プレイレポート
ついに正式発売を迎えた「バトルフィールド 1」。シリーズ屈指の面白さと評判のキャンペーンや新モードのインプレッションをお届け
「バトルフィールド1」公式サイト
戦争に英雄などいない
「戦場の兵士」にフォーカスするキャンペーン
元来マルチプレイがコンテンツの主役としての座を担っている「バトルフィールド」シリーズでは,「シングルキャンペーンはおまけ」としか思われていなかった面がある。かくいう筆者も「シングルキャンペーン作るくらいならマップを増やして」と思っていたクチなのだが,「バトルフィールド 1」のシングルキャンペーンをプレイしてみて,その思いは変わった。
本作のキャンペーンは「大戦の書」と呼ばれ,プロローグを含めた6つのシナリオで構成されており,ゲームの初起動時にプレイすることになるプロローグ以外,プレイする順番は問われない。そのシナリオも前作までに見られたような,連続性のある1つの壮大な物語を描いたものではなく,第一次世界大戦のどこの戦場にもいる兵士の物語が描かれる。
とはいえ,「名も無き兵士」というわけではなく,キチンとした背景を持つ人物で,「私の第一次世界大戦はこうだった」という,各シナリオごとに違った人物の記録を追体験していく形だ。ちなみに1つのシナリオはだいたい1時間ほどで,個人的には程よく満足感を得られるちょうどいいボリュームだと感じた。
夕日が綺麗…。 |
また,オープンワールド風な自由な攻略手順を取ることができるのも売りの1つで,どう攻略するかはすべてプレイヤーの手に委ねられている。隠れながら敵を排除していくもよし,ド派手に正面から突っ込んでもよし,敵の戦車を奪ってもいいだろう。2度めのプレイ時には違ったゲーム展開になり得るのも本作の魅力だ。ちなみに各シナリオには歴史的な資料が書かれた「コーデックス」の獲得といったやりこみ要素もある。コンプリートを目指してみるのも良さそうだ。
コーデックスはいわゆる「実績」。「何か」を達成することで得られる |
ストーリー性を持たせたマルチプレイモード「オペレーション」
10月18日掲載の記事の時にはプレイできなかったオペレーションモードだが,早期アクセス期間中に1度だけ体験できた。ひょっとすると「参加する方法が分かり辛いだけじゃないの?」とも思い,友人に聞いたところ「そんなモードあるんだ?」という答えが。存在自体を知らないとは……。まぁ,オペレーションモード自体がサーバーブラウザから切り離されているのだから,「そりゃそうなるよね」と妙に納得してしまった話である。
そんなわけでオペレーションモードである。簡単に言ってしまうと,複数のマップに渡る1時間ほどの連続した戦いができるマルチプレイモードで,いくつかのシナリオが用意されているが,筆者がプレイしたのは,1918年に起きたドイツ最後の大攻勢である「皇帝の戦い(カイザーシュラハト)」。マップは「St. Quentin Scar」と「Amiens」が登場したが,2戦めの「Amiens」で敗北してしまったので,その先があるかどうかはわからない。戦いの舞台となるのはドイツが総力を結集し,大規模な攻勢を仕掛ける頃なので,ドイツ軍が攻撃側,イギリス軍が防衛側となり,戦闘が繰り広げられることとなる。
他のシナリオも同じように進むのかは分からないが,「皇帝の戦い」ではドイツ軍はイギリス軍陣地を順に突破して制圧すること,対するイギリス軍はドイツ軍の侵攻を防ぐことが目的だ。攻撃側であるドイツ軍には残り兵力を表すポイントが存在しており,0になると攻撃失敗となるが,攻撃が失敗しても予備戦力が投入され,同じ場所から戦闘が再開される。最終的には予備戦力を含めて,すべての攻撃を防ぎきればイギリス軍の勝利でオペレーションが終了,突破を許してしまえば敗北となり,戦闘結果を反映した次のマップへと移る,という具合だ。
もう1つ,本作から新しく登場したゲームモードに「ウォー・ピジョン」がある。通信網が確立されていなかった第一次世界大戦当時,伝令手段として用いられていた伝書鳩をめぐる戦いなので「ウォー・ピジョン(鳩)」だ。伝書鳩を奪い合い,先に3回の砲撃要請の伝令を送ることで勝利となる……らしい。まだゲーム自体がプレイできるようになったばかりでコンクエストに人が集中しており,あまり「ウォー・ピジョン」をプレイしている人がいないのが現状で,筆者はまだプレイできていない。誰か一緒に鳩,捕まえませんか。
噂に違わず,「バトルフィールド 1」のキャンペーンモードはシリーズ屈指の仕上がりだ。新たに加わったオペレーションモードも手軽さは薄れるが,コンクエストとは違った面白さがあり,新たな魅力と言えるだろう。第一次世界大戦という約100年前に実際に起きた戦争をテーマにした本作で「バトルフィールド」の真髄を見た気がする。「バトルフィールド 4」の長期間サポートの例もあるので,息の長いタイトルになることを期待したい。
「バトルフィールド1」公式サイト
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(C)2016 Electronic Arts, Inc.
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