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「Quantum Break」のメディア先行体験会が開催。時間を操る「タイムパワー」と実写映像を交えたスリリングなストーリーのインプレッションを掲載
本稿では,メディア向け先行体験会でプレイすることができたゲームの冒頭部分のインプレッションをお伝えしよう。なお,4Gamerではアメリカで開催されたイベントの取材記事を掲載しているので,こちらも合わせてご覧いただきたい。
関連記事:「Quantum Break」のプレイアブルデモがメディア向けに公開。実写とゲームの映像が交錯しながら壮大なストーリーが展開する
「Quantum Break」公式サイト
「Quantum Break」の舞台となるのは,タイムマシン実験の失敗によって,時間がバラバラに砕け散ってしまった世界。その事故に巻き込まれた主人公のジャック・ジョイスが,瞬間的に時を操る能力「タイムパワー」を得る……という流れが,第1章パート1にて描かれているようだ。語尾が「ようだ」になっているのは,今回の先行体験会では第1章パート2からプレイしたからである。
その第1章ではプレイの進行に応じて,ジャックが使用できるタイムパワーが順次アンロックされていく。
・タイム ビジョン
[Y]ボタンを押すと,マップ上の敵や落ちている武器,アイテムが表示される。とくに戦闘中は,壁や障害物を透過して敵の位置を確認できるので,非常に有用だ。また,特定のポイントでタイム ビジョンを使うと,過去にその場所で起きた事柄が再現される。
新たな部屋などに入ったときは,真っ先にタイム ビジョンを使って状況を把握しておくと,その後の展開を有利に運べるだろう。
・タイム ストップ
バブルを発生させ,それに触れた敵やオブジェクトの動きを止めるタイムパワー。[RB]ボタンを短く押すと発動する。
・タイム ドッジ
[LB]ボタンを短く押すと,長距離を一瞬で移動できるタイムパワー。敵の攻撃を避けるのはもちろんのこと,逆に奇襲を仕掛けることもできる。
・タイム シールド
敵の銃弾をすべて静止させるシールドを展開するタイムパワー。[B]ボタンを押すと発動できる。敵に囲まれたような状況から脱したいときに有効だ。
今回使用できたタイムパワーは以上の4種類だ。そのほか,時間を止めて爆発を起こす「タイム ブラスト」と,周囲の時間を止めてタイム ドッジよりも長い距離を移動できる「タイム ラッシュ」が存在する。
第1章におけるジャックは,兄のウィリアムとともに,セキュリティ会社であるモナーク ソリューションズの武装隊員に追われており,彼らと戦いつつリバーポート大学からの脱出を試みる。
そこで重要になるのが,タイムパワーである。タイム ビジョンで敵の位置を把握しつつ,タイム ストップで動きを止めたり,タイム ドッジで間合いを調整したりしながら,敵を倒していくのだ。
また,敵のAIはかなり賢い印象を受けた。1人の敵にばかり意識を取られていると,いつの間にか死角の方角から別の敵が回り込んでくるということも少なくない。ミリタリー系シューターのつもりで臨むと手を焼くことになるので,積極的にタイムパワーを使ったほうがいいだろう。
さらに非戦闘時にも,タイム ストップを活用しないと先に進めないようなパズル的なギミックが確認できた。どうにも先に進めないと思ったら,いろいろなタイムパワーを試してみると状況を打開できるかもしれない。
「Quantum Break」の大きな特徴となっているのが,ゲーム中の選択によって分岐していくストーリーだ。分岐のポイントでは,「タイム分岐」と呼ばれる能力によって2つの未来を透視でき,プレイヤーはいずれか一方を選択することになる。
第1章のタイム分岐では,敵としてジャックの前に立ちふさがるポール・セリーンの立場で未来の選択を迫られる。一方は第1章で起きた事件の目撃者を全員抹殺するという「強行策」,もう一方の「PR作戦」はジャックを事件の犯人に仕立てるというものだ。
選択後は,著名な俳優を起用した実写映像が流れる。その内容についての言及は割愛するが,以降のストーリー展開やゲーム中の登場人物のセリフなどにも影響を与える。
残念ながら今回はプレイ時間が短く,その一端を垣間見たに過ぎないが,「Quantum Break」ではさまざまな登場人物達の思惑が交錯しながら,深奥なストーリーが紡がれていく。やがて自分の選択が思いがけない結末を迎えたとき,「別の選択肢だったらどうなっていたのか……」と,何度も繰り返しプレイしたくなる構造となっているのだ。
Remedy Entertainmentと言えば,2010年にリリースされた「Alan Wake」もまた,スリリングなストーリー展開と演出,そして“光と闇”のコントラストを巧みに生かした独自の戦闘システムでプレイヤーを魅了したタイトルだった。「Quantum Break」は,それらの要素に磨きをかけ,高い表現力をいかんなく発揮していると感じた。本稿を読んで興味を持った人は,ぜひプレイしてほしいところだ。
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