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印刷2018/04/06 00:00

プレイレポート

「ファークライ5」プレイレポート。自然豊かなアメリカの片田舎を背景に,残虐非道のカルト教団の暴力に暴力で反撃するのだ

 ユービーアイソフトから発売中の「ファークライ5」PC/PlayStation 4/Xbox One)は,同社の看板ともいえる「ファークライ」のシリーズの最新作。「ファークライ3」では絶海の孤島,「ファークライ4」ではヒマラヤの奥地,そして「ファークライ プライマル」ではなんと石器時代をモチーフにしたオープンワールドが用意され,探索や戦闘,あるいは狩り,クラフトなど,数多くの要素でゲーマー達を楽しませてきた。
 これまでは,司法の手が届かない,文明から隔絶した土地が背景になってきたが,本作で選ばれたのは,なんと現代のアメリカで,我々にもなじみ深い場所だ。とはいえ,「終末思想のカルト教団に,ほぼ全域が支配されている」というかなり特殊な状況であるのは間違いない。

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「ファークライ5」公式サイト


 「ファークライ3」で方向性を確立した「ファークライ」シリーズだが,本作も従来作と同様,バイオレンスに加えて狂気に満ちた設定とストーリー展開になっている。今回はPlayStation 4版の日本語版をプレイできたので,さっそくその様子をお届けしよう。なお,記事に掲載したスクリーンショットもPlayStation 4版のものとなっている。

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終末思想に基づいて残虐非道に町を支配する
「エデンズ・ゲート」を壊滅せよ


 本作の舞台は上記のとおり,アメリカ合衆国モンタナ州の架空の土地,「ホープカウンティ」だ。アメリカの北西部に位置するモンタナ州は広大な自然が広がる,まさに「アメリカの田舎」といった雰囲気で,町から少し車を走らせれば人の気配はなくなり,家畜や野生動物のほうが多くなる。人々は,この大自然の恵みとともに,日々平穏に暮らしていた。

 ホープカウンティはかなり広く,山岳地帯や川が通行を遮るので,長距離を移動するには車やボートを使っても大変。できればヘリや飛行機を活用したいところで,後述するPERKで「ウイングスーツ」を使えるようになれば,自由に空中を移動できて快適になる。

主観視点なので少し分かりにくいが,ウイングスーツで滑空している状態。スピードがあり,操作の自由度も高いので,ヘリや飛行機より使いやすかったりする
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 さて,事件の起こりはホープカウンティで「エデンズ・ゲート」という新興宗教が広まったことにある。彼らは,「崩壊」と呼ぶ破滅的な出来事がいずれ発生すると信者に説き,それに対して力を持って備えねばならないという教義を中心とした集団だ。彼らは信仰のためと称して強制的な入信やプロパガンダ放送,薬物による洗脳,誘拐と拷問,略奪と殺人など,ありとあらゆる非道な行為に出るようになる。だが,これに対する行政や警察の動きはあまりにも遅かった。

最初こそ普通だが,すぐに豹変し,プレイヤーを含めた保安官全員を捕えようとする教祖ジョセフ・シード。捕まったらどうなるか,いずれ嫌というほど味わえるだろう
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 エデンズ・ゲートの教祖は「ジョセフ・シード」,通称「ファーザー」と呼ばれる人物で,やがてホープカウンティのほぼすべてを掌握し,地域を3分割して,それぞれを自分の兄弟である「ジェイコブ」「ジョン」「フェイス」の3人に支配させるに至る。住民達は外出もままならず,地元警察をも抱き込んだ彼らに対抗するのは,わずかなレジスタンスのみになってしまった。

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 プレイヤーは,新人の連邦保安官「ルーキー」として活動していくことになる。ちなみに本作は,シリーズ従来作のように主人公は固定されたキャラクターではなく,今回初めて,アバターを選んでカスタマイズするという形式になった。
 ゲーム冒頭,ルーキーは仲間の保安官と共にファーザーの逮捕へ向かうが,信者の反抗にあって失敗する。教団はこの事件を上記の「崩壊」と位置づけ,信者を一斉に蜂起させる。保安官達は散り散りとなって教団に捕らえられたあげく,プレイヤーは教団の支配地域のど真ん中で孤立無援に陥り,しかも教団の優先ターゲットとなってしまう。

 プレイヤーの目的はこの地獄のようなホープカウンティで生き延び,仲間を救出するためにレジスタンスに協力して教団の支配者であるシード家を倒し,その支配を終わらせることだ。

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 従来作と同様,本作もオープンワールドのFPSで,マップの各所で活動する教団の連中を排除しつつ,レジスタンスに協力して教団の支配力を弱らせていくことになる。
 レジスタンスの力は「レジスタンスメーター」によって表示される。人質の救出,物資輸送の妨害,敵VIPの排除,クエストのクリア,そして教団の拠点の奪取などを行うと,ポイントが加算されメーターの数値が増えていくという仕組みだ。

 どこで何を行うかは完全に自由だが,基本的に難度が高い拠点の奪取などのほうがポイントが増えやすく,さらに確保した拠点はレジスタンスのものになり,味方兵士が配置されて,武器や車両を購入できるようになるというオマケが付く。また,一緒に行動してくれる仲間の雇用もできるようになり,苦労しただけの見返りがある。

 もちろん,小さな反撃を重ねてこまめにレジスタンスを支援することもできるし,今いる地域で行き詰まったり飽きたりしたら,ほかの地域の敵を叩きに行ってもいい。このあたりの判断はプレイヤー次第という自由度の高さだ。

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本作の主人公は,キャラクターメイキング画面で作成する。性別や顔,髪型などを自由に選択できるが,ゲームは徹底的に一人称視点で進むため,作ったキャラクターを目にする機会は少なめ
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 レジスタンスメーターは経験値のような形で増加していくが,実際はプレイヤーの強さとは直接関係なく,あくまでその地域のレジスタンスの反抗度を示すものだ。一定の値になると店で新たな武器がアンロックされるなど,間接的なプレイヤー強化にはつながるが,どちらかと言えば進行度に近く,「メーターを溜めるほど楽になる」というわけではない。なおメーターが一杯になると,そこを支配するリーダーに戦いを挑めるようになり,見事に倒した暁には,その地域を開放できるというアンバイだ。

武装したトレーラーでバリケードを吹き飛ばして敵にダメージを与える,という愉快なミッションの一コマ。爽快感抜群
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 敵の拠点を潰すなどをしていくとメーターは自然に増えて,味方のレジスタンスも増えていく。とはいえ,敵の反抗もそのぶん強力になり,道路を封鎖したり,航空機による反撃を行ってきたり,強襲部隊を送り込んできたりする。実際,これがなかなかいやらしく,敵の拠点を短時間で一気に潰すというわけにはいかなるのだ。もっとも,このことで「後半になるにつれ敵が弱体化し,消化試合になっていく」といったことが起こらず,緊張感を途切れさせずに済むようになっている印象もある。

小細工などせず,真っ正面から教団の拠点を叩いてもいい。警報器さえ先に潰しておけば,増援が来る心配もない
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個性豊かな仲間を引き連れ,
敵の拠点を思うままに破壊すべし


 本作には大小さまざまなミッションが用意されているが,クリアしたときに手に入るのは主にレジスタンスポイントと,キャッシュ(お金)あるいはアイテム乗り物などで,経験値といったものは存在しない。プレイヤーの強化は主にPERKで行い,これを取得することによって,「水中での移動が速くなる」といったものから,最大ライフのアップ,所持弾薬の増加,カギ開け技能の取得といったものまで,基礎能力を高めることができる。

移動力を強化するか,戦闘力を高めるか,頼りになる味方を増やすか。PERKの選択はいつも,迷うところだ
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 PERKポイントは主に「チャレンジ」をクリアして入手することが可能で,これらは「ショットガンで敵を○○体倒す」といったプレイ中に自然と達成できるものもあれば,狩りや釣りといったサブ的なアクティビティに結びついているものもあり,完全制覇はなかなか骨が折れる。
 とはいえ,戦闘をほとんど無視して自分を強化することも可能なので,メインクエストを外れて,「キャンプ気分で大自然でレジャーにふけっていたら,いつの間にか屈強になっていた」といったことも起こる。
 また,マップの各所に「プレッパーの宝」というトレジャーポイントがあり,こういった場所の探索でもPERKポイントが取得できるので,戦闘に疲れたら,作り込まれた広大なマップに多数用意されたアクティビティや宝探しに挑むのも悪くない。

釣り竿さえ手に入れば,水辺のざまざまな場所で釣りができる。記録狙いで大物を狙うのも良いだろう。釣った魚はそこそこのお金で売れるので,美味しい
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「プレッパーの宝」の探索はパズル要素が強く,ヒントを元に隠された入り口を探したり,キーを発見したりする必要がある。建物の内部で激しい上下移動を迫られることも
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 教団を壊滅させるには自分が強くなるのが手っ取り早いが,同時に仲間の手助けを得ることも重要だ。上記のとおり,ゲームでは常に近くに付き添って戦ってくれるNPCがおり,PERKで強化すれば最大2人まで同時に雇用できる。種類は大まかに言って,通常の「兵士」と,特殊な能力を持つ「スペシャリスト」に分かれており,人間の場合は「ガンフォーハイヤー」,動物の場合は「ファングフォーハイヤー」と呼ばれる。そう,動物を仲間にして一緒に暴れ回ることができるのだ。

仲間は一度リストに加われば,メニューでいつでも変更できる。ただし,一度倒されてしまうと,復活には長めの時間が必要になる
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上空からヘリや航空機の支援を受けられれば,屋外での戦闘はかなり有利になるだろう
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 通常の兵士は味方拠点などで簡単に仲間にできるが,スペシャリストはその名前のとおりユニークかつ強力な能力を持っているため,たいていの場合,雇用するには,やや込み入ったミッションをクリアする必要がある。
 とはいえ苦労するだけの価値はあり,例えば航空機パイロットの「ニック・ライ」は敵を見かけると上空から爆撃や機銃掃射を行ってくれるため,拠点攻略などで大活躍してくれる。また動物枠の「チーズバーガー」は,名前のとおりチーズバーガーが大好きという変わったグリズリーで,いざ戦闘になれば一直線に敵に向かい,あっという間に敵をなぎ倒す。

1人(1匹)でも十分役立ってくれるフォーハイヤーだが,2人同時に連れ歩くと掛け合いが発生することがある。スペシャリストはクセの強い人物が多く,会話から人となりが分かるのも興味深い
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 仲間にはワンボタンで「移動」「攻撃」といった簡単な指示が可能で,例えばニックに爆撃を頼んで拠点の敵に先制攻撃を食らわせたうえで,チーズバーガーを向かわせて混乱状態に陥らせ,自分は隠れて後方から狙撃する,といった連携が可能になる。
 通常の拠点攻略でも,高所から狙撃したり,スニークで接近して音の小さい近接武器で敵を次々始末するといったいろいろな攻略法があるが,味方の個性を生かすことで,さらに選択の幅が広がるわけだ。

 仮に自分がやられても,味方が生き残っていれば復活させてくれるので(たとえ動物でも大丈夫だ),誰かを連れて行くと,よりスムーズに攻略を進められるはずだ。

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「ファークライ・アーケード」はシングル,Co-op,マルチプレイのすべてが楽しめる,ゲーム内ゲームだ


 プレイを進めると,町中や拠点などにちょっとレトロなアーケードゲーム機が置いてあることに気づくと思う。これは「ファークライ・アーケード」を楽しむためのもので,作中ではただのゲーム機なのだが,実は「(マップの)エディタモード」と,「プレイモード」をここから起動できる(メニューからも実行可能)。
 見た目からはレトロゲームがプレイできそうに思えるが,ファークライ・アーケードとは「各プレイヤー(ユービーアイ自身が作成したものもある)が自由に制作,公開したマップで,シングルやCo-op,あるいはマルチプレイ対戦を楽しむ」というモードだ。

「コインいっこいれる」という感じのファークライ・アーケードの起動画面
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 まずエディタモードのほうだが,こちらは既存のものに手を加えたり,あるいは完全にゼロから地形を作ったりして,シングルおよびマルチプレイ用のマップを作成できる。
 ゲームルールはもちろん,地形も自由に変形できるほか,数には限界があるが建物や乗り物,樹木なども自由に設置でき,パーツの中にはシリーズの過去作や,同じユービーアイソフトの「アサシン クリード」「ウォッチドッグス」シリーズで使用されたものも含まれている。もちろんこの機能で作成したマップは,世界中に公開して自由に使用してもらえる(Ubisoft Entertainmentのオーサライズは必要である模様)。
 筆者がプレイした段階では,発売直後ということもあって,まだ投稿されたマップの数はそれほどでもなく,メーカーがサンプルとして用意していたもののほうが人気だったが,海外ではMODカルチャーが盛んなので,いずれ充実してくると思う。

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 プレイモードは名前のとおり,最初から用意された,または世界中のプレイヤーが投稿したマップでシングルやCo-op,マルチプレイ対戦を楽しむというもの。シングルとCo-opモードでは,とにかく設定されたゴールまで生きてたどり着くことを目指す「ジャーニー」,キャンペーンモードの拠点攻略とほぼ同じ内容の「基地」,シンプルに敵を全滅させる「アサルト」,ターゲットを倒し脱出する「バウンティハント」という4種類のルールが用意されている。

 軽くプレイしてみたところ,頭を空っぽにして撃ちまくり,敵を倒しまくるアドレナリン全開のものから,一切の武器を持たずにスタートする脱出ゲームのようなものまで,バラエティ豊かで,気に入ったマップを見つけられればかなり楽しめるだろう。ただ,上記のように練り込まれたマップはまだ少ない印象なので,まずはUbisoftのマップ(制作者が「UBISOFT」になっているもの)をプレイして,ルールに慣れていくことをおすすめしたい。

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 マルチプレイは,「デスマッチ」「チームデスマッチ」の2種類のみ。対戦は最大12人で,デスマッチなら自分以外の全員が敵となり,チームデスマッチなら6人対6人の対戦となる。敵を倒した分がポイントになり,相手より多ければ勝利という極めてシンプルなルールだ。
 ルールは簡単な反面,実際の対戦は参加するマップによってプレイフィールが大きく異なる。スタンダードに銃器メインに撃ち合うものもあれば,スリングショットと手榴弾(と素手)だけで戦うといったかなり尖った制限が課せられたものや,あるいは広大な草原に「これで戦え!」とばかりに戦闘機が何機も置いてあるものなど,いろいろと驚くことが多い。
 正直なところ対戦が始まってみないと,何が起こるのか(どう動くべきなのか)分からない場合が多く,一般的なマルチプレイ対戦とはかなり趣が異なる。

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 今のところ,マップはかなり当たり外れが激しく,武器のチョイスやマップの作りで「これは良くできてるな」と感心するものもあれば,逆にオブジェクトの配置やリスポーンポイントに問題があって完全にぐだぐだな試合になってしまうものもある。このあたり,「人気の高い定番マップ」が出てくれば事情は変わってきそうだが,逆に言えば,発売直後のカオスな状態を楽しむという考え方で楽しむのもアリだ。

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 なお,シングルやマルチなどのモードを問わず,ファークライ・アーケードのプレイを重ねることで,本編のお金やPERKポイントなどが手に入る。持っているPERKの一部はアーケードモードでも有効なので,ぜひ,気軽にプレイしてほしい。


狂気の暴力には暴力で応えよう
ホープカウンティを救うのはキミだ


 シリーズ従来作同様,本作にもクラフト要素があるが,内容的にはかなり簡略化されており,基本的に消耗品の爆発物やバフ薬を作るためにあると言っていい。
 また,武器の入手は,設置されたものを手に入れたり,敵からドロップする,あるいは店舗で購入するという形になっており,強化用のMODもサイト(スコープ),サプレッサー,拡張マガジンのみと非常にシンプルだ。
 こだわり派のプレイヤーは少し寂しいかもしれないが,筆者のように,そこまで銃器に詳しくない人には,かなり取っつきやすい。

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 狩りの要素も引き続き存在するものの,釣りと同様「売るための獲物を手に入れる」という位置付けなので,必ずしも行う必要はない。ただ,野生動物に敵を襲わせるなど,自然を味方につけるというプレイは本作でも健在で,上記のように釣りや狩りでPERKポイントも入手できるというメリットがある。

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 シリーズの大きなモチーフである狂気という点では,やはりシード一家のキレっぷりが輝いている。口では聖人君子のようなことを語りつつ,実際はどんな残虐行為も平然と行い,その対象はプレイヤーですら例外ではない。ネタバレになるので詳しくは書けないが,ストーリーが進むにつれて,彼らと望まない形で相対することが何度かあり,そのたびに肝が冷える体験をした。

 普通の敵として出てくる信者達も,捨て身で突っ込んできたり,異常にタフだったり,何度倒れてもゾンビのように立ち上がってきたりと,その人間離れした動きのインパクトはかなりのものだ。しょせん人間だと舐めてかかると,痛い目に遭うだろう。

「天使」と呼ばれている信者は,薬物漬けになって理性を失った者の末路だ。何度ダウンしても立ち上がってくるという驚異のタフネスさを誇る
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 上記のように,従来作に比べて一部の要素は簡略化されているものの,美しく広大な景観と多数のミッション,多彩なロケーション,そして個性豊かな仲間達と,ボリュームは満点だ。思う存分,凶悪なカルト集団相手に暴れ回れる。何をするにしても,場所や順序,方法は自由なので,思ったままにゲームを進めてみよう。こうした自由度の高さにもかかわらず,ストーリーもかなり濃厚で,ゲームの進行度とともに,否が応でも教団の狂気を堪能できるはずだ。気が向いたら,これまたカオスなアーケードモードのマルチプレイを楽しむのも面白い。

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 シリーズ最新作として従来作のファンはもちろんオススメだし,これまでの作品とストーリー的なつながりはないので,新規プレイヤーでも問題なく楽しめる。暖かくて過ごしやすい季節になったので,ついついお出かけしたくなるが,2018年の春はアメリカの片田舎に「ちょっと悪いヤツらをぶっ飛ばしてくる」と出かけてほしい。きっと,満足できる時間が過ごせるはずだ。

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