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[G-Star 2016]面白さの閾値を乗り越えるために。シリーズ最新作「ダークアベンジャー3」の開発セッションの模様を紹介
本セッションに登壇したのは,ブリアン・ゲームズ 代表のバン・スンチョル氏と,ネクソン 事業室長のソン・ホジュン氏の2名だ。
レッドオーシャンを乗り越えるためのゲームに
――従来作は開発にUnreal Engineが用いられていましたが,今回はUnityが採用されていますね。
バン・スンチョル氏(以下,スンチョル氏):
まず,最近はアクション性の高いゲームを制作するため,Unreal Engineを採用するケースが目立ちますが,私達は「ダークアベンジャー」と「ダークアベンジャー2」同様、今回も,Unityを選択しています。
その理由は,これまでも使用していたこともあり、Unityに精通していることもあり、また我々のやりたいこと実現するためのカスタマイズ性が高いからです。Unityを補完して開発を行い、必要なクオリティを維持しています。
――御社がこれまでに開発してきた「ダークアベンジャー」は,パブリッシングをGAMEVILが担当していました。しかし,今回はパブリッシングをNexon Koreaが担当しています。その理由をお聞かせいただけますか。
ソン・ホジュン氏(以下,ホジュン氏):
ブリアン・ゲームズは昨年,Nexon Koreaの子会社となっています(関連記事)。そのため,自ずとそうなりました。
――リッチなグラフィックスは健在なようですが,それらは最適化されているのでしょうか。
スンチョル氏:
前作と前々作においても,グラフィックスの最適化には重きを置いていました。会場に出展している試遊バージョンでさえ,一般的なゲームアプリ顔負けの最適化を施していますよ。
――「ダークアベンジャー3」は会場でプレイさせていただきましたが,今回は従来作と比べて,プレイフィールがガラッと変化している印象です。
スンチョル氏:
正直なところ,韓国内のスマートフォンゲーム界隈はレッドオーシャン化しています。その打開策として,面白さに対する閾値を乗り越えるために,従来のクォータービューを廃止し,コンシューマゲームでよく見るバックビューを採用しました。そのほか,視点カメラのカスタマイズも可能です。
――戦闘面によりフィーチャーした作品に仕上げている理由はなんでしょう。
スンチョル氏:
それは私達の得意分野であり,開発メンバーが楽しいと思いながら作れるからです。作品と我々の方向性が合致しているのです。
――従来のアクションRPGとの差別化は考えられましたか?
スンチョル氏:
リアルタイムプレイのマルチモードがそれに当たります。ユーザーにとって分かりやすい特徴になるよう,差別化を生み出している最中です。
――敵へのフィニッシュ攻撃は何種類くらい存在しますか?
スンチョル氏:
現状はクラス別に演出が存在していて,例えば“オークの群れ”に対しては,4つのフィニッシュモーションを実装しています。ボスクラスの敵は1つのモーションとなってしまいますが,さまざまなクラス相手に,いろいろなフィニッシュが楽しめる作りにしています。
――残酷描写が強いゲームですが,年齢審査はどのあたりの基準を想定しているのでしょう。
ホジュン氏:
本作では残酷描写のレベルを下げ,一般的なゲームと同等くらいにまで合わせていきたいです。目標は15才程度を想定しています。
――アクション性が多様化していますが,プレイするうえで外してはいけないと考えていることはありますか。
スンチョル氏:
ストーリーモードで多彩な演出を見せることです。また,ゲームの進行に合わせて,さまざまな成長要素を楽しんでもらえるようにと心掛けていますし,ゲームのクリアまでの設計にも配慮しています。
――本作ではストーリーモード以外に,どのようなモードが実装されるのでしょう。
スンチョル氏:
ここですべてのモードを列挙していくのは難しいのですが,PvPやPvEのリアルタイムマルチプレイをはじめとする,さまざまなモードを予定しています。また,報酬獲得のための反復が必要な場面は,オートプレイに対応させる予定です。
――発表資料によると,PvPには大幅なアップグレードが施されるとのことですが。
スンチョル氏:
前作と比べて,PvPはかなりの修正を施しています。また,PvPを独立させ,装備関連もPvPとPvEで別々にしていきます。
――これまでのシリーズ作品の成果はいかがでしょう。
スンチョル氏:
前作,前々作の販売データを見ていると,東南アジアはもとより,北米でも人気を博していたり,PvPが盛んなトルコ,ブラジル,ロシアといった地域でも,ゲームを遊んでくれる人が大勢いました。
――それでは,今回の目標値は定まっていますか。
スンチョル氏:
これまでの展開よりも,もう少しうまくやりたいところですね。
――配信スケジュールについて教えてください。
ホジュン氏:
「ダークアベンジャー3」はまず,韓国で2017年上半期のリリースを予定しています。その他の地域への配信に関しても,追って発表したいと考えています。
――iOS / Androidでローンチ時期はズレますか?
ホジュン氏:
いえ,同時ローンチを考えています。
――リリース後のアップデートの構想はすでにありますか。
スンチョル氏:
さまざまなテーマを設けて,3つか4つのストーリーを配信していく予定です。もちろん,マルチモードの関連コンテンツもです。期間としては,3か月に1コンテンツの割合で進められればと考えています。
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