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結のほえほえゲーム演説:第219回「『未解決事件は終わらせないといけないから』終わらせました!」
とっておきの入浴剤や,ちょっぴりぜいたくなデザートは「楽しみにとっておこう!」と一旦しまっておくタイプの私。発売前からずっと楽しみだったゲームで,楽しみにしすぎていたあまり,いつプレイしようかずっと迷っていたものがあります。それは「未解決事件は終わらせないといけないから」です。
本作は,未解決のままになっている児童失踪事件の真相を確かめるゲームです。12年前の2月5日,犀華ちゃんという児童が失踪してしまいました。警察は通報を受けて捜査を実施しますが,犀華ちゃんの消息をつかめずに未解決のまま終わってしまいます。
語り手である元警察官の清崎 蒼は,12年前の事件当時の記憶が混濁しています。徐々に会話の断片を思い出していきますが,誰がいつ発言したのかが分からないのです。プレイヤーはその会話の断片を確認しながら「どういう時系列で,誰が発言したのか」をパズルのように並び替えてつなぎ合わせながら,事件の解決を目指します。
清崎 蒼の「事件に関する最後の記憶」は,犀華の父親が頭を下げながら「これ以上,娘を探さないでください。未解決事件にしてほしい」と懇願する場面でした。娘を探さないでほしい事情とは? 犀華ちゃんの家族はどんな人なのか? 謎は深まるばかりです。
この事件は一筋縄では解決できません。なんと登場人物は全員嘘をついています。一体なぜ嘘をついているのか? その謎が解けていくと,徐々に人物像や関係性が明るみになります。自分が知らず知らずのうちに思い込みをしていたことにハッと気付いて驚いたり……。「本当は何が起こっていたか」が見えてくると,うっすらと感じていた違和感が「そういうことだったのか!」という納得に変わったりしていくのが最高に面白いです。パズルがぴたっとハマったときの爽快感といったらもう。鳥肌ブワブワの脳汁ドバドバです。
とはいえ最初は「この散らばった断片を整理できるのか……?」と途方に暮れました。物語の断片を繋ぎ合わせて,点と点が線になるといえば「Return of the Obra Dinn」(PC / PlayStation 4 / Xbox One / Nintendo Switch)を思い出しましたね。「Return of the Obra Dinn」のクリアには2年半という驚異の時間を要した私なので,やっぱり情報を整理するのが苦手なのかも。「未解決事件は終わらせないといけないから」のプレイ時間は3時間程度と聞いていましたが,私は6時間かかりました(笑)。
それでも「攻略を検索せずに自力で解きたい!」と思ったのは,前述のとおりパズルのピースがハマって真相に近付いたときの快感が半端なかったからです。2024年の好きなゲームベスト3に間違いなくランクインするくらいのお気に入り作品。皆さんもぜひプレイしてみてください。
ちなみに作者SOMIさんの作品で罪悪感三部作と呼ばれるのが「REPLICA」(PlayStation 4 / Xbox One),「リーガルダンジョン」(PlayStation 4 / Xbox One / Nintendo Switch),「未解決事件は終わらせないといけないから」。唯一の未プレイである「REPLICA」も近々プレイしてみたいと思います。それではまた次回。
■■結(女優・タレント)■■
女優・タレントとして活動中。国内映画祭にて主演女優賞を多数受賞。幼少期からのゲーム好きが高じ,数多くのゲーム番組でMCを務め,イトキチ(糸吉)の愛称で親しまれている。
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