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[E3 2016]SIE吉田修平氏に聞く,プレスカンファレンスの手応えとPS VRのこれから
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印刷2016/06/17 11:56

インタビュー

[E3 2016]SIE吉田修平氏に聞く,プレスカンファレンスの手応えとPS VRのこれから

ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオ プレジデント 吉田修平氏
画像集 No.001のサムネイル画像 / [E3 2016]SIE吉田修平氏に聞く,プレスカンファレンスの手応えとPS VRのこれから
 E3 2016で,ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE) ワールドワイド・スタジオ プレジデントである吉田修平氏への合同インタビューに参加できた。

 北米時間2016年6月13日に開催されたSIEのプレスカンファレンスでは,PlayStation VRの発売日や多数の新作タイトルが発表され,大いに注目を集めたのは記憶に新しいところだろう(関連記事)。その内容について,吉田氏に振り返りつつ語ってもらった模様をお伝えしたい。

※以下,基本的にPlayStationはPSと略記します。


PlayStation 公式サイト

PlayStation VR 特設ページ



プレスカンファレンスを振り返って


――本日はよろしくお願いします。さっそくですが,今年のプレスカンファレンスを振り返っていただけますか。ゲームタイトルの紹介に終始した内容で,PSプラットフォームそのものに関する新情報はありませんでしたね。

吉田修平氏(以下,吉田氏):
 今年は出荷台数が何万台です,新しい機能を搭載しました,新しいサービスを開始します,といった近況報告や機能の紹介を行いませんでした。また,著名な開発者が登壇してスピーチするような例年のスタイルから脱却して,ゲームの内容を見てもらうことに注力しました。

 今年は,PS4のローンチから3年目に当たる年です。初年度はPS4向けタイトルであっても,PS3との同時展開を前提とした作りのものが多かったことは否めませんでした。
 ですが,3年目となると,最初からPS4を想定したゲームデザインになっているものがほとんどで,それぞれの開発者がこれまでにやってこなかったテーマに取り組み始めておられる。PS4の実力を最大限に生かすタイトルが揃ってきたようです。そうしたことを受けて,今年は多くのPS4専用タイトルを見てもらうことにしました。

――生まれ変わった「God of War」に驚かされました。

吉田氏:
 世界設定もゲームメカニクスも,まったく新しいものになりましたね。
 バトルシステムはかなり戦略性の深いものになっていますし,親と子の関係性にも注目していただきたいですね。クレイトスの存在を再定義している,と言っていいかと思います。
 今作がナンバリングタイトルでないのは,まったく新しいチャプターの1作目という意図からです。ちなみに開発は,2013年の「God of War: Ascension」のリリース直後に始まりました。


God of War
画像集 No.003のサムネイル画像 / [E3 2016]SIE吉田修平氏に聞く,プレスカンファレンスの手応えとPS VRのこれから

――「人喰いの大鷲トリコ」の発売日も発表されました。いよいよ,といった感じですが,E3会場ではプレイアブル展示がありませんね。

吉田氏:
 おかげさまで発売日を発表できました。人喰いの大鷲トリコは,ストーリー展開が重要な作品なので,あまり(プレイアブル展示を)見せたくないというのがあります。発売前に皆さんにお見せする機会があるかどうかは,現時点では分かりません。

人喰いの大鷲トリコ
画像集 No.004のサムネイル画像 / [E3 2016]SIE吉田修平氏に聞く,プレスカンファレンスの手応えとPS VRのこれから

――「Days Gone」はプレスカンファレンスの序盤に映像を見せて,最後にプレイアブルデモを公開しました。新規IPということで,SIEの一押しタイトルという位置づけでしょうか。

吉田氏:
 最初のGod of Warと最後のDays Goneでは,BGMをオーケストラの生演奏で披露したのですが,そうした演出の都合ですね。
 一押しタイトルとしては,ほかにも「Spiderman」「Farpoint」があります。個人的には人喰いの大鷲トリコと「Horizon Zero Dawn」も楽しみにしています。


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Days Gone
画像集 No.007のサムネイル画像 / [E3 2016]SIE吉田修平氏に聞く,プレスカンファレンスの手応えとPS VRのこれから
Farpoint


PlayStation VRについて


――PS VRの発売日とともに,ローンチタイトルも一部発表となりました。ただ,公式サイトに掲載されているのは,これまでに海外イベントで公開されてきたインディーズゲームなどを含めた全タイトルではないですよね。そうしたインディーズゲームも,いずれは日本のプレイヤーがプレイできるのでしょうか。

吉田氏:
 そうですね。もう少しインディーズゲームが入っていてほしい気がしますが,パブリッシャが見つかっていない,ローカライズの都合など,さまざまな理由があるかと思います。準備が整い次第,日本にもやってくるのではないでしょうか。
 VRコンテンツは,ローカライズを行っていなくても十分楽しめるものが多いので,「そのまま英語版でも十分楽しめるのではないか」と個人的には思いますけどね。
 まだまだ続報があるはずだ,と期待しています。


――GDC 2016のタイミングで「PS VRを今春発売しないのは,十分な量産体制を整えて,皆さんにお届けしたいから」というメッセージを発信されました(関連記事)。その量産体制は順調に整いつつありますか。

吉田氏:
 はい。現在,作っています。
 海外での予約受け付けはもうスタートしましたし,日本でも6月18日に始まります。今の時点で,初期出荷が何万台といった情報は出せませんが,わりといい感じで予約数が伸びています。想像よりも大きな需要があることに,我々は嬉しくもあり驚いてもいます。
 日本の皆さんには「絶対に買いたい人は,予約したほうがいいかもしれません」と言っておくことにします(笑)。

画像集 No.017のサムネイル画像 / [E3 2016]SIE吉田修平氏に聞く,プレスカンファレンスの手応えとPS VRのこれから

――「PlayStation Move モーションコントローラ」はいかがでしょう。PS3時代に発売されたPS Moveですが,現在は入手することが難しいです。

吉田氏:
 PS VRに合わせて,PS Moveの新パッケージを発売します。PS3ではコントローラのコネクタはUSB Mini-Bでしたが,PS4ではUSB Micro-Bになりました。PS MoveはPS3時代の周辺機器なので,USB Mini-B端子のままなんですね。
 それでは,充電できない,接続できないということになりかねないので,USB Mini-Bケーブル付きで新パッケージにしました。もちろん,PS3時代に購入されたPS Moveをそのままお使いになれます。

――PS VR向けのFPSとしてFarpointを発表されましたが,試遊ブースには「PlayStation VR Aim Controller」(以下,Aim Controller)という専用デバイスが用意されていますね。

吉田氏:
 PS Moveを装着するタイプのものではなくて,単体の銃器型コントローラという製品です。海外ではFarpointと同時発売を予定していますが,日本では未定ですね。


PlayStation VR Aim Controller
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――以前,PS Move用のアタッチメント「PlayStation Move sharp shooter」という製品がありましたが,それは使えないのでしょうか。

吉田氏:
 Farpointでは使えませんね。また,Aim Controllerの対応タイトルは今後発表されるかもしれません。

――PS VR用コンテンツには,PS Moveだけでなく,「ワイヤレスコントローラー(DUALSHOCK 4)」でプレイできるものも多いようです。「必ずDUALSHOCK 4でプレイできなければならない」といったデベロッパ向けのガイドラインがあるのでしょうか。

吉田氏:
 そのようなガイドラインは設けていませんが,確かにDUALSHOCK 4でプレイできるコンテンツは多いです。FarpointもDUALSHOCK 4でプレイできます。
 どのコンテンツが,どのコントローラに対応しているか,一目見て分かるような仕組みにしなくてはいけない,と思っています。
 HTCのVive用コントローラや「Oculus Touch」に対応したVRコンテンツが,PS VRに移植されるときにはPS Move対応となるケースが多いですね。

――PS VRには,通常のHDMI映像コンテンツやVR非対応のゲームコンテンツをバーチャルな大画面で視聴できる「シネマティックモード」が搭載されます。ただ,現状ではPS4上で再生したり実行したりするコンテンツでないと,シネマティックモードが利用できません。
 かつてソニーから「Personal 3D Viewer」としてのHMD,「HMZ-T」シリーズが販売されていましたが,最新モデルの「HMZ-T3」も生産が終了しました。HMZ-Tシリーズの復活を望む声は大きいと思いますが?

HMZ-T3W(左),HMZ-T3(右)
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吉田氏:
 そうですね。シネマティックモードは一眼あたりの解像度こそ,HMZ-Tシリーズに及ばないのですが,それでもリアルRGBサブピクセルからなる発色の美しさ,漆黒の世界に浮かぶ大画面の臨場感と迫力はすばらしいものがあると自負しています。VRコンテンツとは違ったHMDの良さが体験できますよ。

――こうした状況を考えると,「PS VRを一般のHDMI映像機器につなげて,HMZ-Tシリーズのように活用したい」という声もあると思いますが,そのあたりはいかがでしょうか。PS4を持っていない人にも,PS VRの購入意欲を喚起し,潜在的なVRコンテンツユーザーを増やせると思います。

吉田氏:
 私からは何もお答えできません(笑)。

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