連載
そうだ アニメ,見よう:第163回はTVアニメ最新シリーズ「オーバーロードIV」。ドワーフ王国で魔導王アインズを待ち受けるものは
骸骨の姿をした主人公の活躍を描く,丸山くがね氏のダークファンタジー「オーバーロード」。小説投稿サイト「Arcadia」や「小説家になろう」などでWeb小説として展開後,書籍化を経て,アニメ化されるとこれが大ヒット。コミックや映画など各メディアに進出し,ゲームでも「MASS FOR THE DEAD」(iOS / Android / PC)が配信されるなど,今や飛ぶ鳥を落とす勢いの人気作品に成長している。
というわけで,「そうだ アニメ,見よう」第163回のタイトルは,TVアニメシリーズ第4期となる「オーバーロードIV」。制作はマッドハウス,シリーズ構成・脚本は菅原雪絵氏,監督はTVアニメシリーズや劇場版「不死者の王」「漆黒の英雄」などを手掛けた伊藤尚往氏が務めている。
「オーバーロードIV」
ところが,いつまで経っても強制ログアウトは実行されない。やがて,モモンガは自身がゲームによく似た異世界に,ナザリックごと転移したのだと悟る。モモンガは“アインズ・ウール・ゴウン”と名を変え,アルベド(CV:原 由実)をはじめとしたナザリックの階層守護者やその部下達を率いて暗躍を開始。自分達の持つ力が,この世界ではあまりにも強大であることに気付きながらも,慎重にその勢力を拡大し始めるのだった。
リ・エスティーゼ王国の辺境エ・ランテルで冒険者“モモン”として活動を開始したアインズは,ズーラーノーンの撃破,吸血鬼の討伐によって着々と実績を重ね,ついに最高峰のアダマンタイト級冒険者まで上り詰める。
その一方で,隣国のバハルス帝国にも働きかけ,皇帝ジルクニフ(CV:櫻井孝宏)の協力の下,ナザリックの支配する「アインズ・ウール・ゴウン魔導国」の建国を宣言。エ・ランテルの割譲を理由に,帝国と同盟を組んで王国に宣戦を布告し,カッツェ平原で王国民18万人を虐殺して見せた。
魔導国の国王となったアインズは,冒険者を自国に引き入れるために,帝国最強の“武王”(CV:間宮康弘)と戦いこれを下す。その後,シャルティア(CV:上坂すみれ)とアウラ(CV:加藤英美里)を伴い,ルーン武器の技術を持つというドワーフの王国へと旅立つのだった
小市民の心を持った“魔王”
TVシリーズもいよいよ4期目となる本作。2015年にTVアニメ第1期が放送されてから,約7年で4本もの作品が放送されるというのは,1作品の制作に2年以上かかるといわれるアニメ業界では異例のことだ。それだけ期待の大きい作品と言えるわけだが,何がそれほどファンを引き付けるのだろうか。
主人公のアインズは,強大な力を持つ“オーバーロード”だが,その中身の“鈴木 悟”はもともと冴えないサラリーマン。小市民的なメンタルしか持たない彼は,異常な忠誠心をささげてくる部下達に,自分の無能さがバレないかと内心ビクビクしている。
ひそかにポージングの練習をしたり,よい上司になるためのマニュアル本を熟読したりしている姿と,大人物たろうとする普段のギャップがなんともユーモラスで面白い。
その一方で,人間を超越した“魔王”として,1度に数万人の人間を死に至らしめる魔法を行使するなど,ダークヒーロー的な側面も持っている。小心な一般人としてのメンタルへの共感と同時に,強者への憧れを抱かせてくれるのが,魔導王アインズ・ウール・ゴウンなのだ。
ドワーフ王国での活躍
アインズの部下である階層守護者や戦闘メイド集団の「プレアデス」など,ナザリックには人間だけでなくさまざまな種族のキャラクターが多数存在する。さらに,リ・エスティーゼ王国やバハルス帝国,スレイン法国,リザードマンの村など,各地にも個性的なキャラクターが多い。
そんな登場人物達が繰り広げる人間模様も,本作の魅力のひとつとなるが,今回はさらにドワーフ王国の面々がそれに加わることになる。ゴンド(CV:かぬか光明)をはじめとしたドワーフ達は今,クアゴアという他種族に襲われている最中で,その背後にはフロスト・ドラゴンが控えているという。ルーン技術を手に入れたいアインズは,彼らを守り切ることができるだろうか。
王国に忍び寄る魔の手
今シーズンのもうひとつの見どころは,リ・エスティーゼ王国を手に入れようと企むアルベドやデミウルゴス(CV:加藤将之)達の暗躍だ。出来の悪い貴族のフィリップ(CV:松岡禎丞)を操り,なにやら不穏な計画が進行中の模様。アインズの超級魔法で大打撃を受けた王国に追い打ちをかけるように,2人の魔の手が忍び寄る。
第3期の悪魔ヤルダバオト(中身はデミウルゴス)の襲撃もそうだったが,ナザリックの“悪役ムーブ”は手の込んだものが多い。アインズでは思いつかないような残酷な行為もいとわないアルベド達は今回,どんな恐ろしい結果を王国にもたらすのか,気になるところだ。
劇場版最新作の公開が決定
原作では,最新刊「オーバーロード16 半森妖精の神人[下]」の巻末で,あと2巻で一応の完結をみると丸山氏が宣言している。まだまだ未解決の謎がてんこ盛りな本作だけに寂しい限りだが,“続編”がないとは限らない。
ともあれ,アニメ版はまだまだ楽しめそうなので,今後も「オーバーロード」ワールドにじっくり浸ろう。
TVアニメ「オーバーロードIV」公式サイト
TVアニメ「オーバーロードIV」公式Twitter
放映データ |
---|
2022年7月〜 |
キャスト | |
---|---|
アインズ:日野 聡 | |
アルベド:原 由実 | |
シャルティア:上坂すみれ | |
アウラ:加藤英美里 | |
マーレ:内山夕実 | |
デミウルゴス:加藤将之 | |
コキュートス:三宅健太 | |
フィリップ・ディドン・リイル・モチャラス:松岡禎丞 | |
ヴェスチャー・クロフ・ディ・ローファン:斎藤志郎 | |
フレイヴァルツ:土岐隼一 | |
ケイラ・ノ・セーデシュテーン:堀井茶渡 | |
ファン・ロングー:喜屋武和輝 | |
ウンケイ:前田 雄 | |
武王:間宮康弘 | |
オスク:上田燿司 | |
首狩り兎:堀江 瞬 | |
ゴンド・ファイアビアド:かぬか光明 | |
オラサーダルク=ヘイリリアル:乃村健次 |
スタッフ |
---|
原作:丸山くがね (「オーバーロード」/KADOKAWA刊) |
キャラクター原案:so-bin |
監督:伊藤尚往 |
シリーズ構成・脚本:菅原雪絵 |
キャラクターデザイン:田? 聡 |
サブキャラクターデザイン・モンスターデザイン・プロップデザイン:今村大樹、竹内杏子、出雲重機、杉浦幸次 |
美術監督:池田繁美、丸山由紀子(アトリエ・ムサ) |
美術設定:友野加世子、大久保修一、乗末美穂(アトリエ・ムサ) |
色彩設計:野口幸恵 |
3D監督:田中康隆 |
撮影監督:渡辺祥生 |
編集:塚常真理子 |
音響監督:郷 文裕貴 |
音響制作:ビットグルーヴプロモーション |
音楽:片山修志(Team-MAX) |
音楽制作:KADOKAWA |
OP:「HOLLOW HUNGER」OxT |
ED:「No Man’s Dawn」前島麻由 |
アニメーション制作:マッドハウス |
製作:オーバーロード4製作委員会 |
■Blu-ray&DVD情報
オーバーロードIV 1
2022年10月26日(水)発売
初回生産特典
(1)特製三方背ケース
(2)キャラクターデザイン・田?聡描き下ろしデジパック
(3)スペシャルサウンドトラックCD
(4)縮刷版絵コンテ(第1話)
(5)スペシャルリーフレット
毎回特典
(1)ちびキャラアニメ「ぷれぷれぷれあです4」
(2)ノンクレジットOP
(3)ノンクレジットED
(4)スペシャル予告
品番:BD:ZMXZ-15721
DVD:ZMBZ-15731
価格:BD:14,300円(税抜:13,000円)
DVD:12,100円(税抜:11,000円)
収録内容
第1話〜第5話(本編約121分予定+特典映像)
本編DISC+CD 2枚組
発売元:ショウゲート
販売元:株式会社KADOKAWA
※商品仕様・価格などは予告なく変更になる場合がございます。
(C)丸山くがね・KADOKAWA刊/オーバーロード4製作委員会
- 関連タイトル:
MASS FOR THE DEAD
- 関連タイトル:
MASS FOR THE DEAD
- 関連タイトル:
MASS FOR THE DEAD
- この記事のURL:
キーワード
(C)丸山くがね / KADOKAWA刊 / オーバーロード製作委員会
(C)丸山くがね / KADOKAWA刊 / オーバーロード製作委員会
(C)丸山くがね・KADOKAWA刊/オーバーロード製作委員会