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ローモバのIGG Japanが200メートル先にお引越し? 「インパクトを生み出す」ための拡充と展望は,日本育ちのモチベーターが握っている
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印刷2019/02/06 12:00

インタビュー

ローモバのIGG Japanが200メートル先にお引越し? 「インパクトを生み出す」ための拡充と展望は,日本育ちのモチベーターが握っている

 代表作と言ったら「ロードモバイル」。最新作と言ったら「モバイル・ロワイヤル」。シンガポールに本社を構え,アジアから北米まで世界10か国以上でゲーム事業を展開している,I Got GamesことIGGの日本支社,それがIGG Japanである。

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 IGG Japanは2018年の年の瀬に,日本上陸から約3年ほど使ってきた東京・新宿のオフィスを出払い,“同じ西新宿にある200メートルほど先の新オフィス”へと移転した。

 今回の移転は,今後の会社の拡充と展望を踏まえたもので,後退の意図はいっさいないという。主な理由も「オフィスが狭くて人を増やせなかった」「2019年から日本市場でもっとインパクトを」「IGGグループ内で存在感を示す」とのことだ。即物的な根拠だが,新オフィスのガラス窓から見下ろせる前の社屋の姿が,それらの言葉を裏づけている。

ローモバのTVCM用に制作された剣と盾の造形物も,一緒にお引越し
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 広々としたメインフロアでは多国籍言語が飛び交い,国別デザインのあるあるな会議室では各国とのビデオチャットが,仕事終わりはリラックスルームでゲーム大会や映画鑑賞と,意識を高めた都内オフィスではよくありそうな光景が見られる。ただ,そこかしこで“ゲーマー臭”を感じ取れてしまうのは「らしい」といったところか。

 また,同社に長らく務めているスタッフによると,変わったのは働く場所だけではなく,働く意識にもあるという。どうもそれは,半年前に赴任したひとりのモチベーター系上司が関わっているらしい。本稿では以下,件の男性であるIGG Japan カントリーマネージャーの蔡偉祥氏(Choy Wai Cheong)に,これからの展望も含めて話を聞いていく。

IGG Asia Pacific統括およびIGG Japan カントリーマネージャーを兼任する,蔡偉祥氏(Choy Wai Cheong)
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エネルギーは与えるから,もらえる


4Gamer:
 今回はお時間をいただき,ありがとうございます。御社の動向に関するインタビューは実に1年半ぶりとなりますので,まずは「この1年半がどうだった」のかをざっくりと教えてもらっていいでしょうか。

蔡偉祥氏(以下,Choy氏):
 そうですね,私がIGG Japanに赴任したのは2018年9月のことではありますが,1年半前と比べると社内チームが醸成してきて,そこから生み出せる実績も幅広くなってきたのが見て取れます。また,日本市場に対して現地でアプローチを続けてきたことでノウハウもたまり,より効果的な施策を打ち出せているのが大きな変化と言えますね。

4Gamer:
 なるほど。Choyさんとは本日が初対面となるのですが,以前はどちらでお仕事をされていたのでしょう。

Choy氏:
 私は元々,日本に15年ほど住んでいて,それからシンガポールの会社に勤めていました。

4Gamer:
 ああ,だから日本語が堪能なんですね。

Choy氏:
 いえいえ。そのころは仕事でアジア圏をよく飛び回っていましたが,弊社でもIGG JapanのカントリーマネージャーとAsia Pacific統括を兼務しており,日本とシンガポールのIGG支社を任されているので,やっていることはそれほど変わっていませんね。それと当時は,IGGは私の取引先だったんです。

4Gamer:
 となると,IGG入りには「IGGいいなぁ」の志望であったり,「ウチにきませんか」のヘッドハンティングであったり,なにか背景があったんですか。

Choy氏:
 IGGの知り合いから「話を聞いてくれないか」と言われたのも一因ではありますが,元から数々の取引をとおして,IGGの社風,文化,人材などを魅力的に感じていたので,どちらかというと私の意志ですね。転職してきてからも,ほぼ想像どおりの環境であったため,そう驚くようなこともなくすぐに馴染めました。

4Gamer:
 役職で言うとカントリーマネージャーとのことですが,どのような業務をされているんでしょう。

Choy氏:
 そうですねえ……全部です(笑)。

4Gamer:
 まぁ,そういうものですよね(笑)。

Choy氏:
 見逃していい仕事なんてものは,そうそうありませんからね。

4Gamer:
 なら,IGGで働く人材の特徴などは,どのように見ていますか。

Choy氏:
 “ゲーマーハーツ”ですかね。

4Gamer:
 ゲームが好きで,身近にあるような人といった。

Choy氏:
 ええ,ゲーマーが多いです。IGGのCEO(Zongjian Cai氏)も元々ゲーマーですし。

4Gamer:
 なら,Choyさんも?

Choy氏:
 ゲーム好きですね。とはいえ,SLGやRTSといったコアなジャンルにはあまり手を出しておらず,一時期はゲームから離れてしまっていたこともありましたが。でも今は,弊社の新作「モバイル・ロワイヤル」をがっつり遊んでいるところです。

IGG Japan担当者:
 彼,ランチ中もずっとやっているんですよ。

Choy氏:
 ほかの人たちに学ばせてもらっています(笑)。

4Gamer:
 自社のゲームをしっかり遊ぶのは大切ですものね。それにちなんで,IGG Japanの現在のタイトル状況も教えてもらえますか。

Choy氏:
 はい。ローモバはこれまでの2年半,大きく崩れることなく上り調子を見せています。これはすべてプレイヤーの皆様の支えあってのことで,ユーザー層も30代から40代の男性が主でしたが,最近は男女や年齢の幅が少しずつ広がってきました。そして今年の最新作のモバロワは初動の調子もよく,今後はより盛り上げていきたいと考えています。

4Gamer:
 ローモバはローンチ当初,マスに向けたTVCMなどが盛んでしたが,最近は方向性が変化してきているように見受けられます。

IGG Japan担当者:
 そのとおりです。そのあたりはローモバを長らく担当してきた私から話させてもらいますが,ストラテジーゲームは「遊んでみないと楽しさが分からない」といった傾向が強いので,それを払拭してもらうため,昨年から“体験重視のプロモーション活動”に取り組んできました。プレイヤーさんにまずゲームに触れてもらうための施策ですね。

Choy氏:
 とりあえず体験してもらう,そこで楽しんでもらう,それを重視しているんです。見えない大多数よりも,まずは特定の個々人から広げていこうと。

IGG Japan担当者:
 一例を挙げると,YouTuberさんを起用し,彼らにギルドを作ってもらい,プレイヤーの皆さんにはそこに加入して遊んでもらうといった施策があります。最初はその方々のファンとしてゲームを遊びはじめてくれるのですが,ゲームの楽しみ方をちょっとずつ体験していくことで,ゲームのためにゲームを遊んでもらえるようになってきました。

4Gamer:
 形式としてはそれなりに目にしますが,そうやったから効果が出る,なんて簡単なものでもないでしょうから。結構な試行錯誤があったものかと。

IGG Japan担当者:
 長いインフルエンサーさんですと,約1年ほど継続してプレイしていただけています。それに,我々からの報酬もインフルエンサーとしての成果に応じたものとしていますので,チャンスもリスクも共有しながら,ともにローモバを盛り上げてもらっています。

Choy氏:
 昨年もいろいろ試しましたが,単純な効果や数値のみならず,「自分たちに合うものを探す」ことも大切ですからね。市場のスピード感に置いていかれないよう,新しいやり方は常に模索していきますが,同時に自分たちならではのやり方も追求していく。3年前のトレンドにしがみついているだけではだめです。常にアップデートしなければ。

画像集 No.006のサムネイル画像 / ローモバのIGG Japanが200メートル先にお引越し? 「インパクトを生み出す」ための拡充と展望は,日本育ちのモチベーターが握っている

4Gamer:
 それでは本題なのですが,IGG Japanはなぜオフィスを移転したのでしょう。この会議室からでも,前の社屋がはっきり見えるくらいの距離感……100メートルくらいですかね?

Choy氏:
 うーん,200メートルくらいだったかと。

4Gamer:
 つまるところ,それくらいの直線距離なわけですが。

Choy氏:
 移転の大きな理由としては,まず「スペース」が挙げられます。

4Gamer:
 人や物が入るためのスペース,という意味ですか。

Choy氏:
 そうです。単純に,前のオフィスではもう人が入りきらなかったので,社内の拡充を進めるために移転しました。あと,会社としてのブランディングもあります。

4Gamer:
 端的に言って“良いビル”なのは,ひと目で分かりました。

Choy氏:
 「日本支社は重要拠点である」。それを内外にもっと分かりやすく伝えていきたいとも思っていたので,時期的にもちょうどよかったわけです。それに以前は会議室にしても,案件に対して数が足りず,時間帯によっては取り合いになってしまっていて(笑)。

4Gamer:
 共感する社会人が多そうな事例です(笑)。

Choy氏:
 このあたりは直接的な業務改善,効率化にもつながりますからね。それにまだすべての部屋にではありませんが,いくつかの会議室にはビデオ会議システムを設置していて,海外本社や支社との連絡がスムーズに行えるようになっています。

4Gamer:
 海外の拠点とはビデオチャットでやり取りされるのですか。

Choy氏:
 ええ。毎日の朝会,毎週の定例会議などをビデオチャットで行っています。ただ“ちゃんとしたオフィスがある拠点”とだけですが。

4Gamer:
 ちゃんとした,と言いますと。

Choy氏:
 IGGグループは10以上の国と地域に支社がありますが,大きく分けてシンガポール,中国大陸,台湾,アメリカ,カナダなどが,ここのような「自社持ちの大きなオフィス」を構えています。それ以外は移転前の弊社のように「小さなレンタルオフィス」となっています。これらのオフィスの拡大は今後,ほかの国でも徐々に進められていく予定です。

4Gamer:
 というと,IGG Japanもその一環で戦略拠点の強化を図ったと。グループ方針による「鶴の一声」が効いたんですかね。

Choy氏:
 IGG Japanの意向はもちろんですが,グループ全体の意思決定が入っているのも確かです。以前のインタビューもそうでしたし,海外のゲーム会社は口を揃えて言っていますが,日本市場にはそうする価値があります。そして多くの会社さんが頷くことでしょうが,我々は日本市場の“ほんのちょこっとのパイ”しか取れていません。

4Gamer:
 一例ですが,昨今では御社と同じく,スマートフォン向けゲームの日本市場に本格的に切り込むため,中国大陸をはじめとする海外メーカーの日本進出が著しくなってきました。先達としては,これらの動向をどのように捉えているのでしょう。

Choy氏:
 そろそろ一昔前と言えますが,当時の海外メーカーの多くは,本国から現地のコントロールを行おうとして失敗してきました。逆に,我々は現地に拠点を構えて,日本ならではの風土を体感し,人材やノウハウを温めてきました。私は弊社の人材を“本当に良いチーム”だと思っているので,そこにフォーカスし,もっと活かしていくのが今後の課題であり,同時に我々ならではの強みであると考えています。

4Gamer:
 ここ1年,いや2年と言っておきましょう。IGG Japanのように日本専門の拠点を立てる例も徐々に増えてきましたが,やはり現地のことは現地で調べないと分からない,あるいは分かったふりしかできない,そういった実感はお持ちですか。

Choy氏:
 ありますね。ネット上に分析に足る情報が流れているように見える国でも,所詮は要点だけを取り上げているような,ちょっとした付帯情報が含まれていないものが大半です。そして,それらを見逃していると気づかぬうちに致命的な欠点となっていて,現場ではなにも分からないうちに,失敗という事実だけが突き付けられることも少なくありません。例えば中国ですが,かのゲーム市場は国内のみに閉じていて,外から見ていても現地の温度感を知る術はほとんどありません。あそこは世界で最も不透明な市場と言えます。

4Gamer:
 ネット情報で分析していても限度があり,仮にそれで成功しても失敗しても,きっと論拠が見えてこないんでしょうね。人材を派遣して現地で情報収集するのも手とは言えそうですが,“続ける”のを前提とすると無駄もかさみそうです。

Choy氏:
 そうですね。だからこそ,間違いなく現地でやるべきことなんです。

4Gamer:
 少し耳にしましたが,今後は「日本で開発したタイトルを海外に持っていく」なども構想しているとか。これは社内に開発機能を用意するということですよね。

Choy氏:
 はい。これまでは本社の人気タイトルをローカライズし,日本で配信するのが弊社の主な取り組みでしたが,今後は日本の開発チームでゲームを制作し,それを海外に持っていく流れも想定しています。当然,日本で成功させたあとの話にはなりますが。

4Gamer:
 内々で議論が白熱しているかと思いますが,「日本市場で結果を出すためのビジョン」は現状,どのようにお持ちなんでしょう。日本で方法論を培い,チームの感覚を大事にし,日本向けにリーチする……というのも,ネガティブで申し訳ありませんが,決して成功事例が多いとは言えなさそうですので。

Choy氏:
 多くはないですねえ……。日本のユーザーさんはほかの国々と比べて「要求値」が高く,それに応えるのが前提にありますので。詳しい戦略に関しては秘密とさせていただきますが,今後は弊社の成功事例であったシミュレーションやストラテジーのみならず,ほかのゲームジャンルにも挑戦するつもりです。年内は新作を数本ほどリリース予定でして,そこには従来の本社タイトル以外に,日本のチームが制作したものも含めていきます。

4Gamer:
 その日本の開発チームというのは,どれくらい頭数を揃えたんでしょう。

Choy氏:
 現在で20名ほどですが,今後は60名くらいまで増員していく計画です。これまでも開発チーム自体はあったのですが,新作ゲームを作れるほどの規模ではありませんでしたので,これからは社内にもっと開発者を揃えて,同時に運営面も強化していきます。

4Gamer:
 開発者は日本人だけではなく,海外の方々もいるんですか。

Choy氏:
 います。現時点でアジアや欧米など,計5か国くらいの人材が混じっています。

4Gamer:
 それ,言語面でのコミュニケーションは問題ないんでしょうか?

Choy氏:
 会話は日本語,英語,中国語,フランス語とさまざまですが,バイリンガルの人ばかりなので「あの人は日本語と中国語」「あの人は英語とフランス語」など,組み合わせ次第ではあるものの,面白いことにそれほど大きな問題にはなっていないんですよ。

4Gamer:
 つまり,迎え入れるスタッフは「最低2か国語は喋れる人」が望ましいと。

Choy氏:
 そうですね。

IGG Japan担当者:
 開発に関しては1か国語しか話せなくてもそれほど問題ないです。ただ,運営スタッフとなるとバイリンガルが求められがちです。

Choy氏:
 運営スタッフには相互連絡などのコミュニケーションが多く求められるので,そうですね,2か国語以上を話せる人が望ましいです。このように言うとハードルが高く感じられるかもしれませんが,逆に他言語のスキルを有していても,それを発揮する場所がない,持て余しているといった人には最適な環境かと思います。

画像集 No.007のサムネイル画像 / ローモバのIGG Japanが200メートル先にお引越し? 「インパクトを生み出す」ための拡充と展望は,日本育ちのモチベーターが握っている

4Gamer:
 一方で,急激な人員拡大によるリスクマネジメントなどは想定されていますか。

Choy氏:
 もちろんです。しかし,我々は会社が掲げた目標のために拡充を図ったのではなく,必要なプロダクトがあり,必要な業務があったうえで,必要な人材を充てられるようにと,現場を見て判断しているので,決して無作為に拡大しているわけではありません。0を1にするためにはとにかく採用ですが,先ほど伝えたとおり,わが社にはすでに「1」があります。あとはこれを10に,20に,100にしたい。そのための人員を集めている段階です。

4Gamer:
 ゲーム会社で「とりあえず採用しておく」といった考え方をする会社はないと思いたいですが,リスク管理をしたうえでの人材募集であるのなら,働く側も一安心ですね。

Choy氏:
 IGG自体,効率的な人員配置を追求してきた会社ですので,私も今後はそれに倣い「いかに小さなチームで効率的な仕事をできるか」を深めていきます。

4Gamer:
 「小さなチームで効率的な仕事」ですか。ちなみに,それにはなにが大切と思われているのでしょう。単純な一例で恐縮ですが,機能的なシステムを構築しても,それを浸透させられないと,最終的に個人の能力に依存してしまいがちといいますか。

Choy氏:
 そうですね。まず,個人の能力をあまり関係ないようにしようとしても,ただ平均化するだけではそれぞれの個性を潰しかねませんから,やりたいことができて,その人の強みを生かせる,そういった環境作りを前提としています。そのうえで,各々のやり甲斐や満足度をより高めて,いかに高品質な制作物を生み出していくか――私はそこで重要視すべきが「チームのモチベーション」であると考えてきました。

4Gamer:
 チームのモチベーションですか。

Choy氏:
 私の場合,ここにはすでに「強いチーム」がいます。この時点で,私はとても幸運と言えるでしょう。だから,これから先が楽しみで仕方ないんです。そして私の仕事の多くは,彼らに楽しんで仕事をしてもらう方法を考えることです。実際,チームにも同じようなことをこれまで伝えてきました。

4Gamer:
 いいですね。そういうのをちゃんと伝えてもらえるとモチベーションが上がるのは,私も実感としてよく知っています。

Choy氏:
 まあ,私としましては「私が見ているモノ,コト,方向」がみんなと一緒なのか,不安になってしまうので(笑)。

IGG Japan担当者:
 実際,Choyが現場でいろいろな人に「楽しみだね!」「楽しみだね!」と伝えている姿はよく見ます。弊社ではあまり見なかったタイプですね。

Choy氏:
 本当にできるのかと思うことを,可能なかぎりすり合わせて,そこで実現させて,「本当にできるんだ」と思ってもらう。そうすると,みんなが付いてきてくれるようになります。私は人とコミュニケーションを取るのが好きで,みんなを巻き込むのも好きで,一緒になにかするのも好きなので,そういうふうにみんなの手助けをしていきたいんです。

4Gamer:
 私も覚えはありますが,世の中には「そうじゃないチーム」も少なくないと思いますので,Choyさんのような人がいると,楽しく仕事ができそうですね。なんでしょう,そういうスタンスでいてくれること自体が大切というのか。

Choy氏:
 あとは「エネルギー」ですね。私はプラスのエネルギーさえあれば,なんでも実現できると思っています。本当に,なんでも可能になるんです。私も過去に良いことから悪いことまでさまざまな経験をしてきて,そう思えるようになりました。当然,現実的に実現できないことにもぶつかりますが,「できるかもしれないけど」とフワフワと漂っている考えを「これくらいならできるんじゃない?」と背中を押して,あとは「できます」が「できました」になるまでエネルギーを分けていく。そうして成功すると私自身,彼らからエネルギーをもらっている気持ちになれるんです。

4Gamer:
 ……論法だけだといわゆるブラックにも転びそうですが,どうですか(笑)?

Choy氏:
 (担当者を見て)どうですか? まだ半年くらいの付き合いですが(笑)?

IGG Japan担当者:
 (笑)。今話していたとおり,たしかに彼は人をノセるのがとても上手です。私たちもついついノセられてしまい,本当にできてしまったことがすでに多くなってきました。Choy自身はモチベーター(人にやる気をおこさせる専門家)なので,基本的にポジティブな振る舞いしかしないんですよ。スタッフのポテンシャルを巧みに引き出す男ですね。

Choy氏:
 逆にマイナスのところは私が吸収しますよ! みんなには常に前を向いて進んでもらいたいので! 今後はそんな彼らと達成感のある仕事をして,日本でもっとインパクトのある実績を残していきたいと考えています。

4Gamer:
 興味深い内情をありがとうございます。今の話をまとめると「人材募集記事」になっている気もしますが(笑)。

Choy氏:
 今も拡大している最中なので,その意味合いも含んでもらえれば嬉しいです(笑)。

4Gamer:
 では,2019年のIGG Japanの抱負は,戦略拠点を強化していき,そのための核となるチームは万全で,彼らの力を頼りに日本でインパクトのある実績を残していく,みたいなところでしょうか。

Choy氏:
 はい。まずは日本発のタイトルにかぎらず,日本でよりインパクトのある成功を目指していきます。そして日本市場での成功と同時に,IGGグループの中の「IGG Japan」の存在感をもっと高めていき,ユーザーの皆さんの期待感をどんどん上回っていきたいです。

4Gamer:
 意気込みが伝わってきます。

Choy氏:
 私は会社というのは「人材」「製品」「リソース」が3つの柱と考えていて,どれかひとつでも欠けると,途端に成功が困難になると思っています。しかし,今のIGG Japanには全部あります。あとはタイミングだけです。それを整えていくのが,私の使命です。

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