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KKUEMさんのお噂はご存じなんですか? DMM GAMES版「デスチャ」で審議の限界ギリギリを目指すキム・ヒョンテ氏に再びインタビュー
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印刷2018/02/23 12:06

インタビュー

KKUEMさんのお噂はご存じなんですか? DMM GAMES版「デスチャ」で審議の限界ギリギリを目指すキム・ヒョンテ氏に再びインタビュー

 スマートフォン向けアプリ「デスティニーチャイルド」iOS / Android)の初となるオフラインイベント“デスティニーチャイルド ファンミーティング”が,2018年1月21日に開催された(イベントレポートはこちら)。このオフラインイベントに合わせて来日したキム・ヒョンテ氏にインタビューする機会を得たので,その内容を本稿でお届けしよう。

キム・ヒョンテ氏
画像集 No.001のサムネイル画像 / KKUEMさんのお噂はご存じなんですか? DMM GAMES版「デスチャ」で審議の限界ギリギリを目指すキム・ヒョンテ氏に再びインタビュー

 情報解禁日の関係で,インタビューの実施日からかなり時間を経たあとに掲載となった本稿だが,ゲーム配信後の手応えや心境,今後の展開のほか,2月28日にサービス開始予定のPC版,「デスティニーチャイルド For DMM」についても聞かせてもらえたので,ぜひ最後まで読み進めてほしい。

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関連記事:初音ミク&雪ミクがコラボイベントで登場決定。「デスチャ」のオフラインイベント「デスティニーチャイルド ファンミーティング」をレポート
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4Gamer:
 まずはファンミーティングお疲れさまでした。キム・ヒョンテさんご自身がリードする初めての作品「デスティニーチャイルド」で,かつ開催も初となった今回のオフラインイベントを,無事に終えた感想からお聞かせください。

※本インタビューはオフラインイベント「デスティニーチャイルド ファンミーティング」開催後の翌日1月22日に実施しています。

キム・ヒョンテ氏(以下,キム氏):
 どちらかというと,終わったというよりは「いよいよ始まった」という嬉しい気持ちです。ファンミーティングでは,私自身が皆さんに向けていろいろお話をしましたので,これから実現していかなくてはなりませんから。

4Gamer:
 ファンミーティングで日本のファンの方々とお会いして,「韓国のファンとはここが違うな」と思うところはありましたか? 同じゲームのファンであれば,国が違っても受ける印象は似たようなものなんでしょうか。

キム氏:
 そうですね。ゲームを好きになってくれる気持ちは韓国でも日本でも同じような印象でした。ただ私は韓国でずっと活動しており,「マグナカルタ」以降,日本で直接の活動をしていません。あれから長い時間が経っているのにも関わらず,未だに私を覚えていてくださり,これからに期待を寄せていただいていることに驚きましたし,感動も覚えました。


KKUEMさんの噂を本人はご存じなんですか?


4Gamer:
 そういえば,キム・ヒョンテさんの奥様であるイラストレーター,KKUEMさんは日本のファンの間でも大変美しいと評判ですが,このことを本人ご夫妻はご存じなんですか?

キム氏:
 KKUEM本人はおそらく知らないと思います。

4Gamer:
 ヒョンテさんはご存じということでしょうか。

キム氏:
 私も詳しいところまでは知りませんでしたが,美人だと信じていました。今いただいたお話で確信しました(笑)。

4Gamer:
 確信されたのであれば,この話は奥様にお伝えになるんですか?(笑)

キム氏:
 KKUEM本人は,やっぱり絵で日本の人たちに認めてもらいたい,という気持ちが強いんです。なのでKKUEMの絵をとおして,KKUEM自身と日本の皆さんがお会いできるようなチャンスを作りたいと思いますね。

4Gamer:
 キム・ヒョンテさんご自身は,KKUEMさんをどのようなイラストレーターとして捉えているんでしょうか。

キム氏:
 KKUEMは,「幸せな絵」を描きたいと考えているイラストレーターです。これは長所であり,短所でもあるところなんですが,悪党だったり卑怯だったりといった悪者のキャラクターを描くときも,純粋な心のような“良い部分”が出てしまうんですよね。それが魅力を引き立てることはありますが,同時に弱点だとも思います。
 また,トレンディーな絵を描く技術に関しては私よりも優れていると思います。

4Gamer:
 ヒョンテさんの絵にも,ご本人の人柄が反映されているんでしょうか。

キム氏:
 そうなることもあります。しかし私は,逆のパターンが多いですね。キャラクターにハマりすぎてしまい,そのキャラの影響を自分が受けてしまうんです。キャラクターの感情に共感しながら,絵を描こうとしている人間です。その幅を広げていくことが私の目標でもありますね。


配信後の心境も「スタートラインに立った」まま


4Gamer:
 前回,東京ゲームショウ2017でのインタビューから約4か月が経ちました。当時の状況は「デスティニーチャイルド」配信前でしたが,現在は配信から約2か月を経ています。これまでの心境の変化はいかがでしょうか。

キム氏:
 あっという間に月日が過ぎてしまったので,自分の心境をまとめる余裕もありませんでした。当時はようやくスタートライン,という気持ちでしたが,今なお「ようやくスタートラインに立てた」という同じ感想を抱いています。これからがもっと大切だと思っています。

4Gamer:
 日本でのサービスするにあたって,考えどおりにうまくいったところ,改善しなくてはいけないと考えているところは,それぞれ見えてきましたか?

キム氏:
 キャラクターや物語の魅力は皆さんへと伝わり,十分に楽しんでいただいているので,良かったと思っています。ただし,ソーシャルゲームとしてのゲームバランスに関しては,私自身が納得のいくレベルに達する前に,お見せしてしまった部分もあります。そのバランスは今後整えていきたいと考えています。
 新しいコンテンツの導入が遅れているのも事実ですが,バランスの良いたゲームへとしていくために,十分に準備と努力を重ねていきます。

4Gamer:
 そういった心境の中で開催する初のオフラインイベントには,大きな不安も付きまとったかと思います。

キム氏:
 1人のアーティストとしても,ゲームクリエイターとしても,皆さんに受け入れられるかどうかと心配していましたが,実際にファンミーティングを開催してから,その不安はなくなっています。「どうすればプレイヤーの皆さんに楽しんでもらえるゲームを作れるか」に集中できる,大きなきっかけとなりました。

4Gamer:
 ファンミーティングでは「初音ミク」とのコラボも発表されました)。ぜひ今回の機会にキム・ヒョンテさんからお聞きしたいと思っていたのですが,この初音ミクというキャラクターの魅力は,どういったところにあると感じていますか。

※2018年2月22日現在,初音ミクとのコラボイベントの実施は終わっている。

キム氏:
 一言では表せないと思いますが,この世界で唯一の存在という点ですね。

4Gamer:
 では初音ミクがブレイクした理由を,どう分析されますか。

キム氏:
 そうですね……。私だけの,自分だけの,誰にとっての初音ミクにもなれるからだと考えています。ユーザーの見方によって,私の歌手,私のアイドル,私の友達といったようにいろんな形になれますし,ぐるぐると姿を変えながらも本来のアイデンティティを失いません。そういった部分が初音ミクの魅力を形成しており,とてもすばらしいキャラクターだと思います。


第7章で登場する「イブ」はどんな悪魔に?


4Gamer:
 1月18日に追加された最新ストーリー,第7章についてもお聞かせください。まず同章の注目キャラでもある,主人公のライバル「イブ」はどういった経緯で生まれたキャラクターなんでしょうか。

関連記事:「デスティニーチャイルド」のストーリー第7章が開放。さらに「チャイルド召喚」の1回召喚を毎日一度だけ無料で引けるように
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キム氏:
 最初は,強力なアウトサイダースタイルの独立性を持つ女性の悪魔というキャラクターを登場させたかったんです。しかし物語を進行させるうちに,「フレイ」と主人公,そして間もなく登場する「オード」たちと関わりながら,重要な過去を持つキャラクターとなっていきました。
 実は最初から役割が決まっているキャラクターはほとんどいません。イブもそのうち1人として,話の中で成長していく姿を描いていきたいと思います。やがて彼女の失われたサポーターであるインキュバスも登場する予定なので,楽しみにしてほしいですね。

4Gamer:
 イブは,大人と子供それぞれの形態を持っていますが,あれはどちらが本来の姿なんでしょうか。

キム氏:
 両方ともイブ本来の姿です。ワガママだったり方向音痴だったり,はぐれてしまったサポーターに文句をつけたりするイブは「幼いイブ」で,主人公などにアドバイスしたり,戦ったりするときは「大人に近いイブ」だと思います。

4Gamer:
 大人か子供かの形態によって精神も変化するんですか?

キム氏:
 生物学的な意味で変わりはしませんが,性格が外見に左右されるのは事実です。

4Gamer:
 それはイブの特徴ですよね。もしかして悪魔は全員ああいったことができるんでしょうか。

キム氏:
 イブの特徴に近いと思います。フレイの場合,人間界で生き抜くために幼い姿をとることもありますが,彼は姿が変わっても同じ性格です。といっても,いつも子供っぽいというだけかもしれません。

4Gamer:
 ええと,作中でも描写されていたとおり,フレイって実力のある悪魔なんですよね。

キム氏:
 フレイは非常に強力な悪魔ですが,その独特な性格のせいで苦労をすることになリます。もっと強い敵だけでなく,さまざまなチャイルドにも振り回される姿を見られるでしょう。主人公との関係も深まり,これから活躍する予定です。

4Gamer:
 イブは物語の中で成長していくキャラとのことですが,キム・ヒョンテさん的にはどういった方向に育ってほしいと思いますか?

キム氏:
 個人的にいろんな悪魔やチャイルドたちと仲良くしてほしいと思います。

4Gamer:
 ……イブにそれが可能でしょうか?

キム氏:
 少し難しそうですね(笑)。ただサポーターとの出会いが,イブの転機になると思います。第7章では,どこか尖ったような性格になっていますが,それなりに魅力のあるサポーターと出会うことで,イブの新たな一面が見られるのではないでしょうか。その日が訪れるまでは少し寂しい野良猫のような暮らしをしていると思います。

4Gamer:
 個人的にはフレイが好きなんですが,彼はサポーターを主人公に取られてしまって,そのサポーターに大量のメールを送りつけるくらい病んでますよね。フレイに救いはあるんでしょうか。

キム氏:
 いずれゲームの中でそれが分かる日がきます。推しすぎじゃないか,というくらいフレイの輝く一面もありますよ。

4Gamer:
 その日を楽しみに待ちます。そういえば先の私のように,「このキャラクターが好きです」といった日本のプレイヤーの声って,ヒョンテさんにも届いているんですか?

キム氏:
 完璧にではないと思いますが,ある程度は把握しています。特定のキャラとの関係性への興味や,どういった面を見たいかといった声は,なるべく伝えてもらえると嬉しいです。

キム・ヒョンテ氏のTwitterはこちら

4Gamer:
 現状,ヒョンテさんに届いている声の中では,どのキャラクターが人気なんでしょう。

キム氏:
 私は「モナ」「リザ」「ダビ」が好きなので,彼女たちのストーリーをもう少し広げたいのですが,プレイヤーの皆さんからは「イブ」や「フレイ」が好きという声が多く届いています。全体的に主人公以外の悪魔に興味を持っていただいていますね。

左から「モナ」「リザ」「ダビ」
画像集 No.005のサムネイル画像 / KKUEMさんのお噂はご存じなんですか? DMM GAMES版「デスチャ」で審議の限界ギリギリを目指すキム・ヒョンテ氏に再びインタビュー

4Gamer:
 悪魔ばかり人気が高まるのは想定外なことでしたか?

キム氏:
 想定外というよりかは,考えていた以上に,好きになってもらえたという感触です。

4Gamer:
 中でもイブは第7章でようやく本編に登場する悪魔なので,見どころですよね。ちなみに,ストーリー全体で第7章はどういった位置づけになっているんですか?

キム氏:
 位置づけとしてはインターミッションに近いかと思います。主人公が少し息抜きしながら,新たなチャイルド「カルカス」と出会ったり,仲間のチャイルドと絆を深めていったりといった内容ですね。

4Gamer:
 インターミッションということは,第8章でかなり話が動きますか……?

キム氏:
 悪魔に関する話が少し出て,もちろん新しいキャラクターも登場しますね。

4Gamer:
 ファンミーティングでその新しいキャラと思わしきイラストが出ていましたが,第8章に関してもう少し教えていただけますか?

キム氏:
 強力な敵に対抗し,主人公がほかの悪魔たちと──どちらかというと,背中を押されて──力を合わせるという話になります。これ以上は誰かに叱られます(笑)。イラストの公開だけでもスタッフの間から「出しちゃうの!?」という声も聞こえたくらいです。

4Gamer:
 では,質問の方向性を少し変えましょう。第7章の段階でイブはまだ出会ったばかりの存在ですが,第8章では彼女の活躍も描かれますか?

キム氏:
 再び会えることは確かです。活躍するかどうかも含めて現状はまだ詳しいお話を控えさせてください。

4Gamer:
 私の大好きなフレイが,第7章では名前が出るだけでしたので,第8章で彼の出番はあるのか心配です。

キム氏:
 イブと同じ回答ということでお願いします(笑)。

4Gamer:
 ストーリーの追加ペースは今後もこの速度を保っていく予定ですか?

キム氏:
 メインストーリーはできるだけ早くアップデートしていきたいと考えています。メインストーリーがある程度進行しているからこそ,皆さんに公開できるサイドキャラクターも多いためです。
 ゲーム以外でも,いろいろなルートでストーリーや世界観をお伝えしたいと思いまして,現在プランを練っています。

4Gamer:
 個人的にはアフェクションのキャラクターストーリーをもっと増やしてほしいんですが,そういった方向性もお考えにはありますか?

キム氏:
 アフェクションを通じて描かれるストーリーは,主人公とチャイルドが出会って以降のエピソードをテーマとしています。そもそもどういった経緯で出会ったのか,という部分は伝えたいと思いますし,準備も進めています。

4Gamer:
 それは年末年始に開催された「コウガ」イベントのような形でしょうか?

キム氏:
 イベントというよりはコンテンツ化していきたいですね。

4Gamer:
 日本のファンの間では,チャイルドだけでなくその契約者も可愛らしいと話題で,どこかで見られるようにしてほしいという要望も多いと思います。そんな契約者たちをゲーム内でいつでも見られるような仕組みの実装は予定されていませんか?

キム氏:
 計画としては存在します。ただ皆さんが契約者と親しくなる過程を大切にしたいため,実装を急ぎたくはありません。ゲームの流れ的によく合う方法でお見せできるように考え続けています。


「審議の限界ギリギリまで表現したい」

納得のいく仕上がりになりそうですか?


4Gamer:
 今回の場はDMM GAMESさんにセッティングいただいたので,DMM GAMES版に関してもお聞かせください。前回のインタビューでは「審議の限界ギリギリまで表現したい」とおっしゃっていましたが,キム・ヒョンテさんの納得いく仕上がりになりそうですか?

キム氏:
 デスティニーチャイルドの世界観,そして登場するキャラのアイデンティティに影響してはいけませんから,そこを壊さない範囲内でキャラの魅力をたっぷりと伝えるため,積極的に表現していきたいとは考えています。

4Gamer:
 温泉コンテンツはとくに待ち望まれているかと思います。こちらの進捗具合はいかがでしょうか。

キム氏:
 韓国ではゲームのリリースから1年後のアップデートで追加しましたので,内容的にも1年間プレイし続けた人向けに制作されています。そのため設計から組み直し中ですが,日本は早いタイミングで導入される予定なので,ご期待ください。

4Gamer:
 温泉コンテンツを120%楽しむにはやはりDMM GAMES版がオススメでしょうか?

キム氏:
 キャラクターの魅力はストーリーも合わせてのものだと思いますので,DMM GAMES版でないと楽しめない,ということはないと思いますが,やはりタオルで隠される範囲などは変わってくるでしょう。タオルが下にずれていたり,そもそもない場合もあります(笑)。

4Gamer:
 そういった表現の自由度は広いほうが,キム・ヒョンテさんとしても描くのが楽しいものなんでしょうか?

キム氏:
 もちろんです。そういった思いは人一倍強いと思います。すべてを形にするのは難しいんですが……。
 それと私の夢は,本当に大金持ちになって,全部純金で誰も買えないようなハードなレベル──R18的な意味ではなく──の作品を完成させることです。夢というと大げさに取られるかもしれませんが,「そんなことができればいいな,思い切りできるなー」とたまに考えていますね。

4Gamer:
 少し話は変わりますが,新イラストの「マアト」の太ももを先日,Twitterで公開されていましたよね。反響はいかがでしたか?


キム氏:
 今まで投稿した絵の中で一番の反応でした。

4Gamer:
 先ほどキム・ヒョンテさんもおっしゃったとおり,キャラクターの魅力とは,見た目だけでない部分,背景やストーリーも含めて決まるものだと思います。目に映った艶やかな一面だけで大きな反響を獲得できてしまうと,クリエイターとしては複雑な感情を抱いてしまわないんでしょうか。

画像集 No.002のサムネイル画像 / KKUEMさんのお噂はご存じなんですか? DMM GAMES版「デスチャ」で審議の限界ギリギリを目指すキム・ヒョンテ氏に再びインタビュー
キム氏:
 それは当たり前のこと,だと考えています。まずキャラクターが目に入った段階で,その性格やストーリーまではつかめませんが,そこで内面も知りたいという興味を引くことが大切だと思うからです。
 私自身,見た目を重要視していますし,ある意味昨今は外見の重要さが軽んじられているのではないか,とも感じていますね。

4Gamer:
 ありがとうございました。残念ながらもうお時間のようなので,最後にメッセージをいただければ幸いです。

キム氏:
 以前のレイドバトル「ラグナブレイク」では至らない点もあったのが事実ですが,楽しいストーリー,たくさんのキャラクター,遊びやすさが両立した,みんなで幸せになれるレイドバトルとなるように改修を進めています。今後もさまざまな準備を進めていますので,プレイヤーの皆さんに「デスティニーチャイルド」を温かく見守っていただきたいと思います。

──2018年1月22日収録

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