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良い意味で“ネクソンらしくない”スマホ向けアクション「エビルファクトリー」の講演をレポート。グローバルに通用するエッジとは
「エビルファクトリー(Evil Factory)」公式サイト
「最先端」を意味するエッジだが,彼らの考えるエッジを実現するため,まず最初にターゲットユーザーの設定を明確にした。具体的には「1980〜1990年代のアーケードゲームが好き」「歯ごたえのあるゲームを好むコアゲーマー」をメインターゲットとして,「グローバルの市場で受け入れられること」を目標に掲げた。多くの人や国々でそこそこの評価を受けるより,狙った層に思いきり刺されば,それ以外は重視しないという思い切ったスタンスだ。
実際問題,ゲーム開発にかけられる時間や予算などが限られている以上,やりたい事をすべて盛り込むことはできない。その中でさまざまなニーズに対応しようとすると,どの方面も中途半端になり,差別化も行いにくいという結果に終わってしまうとファン氏。
コアゲーマーが望む骨太のバランスにもとくにこだわったという。ファン氏によれば,最近のスマホアプリは手軽に遊べる方向に進化しすぎており,主人公も強すぎる。そのため,遊んでいて歯ごたえがないのだそうだ。そこで本作では,あえて主人公を徹底的に弱くした。
その結果,ワンミスで即死,敵は遠距離攻撃してくるが,こっちは近接攻撃のみ,しかもメインウェポンは時限式といったシビアなシステムが選ばれた。初見のプレイヤーなら,1ステージあたり20回はゲームオーバーになって当たり前,というバランスを心がけたそうだ。
その一方で,繰り返し挑戦するのが苦にならないように,ユーザーインタフェースやロード時間などには気を配ったとのこと。こうした工夫で,難しいステージをクリアした達成感が強く味わえるようになった。ちなみに,ターゲット層に該当するプレイヤーならピンと来るであろうオマージュもゲームの中に散りばめられている。例えば,司令官NPCのポーズは碇ゲンドウ,メインウェポンの爆風の形状は「ボンバーマン」,カットシーンの会話は「メタルギア」という感じだ。
本作は2017年2月にグローバル配信され,6日間で100万ダウンロード,35日間で150万ダウンロードを記録した。北米,ブラジル,ロシアの反響がとくに大きく,またレビューやインフルエンサー達からの反響も非常に良好だという。
ファン氏は,なによりも自分達が目指したエッジを実現できたところが嬉しいと語る。世界各地から寄せられた「ユニークだ」「ネクソンらしくない」などというフィードバックに目を通すのは,とても楽しいそうだ。
配信後,AppleがAppStoreのトップページで本作を大々的に紹介してくれたのも感動したとのこと。世界市場を視野に入れて作ったタイトルだけに,この反応には強い手応えを感じたという。
収益はそれほど良くないそうだが,これは開発段階から織り込み済みで,今のところ想定どおりといったところだそうだ。
個人的に気になるのが,パブリッシャであるネクソンがこのプロジェクトをどう受け止めているかだ。もし,本作のようなとがったタイトルの開発を今後も続けてくれるのなら,ターゲット層にドンピシャである筆者としても非常に嬉しい。
とりあえず,この記事を読んで興味をそそられたという人に刺さる可能性がかなり高いゲームなので,4Gamerに掲載したインタビュー記事なども合わせて参照し,ぜひ一度プレイしてほしい。
「エビルファクトリー(Evil Factory)」公式サイト
「エビルファクトリー(Evil Factory)」ダウンロードページ
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