プレイレポート
やつらを通すな! 「バトルフィールド1」〜めざせ! ベテラン兵士〜 番外編「They Shall Not Pass」
ちゅうもーく! 兵士諸君! 新たな教練の時間であーる! 開戦して5か月ほどが経過した「バトルフィールド1」(PC / PS4 / Xbox One)だが,クリスマスに終戦するはずもなく,勇敢なる兵士諸君は戦い続けていることだろう。そんな激戦真っただ中の2017年3月14日,フランス軍が参戦する拡張パック第1弾「They Shall Not Pass」が,プレミアムメンバー向けに先行配信された。
今回は,新たに追加された兵器とマップ,そしてゲームモードを中心とした教練を行う。やつらを通すな!
これが第一次世界大戦だ:「バトルフィールド1」〜めざせ!ベテラン兵士〜 第1回:BF1入門編
これが第一次世界大戦だ:「バトルフィールド1」〜めざせ!ベテラン兵士〜 第2回:兵器編
これが第一次世界大戦だ:「バトルフィールド1」〜めざせ!ベテラン兵士〜 第3回:兵科と武器編
これが第一次世界大戦だ:「バトルフィールド1」〜めざせ!ベテラン兵士〜 第4回:ベヒモス&マップ編
余談だが,拡張パックのタイトルとなっている「They Shall Not Pass」は,日本語でいうと「やつらを通すな!」になる。「敵対するものから自分の立場を守る決意を示す」という意味のスローガンで,激戦地ヴェルダンでフランス軍のロベール・ニヴェル中将がヴェルダンの戦いで使用した話が有名だ。
なお,ロベール・ニヴェル中将は,ヴェルダンの戦いの後,勝利を約束して自らが指揮したニヴェル攻勢が失敗,多数の死傷者を出したことで失脚した。
ガス・エレクトリックな新鋭戦車「サン・シャモン突撃戦車」
その1つめが,「サン・シャモン突撃戦車」で,これまでの諸兵器と同様に3種類の武装プリセットが用意されている。
75mmの榴弾と散弾を搭載し,キャンペーンのワンシーンでも登場した“ピジョン・キャリア砲撃”を使える「野戦突撃戦車」,75mmの空中炸裂弾と毒ガス弾,毒ガス散布装置を搭載する「毒ガス突撃戦車」,そして75mm高速榴弾と重機関銃,さらに,画面内の敵を問答無用でスポットする“索敵サーチライト”を搭載した「遊撃突撃戦車」だ。
平面では速度がでる反面,登坂性能が低く,斜面では急激に速度が低下するため,ほかの戦車では軽々登れるような斜面も苦労することがあった。
また,車体長に対して短すぎる履帯は,障害物を越える際に不利になることも多い。履帯が地面に接していなければ戦車は動くはずもなく,車体が邪魔をして塹壕にハマることがあるので,運用する際は注意したい。
操縦した感想としては,速力が高く意外とピーキーに反応する感じだ。比較的背の低い車体と相まって耐久性は良好,攻撃力も申し分なく,A7Vと肩を並べる戦車だ。
なお,本車両は拡張パックで追加された新マップ以外でも使用可能となっている。これまでの戦術にも影響を及ぼすと思うので,既存のマップも新鮮な気持ちで楽しめるだろう。
実戦投入の夢がついに叶った「シャール2C超重戦車」
その存在自体がifの塊であるシャール2C超重戦車は,本作において超巨大兵器「ベヒモス」の1つとして登場する。ほかのベヒモスと比べると小さく感じるかもしれないが,戦車サイズで見ると間違いなく最大級だ。
実際のシャール2Cの開発は紆余曲折を経たうえ,第一次世界大戦後に完成し,第二次世界大戦で実戦投入されつつも戦闘に参加することなかった。故障で行動不能となり爆破処分され,一度も戦闘経験がないままその生涯を終えたが,本作では存分にその戦闘力を発揮できる。戦車好きにとっては感無量の光景だ。
ほかのベヒモスと比べると小さいとはいえ,巨大兵器であることに変わりはなく,遠距離からの砲撃に晒されやすい。また,その大きさと重さゆえに機動性は劣悪で,前進速度も旋回速度も鈍重,さらに障害物を越える能力も低いため,塹壕地帯などは細心の注意を払わないと,足を取られ,鉄の棺桶と化してしまうこともあるだろう。
集中攻撃され,爆散するシャール2C |
一度だけ操縦する機会を得たが,運用には熟練の戦車乗りの勘が必要になりそうだった。足が遅いため,開けた場所では的になり,かといって狭い場所だと歩兵に肉薄される。
味方と協調して前線を押し上げつつ,圧倒的な耐久力と火力を武器に,敵戦車を排除していくとよさそうだ。
なお,対空能力は皆無と言っていいので,航空機や対空砲によるサポートは必須となる。味方にシャール2Cが登場し,航空優勢を敵にとられている状況ならば,率先して対空砲で援護するといいだろう。
第一次世界大戦屈指の激戦地フランスの新マップ
SoissonsとRuptureは戦車や航空機,そしてベヒモスが登場するが,Verdun HeightsとFort Vauxは歩兵戦が主体となり,劣勢時には攻城砲(と4つのエリート兵科キット)が本拠地で使用可能になる。
「Fort Vaux(ヴォー要塞)」 |
Rupture |
個人的に一番お気に入りはRuptureで,赤いヒナゲシが咲き乱れている様子は,異様な雰囲気と美しさで,戦場に彩りを与えており,映画的な情緒を感じさせる。
なお,これら新マップは追加オペレーションの「悪魔の鉄床」「マルヌを越えて」でも楽しめるので,試してみてほしい。
陣地を制圧し,拠点を破壊する新モード「フロントライン」
アクティブになっている拠点を奪い合う形で戦いが進行し,拠点をどちらかが確保すると目標は次の拠点へ移る。最終的に敵の本拠地前までの拠点を制圧できれば,ラッシュモード形式の敵施設の破壊フェーズへと突入,チケットがなくなるまでに破壊できれば勝利,破壊できなければ1つ前の拠点へと戻る。すなわち最後の施設破壊に成功しない限り,戦いが終わることはないのだ。
シーソーゲームとなることも多く,実力が拮抗していた場合とんでもない長期戦になることもある。筆者が体験した最長試合時間は90分で,正直いうと疲れるゲームだったが,勝利したときの喜びはひとしおだった。
ちなみにこのゲームモードは16人対16人の32人対戦なのだが,本作の分隊の構成人数は5人で,満員の分隊が3つ編成されると,1人あぶれてしまう。分隊に所属せず(あるいは所属しても1人)に戦うことはなかなかの苦行なので,システム的に何かしらの対処が欲しいような気もする。
中世の戦士の如く棍棒を振るうエリート兵科「塹壕強襲兵」
銃が普及し,軍隊で主力武器として使われるようになった20世紀の戦争において,棍棒を振り回して戦う驚異のエリート兵科が「塹壕強襲兵」だ。
主武器にレイダークラブを持っており,敵を正面からでも一撃のもとに屠る能力があるため,近接戦闘で並ぶ者はいない。高い耐久力と棍棒での一撃が合わさり,狭所でとんでもない強さを発揮する。出会ってしまった側からすれば,次々と味方が殴り殺されていく姿は恐怖以外の何物でもないだろう。
また,スモークグレネードを持っているため,敵に近接戦闘を強いることもできる。
ちなみに,棍棒を振るうときに「ふんっ!」と大きな声をあげるので,居場所がバレやすい。敵集団に突入するときは,うかつに棍棒を振らないようにするといいだろう。
以上,フランス軍の特徴的な兵器と,エリート兵科,そしてマップの解説だ。「They Shall Not Pass」ではこのほかに,フランスが開発した武器の数々が登場している。戦果を挙げて実績を獲得することで,使えるようになるので,頑張って入手してほしい。
戦場での諸君らの活躍に期待する! それでは,かいさーん!
「バトルフィールド1」公式サイト
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(C)2016 Electronic Arts, Inc.
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