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[E3 2016]シリアス・サムがVR対応で帰ってきた。「Serious Sam VR: The Last Hope」で,クリーチャーをなぎ倒してみる
来ている開発者達に聞いたところ,「資格がないので,(E3 2016のショーフロアには)入れない」とのことで,なんというか割と気の毒ではある。
さて,VR(Virtual Reality:仮想現実)好きの読者なら知っていると思うが,北米時間の2016年6月13日,「Serious Sam VR: The Last Hope」(以下,Serious Sam VR)の制作が発表された。いろんな意味で伝説的なFPS「Serious SamThe First Encounter」の主人公シリアス・サムがVR対応になって帰ってきたのだ。
乗るしかないこのビッグウェーブに。でも何で? サムで。という企画会議の様子が勝手に想像できるが,その同作のパブリッシングを担当するのがDevolver Digitalであり,駐車場の一角にある体験スペースで筆者もさっそくプレイしてみることにした。
用意されていたVR対応ヘッドマウントディスプレイは,Serious Sam VRの制作発表と同時にValveの「Steam」でアーリーアクセス版の配信が決定したことからも容易に想像できるとおり,HTCの「Vive」だった。重低音が体に響いてくる密着式サブウーファ「SUBPACK」も合わせて装着し,両手にViveコントローラを握る。
ゲームが始まると,さっきまでの曇ったロサンゼルスから,そこは陽光きらめくエジプトだ。見上げるようなオベリスクや神殿など,スペース感というか空間感というか,さすがはVRといえるだろう。私の言ってること,分かります? と言っているうちに,突然攻撃が始まった。向かいの広場や神殿の上などに次々と敵クリーチャーが湧いてくるので,サム……というか筆者は,手持ちの武器でヤツらを次々に撃ち倒し,破壊していくのだった。
自分は足元のサークルから出られないので,移動はまったくない。そのため,3D酔いの心配もほとんどないという親切設計だが,敵の攻撃からも逃げられない。比較的にゆっくりめに飛んでくる大きな火の玉などは,体をひねったり腰を落としたりしてかわせるが,走って逃げたりはできないのだ。
こうして,所定数の敵を倒すと,ミッションがクリアとなり,次のマップに進む。戦闘の前には,使う武器を選んだり,手持ちのポイントで弾丸を購入したりする準備タイムが用意されている。
シリーズのファンならご存じのように,大量の敵が次々に出現してこちらに迫ってくるシリアス・サムシリーズなので,こちらはかなり忙しい。そのうち,引き金を引く指が疲れて,狙いも定まらなくなり,敵の接近を許してしまうと,ここからがVRの本領発揮だ。
もともと生理的にイヤなデザインのクリーチャーが,等身大で筆者の目の前に迫ってくるわけだから,それはもう,かなりイヤ。パカランパカランと蹄の音も高らかに走ってくる骨馬「Kleer Skeleton」は,平面的なゲームで見ていたときよりずっと大きく感じるし,小さなクリーチャーが足元にワラワラ集まると,背筋がぞくぞくする。
手ごわい「Kamikaze」は,首から上のない半裸の男達で,そいつらが両手に爆弾を抱えて近づいてきては自爆しようとする。それも,とても対処できそうもないほどの数で,そんなやつらが「あーーー」という声をあげながら(※首がないので,どこから声が出ているのかは不明),遠近感と存在感を伴ってまっしぐらに走ってくるのは,ある意味,感動的ですらある。お母さん,僕は今,ホンモノのKamikazeと戦っています。みたいな。
かなりやられてしまったが,マップを3つほど進めたところで,試遊は時間切れとなった。Viveを外すと,そこは再び見慣れたロサンゼルスで,不思議な感覚だ。かなり熱中していたらしい。
前述したとおり,Serious Sam VRはSteamで2016年夏にアーリーアクセス版の配信が始まる予定だ。デベロッパであるCroteamによれば,開発も順調とのことなので,装備を調えて待ってみてもいいんじゃないかという気がしている。
Steam内「Serious Sam VR: The Last Hope」
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Serious Sam VR: The Last Hope
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