プレイレポート
「METAL GEAR SURVIVE」の「シングルプレイモード」をプレイ。砂塵に包まれ,怪物が徘徊する未知の世界で,生き残るための厳しさを体感した
今回PlayStation 4版で体験した,未知の世界で探索やサバイバルを行うという同モードは,“生き残るための厳しさ”が体感できるものだった。
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本作は,「METAL GEAR SOLID V」を,サバイバルアクションとして再構築したというスピンオフ作品だ。物語の始まりは「MGSV GROUND ZEROES」で描かれた,1975年のXOFによるマザーベース襲撃。BIGBOSSの乗るヘリが飛び立ったのちに展開した謎のワームホールにあらゆるものが吸い込まれて異次元へと送られるという,IFストーリーが展開していく。
プレイヤーはその出来事の生き残りで,BIGBOSSの配下だった名も無き兵士の1人だ。アメリカの秘密研究組織「ウォーデンクリフ・セクション」のグッドラックなる人物から,未知の生命体に寄生されていると告げられ,感染の治療方法を見つけるために異次元の世界へと乗り込んでいくことになる。
ワームホールを抜けてたどり着いた異次元は,周囲を砂塵が覆う世界。この異世界には,崩れたマザーベースの一部や兵器などが転がっていて,その中心には組織が送り込んだヴァージルAT-9(以下,ヴァージル)というAIポッドが設置されている。プレイヤーはこの場所をベースキャンプ(拠点)に,謎の多いこの世界を探索していく。
序盤で持っている武器は,金属パイプで作った槍(パイプスピア)のみと,かなり原始的だ。銃器が手に入るのはハンドガンでさえかなり先のようで,それはどこかで拾えるというわけではなく,探索中に素材や設計図などを手に入れてベースキャンプに戻り,自身の手で製作する必要がある。武器や防具,探索に役立つ道具,そしてそれらを製作するための施設などを,プレイヤー自身が素材を集めて作り上げていくのだ。
この異世界で生きていくためのサバイバル術は,チュートリアルとしてその基礎をヴァージルから徹底的に叩き込まれる。
プレイヤーには体力(敵からの攻撃などに対する耐久力)やスタミナ(ダッシュ時などに一時的に減少する持久力)などのほかに,空腹(HUNGER)と喉の渇き(THIRST)のパラメータが存在している。これらパラメータはリアルタイムで減少していき,数値が低くなるとめまいがしたりダッシュができなくなり,最終的には死に至る。
食料や飲料水は点在する施設やコンテナなどから入手可能だが,その数は限られている。地球と同様に動物が生息しているこの地で狩りを行い,その肉を食料として調達しなければならない。空き瓶を持っていれば,各地にある水場で水が汲める。
ただし,こうして手に入れた生肉や生水は飲食に適しておらず,調理や精製をしないで口に入れると体調に影響が出るという,大きなリスクを伴っている。生のまま口にすると,一定確率で食あたりや感染症となり,体調不良や嘔吐などで運動能力が鈍ってしまうのだ。治療のためには貴重な薬を消費しなければならない。
料理は比較的早く覚えて,ベースキャンプにあるキャンプファイヤーで調理可能となるのだが,水の精製はベースキャンプをかなり充実させなければならないようで,各地に点在する施設で手に入る飲料水は大変貴重なものとなる。ベースキャンプを充実させると家畜を飼えるようになるそうだが,どこに何があるか分からない状況にある序盤は,見つけたら確保するという意識を持つことが重要だ。
今回の試遊で主な目的となっていたのは,ヴァージルのデータを充実させるため,各要所にあるという端末を探し出して,端末のメモリーボードにあるデータを回収すること。これがゲーム序盤のメインミッションとなるようだ。
ゲーム開始時点のマップにはベースキャンプ周辺しか情報がないが,ヴァージルが端末の反応がある場所を大まかな範囲で教えてくれる。そして,ヴァージルが指し示す場所を探索してデータをベースキャンプに持ち帰ると,探索した場所のマップ情報が開放されていく。「スタンプ」も使えるようになり,探索途中に見つけた水場や動物の生息地をマップ上にマーキングすることが可能となる。
探索中に襲い掛かってくる厄介な存在がワンダラー(放浪する者)だ。単体であればそれほど恐くないが,とにかく数が多く集団で襲われると大変危険だ。
シリーズ伝統のステルスアクションで,隠密行動をとりながら1体ずつ狙うのもいいが,本作の新要素となる,ワームホールで転送される特殊なガジェットを使った戦闘も行える。これはフェンスや土嚢など,ベースキャンプでクラフトした障害物などを自身の目の前に転送し,こちらに有利な状況を作り出して戦えるというもの。例えばノーマルフェンスなら,背の高い金網のフェンスを目の前に置いて敵の足を止めつつ,金網越しにパイプスピアを突いて退治するという使い方ができる。
建物や地形などを使ったアクションというのは普通だが,自身で障害物などを作り出して有利な状況を作り出すというのはなかなか新鮮で,RTSのような感覚に近く,タクティカルな戦闘が楽しめた。手持ちのガジェットが増えるほど,より高度な戦略を立てられそうなので,そのあたりは製品版が楽しみなところだ。
倒したワンダラーからは,クバンエナジーというクリスタル状の物質を入手できる。プレイヤーを強化するうえで貴重な素材となるクバンエナジーは,投擲するとワンダラー達を引き寄せる効果もあるので入手しておいて損はない。ワンダラーとの戦いは過酷だが,ゲームを有利に進めるためにも,序盤で少しでも多くのワンダラーを倒し,クバンエナジーを入手しておくといいかもしれない。
ベースキャンプ周辺の探索をある程度終えると,塵が砂嵐のように舞う「塵の海」を探索することになった。ベースキャンプとその周囲を囲うように存在する塵の海は,足を踏み入れると呼吸ができなくなり死んでしまうので,これまでの探索で集めた素材でエアタンクを製造して挑むことになる。
塵の海は視界が悪く,さらにマップでの位置確認や,目標地点となるガイドマーカーのセットもできない。しかも,クバンエナジーを使用して補給できるものの,エアタンクにある酸素の量も限られている。さらに敵の数も多く,通常時よりダッシュ時の疲労や呼吸の乱れが激しいという地獄のような場所だ。
筆者はあまり深く考えずに歩き回り,結果ベースキャンプに戻る道を見失って,脱出するのにかなり苦労してしまった。塵の中の探索はベースキャンプ近くに建っているライトの光が頼りだが,それもあまり深いところまで進んでしまうと見えなくなってしまう。より慎重な行動が生死を分けることになるだろう。
塵の中を探索すると,ワームホール転送装置が見つかった。これを再起動させて,襲い掛かってくる大量のワンダラーから守り抜くことで装置が使えるようになると,ベースキャンプでファストトラベルが行えるようになる。こうして探索範囲を広げていき,この世界の謎に迫っていくようだ。
今回の試遊では,プレイ時間のかぎりいろいろなことを試したいと,急いでプレイしたのが仇となり,食糧難や塵の中での遭難といった困難へとつながってしまったが,目的地に向かいながら素材や食料を集め,施設を充実させたり自身を強化したりしてじっくりと堅実に進めれば,ここまで苦労せずミッションをこなしていけるだろう。
探索先の状況や新たに手に入れたデータから“この世界で何が起きているのか”が見えてくる,ストーリー展開も楽しみなところ。ベースキャンプを自分の好きな形に構築したり,スキルを設定してプレイヤーキャラクターを育成したりと,プレイヤーがやれることはかなり豊富で,これまでのシリーズ作品とはまた違った楽しさがある作品となっていた。
なお,本作の「シングルプレイモード」と「CO-OPプレイモード」という2つのメインモードはつながっている。シングルプレイで育てたプレイヤーキャラクターでCo-opのミッションに挑み,そこで手に入れた報酬を持ち帰って施設の強化やアイテム開発に使用できるという。どちらもこなすことで,ゲームがより充実していくのだ。
2018年1月18日から1月21日まで,PS4及びXbox Oneに向けた「CO-OPプレイモード」のベータ版が配信されるので(関連記事),気になる人はまずこちらで,本作の世界観やプレイ感を味わってみてほしい。
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