プレイレポート
“格闘ゲームを意識した”セガの新作アクションRPG「蒼空のリベラシオン」はいかにコンボを稼ぐかがキモ。最新Ver.のインプレッションを紹介
本作は,王都の奪還を目指す革命軍のリーダーである主人公「ロラン」を中心に,仲間達との冒険が描かれるアクションRPGだ。“格闘ゲームを意識した”とされるバトルシーンが特徴で,敵を宙に浮かせて,地面に落さないようにコンボをつなげるのが本作の醍醐味となる。コンボ数が増えると敵がどんどん重くなっていく(落ちやすくなる)ので,状況に応じてさまざまなコンボを使い分ける必要があるなど,かなりやり応えのある作りとなっている。
なお,ボスなどの強力な敵には「BREAKゲージ」が用意されており,これを削りきらないと宙に浮かすことができない。つまり,対峙している敵によって戦い方が変わってくるのだ。ボス戦の場合は,回避アクションを駆使して被ダメージを抑えるような立ち回りをしつつ,BREAKした瞬間に連続コンボを決めていくという戦い方が基本。コンボが途切れてしまうとBREAKゲージが回復してしまうので,一瞬たりとも油断できない緊張感があるバトルが楽しめるのだ。
一方,一般的な敵の場合は,BREAKゲージがないため爽快感溢れるアクションを満喫できる。なるべくの敵を巻き込むように攻撃しつつ宙に浮かし,そのまま連続コンボを維持することに注力すればいい。
ゲームモードは,ソロプレイで物語を進める「ストーリー」に加えて,ほかのプレイヤーと一緒にクエストへ挑戦する「マルチ」が用意されている。
スタミナを消費してさまざまな1人用クエストに挑戦できる「ストーリー」は,バトルを繰り返しながら物語を進め,バトルを通じて経験値を得てユニットを成長させていく,というのが基本的なプレイサイクルだ。
「マルチ」では,最大4人のプレイヤーが各1体のユニットを持ち寄って,共闘クエストに挑戦できる。スタミナの消費はホストのみだが,ゲストよりもホストのほうが報酬を多く得られるようになっている。クエストのクリア後,メンバーがそのまま部屋に戻ってくる(部屋が維持される)ので,続けてプレイしやすいのも地味に嬉しいポイントだ。クエスト攻略に成功した場合はすぐに再挑戦でき,失敗した場合でもフリーチャットなどで対策を取ることができるわけで,ほかのプレイヤーと“濃い”関係性を築きやすい作りとも言えるだろう。
バトルでの具体的な操作方法は,画面左下のバーチャルパッドをスライドすると左右への「移動」,フリックすると「ステップ」,画面右下のアイコンで「攻撃」「必殺」「特殊」「奥義」が行える。このうち「攻撃」と「必殺」は,タップの順番で異なる“コンビネーション攻撃”が発生するようになっており,格闘ゲームのコマンド技を使い分けるような感覚で敵と戦えるのだ。
文字通りちょっと特殊なのが「特殊」で,これは職業固有のアクション(回復や打ち上げなど)を発動するためのボタン。「奥義」は,ゲージが溜まると使える超必殺技のようなもので,発動時にはド派手なカットイン演出が挿入されるバトルの切り札だ。
本作のバトルは,序盤であれば攻撃と必殺を適当に組み合わせるだけで爽快感のあるプレイが楽しめるため,凝ったゲームシステムの割りにはプレイへのハードルは低いと思う。もちろん,ゲームを進めていくと攻略に行き詰まることもあるが,攻撃や必殺などのクールタイムを考慮してコンボの順番を考えたり,敵によって立ち位置を変えてみたりすることで,攻略の糸口が見つかるはずだ。
ユニットは,有料アイテム「ジェム」を消費して行える「スカウト」(ガチャ)で仲間にできる。
ユニットの育成については,戦闘で得た経験値を溜めたり,ゲーム内のさまざまなシーンで手に入る「ソウルクリスタル」を消費したりしてレベルアップさせられるほか,「リング」「タリスマン」といったアーティファクトを装備させることで能力をブーストできる。ユニット管理画面の「スキルアップグレード」で,ユニットの攻撃や必殺,特殊,奥義を覚えさせたり,強化したりといったことも可能だ。
ユニットは,「軽戦士」「重戦士」「装甲士」「遊撃士」「術士」といった職業についており,それぞれ特性や戦い方が大きく異なっている。
軽戦士は,コンボを稼ぎやすく非常に扱いやすい。重戦士は1撃で大ダメージを出せるが,一部の攻撃に突進効果が付いているので位置取りが難しい。装甲士は,シールドを展開して味方を守る守備の要。遊撃士は,弓を使って遠距離攻撃が行えるほか,扇形に展開されるエリアの好きな場所に矢を放てる「スナイプモード」が用意されている。そして術士は,回復魔法や支援魔法を得意とする職業だ。
実際に遊んでみたところ,個人的にはコンボ数が稼ぎやすい軽戦士が非常に使いやすかった。そこで試しに,パーティメンバー全員を軽戦士にしてみたのだが,この構成ではコンボ数を稼げても与ダメージが低くなり,重戦士などの1撃で大ダメージを与えられる職業を加えたほうが,最終的な与ダメージが高かった。
また,ボス戦などでは術士の回復スキルが“ヘイト”を集めやすく,ボスにターゲットされて瀕死に追いやられることが多々あった。そんなときは,装甲士のヘイトを集めるスキルなどでボスのターゲットを変える必要がある。
このほか,ボスの中にはサイズが大きかったり,空を飛んでいたりしているものがいて,近接職ではうまく攻撃を当てられない場合があるのだが,遊撃士であればスナイプモードを使ってピンポイント攻撃が可能。クラス制MMORPGのように役割分担を意識しつつ,状況に応じて職業を使い分けるのが攻略の基本といえそうだ。
横スクロールアクションゲームは,スマホ向けアプリとしても一般的なジャンルになってきたが,本作の“格闘ゲームを意識した”というゲームデザインはかなりユニークだ。ただし,一般的なスマホゲームと比べて操作量は確実に多くなるため,“忙しい”ゲームが苦手なライトゲーマーには,ちょっとハードルが高い作品かもしれない。
しかし,プレイヤースキルが問われる研究しがいのあるゲーム内容は,多くの人にとってやり応えのある内容といえるだろう。
繰り返しとなるが,蒼空のリベラシオンの配信時期は“近日”となっているので,興味を抱いている人はぜひとも期待していてほしい。
「蒼空のリベラシオン」公式サイト
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