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【PR】Lenovo「Legion 770i」は,真にデスクトップPC並みの性能とスタイリッシュな筐体を両立するゲームノートPCだ
CPUやGPUの性能が向上したことで,近年は,ゲーマー向けデスクトップPCと遜色のない性能を備えるゲーマー向けノートPCが登場してきた。そうしたノートPCに向けて,2022年5月にIntelが発表した第12世代インテル® Core™ i7 プロセッサーの「Core HX」モデルは,デスクトップPC向けCPUのパッケージや消費電力の仕様をノートPC用にチューニングした強力なCPUだ。そのためCore HX搭載ノートPCは,誇張なしにデスクトップPC並みのCPU性能を持つと言っていい。場所を取らず,いざというときには持ち出せるゲーム用のPCを求めているゲーマーには,まさにうってつけだ。
本稿では,16コア24スレッド対応の「第12世代インテル® Core™ i7-12800H プロセッサー」(以下,Core i7-12800HX)を搭載するLenovoのゲーマー向けPC「Lenovo Legion 770i」(以下,Legion 770i)を紹介してみたい。
Lenovoが「最高峰のパフォーマンス」と謳う本製品の実力やいかに。
高性能パーツを満載するハイエンドのゲーマー向けノート
16インチサイズのディスプレイパネルを搭載するLegion 770iは,Lenovoが展開するゲーマー向け製品ブランド「Legion」のノートPCでも,最上位に位置づけられる製品だ。最上位モデルらしく,高性能パーツをふんだんに採用しているのが特徴といえるだろう。なので,まずは主要なスペックをまとめておくことにしたい。
なお,さらに高性能を求めるなら,注文時にHXシリーズ最上位となる「第12世代インテル® Core™ i9-12900HX プロセッサー」を選択することも可能だ。CPUコアの構成こそ,Core i7-12800HXと同じだが,最大クロックが5GHzに達するので,より高いCPU性能が期待できる。
メインメモリには,DDR4メモリの2倍のメモリ帯域幅を持つDDR5-4800メモリを採用する。容量は16GB(8GB×2)だ。ゲーム目的なら16GBあれば十分に快適だろう。大量のメインメモリ必要とするクリエイター向けアプリを使いたいなら,注文時に容量32GBの構成も選択できる。
ストレージにはPCI Express(以下,PCIe)4.0 x4接続のM.2 SSDを搭載している。容量は標準モデルが1TBで,注文時に512GBと2TBのいずれかに変えることも可能だ。
参考までに,1TB内蔵の試用機でストレージベンチマーク「CrystalDiskMark」を使いテストしてみたところ,PCIe 4.0対応SSDらしい性能を確認できた。逐次読み出しは約6500MB/s,逐次書き込みで5000MB/s弱のスコアを出しているので,PCIe 4.0対応としても性能の良いSSDを採用していると判断できる。実際,後段で触れるベンチマークテストでも,ゲームのロードは極めて高速で快適だった。
ゲーマー向けでは珍しいアスペクト比とはいえ,液晶ディスプレイ自体のスペック面はしっかりしたものだ。最大リフレッシュレート165Hzに対応するほか,NVIDIA独自のディスプレイ同期技術「G-SYNC」にも対応する。sRGB色域カバー率100%を謳うなど,色表現力も優秀だ。さらに,最大輝度は500nitで,VESAのHDR関連規格「DisplayHDR 400」に準拠している。
評価に用いたLegion 770i試用機の主な仕様を表にまとめておこう。
CPU | 第12世代インテル® Core™ |
---|---|
メインメモリ | DDR5 |
グラフィックス | GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU(グラフィックスメモリ容量 8GB) |
ストレージ | SSD 容量1TB |
液晶パネル | 16インチ液晶, |
無線LAN | Wi-Fi 6(Intel Killer Wi-Fi 6E AX1675i) |
Bluetooth | 5.1対応 |
有線LAN | 2.5GBASE-T |
外部 |
Thunderbolt 4(USB Type-C)×2, |
キーボード | 日本語配列84キー |
スピーカー | 2ch(2W×2) |
インカメラ | 搭載(1080p) |
バッテリー容量 | 99.9Whr, |
ACアダプター | 最大出力300W |
公称本体サイズ | 約358.1(W)×263.5(D) |
公称本体重量 | 約2.3kg |
OS | Windows 11 Home |
質の高い筐体に十分な拡張性を詰め込んだゲーマー向けノート
それでは,Legion 770iの外観も見ていこう。
16インチサイズという余裕のあるディスプレイを内蔵するだけに,Legion 770iはノートPCとしては大型だ。以前なら「デスクノート」と呼ばれたカテゴリといったところか。
アルミニウム合金製で,上質なつや消しシルバーの塗装を施した筐体は,質感が良く,見た目もいい。大型ノートPCにありがちな野暮ったさとは無縁のPCだ。
フットプリントは実測で約358×約264mm。厚みは場所によって異なるが,手前側が約20mmで,奥側が約24mmだった。36cm弱の幅に対して,厚さが20mm台前半なので,とても薄いノートPCと評していいだろう。デスクトップPC並みのCPUやGPUを,この厚さに収めているのは感心するほかない。
Lenovoによると,Legion 770iは,前世代モデルに比べて,37%もの薄型化をはたしているという。その鍵になっているのが,Legion 770iで採用された「ゼロバンプヒンジ」というヒンジ部だ。ヒンジを筐体と一体に成形することで,ヒンジ部分のパーツを削減し,筐体の内部スペースを確保するという手法のようだ。
重量は,実測で約2.55kgだった。ACアダプタの実測重量も約935gとかなり大型なので,本体と合わせると3kg台半ばにもなる。毎日持ち運ぶのはきつい重量だが,いざとなったら外に持ち出せるゲーム用のPCとしては使えるだろう。
キーボードは,10キー付きの日本語配列を採用している。[BackSpace]キー周辺など一部,混み合っているところがあるものの,メインキーのピッチは19mmが確保されている。おおむね日本語のフルキーボードに近い配列を再現しているので,日本語配列を使い慣れているゲーマーなら,すぐに慣れるだろう。
キーキャップが四角ではなく下辺に丸みがついているのが面白いところ。実際に使ってみると,キーキャップ中央のわずかなくぼみと下辺の丸みでタイプがしやすいように感じられた。1.5mmほどのショートストロークながら,使いやすいキーボードである。
また,Legion 770iの製品ボックスには,[W/A/S/D]キーの交換用セラミックキーキャップが付属しているのも珍しい点だ。交換するかどうかはユーザー次第だが,[W/A/S/D]の手触りが変わるので,プレイしやすくなると感じるゲーマーは多そうだ。
写真を見ても分かるとおり,Legion 770iのキーボードには,カラーLEDイルミネーションが組み込まれている。さらに,本体底面の周囲にも,カラーLEDのバーが組み込まれており,点灯時は本体が浮き上がったように見えるのが面白いところだ。
LEDイルミネーションの発光色および発光パターンは,プリインストールの設定ソフト「Lenovo Vantage」でカスタマイズできる。
カスタマイズ機能は,かなり充実したもので,キーボードおよび底面のカラーバーから,光り方を指定したいエリアを選択して適用する仕組みだ。発光パターンのプリセットは,13種類と豊富にある。また,カスタマイズした内容を,6つのプロファイルに保存しておき,任意に切り替えることも可能だ。LEDイルミネーションの機能については,ゲーマー向けデバイス専業メーカーの製品にも負けないレベルと言っていい。
インタフェース類は,両側面と背面にまとめられている。
特徴としてあげられるのは,拡張端子が豊富な点だ。Thunderbolt 4を2ポートに,USB Type-Cも2ポート,USB Type-Aも2ポート備えている。フルサイズのUSB Type-Aが2基あるのは便利で,USBハブを用意することなく,外付けのマウスとキーボードを接続してゲームに使える点は評価したい。
また背面のUSB 3.2 Gen 2 Type-Cポートは,USB Power Delivery対応で,DisplayPortの機能も備える。ディスプレイ接続については,フルサイズのHDMI 2.1出力と,ディスプレイ出力も可能なThunderbolt 4を2つ備えるので,外部映像出力には事欠かない。
2.5GBASE-Tまで対応する有線LANポートを備えるのも,ゲーマーには嬉しい点かもしれない。Wi-Fiも低遅延化が進んではいるものの,やはり有線LANのほうが安定したレイテンシが得られるのでゲームに向いているからだ。
なお,有線LANのコントローラはRealtek製だが,無線LANコントローラには定番のWi-Fi 6対応「Intel Killer Wi-Fi6E AX1675i」を搭載していた。Wi-Fi使用時には,プリインストールの「Killer Intelligence Center」アプリを使えば,アプリケーションごとに優先度などの制御が可能となっている。
上質な映像とサウンドを実現したLegion 770i
Legion 770iを実際に利用して印象に残ったのは,映像とサウンドの品質だ。
ディスプレイの仕様については,すでに述べたとおりだが,液晶パネルの発色が良いことに加えて,ドットピッチが0.135mm前後と非常に高精細なので,Legion 770iでゲームをプレイすると精細感の高いグラフィックスが楽しめる。
ベゼルの幅が実測4mm弱と細いことも,余計な縁が視界に入ってこないため,ゲームに没入しやすくしている。
アスペクト比が16:10という点は,ゲーマー向けPCではユニークだが,現在,ほとんどのゲームは,16:10のアスペクト比でも正常にプレイできるよう作られている。とりたてて16:10が有利だったり,不利になったりすることはない。大抵のPCゲームは,16:10でプレイできるし,そうでないゲームも16:9で違和感なくプレイできるので,ゲームにおいて支障はないはずだ。
映像とともに評価したいのが,サウンドの品質だ。Legion 770iでは,底面前側の左右端にスピーカーが埋め込まれているのだが,意外に低音が効いたゲーム向きの音を鳴らすのだ。
ゲームプレイでPCが高負荷になると,ファンの騒音が大きくなるものだが,本機の性能を考慮すると,比較的騒音も静かなほうと言えよう。Legion 770iでは冷却ファンのブレードに液晶ポリマー樹脂を採用してブレードを薄くすることで,風切り音を低減させているとのこと。その効果が確実にあるようだ。
ちなみに,液晶ポリマー樹脂はエンジニアリングプラスチックの一種で,高剛性と高弾性,高耐久性といった特徴を持つ。強度を保ったままブレードを薄くできるので,ファンの音が小さくなるというわけだ。
ファンの騒音が低めなため,一般的なゲーマー向けノートPCほど騒音に悩まされることなく,内蔵スピーカーでゲームサウンドを聞ける。この点にも少し驚いた。
ゲームプレイ時にはヘッドセットを使うことが多くなるかもしれないが,スピーカーでも迫力あるゲームサウンドが楽しめる点は,高く評価できるのではなかろうか。
サウンドの機能面で言えば,ゲーマー向けPCでは定番のサウンドソフトウェアスイート「Nahimic」がプリインストールされているので,音質のカスタマイズやヘッドセットによるバーチャルサラウンドサウンド出力を行える。
GPUのオーバークロックにも対応するLegion 770iの冷却システム
Lenovoは,Legion 770iに「Legion Coldfront 4.0」と称する新しい冷却システムを採用した。これは,ベイパーチャンバーを使用したクーリングシステムで,先述した静音かつ高効率の冷却ファンを組み合わせることにより,高性能なCPUおよびGPUの熱を処理できるそうだ。
Legion 770iの底面は,奥側の広範囲をメッシュの通風孔で覆われている。ここから大量の空気を内部に取り込み,背後および両側面から排気するエアフローになっているわけだ。
Legion Vantageを使えば,独自の動作モードである「サーマル・モード設定」を行えるのも,Legion 770iの特徴だ。
サーマル・モードは,画像を見ても分かるとおり3種類の動作モードがある。
「パフォーマンス・モード」は,消費電力およびファンの回転を引き上げて,CPUを高クロックで動作させることにより高い性能を引き出すモードだ。そのかわり,冷却ファンの騒音がは,相応に大きくなる。一時的にCPUパワーがほしいという場合は,有用なモードである。
デフォルト設定は「バランス・モード」で,負荷に応じて自動で消費電力と冷却性能を調節するものだ。さらに,「Legion AI Engine」にチェックを入れておくと,CPUとGPUの冷却バランスをAIベースの処理で調整するとのこと。ゲームプレイ時に適切なサーマル・モードと言えよう。
最後の「静音モード」は,そのなのとおり静音性を最優先にするモードで,性能も低くなる。ゲーム用途で使うことはなさそうだ。
Legion Vantageにはほかにも,「GPUクロックアップ」という機能がある。GPUクロックとGPUメモリクロックを引き上げることで,Legion 770iのゲーム性能を向上させるものだ。
クロックアップする周波数は,「CLKUP詳細設定」からユーザーが調整可能で,デフォルトはGPUの動作クロックを100MHz,グラフィックスメモリ(VRAMクロック)は200MHz引き上げる設定になっていた。スライダーを動かすことで,それぞれ最大150MHz,300MHzまで引き上げられる。
それぞれのサーマル・モードで,GPUの温度にどのような違いが生じるのかを調べてみた。ここでは,グラフィックスベンチマークソフト「3DMark」(Version 2.22.7359)のレイトレーシングテスト「PortRoyal」を使用する「Stress test」(ストレステスト)を実行して,その間のGPU温度を,「GPU-Z」のログ機能を使って記録した。
使用したサーマル・モードとクロックアップ設定は,「ハイパフォーマンスモード+GPUクロックアップ」(100MHz/200MHz,以下 OC+パフォーマンス冷却)「バランス・モード(Legion AI Engine有効)+GPUオーバクロック」(100MHz/200MHz),以下 OC+バランス冷却)「バランス・モード(Legion AI Engine有効)+GPUクロックアップなし」(以下,標準+バランス冷却)の3パターンだ。結果はグラフ1のとおり。
CPUの消費電力を引き上げるOC+パフォーマンス冷却が,温度も頭ひとつ高く,82℃前後で推移した。一方,バランス冷却の2パターンは,いずれも74℃前後と穏やかだ。ただ,OC+バランス冷却のほうが,GPU温度の上昇は速いことがグラフから見て取れる。
最高性能を狙うならOC+パフォーマンス冷却がベストとはいえ,消費電力と発熱がかなり大きくなり,騒音もそれなりに高くなってしまう。キーボード面がやや熱くなってしまうのも,OC+パフォーマンス冷却の弱点で,ゲームプレイにも少し気になる。
やはり実用的には,バランス冷却のどちらかがベストだろう。キーボード面の温度上昇も穏やかなので,ゲームも快適にプレイできる。
Legion 770iの性能をチェック
Legion 770iのゲーム性能を,定番ベンチマークでチェックしていこう。
まず,使用したコンフィグレーションは,「OC+バランス冷却」と「標準+バランス冷却」の2パターンだ。それぞれ以下では,前者を「OC」,後者を「標準」と表記することをお断りしておく。
実行したテストは,4Gamerベンチマークレギュレーション25から「3DMark」「Far Cry 6」「バイオハザード ヴィレッジ」「Fortnite」「Borderlands 3」「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」(以下,FFXIV暁月のフィナーレ ベンチ)「Project CARS 3」の6タイトルでテストした。
ゲームでのテストは,すべて高負荷寄りの設定を使用しており,解像度は1920×1200ドット,2560×1600ドット,3840×2160ドットの3パターンとした。2560×1600ドットと1920×1200ドットは,Legion 770iのディスプレイでテストを実行して,3840×2160ドットだけは外部ディスプレイでテストしている。下2つの解像度とアスペクト比が,いつもとは違う点に注意してほしい。
これらゲーム関連のベンチマークに加えて,一般用途やクリエイター向けのアプリを使いたいユーザーの参考として,「PCMark 10」(Version 2.1.2563)も実行している。
それでは,結果を見ていこう。グラフ2は,3DMarkにおける「Fire Strike」の総合スコアをまとめたものだ。
4K相当のFire Strike Ultraで7000弱と,良好なスコアが得られている。4K解像度でも,タイトルによっては高めのグラフィックス設定でゲームを楽しめる程度のスコアと考えていいだろう。
GPUクロックアップの効果も,しっかりと出ている。ノートPCでは冷却機構を一体化しているため,GPUだけのオーバークロックがCPUの放熱にも影響を与えることにより,ときとして効果がスコアに反映されないこともあるのだ。だが,Legion 770iは冷却システムに余裕があるためか,分かりやすい形で反映されたのが見どころといえる。
続いて,グラフ3にFire StrikeのGPU性能テスト「Graphics score」,グラフ4にはCPU性能テスト「Physics score」,グラフ5に「Combined test」の結果をまとめておこう。
Graphics scoreとCombined testは,おおむね総合スコアと同傾向と見ていいが,Physics scoreには若干のばらつきが生じている。今回はGPUのみのオーバークロックなので,Physics scoreはどのテストでもおおむね同じスコアに落ち着くはずだが,Fire Strike“無印”では,有意なスコアの差が出た。特別なことはしていないので,GPUの熱によってCPUクロックの上昇が抑えられたのかもしれない。
グラフ6は,DirectX 12のテストとなる「Time Spy」の総合スコアだ。
どちらも良好なスコアが得られており,なおかつGPUクロックアップの効果もしっかりと見て取れよう。個別スコアとして,グラフ7にTime SpyのGraphics scoreを,グラフ8にCPU scoreをまとめているので見てほしい。
Graphics scoreは,おおむね総合スコアと同傾向だ。一方,CPU scoreは,わずかながら標準設定のほうが高くなっている。もしかすると,GPUクロックアップによる熱の影響を,CPUが受けているのかもしれない。
3DMarkのスコアからすると,Legion 770iはパネル解像度までなら高いグラフィックス品質でゲームをプレイでき,4K解像度にもグラフィックス品質の設定次第で対応できる性能を持っていそうだ。それをゲームで確認していこう。
まず,Far Cry 6の結果をグラフ9〜11にまとめた。
ベンチマークレギュレーションにおけるプレイアブルの目安は60fpsだが,Legion 770iは,4K解像度以外でクリアできた。4K解像度だと平均50fpsを切るので,グラフィックス品質を中程度まで落とさないと快適にはプレイできなそうだ。
GPUクロックアップの効果は,平均で1〜3fps程度と,意外にはっきりした形で現れた。2560×1600ドットだと平均3fpsの引き上げ効果があるので,体感的にも多少快適になる程度の効果はあるかもしれない。
続くグラフ12〜14は,バイオハザードヴィレッジの結果である。
ベンチマークレギュレーションにおける目安は,プレイアブルが平均60fps以上,快適が平均80fps以上となる。Legion 770iは,4K以外で快適にプレイできる目安をクリアした。4K解像度では,プレイアブルの目安を越えはしなかったものの,目安に0.1fpsまで迫っているので,おおむねプレイアブルと判断していいだろう。
オーバークロックの効果は,とくに1920×1200ドットで顕著に見られた。また,4K解像度でもオーバークロックにより約60fpsまで迫れたので,それなりに恩恵があるという見方もできるだろう。
グラフ15〜17は,Fortniteの平均および最小フレームレートをまとめたものだ。
ベンチマークレギュレーションにおける目安は,平均70fps以上で快適となるが,パネル解像度である2560×1600ドットまでは,目安を軽くクリアできた。4K解像度は50fps台なので,グラフィックス品質を中程度まで落とすか,NVIDIAの超解像技術「DLSS」を使うなどの工夫が必要だろう。
オーバークロックの効果はわずかに現れているが,1920×1200ドットではCPUのスループットで頭打ちになったためか,ほとんど効果はない。
Borderlands 3の結果をグラフ18〜20にまとめた。
べンチマークレギュレーションにおける快適の目安は,平均60fps以上であり,ここでもパネル解像度の2560×1600ドットまでは目安をクリアした。4K解像度は平均40fpsを切ってしまったので,グラフィックス品質を中,あるいは低プリセットまで落とす必要があるかもしれない。
オーバークロックの効果はかなり大きい部類で,とくに2560×1600ドットだと,約4fpsも平均フレームレートを引き上げている。体感的な快適さも向上するレベルの効果はあると見ていいだろう。
グラフ21はFFXIV暁月のフィナーレ ベンチにおける総合スコアをまとめたものだ。
2560×1600ドット以下の解像度は「非常に快適」,4K解像度でも「快適」の目安をクリアできた。2560×1600ドットまでなら,ベンチマークレギュレーションでハイエンド環境の目安としているスコア15000も超えているので,かなり良好な結果と言っていい。
グラフ22〜24に,FFXIV暁月のフィナーレ ベンチの平均および最小フレームレートもまとめておいた。
おおむね総合スコアの傾向どおりといえるだろう。4K解像度でも,GPUクロックアップ時は平均フレームレートがおおむね60fpsに達しているので,プレイに支障をきたすフレームレートではない。ただ,少しグラフィックス品質を下げたほうが快適だろう。
ゲームテストの最後は,Project CARS 3である(グラフ25〜27)。
べンチマークレギュレーションの目安である平均60fps以上を,解像度2560×1600ドット以下はクリアできた。4K解像度は40fps台と厳しく,快適なプレイには,ある程度グラフィックス品質を落とす必要があるだろう。
オーバークロックの効果は見られるものの,高解像度での効果は薄いようだ。パネル解像度でも平均で約1fpsしか変わらないので,体感できないかもしれない。
以上,ゲームによるテスト結果を見てきたが,解像度2560×1600ドットまでなら高いグラフィックス品質でゲームを快適にプレイできるのは明らかとまとめてよさそうだ。4K解像度も,グラフィックス品質次第で対応できる性能を有する。
ゲームに続いて,一般アプリの性能を見るPCMark 10の結果も見ておこう。グラフ28は,PCMark 10の「PCMark 10 Extended」の結果から,Fire Strike相当の「Game」を除くスコアをまとめたものだ。
Windowsの快適さを見る「Essentials」や,オフィスアプリの性能を見る「Productivity」では,スコア10000を超えており,結果として総合スコアも10000を超えるというハイエンドデスクトップPCに近いスコアを叩き出した。クリエイター系アプリの性能を見る「Digital
GPUクロックアップの効果は少しばらつきがあり,総合スコアでは,むしろオーバークロック設定のほうがスコアが低くなってしまった。個別で見ると,オーバークロック設定時にProductivityの落ち込みが大きいようだ。
Productivityワークロードには,GPGPUを使用するオフィススイート「LibreOffice」が含まれているので,GPUをオーバークロックしたほうが有利になりそうなものだが,そうなっていないのが少々不思議な点といえる。もしかすると,GPUの発熱が大きくなってCPU性能を抑え込んでしまったのかもしれない。
各テストにおけるシステムの消費電力をまとめているので最後に見ておこう。ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,各アプリケーションベンチマークを実行したときに最も高い消費電力値を記録した時点をタイトルごとの実行時,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」としてまとめたのがグラフ29である。
全体を見ると,標準設定でバイオハザードヴィレッジを実行したときに記録した284.1Wが最大となった。ACアダプタの出力容量は300Wもあるので,余裕綽々といっていい。ユーザーが望むなら,CPUを含めたオーバークロックにも十分に対応できそうなくらいだ。
GPUクロックアップを行ったからといって消費電力が必ずしも高くならないのは,本製品以外のノートPCでも見られたことだ。GPUのオーバークロックによる発熱の上昇で,消費電力が大きいCPUのクロックが抑えられることがあるためで,トータルすると消費電力の上昇につながらないことがあるという仕組みである。
ハイエンドデスクトップPCに肩を並べるノートを求めるゲーマーにおすすめ
Legion 770iの仕様や性能を見てきたが,大きいがスマートな筐体に,快適な操作を可能とするディスプレイパネルやオーディオを備える点が魅力で,そのうえ,性能面ではハイエンドデスクトップPCにも匹敵するノートPCとまとめられよう。高性能なゲーマー向けノートPCを求めるすべてのゲーマーにお勧めできる製品だ。
LenovoのLegion 770i製品情報ページ
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