでテキストでは伝わりにくいと思うが,「こちら」のプレイムービーを見れば,その一端を垣間見られるだろう。そして実際にフィールドに立てば,すぐに納得してもらえるはずだ。

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 フィールドはシリーズ作品と比べて約2.5倍の広さになっているが,移動に際してストレスを感じないような配慮が見られる。キャンプ地を指定して瞬時に移動できる「ファストトラベル」をはじめ,モンスターの痕跡を追い,ターゲットの居場所まで案内してくれる「導蟲」,標準装備ツール「スリンガー」を活用して道中をショートカットするといった方法が用意されているのだ。モンスターの姿を見失い,しらみつぶしにフィールドを走り回る日々も懐かしくはあるが,その心配はなくなっている。
 さらにモンスターと遭遇していないときにはスタミナの概念がなくなるので,スピーディに移動できる。小気味良くなったハンターの動きと相まって,フィールドを探索することが「純粋に楽しい」と感じられる。極端に言うと,狩りをしなくても楽しいのだ

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フィールド探索中,新しい目標が追加されることもある
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 フィールドを探索して,モンスターを狩猟する。さまざまな方法で手に入れた素材を使って,装備やアイテムを作り出す。こうした基本的なサイクルはシリーズ作品と変わらないため,経験者であれば戸惑うことはないだろう。
 そのうえでプレイヤーが考えなくてはならない部分をシンプルにしながら,奥深さが保たれている。

 従来のスキルシステムは各装備の構成や数値を見比べ,より効果的にスキルが発動する組み合わせを計算する必要があった。その点,MHWでは装備自体に個々のスキルが付与している形になり,「装備すればスキルが発動する」。これは非常にシンプルで誰にも分かりやすい。

一部の防具には「シリーズスキル」が付加されており,一定数のシリーズ防具を装備すると発動する仕組みだ
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 もちろん,多数の装備の中から練りに練って,最高の組み合わせを編み出す過程も楽しい。だが,それを複雑に感じていた人がいることも事実だろう。
 これにより,装備の着せ替えに対するハードルも大きく下がっている。スキル構成が崩れることを嫌って,装備の変更を諦めた経験はないだろうか。MHWはキャラクタークリエイションのバリエーションが大きく広がり,自身の分身となるハンターへの愛着が深まっている。当然,装備に対するこだわりも生まれるが,着せ替えにおいて選択の幅が広がり,判断しやすくなったことは大歓迎だ。

キャラクタークリエイションには多数のプリセットも用意されている。まずはベースを決めてから,徐々にカスタマイズしていくといいだろう
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 画面表示やUIを見ても,“遊びやすさ”が行き届いていることが分かる。その顕著なものが,加工屋における画面表示だ。
 武器は素材別の強化派生ツリーから選択できるようになり,「これから何を目標にして,そのために何が必要なのか」を判断しやすくなっている。しかも,一部の武器は強化後にキャンセルが可能で,すべての素材が戻ってくる。貴重な素材を大事にするあまり,なかなか生産や強化を決断できなかったのは,筆者だけではないだろう。MHWでは,その心配がほぼ無くなっている。

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ボウガンは装着するパーツによって,多彩にカスタマイズできる。フィールドやクエストに合わせて,最適なパーツを選びたいところ
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 防具の生産もシリーズ別に部位パーツが表示されるので,生産可能な装備や揃えやすいシリーズが一目瞭然だ。ちなみに防具では剣士用/ガンナー用のカテゴリ分類が無くなり,武器種にかかわらず同じ装備を使用できる。これも,遊びやすさにつながっている。

 プラットフォームが据え置き機になることで,画面に表示できる情報量が増える。それに合わせてレイアウトが一新されているが,「より遊びやすく,より分かりやすくしよう」としていることが随所から伝わってくるのだ。

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 さらに細かい話も付け加えておくと,クエスト報酬の受取画面ではボタンを押し続けているだけで,すべてのアイテムを回収できるようになった。これまでのように連打しなくてもいいので,こうしたマイナーチェンジもかゆいところに手が届くように気が利いている。

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オプション項目も豊富。まさに至れり尽くせり
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MHWはおなじみのモンハンであり,

まったく新しいモンハンでもある


 冒頭で触れたとおり,モンスターハンターシリーズは十数年の歴史を重ねてきた。そして,ご存じのとおり,日本を代表するセールスを誇る。そんな実績があるにもかかわらず,MHWは変化を厭わず,確実に進化を成し遂げた。

 今回,MHWを遊んだのはほんの数時間なので,そこまで言い切るべきではないだろうが,きっと大丈夫。MHWはおなじみのモンハンであり,まったく新しいモンハンでもある。シリーズファンは進化に驚き,それでいて「やっぱりモンハンだ」と安心できるはずだ。

シリーズファンにはおなじみの闘技大会。特定の条件下でクエストのクリアタイムを競える
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トレーニングエリアも格段に情報量が増えている
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 繰り返しになるが,MHWは格段に遊びやすくなっている。モンスターに与えたダメージが数値化されたことも,その1つだ。
 モンスターのどこを攻撃すれば,効率的にダメージを与えられるのか。シリーズ作品ではプレイヤー自身の知識や経験の蓄積があって,初めて理解が進むものだったが,ダメージの数値化はその指針を明確にしてくれる。
 だからと言って,狩りが簡単になったというものではなく,MHWではハンターの行動の選択肢が増え,モンスターの生態も多様化しているので,これまで以上に考える余地が生まれた。

 分かりやすさと奥深さ。このバランスが絶妙だ。

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卵運び中は,転がっても卵を落とさないといった細かな配慮あり
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 このようにプレイヤーの目線でユーザビリティが見直されたことが,進化の根底に流れている。遊びやすくなったからこそ,ダイレクトに新しい部分の驚きが響く。その衝撃はモンハンの経験が浅い人ほど大きくなるはずだ。
 もし,MHWで初めてモンハンに触れる人がいるならば,あらゆるものが新鮮で「楽しい」と映るだろう。それはとても羨ましいことだ。

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最後に「ゾラ・マグダラオス捕獲作戦」の画面写真を掲載しよう。驚異的な圧力に怯むことなく,ハンター達も大砲やバリスタで迎え撃つ。このような特殊なクエストも待ち受けている
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※画面は開発中のものです。

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