Supercellのスマートフォン向けカードゲーム
「クラッシュ・ロワイヤル」(
iOS /
Android)は,配信から約2か月が経過し,各国でトップセールス1位の座を獲得するなど,世界中で話題となっている。読者の中にも,睡眠時間を削るほどにハマっているという人がきっといると思う。
カードゲームと謳われてはいるものの,リアルタイムストラテジー要素の強い対戦ゲームである本作は,リアルマネーをかければ勝てる(いわゆるPay to Win)ゲームではなく,プレイヤーのアイディアや判断力により,勝敗が左右されるタイプのゲームだ。言い換えれば,無課金プレイヤーであっても,プレイの仕方次第では
“上を狙える”設計なのだ。
そんな本作において,バランス調整のアップデートが2016年5月18日に行われ,スケルトン系や大砲など,序盤のユニットにも影響があった。……ということで本稿では,序盤(アリーナ1〜3)に登場するユニットの性能をあらためて確認しつつ,オススメのデッキなどを紹介したいと思う。
先日,新カードの追加や既存カードの調整といった内容の大型アップデートが実施され,環境に変化が生まれたが,アリーナ3までのカードには大きな影響が出ていない。アップデートの詳細は「こちら」で確認してほしい。なお,序盤中の序盤である“訓練キャンプ”については「こちら」の記事で紹介している
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後出しじゃんけんで相性の良いユニットをぶつけよう
「
こちら」の記事でもお伝えしているが,本作の対戦においては
“エリクサーアドバンテージ”が勝敗を左右し,そのアドバンテージを得るには,相手のカードに対して相性の良いカードをぶつけることが重要だ。
もう少し掘り下げるならば,相手が出したカードを確認してから動くことで,より確実にアドバンテージを得られる。これがクラロワ界隈でよく言われる
“後出しじゃんけん”だ。
対空攻撃を持たないバーバリアンは飛行ユニットが苦手だ。スケルトンを定期的に召喚するネクロマンサーは非常に強力だが,バーバリアンに囲まれると手も足も出ない。お互いに5コストながら,バーバリアンが生き残ればその分だけアドバンテージを得られる
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また,お互いが後出しじゃんけんを意識しすぎて,バトルスタート時に膠着状態となり,エリクサーが満タンになってしまうことがしばしばある。ここで
「エリクサーが溢れて損する!」と思って慌ててカードを使用するのはあまり良い手ではない。なぜならば,相手もエリクサーが満タンになっているので,そこに差は生まれていないのだ。
集団ユニットに対して矢の雨を後出しするのは効果的な使い方だ
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バーバリアンを後出しして相手を殲滅することで,盤面にバーバリアンを出している分のエリクサーアドバンテージを得ている
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アリーナ1〜3で登場するカードを紹介!
それでは,さっそくアリーナ1〜3で手に入る初期カードの特性や相性を紹介しよう。ちなみに,以下の内容は筆者の主観的なもので,あくまでも1人のプレイヤーの意見として参考にしてもらえれば幸いだ。
■アリーナ1
槍ゴブリン(コスト2) 短評:槍ゴブリンを3体召喚できるカード。槍ゴブリンはゴブリンに比べてステータスが低い分,対空攻撃が行える。場面を選ばず活躍してくれる万能カードだ
得意:ジャイアント,プリンスなどの範囲攻撃を持たない単体ユニット 苦手:ベビードラゴン,ネクロマンサーなどの範囲攻撃ユニット シナジー:ジャイアントなどの壁ユニット |
ゴブリン(コスト2) 短評:ゴブリンを3体召喚するカード。範囲攻撃に弱いが2コストで使いやすく,どんなデッキでも活用できる優良カードだ。ゴブリンの機動力と低いコストを活かして相手を引っ掻き回していこう
得意:ジャイアント,プリンスなどの範囲攻撃を持たない単体ユニット 苦手:ベビードラゴン,ネクロマンサーなどの範囲攻撃ユニット シナジー:とくになし |
ゴブリンの小屋(コスト5) 短評:ゴブリンの小屋を1つ設置するカード。ゴブリンの小屋は槍ゴブリンを継続的に生み出す施設で,瞬発力はないが,ボディブローのようにじわじわと効果を発揮すユニットだ。ただし,ファイアボールなどの高威力呪文にはめっぽう弱い
得意:とくになし 苦手:ファイアーボール,ポイズンなどの高威力ダメージ呪文 シナジー:大砲などの防衛施設 |
バルキリー(コスト4) 短評:バルキリーを1体召喚するカード。バルキリーは高い耐久力を持ち,地上ユニットへの範囲攻撃が行えるので,スケルトン部隊などの地上系集団ユニットキラーといえる存在だ。空中への攻撃手段を持たないため,ガーゴイルなどが苦手
得意:ゴブリン,スケルトン,スケルトン軍団などの集団ユニット 苦手:ガーゴイルなどの飛行ユニット,ミニP.E.K.K.Aなどの高攻撃力の単体ユニット シナジー:集団ユニットに弱い単体ユニット(ジャイアントなど)のお供 |
ライトニング(コスト5) 短評:好きな場所に雷撃を落す高威力の呪文カード。ほとんどのユニットを瀕死に追い込めるが,対象が3体までなので使いどころに注意したい。なお,4体以上いる場所に雷撃を落した場合,体力の多いユニット順に攻撃対象が決定する
得意:バーバリアンの小屋,巨大クロスボウなどの施設 苦手:スケルトン軍団など,4体以上が集団となっているユニット シナジー:とくになし |
ゴブリンバレル(コスト4) 短評:3体のゴブリンが収められたタルを投擲する呪文カード。タルが地面に着弾すると少量のダメージを与えるだけでなく,3体のゴブリンがその場から動き出す。敵味方の陣地に関係なく任意の場所に飛ばせるのが特徴だ。相手タワーへの奇襲に使われることが多く,相手の対処が遅れればタワーに大きなダメージを与えられる
得意:クラウンタワー 苦手:矢の雨,ベビードラゴンなどの範囲攻撃ユニット シナジー:とくになし |
■アリーナ2
ガーゴイル(コスト3) 短評:ガーゴイルを3体召喚するカード。ガーゴイルは空を飛んでいるため,対空攻撃を持たないユニットには一方的に攻撃できる。ただし,耐久力が低いので,矢の雨やアーチャー,テスラなどに弱い
得意:バルキリー,ジャイアントなどの対空攻撃を持たないユニット 苦手:矢の雨,ベビードラゴンなどの範囲攻撃ユニット シナジー:とくになし |
スケルトン(コスト1) 短評:スケルトンを4体召喚するカード。今回のアップデートで最大HPと攻撃力が向上したスケルトンは性能こそ高くないものの,1コストで召喚できるのは驚異的。過度の期待は禁物だが,敵のターゲットを取って進行を遅らせるなど,使い方次第では地味な活躍をする。また,1コストでほぼいつでも出せるので,デッキ内のカードを循環させる要員としても有用だ
得意:ジャイアント,プリンスなどの範囲攻撃を持たない単体ユニット 苦手:ベビードラゴン,ボンバーなどの範囲攻撃ユニット シナジー:とくになし |
ボムタワー(コスト5) 短評:ボムタワーを1つ設置するカード。ボムタワーは地上に範囲攻撃を仕掛けられる防衛施設で,ゴブリンやスケルトンなどの集団地上ユニットに有効だ。しかし,対空攻撃を持っていないので空中にいる敵には一方的にやられてしまう
得意:ゴブリン,スケルトンなどの集団地上ユニット 苦手:ガーゴイル,ベビードラゴンなどの飛行ユニット,ジャイアントなどの高HPユニット シナジー:とくになし |
墓石(コスト3) 短評:墓石を設置するカード。墓石はスケルトンを生み出し続ける施設。低コストで建てられるのが魅力で,施設を攻撃対象とする敵ユニットの囮や壁として有用。破壊されると,中からスケルトンが出てくるので,そこからカウンターを狙うこともできる
得意:ジャイアント,プリンスなどの範囲攻撃を持たない単体ユニット 苦手:ファイアボールなどの高ダメージ呪文 シナジー:ゴブリンの小屋などのユニット生産系施設 |
エアバルーン(コスト5) 短評:エアバルーンを1体召喚するカード。エアバルーンは施設のみを狙う空中ユニットで,攻撃と移動が遅いものの,施設に対する攻撃力が非常に高いのが持ち味だ。ただし,耐久力が低いので対空攻撃を持った敵ユニットに狙われると,一気に倒されてしまうこともしばしば。使いどころが重要だ
得意:クラウンタワー,防衛施設 苦手:ベビードラゴン,マスケット銃士などの対空ユニット シナジー:矢の雨,ファイアボールなどの攻撃呪文 |
巨大スケルトン(コスト6) 短評:巨大スケルトンを1体召喚するカード。巨大スケルトンはコスト6と少々使いにくいが,高いHPと攻撃力が魅力的だ。また,撃破された際には爆弾をその場に落すため,一度施設に張り付ければ,爆弾の爆風で建物などに大ダメージを与えられる。ただし,着弾から爆破まで少しだけタイムラグがあるので,スケルトン部隊などの集団ユニットに狙われると分が悪い。矢の雨などのカウンターを準備しておくのがベターだ
得意:クラウンタワー 苦手:スケルトン部隊,ガーゴイルの群れなどの集団ユニット シナジー:バルキリー,ベビードラゴンなどの範囲攻撃ユニット |
■アリーナ3
バーバリアン(コスト5) 短評:バーバリアンを4体召喚するカード。バーバリアンはコストがやや高めだが,集団ユニットの中では耐久力が高いのが特徴で,矢の雨であれば耐えてそのまま進軍可能だ。プリンスなどの単体ユニットにはとくに威力を発揮するが,対空攻撃を持っていないので,ベビードラゴンには一方的にやられてしまう
得意:ジャイアント,プリンスなどの範囲攻撃を持たない単体ユニット 苦手:ベビードラゴンなどの範囲攻撃ユニット,ファイアボールなどの高ダメージ呪文 シナジー:空中に攻撃手段を持つユニット |
大砲(コスト3) 短評:大砲を設置するカード。大砲は地上ユニットを砲撃する防衛施設で,コストが3と低めながら,同コスト帯やそれ以上のコストのユニットをも倒してしまう優良カードだ。ただし,対空攻撃を持っていなかったり,マスケット銃士には射程外から攻撃されてしまったりするなどの欠点もある。なお,汎用性が高すぎるため,今回のアップデートで少しだけ最大HPが少しだけ減少した
得意:ジャイアントなどの鈍足単体ユニット 苦手:マスケット銃士,ガーゴイルの群れ シナジー:巨大クロスボウ,ゴブリンの小屋 |
バーバリアンの小屋(コスト7) 短評:バーバリアンの小屋を設置するカード。この小屋はバーバリアンを継続的に生み出す施設で,コスト7と非常に“重い”が,まったくダメージを受けずに使い切れば計10体のバーバリアンを召喚できるので,そこだけを見れば破格の効果だ。ただし,即時性がないので,設置直後にカウンターをされる危険性が高い。出す際には,相手のカウンターを見据えたうえで運用していこう
得意:とくになし 苦手:ロケット,ライトニングなどの高ダメージ呪文 シナジー:大砲などの防衛施設,ゴブリンの小屋 |
ロケット(コスト6) 短評:好きな場所にロケットを撃ち込める呪文カード。ロケットはコストが高いうえに着弾時の攻撃範囲も狭いが,それを加味してもおつりが来るほどの絶大な威力を持っている。大抵の施設はロケット一発で破壊でき,巨大クロスボウなどその施設が戦術の根幹になっているようなデッキに対するアンチカードといえる。可能であれば,撃つ際には2つ以上の施設,もしくはクラウンタワーを巻き込んで撃つようにしたい
得意:巨大クロスボウ,バーバリアンの小屋などの施設 苦手:とくになし シナジー:とくになし |
巨大クロスボウ(コスト6) 短評:巨大クロスボウを召喚するカード。巨大クロスボウはユニットのみならず,相手のクラウンタワーを直接攻撃することもできる,恐るべき攻撃施設。コスト6とやや重めなものの,守りぬければそれだけで勝てるデッキの軸になりうるカードだ。もし,クロスボウデッキを相手にする場合は,建てた瞬間を狙って破壊しにいくか,ロケットなどの攻撃呪文での破壊を狙いたい
得意:クラウンタワー 苦手:ロケット,ライトニングなどの高ダメージ攻撃呪文 シナジー:大砲などの防衛施設,レイジ |
レイジ(コスト3) 短評:場に出ているユニットや施設の移動/攻撃速度を向上させる呪文カード。足の遅いユニットに使うもよし,速いユニットに使ってさらに高速で動くもよし。盤面に多くのユニットがいる状態で用いたいカードだ
得意:なし 苦手:なし シナジー:ユニット全般,ゴブリンの小屋などの生産施設 |
アリーナ1〜2でオススメのデッキ
槍ゴブリン,アーチャー,ボンバー,矢の雨,ゴブリン,ジャイアント,マスケット銃士,ベビードラゴン
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アリーナ1〜2の時点では選べるカードが少ないので選択肢はあまりないのだが,これに近い形でデッキを組んでみるのがオススメだ。今回は,最初にもらえる可能性がある,スーパーレアの
ベビードラゴンを軸にデッキを組んでみた。
攻め手のキーカードとなるのが
ジャイアントで,これを前衛に出しつつボンバー,ベビードラゴン,アーチャーなどのユニットを後衛として組み合わせて攻めるのが基本プランとなる。ジャイアントが苦手とするのはスケルトン部隊やゴブリンなどの集団ユニットなので,これに対処するのにボンバー,ベビードラゴンあたりの範囲攻撃ユニットはとくに威力を発揮するはずだ。
ジャイアントを壁として使いつつ,ベビードラゴンなどで援護するのが基本的な戦い方になる
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防衛ユニットとしてはゴブリン,槍ゴブリンなどの低コストユニットや,余裕があればマスケット銃士あたりを用いたい。マスケット銃士などの遠距離攻撃ユニットの場合は,相手の射程外から攻撃すれば一方的に相手を撃破できるので,防衛の際にもそのように使って盤面の有利をとっていきたい。また,スケルトン部隊などの相手の集団ユニットが現れた場合は
矢の雨で一掃することもお忘れなく。
アリーナ1〜2はまだ相手もそれほど手強くないので,ここで各ユニットの動かし方やアドバンテージの取り方を肌で覚えながら試合を進めていこう。それらを把握し切った頃には,恐らくこれらのアリーナは突破できているはずだ。
アリーナ3でオススメのデッキ
バーバリアン,ガーゴイル,ジャイアント,槍ゴブリン,矢の雨,ロケット,ベビードラゴン,マスケット銃士
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アリーナ3までに手に入るユニットを加えて,やや改造してみたのがこちらのデッキだ。基本の攻め手はやはりジャイアントやバーバリアンといった
“壁役”に,ベビードラゴン,マスケット銃士などの補助ユニットを用いていく形になる。
また,アリーナ3からは前述の巨大クロスボウが登場してくるのだが,これに対してはロケットによる単発攻撃や,バーバリアン+補助ユニットなどで対処するといいだろう。バーバリアンの小屋やゴブリンの小屋などを用いた,通称
“小屋デッキ”に対してもロケットが有効だ。
防衛についてはバーバリアン,ガーゴイル,槍ゴブリンあたりが中心となる。アリーナ3から登場する巨大クロスボウがとにかく厄介なので,これに対処する術を持っていれば,このアリーナも問題なく突破することができるはずだ。
防衛にも攻撃にもバーバリアンが優秀なので,積極的に用いていこう
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攻撃は高コストで,防衛は低コストで
以上,アリーナ1〜3を攻略するためのオススメデッキを紹介してきた。とくに王道戦術として意識してほしいのは,
攻撃はきっちりと相手のタワーを落とせるだけの高コストを叩き込み,防衛はできるだけコストを抑えて行うということだ。
基本的にエリクサーのアドバンテージを得るように戦うという話はしたが,相手のタワーを落とさなければ勝ちにならないゲームなので,攻めに用いる戦力を出し惜しみするのは愚策といえる。逆に,守りはクラウンタワーの戦力と合わせて行うことができるので,ここでエリクサーアドバンテージを得やすい。基本的に攻めは
“ジャイアント+α”などの形でがっつりコストを注ぎこみ,守りはクラウンタワーとうまく組み合わせる形で,相手の攻撃ユニットより安いコストで対処していくことを意識しよう。その際には冒頭で紹介した“後出しじゃんけん”が活きてくるはずだ。
クラウンタワーを攻撃しているユニットに奇襲をかければ,ダメージを受けずに撃破可能だ
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また,クラウンタワーそのものを用いた防衛についても頭に入れておきたい。例えば,相手がクラウンタワーを攻撃しているときに他のユニットは攻撃されないため,ゴブリンなどの集団ユニットでタワーを攻撃中のユニットを一方的に叩くこともできる。タワーを叩かれている最中であれば,集団ユニットによる防衛はとくに威力を発揮するので,それらを積極的に用いていきたい。
といった具合に,このあたりの基本を頭に入れておけば,無課金でもアリーナ1〜3は充分突破できるはずだ。また,序盤から考えることが多い印象を与えてしまったかもしれないが,あまり深く考えなくとも勝ち星を得られることも多々ある。ただ,これらの基本を早めに身につけておくと,のちのちに躓きにくくなるので,ぜひとも考えてプレイすることにチャレンジしてみてほしい。