インタビュー
[EVO2018]もっと多くの日本の人とコミュニケーションを取りたい――「ドラゴンボール ファイターズ」部門優勝,SonicFox選手インタビュー
4Gamer:
優勝おめでとうございます。発売から常にトップをけん引していたSonicFox選手ですが,今回の優勝によって「地球人最強」のドラゴンボールプレイヤーになりました。今の気持ちを聞かせてください。
SonicFox選手:
正直に言って,優勝できたという実感がまだないんだ。もしかすると,5時間後くらいには実感が湧いてくるかもしれないけどね(本インタビューは表彰式の1時間後に実施)。ただ,常にベストを尽くそうと思っていたし,やれることはやろう,と思ってプレイしてその結果が出たわけだから,その点にはとても満足しているよ。
4Gamer:
決勝戦の相手は、過去何度も対戦し,最大のライバルとも呼ばれていたGO1選手だったわけですが,今回に向けて特別な対策などは立ててきたのでしょうか。
SonicFox選手:
GO1選手にだけ特別な対策を用意したりはしなかったかな。それよりも自分の基礎能力を高めることを重点にトレーニングを取り組んできたんだ。たくさんの北米プレイヤーを招待して,対戦会ではなく,対戦ごとにテーマを設けて,ひたすら実戦的なトレーニングを行った。その後も,トレーニングモードを使ってひとりで練習を繰り返していたよ。
4Gamer:
今回,決勝トーナメントでGO1選手と戦った試合では,3-0,0-3,3-0という,どちらか一方が3連勝するという流れが続きましたが,それには何か特別な理由があったのでしょうか。途中で戦術の切り替えを行ったり,相手側から何か仕掛けられたと感じた場面はありましたか。
SonicFox選手:
最初の試合(Winner's Final)の時,自分はとても落ち着いていたけれど,GO1選手は少しナーバスになっているのを感じ取れた。その段階で気持ちの有利を取れたなと思っていて,実際に試合も気持ちよく戦うことができたんだ。
ただ,GO1選手はどんな大会においても,Loser'sに落ちてから,必ず這い上がってくるんだ。しかも試合数をこなせばこなすほど,落ち着きを取り戻して圧倒的な強さで舞い戻ってくる。その結果,次の試合(Grand Final 1回目)では,その勢いに飲まれてしまい,リセットされてしまった。
だから最後の試合(Grand Final リセット後)では,自分の気持ちを落ち着かせるために,一旦間を置くことにしたんだ。最後の試合前にプレイサイドを変更したのはその時間を作るのが目的で,実はそれ自体はゲーム内への効果や意味はまったくなかったんだ。
4Gamer:
そうして臨んだ試合では,3-0での勝利となりました。
SonicFox選手:
結果は3連勝になったけれども,終始押し切れていたわけではないね。最初はまず流れをつかむところからやり直すために,やや防御的な組み立てを中心にスタートしたんだ。相手の勢いをとにかく止めて,反撃できるところはすべて取る。そうやって徐々に揺さぶりをかけていって,自分の優位を取れたと感じた瞬間に一気に攻勢を仕掛けたんだ。
4Gamer:
SonicFox選手は「ドラゴンボールファイターズ」において発売当初からトップを走り続けている,というのがプレイヤー間に強く印象付けられているのですが,どうしてそんなに早く,ゲームの研究や上達できるのでしょうか。
SonicFox選手:
本作に関して言えば,自分がチーム対戦型のシステムに長く慣れ親しんでいることが有利に働いていると思う。それでも最初は,ゲームシステムを理解すること,チームアタックの動きや効果を理解すること,そこに時間を割いて研究した。
そして何よりも大切にしているのは,「このメンバーならいける」というチーム構成を自分でしっかりと考えることなんだ。その判断に至るためにたくさんプレイしたし,さまざまな対戦動画を見て研究したよ。
もちろん,独自のチーム構成を考えている人はほかにもたくさんいると思うけど,自分はその後で,「プレイを続けた結果がどうだったか」を振り返ることに,ほかの人より多くの時間を割いていると思う。例えば,過去にGO1選手やフェンリっち選手,かずのこ選手に負けたときは,アシストの使い方が良くなかったと感じたので,思い切ってチームの構成を変えたんだ。
また,個々のキャラクターの性能差が互角であるならば,試合展開の作りやすさや,不利な状況から巻き返す能力の高さが重要になってくるので,キャラクター選びはそういった要素も重要視しているね。
4Gamer:
今回のEVO 2018では「Inustice 2」のトーナメントにも出場されて,3位という成績を残しました。ただ,その決勝トーナメントの直前に「キルラキル ザ・ゲーム -異布-」の試遊台で遊んでいる姿を見かけてとても驚きました。
SonicFox選手:
自分はゲームをプレイすることが本当に大好きなんだ(笑)。6つとか7つとか……過去には最大8つだったかな? とにかく複数タイトルを同時にプレイしたり,トーナメントに参加したりしている。だから,大会前だったんだけど「キルラキル」のゲームを見かけて,すごく面白そうだなと思ってしまったら,もう自分を止められなかったね(笑)。実際すごく格好よくて面白かったから,トーナメントがあるならぜひ参加したいと思ったよ。
4Gamer:
ゲームを複数にわたってプレイをして,トーナメントに出るというときに,どうやって気持ちの切り替えを行っているのでしょうか。ふつうのプレイヤーの場合,混乱して間違った操作をすることも多いと思うのですが。
SonicFox選手:
ええっと,どうやっているんだろう,自分にもわからないな(笑)。できちゃっている,としか言いようがないんだ。とにかくできているし,すべてのゲームが楽しいんだ(笑)。
4Gamer:
ちょっと脱線した質問になってしまいますが,「キルラキル」をご存じだったり,さまざまなアニメにも詳しいと聞きしましたが,どんなアニメが好きなのでしょうか。
SonicFox選手:
それはAll-Time Best(今までの中で)でいいのかな?
※ここで真剣な表情から一転して満面の笑顔に。
一番は「エルフェンリート」。キャラクターや世界観がとにかくすごかった。ほかには「競女!!!!!!!!」は自分のツボだったし,最新だと「Food Wars!(食戟のソーマ)」がすごく面白いね。それと「DEATH NOTE」の第一部も良かった。
4Gamer:
第一部と限定しているのは,Lがいたからですか?
SonicFox選手:
そうだね,現実にはありえない駆け引きがとにかくすごくて,毎回驚いていたし,何となく対戦ゲームっぽいとも思ったね。だから第一部ってところが重要なんだ。もう一つ,最近のだと「My Hero Academia(僕のヒーローアカデミア)」も見ているね。
うーん,こうして振り返ろうとすると止まらないね。とにかくたくさん見ているよ(笑)。
4Gamer:
もっといろいろと聞きたいところですが,本筋に戻ります。
これまでもさまざまなタイトルに参戦やプレイをされているわけですが,今後「トーナメントタイトル」として選ばれそうな新作のうち,あなたが選手として参加しようかな,と思われているタイトルを教えてください。
SonicFox選手:
競技タイトルとしてどれをプレイするかは,まだなんとも言えないけれど,「ドラゴンボールファイターズ」と「Injustice 2」は続ける。ドラゴンボールは大好きだし,Injustice 2もまだまだ上を目指したいからね。あと今は「BLAZBLUE CROSS TAG BATTLE」もプレイしているよ。
新作についてはとにかくたくさん予定があって,どれも非常に魅力的だからうれしいよ。とくに楽しみにしているのは「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」だね。ほかにも「DEAD OR ALIVE 6」は,過去作をプレイしていたこともあって興味深い。「鉄拳」シリーズも完全新作が出ればうれしいけど,今回発表された情報はとても新鮮味があって注目している。あとは「ソウルキャリバーVI」も見逃せないかな。
4Gamer:
この段階でもう7タイトルですね(笑)。
SonicFox選手:
いけるいける,全部プレイできるよ(笑)。あとひとつ伝えたいのは,個人的に一番相性が良くて,自分が一番好きな「スカルガールズ」は,今後も大切にプレイしていきたいんだ。
4Gamer:
今回の大会を通して,世界中のファンがあなたのプレイに興奮し,楽しんで見ていたと思います。最後にひとこといただけますか。
SonicFox選手:
まず最初に,皆さんのたくさんの応援に感謝します。対戦ゲームはひとりでは強くなれないゲームです。自分自身もたくさんの大会やイベントを見てきて,ここまで育ってきました。自分と同じように,自分のプレイを見てくれた人たちが,同じ気持ちで対戦ゲームをプレイしてくれたらとても光栄です。
あと,個人的には,どんなに拙くても,言語の壁を越えてコミュニケーションを取ろうとする姿勢が,より良いつながりを生み出すと信じています。自分自身,日本語を勉強し始めていて,もっと多くの日本の人とコミュニケーションを取っていけたらいいなと思っています。
それから今回の大会は,たくさんの日本のファンが視聴されていたと聞きました。いろいろな思いや話したいこともあるのですが,今はただひとこと,「ありがとう(日本語で)」と伝えたいです。
そうそう,あと自分が「ケモナー」だということは日本のファンに知られていると思うんだけど,日本には「ケモナー村」があると聞いたよ(笑)。自分自身まだ日本に行ったことがないから,いつかそこに行って,みんなと友達になりたいな!
4Gamer:
とてつもなく大きな野望ですね(笑)
そうなると,来年のEVO Japan 2019は大きな機会になるのでしょうか。
SonicFox選手:
どんなタイトルがトーナメントになるかはまったく分からないけど,いい機会だよね。本当に日本は憧れの場所なんだ。
ドラゴンボールはトーナメントにありそうだから,その時は間違いなく参加するよ。仮にドラゴンボールがなかったとしても,「スカルガールズ」のトーナメントがあれば,確実だね(笑)。日本のスカルガールズ仲間である159man選手が,大会でも上位にくるだろうから対戦が楽しみだよ。
4Gamer:
日本の格闘ゲームファンもきっと,あなたの来日を楽しみにしています。本日はありがとうございました。
「ドラゴンボール ファイターズ」公式サイト
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