プレイレポート
これが第一次世界大戦だ:「バトルフィールド1」〜めざせ!ベテラン兵士〜 第1回:BF1入門編
英雄となるべく集った志願兵諸君 !戦争の時間だ! 現代や近未来なんてもう古い,今のトレンドは「過去」だ。ここは麻薬はびこるマイアミでも,ジェット機が空を飛び回る中国大陸でもない。100年前のヨーロッパ,そう,第一次世界大戦だ! さぁ,すべての戦争を終わらせるための戦争を始めようではないか。とつげーき!
これが第一次世界大戦だ:「バトルフィールド1」〜めざせ!ベテラン兵士〜 第2回:兵器編
これが第一次世界大戦だ:「バトルフィールド1」〜めざせ!ベテラン兵士〜第3回:兵科と武器編
そんなわけで2016年10月21日に発売を迎えたばかりの新作「バトルフィールド1」(PC / PS4 / Xbox One)の新兵向け特別教練を,何回やるかは分からないが複数回にわたってお届けする(予定だ)。今回は入門編としてゲームの概要と「ゲームモード」についての教練を行う。「戦略兵器」と呼ばれたことがあったりなかったり気のせいだったりする本官が,戦場に赴く諸君ら新兵達をビシバシ鍛えあげていく。ぜひとも特別教練を受けて,一騎当千の兵士を目指してほしい。おーい! 左砲手! 敵戦車だ撃てーっ! どうした,なぜ撃たない。あっ,こら逃げるな,帰ってこーい!
「バトルフィールド1」は,2002年にリリースされ,最大64人という大人数対戦と,陸海空の兵器が入り乱れる戦場が話題となった「バトルフィールド 1942」から続く人気シリーズの最新作。「バトルフィールド」シリーズの12作目(「Battlefield Play 4 Free」「Battlefield Heroes」を含めると14作目)だ。FPSというか,ゲームの題材としてはめったに選ばれない第一次世界大戦を舞台にし,発表時には大きな驚きと,未知の戦場への不安,そして新たな戦場への期待といった感情が入り混じる不思議な状態となっていた。
コアなファンならご存じかもしれないが,実のところ正式発表前から「新しいバトルフィールドは第一次世界大戦が舞台になる」という噂が漏れ聞こえていた。正直に言うと本官は,第二次世界大戦という分かりやすく,派手な題材がある中で,塹壕戦というイメージが定着している第一次世界大戦を題材にするとは思っていなかった。そしていざ発表された時に凄まじい衝撃が走ったのである。
第一次世界大戦から本格的に投入された航空機 |
後になって知ったことだが,「バトルフィールド」の開発元であるDICEが第一次世界大戦を題材に選んだこと自体に,実はそれほどの意外性はない。同社(正確にはDICEと合併したReflaction Games)は1999年に「バトルフィールド 1942」の前身と言われる,第一次世界大戦を題材にしたFPS「コードネームイーグル 〜 双頭の鷲 〜 」をリリースしており,「バトルフィールド1」では,原点へと回帰したとも言えるのだ。またDICEは,本作を開発するにあたって,第一次世界大戦を新たなBFの題材にすることに難色を示していたEA幹部を説き伏せたという。
かくして,複葉機が空を飛び,鉄の塊が地上を走り,砲弾の雨が降り注ぎ,毒ガスがまき散らされる第一次世界大戦が戦場となったのだ。
BF1942以来の登場となる戦艦 |
さて,本作の舞台である第一次世界大戦を知らない新兵諸君のために歴史を簡単に解説しよう。今から約100年ほど前に勃発した第一次世界大戦だが,具体的には1914年から1918年の間に勃発した,フランス,イギリス,ロシアを中心とする連合国側と,ドイツ,オーストリア=ハンガリー,オスマン帝国,ブルガリアの同盟国側の戦争だ。学校の授業でも習ったと思うが,オーストリア皇太子が暗殺されたサラエボ事件が戦争の引き金になった。
しかし,本当の意味での「戦争の原因」は今も研究の対象となっている。当時の欧州は,帝国主義全盛の時代で,外交関係が複雑に絡み合って,きわめて緊迫した状況にあり,いつ戦争が起きてもおかしくはない状況だったのである。
まぁ,そのあたりのノスタルジックな話は置いておいて本題に移ろう。兵士諸君らが戦うことになるゲームモードの話だ。本作のゲームモードは全部で6つあるので,1つずつ紹介する。しっかりとついてくるように!
お馴染みの最大64人対戦が楽しめる
陣取り合戦「コンクエスト」
初代である「バトルフィールド 1942」から搭載されているコンクエストモード。「もう知ってる。いまさら説明などいらんわ!」という熟練兵もいると思うが,新たな発見があるかもしれないので,復習のつもりでご覧あれ。
コンクエストのリスポーン画面。拠点は「A」や「B」などのアルファベットで表される |
本作におけるコンクエストモードは拠点を奪い合う,いわゆる陣取り合戦のようなゲームモードで,32人対32人の最大64人による戦闘が楽しめる。拠点を相手より多く占領するか,敵を倒すことで得られる勝利ポイントが一定数に到達すれば勝利となる。
本作から実装された巨大兵器「ベヒモス」に対応しているモードであり,劣勢側のチームに戦艦や飛行船,装甲列車が登場する。絶大な火力を誇る巨大兵器は,運用次第で逆転勝利を呼び込むことができるだろう。この「ベヒモス」の運用法については次回以降の教練を予定しているので,覚えておくように。
ルールは単純だが,敵を倒すだけでは勝利を得られず,いかにして拠点を占領するかが重要で,戦術眼が求められるゲームモードだ。コンクエストはバトルフィールドシリーズの華といえるもので,「バトルフィールド1」においても,おそらく最も多くのプレイヤーが楽しむモードになるだろう。
歩兵戦に特化した少人数の陣取り戦「ドミネーション」
テンポの速いゲーム展開が魅力で,歩兵の天敵となる乗り物が登場しないため,一定の人気を集めている。
相手の陣地を攻めつくせ「ラッシュ」
ラッシュは防御陣営と攻撃陣営に分かれて,通信設備の攻防を巡るゲームモード。攻撃側は敵通信施設を順に攻略して破壊すること,防御側は通信施設を守りつつ攻撃側の残リスポーン数を表すポイントを0にすることが勝利条件となる。こちらもドミネーションと同じく,現状は最大24人での対戦だ。
施設の破壊は時限式の爆弾で行われるため,防御側は爆発前に施設を取り返すことで,爆弾の解除が可能。マップによっては戦車などの兵器が登場するので,熱い攻防戦が楽しめるだろう。
単純なキルの奪い合い
クラシカルな対戦「チームデスマッチ」
たいていのFPSに搭載されるクラシカルでベーシックな対戦モード「チームデスマッチ」。本作でもシンプルでお手軽な歩兵戦が楽しめるということで,根強い人気を誇っている。勝利条件は敵を倒すことで増えるポイントを一定数獲得することのみ。戦車などの兵器も登場せず,ただひたすらに敵を倒せば良いだけなので,銃撃戦のスキルを鍛えたい人の練習場としても利用されている。
違う! ビジョンじゃない。ピジョン(鳩)だ!
伝書鳩を奪い合う「ウォー・ピジョン」
鳩である。そう,伝書鳩である。第一次世界大戦時は,無線や有線の電信による通信手段が利用され始めたころではあるが,伝書鳩による連絡も積極的に利用されていた。そんな状態を再現したのが,このモード「ウォー・ピジョン」である。本モードも現状では24人対戦だ。
えんぴつマークが伝書鳩を確保している証。周りの円はゲージになっており,いっぱいになると伝書鳩を飛ばせる。 |
ウォー・ピジョンは,マップ上のどこかに1つだけ現れる鳩小屋から鳩を回収し,確保し続けることで砲撃要請のメッセージメールが用意され,それを鳩に括りつけて飛ばし,砲撃支援を要請するというモード。鳩が司令部へのメッセージの運搬に成功すると敵に対する砲撃が始まるので,それを3回繰り返せば勝利となる。
ちなみに両陣営とも鳩の命は最重要視しているようで,兵士が確保している限り,激しい銃撃戦の最中でも,伝書鳩は決して撃たれることはない。しかし,メッセージが括り付けられて飛び立った鳩に対しては「ええい,撃ち落としてしまえ」と,途端に殺すべき標的に変わる。鳩にも厳しい戦争のようだ。
敵の伝書鳩がメッセージを届けると画面に表示される。このあと敵の砲撃が始まる。 |
第一次世界大戦では兵器だけでなく,さまざまな技術が発達した。情報を素早く送る通信技術もその1つで,電話機やモールス信号などの技術が発展していく。そうした技術が登場したにもかかわらず,伝書鳩は数多く活用されていた。新たな通信技術には,傍受される危険性や砲撃による通信網の破断などの脆弱性が含まれていたのである。
その点で言えば,伝書鳩はこれまでの実績もあり,ある程度信頼性のおける通信方法であった。第一次世界大戦では,包囲された要塞や部隊が伝書鳩で救援を求め,窮地を脱したという逸話も数多く残っている。
一方で,伝書鳩を迎撃する手段も考え出された。飛んでいる伝書鳩をショットガンで撃ち落としたり,鷹を放って襲わせたりしていたそうだ。
これが作戦だ
かつてない壮大な戦いが楽しめる「オペレーション」
本作で初めて登場したオペレーションモード。ドイツとイギリスが戦う「皇帝の戦い」,アメリカとドイツが戦う「地獄の制圧」,イタリアとオーストリア=ハンガリーが戦う「鉄の壁」,イギリスとオスマン帝国が戦う「帝国の石油」の4つの史実の戦いをテーマにしたシナリオが用意されており,2〜3つのマップにまたがる壮大な戦いが楽しめる。
オペレーションモードはサーバーブラウザから独立している。参加はマルチプレイヤーのトップメニューから行う。 |
コンクエストと同じく,本モードにも「ベヒモス」が出現するが,最初から配置されているわけではなく,攻撃に失敗した後の再攻撃時に援軍として登場するようになっている。1度攻撃に失敗しても,巨大兵器の援護があれば陣地の突破が容易になる……かもしれない。
というわけで,特別教練第1回はここまで。これら6つのゲームモードをしっかりと把握し,チームデスマッチで鳩を探したり,ラッシュで鳩を探したり,コンクエストで鳩を探したりすることのないように。ちなみに本官は「鳩で砲撃要請する」ことだけを人から聞き,コンクエストモードで必死に探した。くそぅ,話が違うじゃないか。
さて,1週間後を予定している次回は第一次世界大戦のユニークでクセのある「武器」と「兵器」の教練を行うこととする。では解散!
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(C)2016 Electronic Arts, Inc.
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